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ふるさと新潟ゆたかな地
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真希達が新潟支部へ戻ると、すでに朔達の姿があった。
「遅かったな」
私達の姿を見て朔が声を掛ける。
「ちょっとアクシデントがあってね……」
「アクシデント? 一体どうしたんだ?」
真希と祐太郎は顔を見合わせた。そして祐太郎が口を開く。
「寧々ちゃんに武器を渡していたんですけど、途中で落としてしまって。それを探しに戻ってたので遅くなってしまったんです。本当は僕が管理しないといけなかったのに、すいません。」
その言葉を聞いて、朔は寧々をじろっと睨んだ。
「おい、寧々。どうせお前が武器渡せって駄々こねたんだろ。違うか?」
「そ、それは……でもちゃんと見つかったんだからいいだろ!」
寧々が反論する。
「そういうことじゃないんだよ! ガーディアンと執行官が使う武器は、武器の形に変形させることでマナンをおびき寄せる効果を持つんだ! 何も知らない一般人が武器を開いたらどうする! マナンの標的になってしまうかもしれないんだぞ!」
朔が恐い顔でまくし立てた。
「ご、ごめんなさっ、あの子も、ごめんなさい……」
寧々が今にも泣きだしそうになっている。
「あの子って何のことだ?」
「寧々がびっくりさせたから、女の子が持ってた武器落としちゃって、ひぐっ、武器が変形して、マナンが来ちゃった……寧々のせいで危ない思いさせちゃったの、ひぐっ、ごめんなさい……」
寧々はぽろぽろと涙をこぼした。
「反省してるみたいだし、このくらいにしておいたら?」
朔に声を掛ける。
「ああ。寧々、これに懲りたら武器は祐太郎に持っててもらうんだぞ。分かったな」
「うん。分かったぁ」
柚葉が寧々の側に来て背中をさすってあげた。朔が真希のほうを見る。
「マナンが現れたって本当なのか」
「うん。それまでは全然気が付かなかったんだけど、武器が開いた後に一体ね」
「そうか……僕らのほうにも出てきたんだ。しかも複数。二年以上出ていないって言っていたのに、おかしいと思わないか?」
「確かに……」
その時、奥の部屋から杏奈と里穂が出てきた。
「おお、みんな戻ってきておったか。水は採れたかの?」
朔と祐太郎が水の入った容器を杏奈に手渡す。
「僕ら二グループとも、マナンに遭遇したんだ」
そう言って朔はいきさつを説明した。
「なるほど……わしも念のため新潟支部のマナン検知器を調べたが、特に異常はなかった。検知までに少し時間を要するから、お主らの迅速な対処のおかげで今回は反応しなかったみたいじゃな」
それまで黙っていた里穂が口を開いた。
「……マナンが現れたなんて、信じられないです。検知器はもうずっと反応していないですし、新潟で起こった事件は一通り、マナンが取り付いていないか確認してきました。それなのに、まだ近くにマナンがいたなんて……!」
「マナンは存在していたが、検知されないし、人を襲って事件を起こしてもいない、か……この地は調べがいがありそうじゃな。」
杏奈が壁にかかっている時計を確認した。
「十六時か……いい時間じゃな。今日の任務はこれで終わりじゃ。宿を取ってあるから先に行って休んでくれ」
そう言って杏奈は朔に宿の場所を示した地図を渡した。
「わしはもう少しここで調べてから向かう」
杏奈さんを残し、私達六人は宿に向かった。
「はぁーー……」
大浴場の湯船に浸かると今日一日の疲れが溶けていくみたいだ。
大浴場には私とつるぎ、柚葉ちゃん、寧々ちゃんの四人だけで、貸し切り状態だった。
「温泉、最っ高……」
「気持ちいいですね」
隣のつるぎが微笑む。
「あー、夕飯なにかなー?」
寧々ちゃんも元気になったみたいでよかった。ふと目をやると暗い表情の柚葉が気になった。
「柚葉ちゃん、どうかした?」
声を掛けると柚葉ちゃんはこちらに目を向けた。
「真希ちゃん……ガーディアンの素質って何だと思いますか?」
素質か……そういえば今まで聞いたことなかったな。
私の様子を見かねたのかつるぎが話に入ってきた。
「私も詳しくは知りませんが、肉体面と精神面があるとか。肉体面は体質的なことで、精神面はマナンを冷静に観れるかとか、他にもいろいろあるみたいです。それがどうかしましたか?」
柚葉は目を伏せた。
「私、やっぱり素質なんてないです。高校では弓道部に入っているんですけど、同時期に弓道を始めた同級生達は段々上達していくのに、私はずっと下手くそなままで。初めは周りも『これから出来るようになるよ』って言ってくれていましたが、今では誰も声を掛けてきません。まるで腫れ物扱いです。朝も昼も夜もどれだけ練習しても、本番になると体がこわばって上手く動かない。自分をコントロールできないことがすごく嫌でした。マナンと初めて戦った日、私はプレッシャーのかかる本番で目標を射抜くことに初めて成功して、すっごく嬉しかった。……でもそれは神谷総監督が私に能力をくれたからで、私の力じゃない。今日だって二人に助けてもらうばっかりで……今はまだマナンを射抜くことができていますが、矢が中らなくなったらと思うと怖いです。みんなから失望されるのが恐い……」
柚葉はぎゅっと身を縮めた。
私もずっと剣道をやっていたからその気持ちは分かる。練習してきたことが本番で発揮できなくて悔しい。仲間に期待してもらえなくて悲しい。弓道部ではそうだったのかもしれない。でも今は私達が味方になれるって伝えたい。
「柚葉ちゃんは頑張り屋っていう特別な才能を持っているんだね。それに神谷総監督がくれたのは『的を射抜くことができる能力』じゃないよ。マナンを射抜くことが出来ているのは柚葉ちゃん自身の力なんだから。今は能力のサポートが付いているかもしれないけど、いつか必ずサポートがなくても自分をコントロールできるようになる時がくる。百発百中で当たらなくたっていい。だって、そのために私達がいるんだから。」
真希はそう言って柚葉に微笑みかけた。
「そうだぞー柚葉。なんたってこの最強と呼ばれたこの寧々様がいるんだからな。お前がどれだけ外したって、あたるまで時間稼いでやるよ」
話を聞いていたのか寧々が声を掛ける。
「あれ? ついさっきまで朔に泣かされていたのは誰でしたっけ?」
「つるぎ! お前、さっきのことは言うなぁ!」
「……ふふ」
寧々とつるぎのやり取りをみて柚葉が笑った。
「みんな、ありがとうございます。私、これからモリモリ頑張るので、よろしくお願いします!」
柚葉の顔に元気が戻った。
お風呂を上がって夕ご飯の会場に行くと、朔と祐太郎、そして杏奈もそろっていた。テーブルには地元食材を生かした会席料理が並ぶ。
「こうやってみんなで食べると、大家族になったみたいですね。……あっ! これ美味しいです!」
左隣に座るつるぎはお肉を頬張りながら楽しそうにしている。
正面に目を向けると、杏奈が日本酒を頼んでいた。
「やっぱり新潟といったら日本酒じゃな!」
「ずるい! あたしも飲みたいー!」
「寧々はまだお子様だから駄目じゃのぉ。祐太郎、お主も飲むか?」
「いただきます」
「杏奈のケチ!」
右に目を向ける。
「いいか、柚葉。お前はいちいちビビりすぎなんだよ。日ごろからもっと自信をもって堂々としていろ。大体お前は……」
「まあまあ、さっくん。話はそのくらいにして。美味しいお料理が冷めちゃいますよ。早く食べないとさっくんが大事そうにとっておいている茶碗蒸し、私がもらっちゃいますよー」
そう言って柚葉は朔の茶碗蒸しに手を伸ばす。
「ちょ、おい! お前の話なんだからちゃんと聞けー!」
朔が柚葉ちゃんに翻弄されている。いつの間にそんな仲良くなったんだ。
さて、私もしっかり食べて明日に備えないと。
真希は焼き魚の付け合わせだったピーマンの素揚げに箸を伸ばした。そのまま一口で入れる。
「真希、それ……」
「ん?」
つるぎが不安そうにこちらを見ている。噛み締めると想像とは違う味が口に広がった。
「って、辛っ!」
「それ、神楽南蛮っていう唐辛子ですよ。ここの特産なんです。辛いかと思って躊躇していたんですけど、真希が一口で食べるから……」
「早く言ってよぉ!」
つるぎは自分の神楽南蛮の素揚げをかじった。
「うん。ちょっとピリッとしますけど程よい辛さで美味しいです。もしかして真希、お子様舌ですか?」
つるぎがからかうような目で見てくる。その時、向かいの寧々ちゃんがキッとこちらを睨んだ。
「誰がお子様だぁっ!」
……よほどお子様扱いが堪えてたんだな。その後つるぎが寧々ちゃんをなだめに行った。
「遅かったな」
私達の姿を見て朔が声を掛ける。
「ちょっとアクシデントがあってね……」
「アクシデント? 一体どうしたんだ?」
真希と祐太郎は顔を見合わせた。そして祐太郎が口を開く。
「寧々ちゃんに武器を渡していたんですけど、途中で落としてしまって。それを探しに戻ってたので遅くなってしまったんです。本当は僕が管理しないといけなかったのに、すいません。」
その言葉を聞いて、朔は寧々をじろっと睨んだ。
「おい、寧々。どうせお前が武器渡せって駄々こねたんだろ。違うか?」
「そ、それは……でもちゃんと見つかったんだからいいだろ!」
寧々が反論する。
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「ご、ごめんなさっ、あの子も、ごめんなさい……」
寧々が今にも泣きだしそうになっている。
「あの子って何のことだ?」
「寧々がびっくりさせたから、女の子が持ってた武器落としちゃって、ひぐっ、武器が変形して、マナンが来ちゃった……寧々のせいで危ない思いさせちゃったの、ひぐっ、ごめんなさい……」
寧々はぽろぽろと涙をこぼした。
「反省してるみたいだし、このくらいにしておいたら?」
朔に声を掛ける。
「ああ。寧々、これに懲りたら武器は祐太郎に持っててもらうんだぞ。分かったな」
「うん。分かったぁ」
柚葉が寧々の側に来て背中をさすってあげた。朔が真希のほうを見る。
「マナンが現れたって本当なのか」
「うん。それまでは全然気が付かなかったんだけど、武器が開いた後に一体ね」
「そうか……僕らのほうにも出てきたんだ。しかも複数。二年以上出ていないって言っていたのに、おかしいと思わないか?」
「確かに……」
その時、奥の部屋から杏奈と里穂が出てきた。
「おお、みんな戻ってきておったか。水は採れたかの?」
朔と祐太郎が水の入った容器を杏奈に手渡す。
「僕ら二グループとも、マナンに遭遇したんだ」
そう言って朔はいきさつを説明した。
「なるほど……わしも念のため新潟支部のマナン検知器を調べたが、特に異常はなかった。検知までに少し時間を要するから、お主らの迅速な対処のおかげで今回は反応しなかったみたいじゃな」
それまで黙っていた里穂が口を開いた。
「……マナンが現れたなんて、信じられないです。検知器はもうずっと反応していないですし、新潟で起こった事件は一通り、マナンが取り付いていないか確認してきました。それなのに、まだ近くにマナンがいたなんて……!」
「マナンは存在していたが、検知されないし、人を襲って事件を起こしてもいない、か……この地は調べがいがありそうじゃな。」
杏奈が壁にかかっている時計を確認した。
「十六時か……いい時間じゃな。今日の任務はこれで終わりじゃ。宿を取ってあるから先に行って休んでくれ」
そう言って杏奈は朔に宿の場所を示した地図を渡した。
「わしはもう少しここで調べてから向かう」
杏奈さんを残し、私達六人は宿に向かった。
「はぁーー……」
大浴場の湯船に浸かると今日一日の疲れが溶けていくみたいだ。
大浴場には私とつるぎ、柚葉ちゃん、寧々ちゃんの四人だけで、貸し切り状態だった。
「温泉、最っ高……」
「気持ちいいですね」
隣のつるぎが微笑む。
「あー、夕飯なにかなー?」
寧々ちゃんも元気になったみたいでよかった。ふと目をやると暗い表情の柚葉が気になった。
「柚葉ちゃん、どうかした?」
声を掛けると柚葉ちゃんはこちらに目を向けた。
「真希ちゃん……ガーディアンの素質って何だと思いますか?」
素質か……そういえば今まで聞いたことなかったな。
私の様子を見かねたのかつるぎが話に入ってきた。
「私も詳しくは知りませんが、肉体面と精神面があるとか。肉体面は体質的なことで、精神面はマナンを冷静に観れるかとか、他にもいろいろあるみたいです。それがどうかしましたか?」
柚葉は目を伏せた。
「私、やっぱり素質なんてないです。高校では弓道部に入っているんですけど、同時期に弓道を始めた同級生達は段々上達していくのに、私はずっと下手くそなままで。初めは周りも『これから出来るようになるよ』って言ってくれていましたが、今では誰も声を掛けてきません。まるで腫れ物扱いです。朝も昼も夜もどれだけ練習しても、本番になると体がこわばって上手く動かない。自分をコントロールできないことがすごく嫌でした。マナンと初めて戦った日、私はプレッシャーのかかる本番で目標を射抜くことに初めて成功して、すっごく嬉しかった。……でもそれは神谷総監督が私に能力をくれたからで、私の力じゃない。今日だって二人に助けてもらうばっかりで……今はまだマナンを射抜くことができていますが、矢が中らなくなったらと思うと怖いです。みんなから失望されるのが恐い……」
柚葉はぎゅっと身を縮めた。
私もずっと剣道をやっていたからその気持ちは分かる。練習してきたことが本番で発揮できなくて悔しい。仲間に期待してもらえなくて悲しい。弓道部ではそうだったのかもしれない。でも今は私達が味方になれるって伝えたい。
「柚葉ちゃんは頑張り屋っていう特別な才能を持っているんだね。それに神谷総監督がくれたのは『的を射抜くことができる能力』じゃないよ。マナンを射抜くことが出来ているのは柚葉ちゃん自身の力なんだから。今は能力のサポートが付いているかもしれないけど、いつか必ずサポートがなくても自分をコントロールできるようになる時がくる。百発百中で当たらなくたっていい。だって、そのために私達がいるんだから。」
真希はそう言って柚葉に微笑みかけた。
「そうだぞー柚葉。なんたってこの最強と呼ばれたこの寧々様がいるんだからな。お前がどれだけ外したって、あたるまで時間稼いでやるよ」
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「つるぎ! お前、さっきのことは言うなぁ!」
「……ふふ」
寧々とつるぎのやり取りをみて柚葉が笑った。
「みんな、ありがとうございます。私、これからモリモリ頑張るので、よろしくお願いします!」
柚葉の顔に元気が戻った。
お風呂を上がって夕ご飯の会場に行くと、朔と祐太郎、そして杏奈もそろっていた。テーブルには地元食材を生かした会席料理が並ぶ。
「こうやってみんなで食べると、大家族になったみたいですね。……あっ! これ美味しいです!」
左隣に座るつるぎはお肉を頬張りながら楽しそうにしている。
正面に目を向けると、杏奈が日本酒を頼んでいた。
「やっぱり新潟といったら日本酒じゃな!」
「ずるい! あたしも飲みたいー!」
「寧々はまだお子様だから駄目じゃのぉ。祐太郎、お主も飲むか?」
「いただきます」
「杏奈のケチ!」
右に目を向ける。
「いいか、柚葉。お前はいちいちビビりすぎなんだよ。日ごろからもっと自信をもって堂々としていろ。大体お前は……」
「まあまあ、さっくん。話はそのくらいにして。美味しいお料理が冷めちゃいますよ。早く食べないとさっくんが大事そうにとっておいている茶碗蒸し、私がもらっちゃいますよー」
そう言って柚葉は朔の茶碗蒸しに手を伸ばす。
「ちょ、おい! お前の話なんだからちゃんと聞けー!」
朔が柚葉ちゃんに翻弄されている。いつの間にそんな仲良くなったんだ。
さて、私もしっかり食べて明日に備えないと。
真希は焼き魚の付け合わせだったピーマンの素揚げに箸を伸ばした。そのまま一口で入れる。
「真希、それ……」
「ん?」
つるぎが不安そうにこちらを見ている。噛み締めると想像とは違う味が口に広がった。
「って、辛っ!」
「それ、神楽南蛮っていう唐辛子ですよ。ここの特産なんです。辛いかと思って躊躇していたんですけど、真希が一口で食べるから……」
「早く言ってよぉ!」
つるぎは自分の神楽南蛮の素揚げをかじった。
「うん。ちょっとピリッとしますけど程よい辛さで美味しいです。もしかして真希、お子様舌ですか?」
つるぎがからかうような目で見てくる。その時、向かいの寧々ちゃんがキッとこちらを睨んだ。
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