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SPってなんだ
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「終わったか。じゃあ、捜索再開するぞ」
さらに奥へ入っていくと音楽ゲームのコーナーになった。
「いた」
朔が小声で知らせる。目線の先には一心不乱にダンスゲームをプレイする紅麗の姿があった。
さすが格闘技の英才教育を受けていただけあって、身のこなしが軽い。常人では足がもつれてしまうような超ハイレベルな曲を鮮やかにこなしている。……たぶん、というかもう絶対にガチゲーマーだよね、紅麗ちゃん。
「とりあえず、もう見失わないように離れたところから見張るぞ」
朔の指示に従い、ゲーム機の陰から伺う。
朔は周りを見回し、途中で動きを止めた。
「なんかあった、朔?」
朔が見つめるほうを向くと、そこはプリクラコーナーだった。
「朔、プリクラ興味あるの?」
朔はそっぽを向いた。
「べ、別に。男だけじゃ入れないから気になっただけだ!」
「へぇー、そうなんだぁ」
ニヤニヤと朔を見る。プリクラ、興味あったんだね。
「動きます」
つるぎの声で目線を紅麗に戻すと、ゲームは終わったようで歩き始めた。私達も後に続く。
紅麗はそのままゲームセンターを出た。駅へは戻らず、街の奥へ進んでいく。
「次はどこに向かっているのでしょうか」
紅麗が次に入ったのはビルだった。その入り口には占いや整体の看板がかかっている。
「個室だと厄介だな……」
朔が呟いた。
紅麗がエレベーターに乗った後、表示されている階数で何階に降りたかを確認する。
「三階だ!」
私達は急いで三階に向かった。
三階に着くと、そこには可愛らしい空間が広がっていた。ここは……なんだ?
三人で立ち尽くしていると、中から水色のワンピースに白いエプロンをつけた女性が出てきた。
「いらっしゃいませー。三名様ですか?」
「はい……」
朔が答える。
「ではご案内します。アリスの世界へようこそー!」
私達は四人掛けのテーブルに通された。
「なるほど。ここはアリスの世界をテーマにしたカフェでしょうか」
つるぎが言った。
確かにさっきの店員さんはアリスみたいな恰好していたし、見回すとチェシャ猫やハートの女王みたいな人もいる。
「紅麗はそこにいるぞ」
朔の示す方を見ると紅麗ちゃんはメニューを眺めていた。
私もメニューを開く。どうやらパンケーキが売りみたいだ。
「対象が動いたらすぐに動けるように、食べやすいのを選べよ。僕はプレーンパンケーキ」
「私も朔と同じのにします」
二人はさっさと注文を決めた。
「私は……アリス名物もくもくパンケーキで」
真希が選んだのはパンケーキの上にホイップクリームがこれでもかと乗った商品だった。
「ばっ…か、お前、こんなのすぐ食べられるわけないだろ!」
「だって、名物だよ!? それに、もくもくホイップって夢あるじゃん! 急いで食べるから、ね?」
「そこまで言うなら……」
朔は渋々了承した。
真希はフォークを置いた。
「おい? どうしたんだぁ?」
朔が悪そうな目を向けてくる。
「も、もう無理です……」
パンケーキを8割ほど食べたところで完全に手が止まった。あと少しが本当に入らない。
幸いだったのは紅麗ちゃんの食べるスピードが異様に遅く、まだ店を出そうにないことだ。
「ほら、言っただろ! これだから自分のキャパを知らないやつは……」
はぁと朔はため息をついた。
「仕方ないですね、真希は。残りは私が食べますよ」
「つるぎ、ありがとう!」
つるぎが助けてくれたおかげで残さずに済んだ。もうしばらくパンケーキとホイップクリームは食べたくない……
追加で頼んだ紅茶を飲んでいると、ようやく紅麗が帰る支度を始めた。
私達も後に続いて店を出る。
紅麗は街を歩き、スクランブル交差点に差し掛かった。土曜のお昼ということもあり、かなり人が多い。巨大スクリーンには今日のニュースが流れている。
画面の中のアナウンサーがニュースを読み上げる。
「次のニュースです。俳優の葛城良治さんが……」
まずい!
真希は紅麗に駆け寄り、耳を塞ぐように頭に腕を回してもう一方の腕で身体を抱えた。そのまま人混みを駆け抜ける。
「おい! 真希!」
朔とつるぎは慌てて真希の後を追う。
人の少ない公園に着いたところで真希は足を止めた。
「もうっ! 放しなさいよ!」
腕の中の紅麗が暴れる。真希は紅麗を降ろした。
後を追ってきた朔とつるぎも真希の元へたどり着いた。朔が真希に詰め寄る。
「真希! 蘭さんからは気づかれないようにって言われてただろ!」
「だって……!」
そりゃ、いつかは知ってしまうかもしれない。でも、あんな巨大スクリーンで、あんな人混みのなかでそれを知るのはあまりにも酷だ。そう思ったら体が動いていた。
「気づいてたわよ」
紅麗が言った。
「え?」
「気づくにきまってるでしょ、変な三人がずっと後つけていたら! 尾行下手すぎ。あんた達何なの?」
「私達は……えーと、紅麗ちゃんの味方っていうか……何だろ?」
マナンのことは言えないし、なんて説明すればいいかな……
「……まあいいわ。父親のことでも聞きに来たのかと思ったけど、そういうわけでもなさそうだし。こんなポンコツよこして天才子役の私から話を聞き出そうなんて考えるマスコミはいないでしょう」
そう言って紅麗ちゃんはくすっと笑った。紅麗ちゃんがこんなに毒舌で自信家なんて……まあ、ファンにとってはそんな一面が見れたことも美味しいんだけど。
「誰がポンコツだって!?」
ポンコツに反応して怒る朔を放っておいて、つるぎが紅麗に尋ねる。
「父親のこと聞きに来たって、紅麗はその内容をもう知っているのですか?」
「ええ。今朝、駅のコンビニにあった週刊誌で見たわ。……まあ、あの父親のことだからそんなことだろうとは思っていたけどね」
もう知ってしまっていたか……
「私は別に何とも思ってないわ。もう二年くらい顔を合わせてないし。用が済んだならあんた達帰りなさい。私ももう帰るわ」
そう言って紅麗ちゃんは私達に背を向けた。その背中が悲しそうに見えた。
真希は紅麗に抱きついた。
「紅麗ちゃん!」
「ちょっと! 何よ!」
「何ともないはずない。悲しいでも、寂しいでも、むかつくでも、何か感情があるでしょ。紅麗ちゃんは天才子役だから上手く隠せちゃうかもしれないけど、こんな時は隠さなくていいんだよ。私達なんてただのポンコツ一般人だからほんとのこと言ったって大丈夫だよ」
強張っていた紅麗ちゃんの体が私の腕の中でほどけていくのを感じた。
「……本当は、ちょっと悲しかった。薄々、そうなんじゃないかって思ってたけど、ああやっぱり本当だったんだって。裏切られたって思っちゃう自分が悔しい。……でも、変な三人があとつけてきてるのに気づいてちょっと面白かった。貴重な休日を暗い気持ちで過ごすのはもったいないから」
「……そうだね」
私達の存在で少しでも気がまぎれたのならよかった。
その時、半透明な物体が視界の端に映った。
さらに奥へ入っていくと音楽ゲームのコーナーになった。
「いた」
朔が小声で知らせる。目線の先には一心不乱にダンスゲームをプレイする紅麗の姿があった。
さすが格闘技の英才教育を受けていただけあって、身のこなしが軽い。常人では足がもつれてしまうような超ハイレベルな曲を鮮やかにこなしている。……たぶん、というかもう絶対にガチゲーマーだよね、紅麗ちゃん。
「とりあえず、もう見失わないように離れたところから見張るぞ」
朔の指示に従い、ゲーム機の陰から伺う。
朔は周りを見回し、途中で動きを止めた。
「なんかあった、朔?」
朔が見つめるほうを向くと、そこはプリクラコーナーだった。
「朔、プリクラ興味あるの?」
朔はそっぽを向いた。
「べ、別に。男だけじゃ入れないから気になっただけだ!」
「へぇー、そうなんだぁ」
ニヤニヤと朔を見る。プリクラ、興味あったんだね。
「動きます」
つるぎの声で目線を紅麗に戻すと、ゲームは終わったようで歩き始めた。私達も後に続く。
紅麗はそのままゲームセンターを出た。駅へは戻らず、街の奥へ進んでいく。
「次はどこに向かっているのでしょうか」
紅麗が次に入ったのはビルだった。その入り口には占いや整体の看板がかかっている。
「個室だと厄介だな……」
朔が呟いた。
紅麗がエレベーターに乗った後、表示されている階数で何階に降りたかを確認する。
「三階だ!」
私達は急いで三階に向かった。
三階に着くと、そこには可愛らしい空間が広がっていた。ここは……なんだ?
三人で立ち尽くしていると、中から水色のワンピースに白いエプロンをつけた女性が出てきた。
「いらっしゃいませー。三名様ですか?」
「はい……」
朔が答える。
「ではご案内します。アリスの世界へようこそー!」
私達は四人掛けのテーブルに通された。
「なるほど。ここはアリスの世界をテーマにしたカフェでしょうか」
つるぎが言った。
確かにさっきの店員さんはアリスみたいな恰好していたし、見回すとチェシャ猫やハートの女王みたいな人もいる。
「紅麗はそこにいるぞ」
朔の示す方を見ると紅麗ちゃんはメニューを眺めていた。
私もメニューを開く。どうやらパンケーキが売りみたいだ。
「対象が動いたらすぐに動けるように、食べやすいのを選べよ。僕はプレーンパンケーキ」
「私も朔と同じのにします」
二人はさっさと注文を決めた。
「私は……アリス名物もくもくパンケーキで」
真希が選んだのはパンケーキの上にホイップクリームがこれでもかと乗った商品だった。
「ばっ…か、お前、こんなのすぐ食べられるわけないだろ!」
「だって、名物だよ!? それに、もくもくホイップって夢あるじゃん! 急いで食べるから、ね?」
「そこまで言うなら……」
朔は渋々了承した。
真希はフォークを置いた。
「おい? どうしたんだぁ?」
朔が悪そうな目を向けてくる。
「も、もう無理です……」
パンケーキを8割ほど食べたところで完全に手が止まった。あと少しが本当に入らない。
幸いだったのは紅麗ちゃんの食べるスピードが異様に遅く、まだ店を出そうにないことだ。
「ほら、言っただろ! これだから自分のキャパを知らないやつは……」
はぁと朔はため息をついた。
「仕方ないですね、真希は。残りは私が食べますよ」
「つるぎ、ありがとう!」
つるぎが助けてくれたおかげで残さずに済んだ。もうしばらくパンケーキとホイップクリームは食べたくない……
追加で頼んだ紅茶を飲んでいると、ようやく紅麗が帰る支度を始めた。
私達も後に続いて店を出る。
紅麗は街を歩き、スクランブル交差点に差し掛かった。土曜のお昼ということもあり、かなり人が多い。巨大スクリーンには今日のニュースが流れている。
画面の中のアナウンサーがニュースを読み上げる。
「次のニュースです。俳優の葛城良治さんが……」
まずい!
真希は紅麗に駆け寄り、耳を塞ぐように頭に腕を回してもう一方の腕で身体を抱えた。そのまま人混みを駆け抜ける。
「おい! 真希!」
朔とつるぎは慌てて真希の後を追う。
人の少ない公園に着いたところで真希は足を止めた。
「もうっ! 放しなさいよ!」
腕の中の紅麗が暴れる。真希は紅麗を降ろした。
後を追ってきた朔とつるぎも真希の元へたどり着いた。朔が真希に詰め寄る。
「真希! 蘭さんからは気づかれないようにって言われてただろ!」
「だって……!」
そりゃ、いつかは知ってしまうかもしれない。でも、あんな巨大スクリーンで、あんな人混みのなかでそれを知るのはあまりにも酷だ。そう思ったら体が動いていた。
「気づいてたわよ」
紅麗が言った。
「え?」
「気づくにきまってるでしょ、変な三人がずっと後つけていたら! 尾行下手すぎ。あんた達何なの?」
「私達は……えーと、紅麗ちゃんの味方っていうか……何だろ?」
マナンのことは言えないし、なんて説明すればいいかな……
「……まあいいわ。父親のことでも聞きに来たのかと思ったけど、そういうわけでもなさそうだし。こんなポンコツよこして天才子役の私から話を聞き出そうなんて考えるマスコミはいないでしょう」
そう言って紅麗ちゃんはくすっと笑った。紅麗ちゃんがこんなに毒舌で自信家なんて……まあ、ファンにとってはそんな一面が見れたことも美味しいんだけど。
「誰がポンコツだって!?」
ポンコツに反応して怒る朔を放っておいて、つるぎが紅麗に尋ねる。
「父親のこと聞きに来たって、紅麗はその内容をもう知っているのですか?」
「ええ。今朝、駅のコンビニにあった週刊誌で見たわ。……まあ、あの父親のことだからそんなことだろうとは思っていたけどね」
もう知ってしまっていたか……
「私は別に何とも思ってないわ。もう二年くらい顔を合わせてないし。用が済んだならあんた達帰りなさい。私ももう帰るわ」
そう言って紅麗ちゃんは私達に背を向けた。その背中が悲しそうに見えた。
真希は紅麗に抱きついた。
「紅麗ちゃん!」
「ちょっと! 何よ!」
「何ともないはずない。悲しいでも、寂しいでも、むかつくでも、何か感情があるでしょ。紅麗ちゃんは天才子役だから上手く隠せちゃうかもしれないけど、こんな時は隠さなくていいんだよ。私達なんてただのポンコツ一般人だからほんとのこと言ったって大丈夫だよ」
強張っていた紅麗ちゃんの体が私の腕の中でほどけていくのを感じた。
「……本当は、ちょっと悲しかった。薄々、そうなんじゃないかって思ってたけど、ああやっぱり本当だったんだって。裏切られたって思っちゃう自分が悔しい。……でも、変な三人があとつけてきてるのに気づいてちょっと面白かった。貴重な休日を暗い気持ちで過ごすのはもったいないから」
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