35 / 70
学業最優先
私が言うことをよく聞いて
しおりを挟む
姫野が家に来るのはかなり久しぶりな気がする。今日こそはソークロのBlu-rayを見るんだろうし、姫野に途中まで貸していた漫画やラノベの新刊も揃っている。放課後じゃなくてわざわざ休日を選んだってことは、長居するってことなんだろう。そう思ってジュースやお菓子も多めに用意しておいた。
約束の10時になって、玄関のチャイムが鳴る。
「はーい」
ガチャっと扉を開けると、そこには……
「なんで、キラ……?」
白いワンピース姿のキラが立っていた。
フリルのついた白いワンピースとキラの黒髪のコントラストが眩しい……ってそうじゃない。
「なんでここに……? あれ、なんで家の場所が……?」
「亮太、入ってもいい?」
「え? あ、はい……」
流されるまま、キラを部屋へ案内した。
俺の部屋のソファにキラが座っている。一体どういう事なんだ? 家はもしかしたら汐姉か姫野に訊いたのかもしれない。だとしても、わざわざ俺の家までやってくるなんて状況が分からない。
さっき隙を見て姫野にチャットしてみたけど既読もつかない。それも気がかりだけど、この状況を姫野に見られるのは嫌だと思った。
「亮太、どうして床に座っているの?」
「いや、気にしないでくれ……」
二人掛けのソファの隣に座れるわけがないだろ。今の俺には硬くて冷たいフローリングがちょうどいい。
「テスト勉強をしてた時、赤点を一つも取らなかったらご褒美くれるって約束したよね」
「ああ、そうだったな」
用件はそれか。キラには悪いけど、今日は姫野との約束があるから話を聞いたら日を改めてもらおう。
「赤点一つも取らなかったから、お願い聞いてくれる?」
「分かった」
「それじゃあ、今から私が言うことをよく聞いて」
「あ、うん」
聞くだけ?
キラはソファから立ち上がると、俺の前にしゃがみ込んだ。耳にかけていた黒髪が前に垂れる。
「亮太……私は姫野晶だよ」
約束の10時になって、玄関のチャイムが鳴る。
「はーい」
ガチャっと扉を開けると、そこには……
「なんで、キラ……?」
白いワンピース姿のキラが立っていた。
フリルのついた白いワンピースとキラの黒髪のコントラストが眩しい……ってそうじゃない。
「なんでここに……? あれ、なんで家の場所が……?」
「亮太、入ってもいい?」
「え? あ、はい……」
流されるまま、キラを部屋へ案内した。
俺の部屋のソファにキラが座っている。一体どういう事なんだ? 家はもしかしたら汐姉か姫野に訊いたのかもしれない。だとしても、わざわざ俺の家までやってくるなんて状況が分からない。
さっき隙を見て姫野にチャットしてみたけど既読もつかない。それも気がかりだけど、この状況を姫野に見られるのは嫌だと思った。
「亮太、どうして床に座っているの?」
「いや、気にしないでくれ……」
二人掛けのソファの隣に座れるわけがないだろ。今の俺には硬くて冷たいフローリングがちょうどいい。
「テスト勉強をしてた時、赤点を一つも取らなかったらご褒美くれるって約束したよね」
「ああ、そうだったな」
用件はそれか。キラには悪いけど、今日は姫野との約束があるから話を聞いたら日を改めてもらおう。
「赤点一つも取らなかったから、お願い聞いてくれる?」
「分かった」
「それじゃあ、今から私が言うことをよく聞いて」
「あ、うん」
聞くだけ?
キラはソファから立ち上がると、俺の前にしゃがみ込んだ。耳にかけていた黒髪が前に垂れる。
「亮太……私は姫野晶だよ」
0
あなたにおすすめの小説
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる