【完結】未来から来た私がもたらしたもの

ぅ→。

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「まさか貴様が裏切ってるとはな……」
「……」

もはや、ここまでか。

私は某国の組織に属していて、潜入調査中だった。そこのトップが誰なのか突き止めるのが任務。No.2までは突き詰めたけどその先が思うようにいかなかった。でもあと一息だった。そんな時に同じく潜入で入ってた仲間がミスをし正体がバレる。連座式に私の正体もバレてしまった。

いくつもの銃口が私に向けられる。

このまま、ここで撃たれたら、他の仲間のこともバレる。それならば……。

私は奴らに背を向け走り出した。

ーーパンッ。
ーーパンッ。
ーーパンッ。

銃声が鳴り響く中、私は高層ビルの屋上から飛び降りる。

僅か18年しか生きられなかった。

でも生まれてからずっと特殊訓練を受けてきたから、普通の生活は出来てない。普通の家族に普通の生活。

それが私の恋焦がれてる人生。

来世こそは……。





俺は壬生浪士組の斎藤一。巡察中に空からゆっくりと女が落ちてきた。

全身黒の服を来た女は見たこともないくらい整った顔をしている。その姿に一瞬で心を奪われた。

「一くん~。その子、どうします~」
「屯所に連れていく」

何者かは分からないが、このままにしておくわけにはいかないし、俺自身もっと彼女といたい。どんな声をしてるのか、この瞳はどんな目をしてるのか気になった。

女を連れて屯所に帰る。

それにしても軽い。女とはこんなにも軽いものなのか?

屯所に帰り自室に寝かせる。報告は沖田に任せた。俺は見張りも含め彼女を見てる。

暫くすると、彼女の睫毛が動いた。

「起きろ」
「んっ……」
「ーーっ!?」

何と色っぽい声を出すんだ。

開いた瞳は困惑の色が見える。状況が分かってないのだろう。

「ここは壬生浪士組の屯所だ。名前は?」
「……壬生浪士組?それって新撰組?」

新撰組とは何だ?

「名前は?俺は斎藤一だ」
「観月麗奈といいます」

澄んだ声は耳に心地いい。だけど、気になる。観月の目は驚きの色もあるが、その奥には諦めや絶望といった負の色があった。ここが壬生浪士組の屯所だからか、それとも別の理由があるのか。

それより土方副長のところに連れていかないとな……。

「土方副長のところに行くからついてこい」

観月を連れて副長のところに行った。

「斎藤です」
「入れ」

中に入ると沖田がいる。多分、説明してたんだろう。

「ね!本当だったでしょう~。天女が降りてきたって~」

天女のようだけど、それは土方副長には通じないだろう。

「まあ、見た目はな。だが、西洋かぶれの服装では天女ではないだろう。斎藤、女、そこに座れ」

土方副長に向かい合うように観月と座った。

「女。名は?」
「観月麗奈といいます」
「何者だ?」
「……未来人?」

未来人?とは?観月自身分かってないのか疑問形だ。

「ふざけるな!」
「土方歳三、天保6年、西暦1835年生まれ多摩の石田村で土方義諄と恵津の間に生まれる。10人兄弟の10番目。土方家は御大盡と呼ばれる多摩の豪農であったが、父親は土方歳三の生まれる3か月前に結核で亡くなっており、母親も土方歳三が6歳の時に結核で亡くなっている。また長兄の為次郎は眼疾の為、次兄の喜六が家督を継ぎ、その妻なかによって養育されてきた。また……」
「待て待て!何故、それをお前が知ってる」
「私が今言ったのは全て未来に残されてる土方歳三の情報です」
「証拠は?」

観月は懐から四角い板を取り出した。そして操作してると、首を傾げる。

「何故か電波は通ってないのにネットが出来ます。これが証拠です」

そう言ってすまふぉとやらを土方副長に渡した。土方副長に操作を説明してる。

「お前が未来から来たことは信じる。ところで未来ではそのような奇妙な服が普通なのか?」
「これは普通ではないですね」

観月は某国の特殊部隊の組織の人間で、悪いことをしてる組織に潜入捜査していたと。それで身元が露見したから身投げしたと言った。

「ほう。拷問に耐える自信がなかったと」
「拷問なんてないですよ。あるのは死のみ」

殺した後にすまふぉとやらを見れば、その後ろ関係が分かると言った。観月は組織の中でも上の方だったみたいで観月の情報が漏れるのは組織には痛手になると。

「しかし、女を潜入させるとは未来も恐ろしいものだな」
「あら?女しか出来ないこともあるのですよ。例えば閨事のあとは男の人って口が軽くなるでしょう?」

観月がそう言った瞬間、土方副長の目の色が変わった。観月、何故それを……。言わなくてもいいことを言った観月を恨めしく思った。

「ほぅ。お前、壬生浪士組のために働けるか?」
「そうね。行くところもないですし、私の出来ることと言えば人殺しかそれぐらいしかないですし、いいですよ」

観月は事もなさげに承諾する。

「土方副長!このようなこと近藤局長が許可するとは思えません」

思わず止めに入った。近藤局長ならば観月を保護するはずだ。

「ああ。だから、このことはここにいる奴らだけの秘密だ」

明日から任務に入れと言われてしまった。俺は観月を部屋に戻すと、押し倒す。

「分かってるのか?観月がすることはこういうことだぞ?」

そう言って口付けした。観月は嫌がる素振りもせず受け入れる。抵抗しない観月をいいことに事を進めた。だが、挿入してすぐに観月が慌て始める。

「待って!お願い!少しだけ待って!」
「何だ?平気なのだろう?」
「だって、こんなの知らない。こんな気持ちいいの知らない!」

俺だってそれは同じだ。我を忘れそうなほどだ。

「麗奈」
「ダメ!今、名前、呼ばないで!」
「麗奈」

何度もその名を大事に呼ぶ。

事が終わって片腕で麗奈を抱き寄せ、空いてる手で麗奈の髪を撫でる。

「あなた何者?」
「壬生浪士組、斎藤一だ」
「そうでなくて、あれは何?何なのあの感覚」
「俺も知らん。俺だって我を忘れた。相性が良いのだろう」
「それだけじゃあんな風にはならないわ」

確かにな。そうは言われても俺にも分からない。

「本当に行くのか?」
「……ええ」
「俺が麗奈を娶って生活してもいいんだぞ?」

俺がそうしたい。他の男に麗奈が抱かれるなんて、そんなの相手の男を殺したくなる。

「あの副長が一度、言ったことを撤回するとは思わないわ。それに、貴方たちのために何かしたいの。未来を変えるために」

未来を変える。と、言うことは俺たちの未来は明るいものではないのか。

「麗奈?」

麗奈の目から涙が流れてた。それを拭うと麗奈は自身が泣いてることに驚いてる。

「私が泣くなんて……」

涙の理由は知らん。だが、俺の腕の中が麗奈の泣ける場所であってほしい。
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