【完結】未来から来た私がもたらしたもの

ぅ→。

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「歳。お前……、何か悩みがあるのか?お前が不能だなんて……」

近藤さんの部屋に呼び出させたと思ったら近藤さんは心痛か顔持ちでそんなことをいいやがった。

「……俺は不能じゃねぇよ」

何でこんなことを局長である近藤さんまで世話かけなきゃなんねぇだ?

「歳。わしには見栄をはらなくていい」
「不能じゃねえよ」
「本当にか?」
「ああ」

まったく。何故か否定しようとすればするほど不能ってことになる。

しかもアイツを大人しくさせておくため表向きは遊郭にも行ってないことになってる。そしてアイツを抱いてないということで不能だと。嘘をついて抱いたと言ってもいいが隊士がアイツと会ってそのことを聞かれたらアイツは嘘は言えないだろう。

「歳三ぉ、おかえなさぁい」
「ああ」

コイツに甘い言葉を吐いてから、呼び捨てにされるようになった。女が男を呼び捨てにするなんてない。コイツの時代では普通だと麗奈がいった。ならば、何故お前は斎藤を呼び捨てにしないのか言ったら、この時代は違うでしょうと言いやがった。麗奈はこの時代に馴染もうと生きようとしてる。だけどコイツは!

「いい子で待ってたか?」
「うん!」

期待した目で見てくる。その目には褒美が欲しいのだとある。

「お前がいるから俺は頑張れる。お前が俺の生きる意味だ。お前が俺の全てだ」

熱のこもった声色で囁けば、コイツはすぐに頬を染め涙目になる。そして更なる期待をしてくるが、その先は無理だった。

俺だって婚姻したんだからと、腹を括ってコイツを抱くつもりだった。だが、山南さんの最期を思い出して無理だった。コイツがしっかり介錯できないのは想定済みだ。だけど、コイツは失敗してるのに何事もないように続けた。何度も何度も!途中見てられなくなった総司や斎藤が刀を抜いたが山南さんが手で止めた。このままでと。山南さんは出血多量により息絶えた。それなのに、コイツはわかってないのか倒れてる山南さんの首を刀をノコギリのように使って首を離した。

そして、俺たちに満面の笑みを浮かべやがった。その顔にはやりました!成功しました!褒めてください!と書いてあった。

思わず、刀に手が伸びた。

そうコイツを前にすれば俺は不能だ。

あの噂は半分は当たってる。

「可愛い俺の凛。お前はもう休め。お前が元気でないと俺も元気でないからな?」

そう言ってコイツを寝かせた。まだまだ書類があるが風にあたるため縁側に出る。冷たい風が頬にあたった。

空を見上げてると、女が降ってくる。

まさかーー。

俺は庭に裸足のまま降りて女を受け取った。見た目は平凡だ。麗奈のように天女のごとく美しいわけでもなく、凛のように可愛いわけでもない。

「ん……」
「起きろ」
「え、ええー!誰!?」
「静かにしろ。説明してやる」

女にここが過去であり京であること、俺が新撰組の土方歳三であることを説明した。女は桜と名乗る。24歳で会社員をしていたと。24なのに独身だということは驚いたが、行き遅れと言えば未来では普通なのだと言われた。

「お前、俺の妾な」
「はあ?」

屯所に新しくおくことは全員が反対するだろうし、だからといって未来からきた桜を放置しておくことは出来ない。そのことを伝えた。桜は考えたあと、仕方ないかと呟く。

「ただし!大事にしてよ?」
「ああ。してやるよ」

そう言って桜の腕をとり引き寄せた。女にして背は高い。だけど、抱き心地は良かった。そのまま流れに身を任せて行為に及ぶ。桜は奥さんがいるのに?とか、会ったばっかりなのに?と言ってるが口を塞いで騙された。桜はアイツが起きないようにか口を押さえて声が漏れないようにしている。その姿がいじらしくて、より激しく責めたてた。

「俺は不能じゃねえ」

行為が終わったあとそのことをポツリと呟けば、桜は首を傾げる。

「土方歳三が不能なんてことはないでしょう?」

俺はこれまでのことを桜に話した。

「凛ちゃんも可哀想ね」
「アイツが?」
「だって、誰も正しいことを教えてくれないのよ?真実を知ったら1番苦しむのは凛ちゃんよ」

凛の場合は親や周りが甘やかしてきた結果の性格なのだと。それを正すことは困難だけど、凛のことを考えるならば正してやらないといけないと桜は言った。そしてそれは責任を取ると言った俺にあると。

「怒鳴れば泣くのにか?すぐ逃げるのにか?」
「そこは忍耐強く」

鬼の副長でしょう?小娘一人手懐けてみせてよ。と、桜は言った。

それならば、縛り付けてでもアイツをまっとうにしてやろうじゃねえか。

また桜は麗奈にも注意してみてやってと言った。麗奈も普通の環境で育ってないから、心は不安定であろうと。斎藤に万が一でもあれば麗奈は後追いまですると。

「しかし、あいつは強いし強かだぞ?」
「そういう風に育てられたの。麗奈ちゃんは泣くことも許されず強くさせられたんだと思うよ。でも、本当に強くなるのには泣いたら泣いた分だけど思うの。それを乗り越えて真の強さと言うのが得られると私は思うの」

斎藤さんがいる限りは大丈夫だと思うけどと桜は続けた。

「お前は見た目は平凡だけど、いい女だな」
「ちょ、見た目は平凡は余計よ!まあ見た目は平凡なのは自覚してるし、こんな私がイケメンの土方歳三の妾なんて相応しくないってのも分かってる」
「見た目なんて化粧でいくらでも変えられるだろう」

俺はそう言ってアイツの化粧箱を持ってきて桜に化粧を施す。すると、桜は俺が思ってたより魅力的に変身した。

「へえ?これが、私?歳三さん、すごいね。化粧まで出来るなんて。流石、女遊びに慣れてるだけある」

これは褒められてるのか?貶されてるのか?どっちだ。

翌朝、桜には隠れてもらって凛と朝餉を取ってから、屯所に向かう。桜には凛の着物を着せようしたが長さが合わなかった。仕方なく昔の俺の袴を来てもらった。桜には申し訳ないと謝ったが、桜は袴の方が着慣れてると。剣道をやってたからこっちのがいいと言った。

「今度、手合わせしてみるか?」
「是非!」

桜は剣道が好きだという。家が道場で物心つくころから竹刀を持ってたため学生のころは恋愛よりも剣道で、社会人というものになっても休みの日は竹刀を振るってるのだと。

近藤さんの部屋に行き、幹部と麗奈を呼んでもらった。

「未来から来た桜だ。俺の妾になった」
「土方副長?私たちの時代の女は妾というものに忌避があると私、おっしゃいましたよね?桜さんには土方副長の妾以外にもなる道はありましたよね?ここには沢山の素敵な幹部がおりますもの」

そう言われるのは分かってた。でも、俺のところに落ちてきたのだ。天が俺に与えたものだと思ってもいいだろう。

「麗奈ちゃん。私も妾という立場がいいことだと思ってないの。でもね?歳三さん良い人だし。それに何だか私がいないと歳三さんはだめなんじゃないかな?って思ったの。私で何が出来るかは分からないけど。でもね、そんな私でも歳三さんのために何か出来ることあればいいなって思ったの。妾になることは私も納得したことなの。だから応援してくれると嬉しいな」

今すぐ桜を押し倒していいだろうか?

「桜さんがそういうならば私には何も言うことはないわ。桜さん幸せになってね」
「ありがとう、麗奈ちゃん」

麗奈を納得させれば、この事に口出す者はいない。

「桜さん、いいのですか~?鬼の副長で~。鬼の副長、不能ですよ~」
「総司ぃ?」
「あ、あの!歳三さん、不能ではありません!とても立派で激しくもあり、優しくもありました!」

桜が顔を真っ赤にしながら告げた。

「そんなことより麗奈」
「はい?」

俺は麗奈に桜のスマフォ2台を投げ渡す。麗奈は俺の求めることが分かったんだろうがあの現象を自身で起こすことが出来ないのか困っていた。だけど、暫く麗奈がスマフォを持っていたらスマフォが光った。

「はい。桜さん。これで使えるようになったわ。ネットもね」
「よく分からなけど、麗奈ちゃんありがとう」

桜は1台俺に渡してきた。俺の持ってる凛のやつは凛に返せと。

「凛に渡すぐらいなら他のやつに渡してえ。これは使える」
「凛ちゃんに渡すと土方副長が仕事にならなくなると思うので、私もそれには反対です」

珍しく麗奈が俺の味方になった。

「でも凛ちゃんのよ?」
「LINE通話も出来るのです。凛ちゃんの性格を考えて、土方副長の仕事のことなど考えずLINEや通話してきます。それにより土方副長が危険に晒される可能性が大いにあります」

麗奈の言うことに桜は納得したのか引き下がる。

「録音機能もありますし、監察方の山崎烝あたりにでも持たせておけば役に立つでしょう」

麗奈の助言を受けて山崎に渡すことになった。

新しく家を借りるまでの間、桜を屯所に置くことになる。その間に桜はこの時代の作法やら家事を麗奈から学んだ。

また剣の腕もそれなりにあるようで、あの総司の稽古にも付いていけるというのだ。俺も手合わせしてみたが大したものだった。桜が男だったら隊士にしたいと思った。
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