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序章 新天地
重い転生
しおりを挟むここから俺の物語が始まる。
俺の実力は俺が1番よく分かってる。
この先俺が最強チートスキル無双をする事はないだろう。でも俺には沢山の人生経験と膨大な魔力量に魔術知識、そして父と言う圧倒的存在。
これ以上揃った人生もし、転生したとしても絶対に来ないだろう。
チャンスだ。
必ず掴まなくては。
「魔術は前の世界ほど複雑じゃ無いし、詠唱なんて概念すら無い世界みたいだ。割と見た目良い魔術師に見えてきたんじゃ?」
俺はカッコよく(厨二)ポーズを取ると自分の最初の人生の顔を思い出して、恥ずかしくなった。
良い年齢の男がこんなポーズしていると思うと、やってられない。
慢心だ。
俺に派手さはいらない。
確実に、そして俺に合った戦い方を探す。時間ならまだ沢山ある。
父親は魔術師では無く前衛にいる剣士、アタッカーって訳だ。
そしてかなりの実力者で合ったらしい。
その話はあまりしてくれない。
なにか、理由があるのかもしれない。
「ウィル、今日もやってるのか偉いぞ」
「お父さん、魔術師教えて下さい」
「ごめんなウィル…
もうこれ以上お父さんに教えられる魔術は無いよ
だから来週、ちょっと外に行かないか?
ずっと家で練習ばっかじゃつまらないだろう」
「でも俺、弱いし」
「お父さんがいる!安心だろ?
これでも元々は優秀なハンターだったんだよ
今ではずっと家にいる怠け者だけどね」
父は自分の事を凄いとしか言わず、それ以上は何も言わなかった。
聞こうとした事もあったが、父は「いつか話すよ」でずっと避け続けている。
言いたく無いのでは無く、言わない方が良いのかもしれない。
(となるとチームメイトは母か…)
ある程度は察してしまった。
それにしても流石に年齢差はある。
父は36歳でまだ鍛えてはいるし、最近は俺との練習でより一層張り切って運動している。
母は、確か25とかだったような、法律ギリギリだ。
父は押しに弱い性格と言う事もありアタックされて結婚をしたと言うのも聞いた。
その通りだ。
でもそんな押しに弱く、気も弱い父が俺は大好きだった。
来週(外に出る日)はあいにく雨だった。
仕方なく今日も家で練習。
母は魔術師で前にうちにもかなりの数、魔導書もあったのだが先日、母の雇人のような人が母の物を取りに来ていたせいで家には本が消えてしまった。
「うーん、魔法は合成しても別に攻撃力は1だからな
どうしたものか、ハッタリで逃げる…うわっ」
そう言って俺は地面に爆撃魔法を撃ち爆風を陰に姿を消す。
何とも意味のない事をしようとして怪我をしてしまった。
これを父が拙いような回復魔法で治す。
これは不採用。
自分に危険があるのは実際の戦いでは使えない。
父がいるおかげで何とかなるけど1人の時は、、
これで俺はより実感してしまった。
攻撃力1よりも防御力が1の方がまずいと言う事に。
「今日こそ外に出るぞ!」
「分かりました」
最初の予定からは1ヶ月も経ってしまったが、遂にモンスターと戦う事が出来る。
俺はワクワクよりは死んでしまうのでは無いかと言う不安に悩まされて乗り気にならない。
自分が選んだ選択なのに何してんだ、、しかも今回は母もいた時、戦ったモンスターとそう大差ないモンスターと言ってたから今の実力を試すのにはもってこいだ。
前から俺はどのくらい動けるようになったのか、流石に雑魚モンスターくらいは軽く倒したい。死ぬ心配は無いから。
「このモンスターを1人で倒すんだ」
「1人…お父さんは?」
「お父さんはここで見てるから1人でやるんだぞ」
えー、、死ぬ可能性が出てきた。
いくら何でも最初の所謂な雑魚モンスターだけど、攻撃がどのくらい通用するかもわからないし、相手の攻撃を俺がどれくらい受けれるかによっても変わってくる。
それでも俺は転生者、こんなあっさり死ぬ事はないと少し余裕ぶっている。
まあ、もちろんピンチになるのだが、
「ウィル大丈夫?もう限界かー?」
こんな調子で父は俺を煽ってくる。
そう言われてしまうと俺も変なプライドが邪魔して、「限界」とか「助けて」とかが言えない。
「大…丈夫!」
それにしても全く攻撃を喰らっているようには見えない。
俺の攻撃力の原理は物体に触れると1になると言うのは分かっている。
(それなら触れずに倒せば)
嬉しい事にモンスターは何故か攻撃する意志が無いみたいで、一方的に攻撃が出来る。
と言うわけで俺は恐る恐る近づいて、火をモンスターに当てない程度に近づいて攻撃を与えようとする。
これなら干渉することなく燃やせるか。
すると、モンスターが遂に俺に向かって攻撃(はねる)をして来た。
俺にとってはまずい、何とかして避けなければ、しかし、しゃがんでいたせいで、すぐに動くことが出来ない。
もしかしたら、耐えられるかもしれないが、もしかしたら死ぬかもしれない。
(助けて……お父さん)
「今日はよく頑張ったぞ、上出来!」
そう言って、父は剣を抜き、素早い構えからの閃光のような一閃。
モンスターは一撃だった。
と言うかある程度強ければ、これくらい一撃なのだろうが。
手慣れた手つきで剣を一振り、そして剣を収める。
「あと少しだったな、次はもっと工夫して何体でも倒せるようになれたら良いな」
「ごめんなさい、結局助けてもらって」
「大丈夫だ、自分の子どもに何かあったら絶対に助けるのはお父さんとして当たり前の事だからな!
ウィルもそうだぞ、もしウィルに子どもが出来たら弱くても守る姿を見せてやるんだ。
子どもが安心するから」
最後まで全部言ってしまうのは正直なところで良い所でもある。
俺もいつか大人になる時が来るとしたらこうなれたら良いなと思った、
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