【第1章完】攻撃力・防御力1の俺でも、もしかしたら魔王を倒せるかもしれない。〜理不尽な世界で俺は生きていく〜

霜月優

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間章 I

本当の友達

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「この俺が力を求めるお前に力を授けよう!」

 俺はこいつの急なキャラ変に流石の俺も着いていけなくなっていた。
 恐怖すらも覚えた。
 しかし次に発した言葉は特に何も取り繕う事なく話す。
 俺はそっちのルイスの方が好きだ。

「弱いお前が強くなるとはならんが、戦える様になる考えが幾つかある」
「そりゃ有難いけど、力はどうにもならんぞ、魔剣も物理攻撃も試した。魔剣は感触はいいが、一度きりの物じゃ無いと攻撃は1のままだったし、物理は言わずもがな…」
「まじで?魔剣使えんのか、なら最終奥義ファイナルウェポンはそれだな」
「何だその呼び方は、まあいざとなったら使える様にはしたいんだが使い切りの魔剣でも高価で買う金が…」
最終奥義ファイナルウェポンだ!二つもいらんだろ
 やっぱ男には杖より剣が似合うから持っておくに越した事はない。カッコいいからな。」

 俺もそう思う。
 と言うより俺は魔力に関して言えば最上級のレベルだし、杖なんか使う必要が元々無いから持ってないだけ、なんなら杖を使っても魔法を放つのが速くなるけど攻撃力変わらんし、手からとか体全体から魔力が放出された方がカッコいいとかで、俺は強さ全捨てのカッコよさ重視だったから持たなかったまである。

「それは良いとして、教えてくれよ」
「もう一度ド派手に攻撃してくれ、出来れば炎魔法で、今度は潰さんから」
「了解っ!」

 俺は言われた通り、さっきと同じよう、、いや、さっきより本気を出して魔法を繰り出す。

 どうせ変わる事は無いけど、いつもより良い感じに魔法が生成されてる。
 まるで芸術作品の様に。
 これなら、もしかしたらと一縷の望みに賭け、全身全霊、感謝を込めて、ルイスに放つ。

 激しく燃え盛る炎の渦、その中央にルイスの影が見える。
 微動だにしない。
 やはりこれもダメだったか、

「ふん!」

 ルイスはなんか変な声を出して、俺の攻撃を掻き消す。
 
「やっぱダメだったか」
「うんダメだな、これじゃモンスターは倒せないし、誰も守れない」

 俺はその「誰も守れない」と言う言葉を聞いて、ことの重大さにより一層気づいた。
 このままでは俺が助けると言うより、守られてばっかでいること自体邪魔なんだと言う事に、
 
「俺、邪魔かな…お前と一緒に旅するってなったら」
「はっきり言って良いのか?」

 ルイスは俺に焦りながらも質問をする。
 と言うかその質問をするって事はそう言う事だよな。
 流石の俺でも分かるよ。
 しかし、俺はちゃんと受け止める事にして、頷く。

「まあ、邪魔だな。」
「やっぱり向いてないのか」
「いや……そう決まった訳じゃないだろ、お前には魔法の才能あるしこれから練習して原因突き止めていけば……」
「違うんだ、慰めが欲しかったんじゃ…ない
 それじゃあ駄目なんだ…お父さんが死んじゃう!
 まだ生きてたとしても、確実に致命傷だった…そんな10年もしてたら会えなくなっちゃうよ、俺には時間が無いんだ!」
「わ、分かった…悪いな、考えとくから取り敢えず今日は寝ろお前張り詰めすぎだ
 まだ受け入れられないかもしれないが、お前だってだろ?冷静になって考えてみろ!
 今日はもうお前とは話さない」
「分かったよ!」

 絶対に悪いのは俺だ。
 でも謝りたくなかった。
(才能?ある訳ないだろ!この魔法がいつ役に立つってんだよ!ふざけるな!でもあいつは俺の事考えてんだよな、どうしたら良いかって、俺はもう自分の才能に諦めて、好きなことばっかやって挫折して、自分が怒る理由の為に罵られて何がしたかったんだよ)

 ベットに寝そべって、小さく美しい炎を手から出して見つめる。
 けどそこにはないもない様に見えた。
 そう俺は後悔した。


 翌日、ルイスは俺に魔剣を買ってきてくれた。
 俺はとても驚いた。昨日は俺の逆ギレでこんな事になったのに、こんな事までしてくれるなんて、俺は姿は子供で中身は大人だけど、心はガキなんだなって、そして、ルイスはもう大人になりかけているという差、自分から離れていってしまう事に悲しさがあった。

「何でこんな事までしてくれるんだ?
 昨日…」
「まあ、気にすんなよ…
 俺は八神のお前もルイスのお前も一緒にいて最高に楽しいし大好きだからよ、
 嫌いなら受け取ってどっか行ってくれていい、だからこの剣は大事に貰ってくれ」
「ごめん俺が悪いのに、全部俺が悪いのに、」
「はぁ……もういいよそれ、俺、距離置かれてんのか?
 嫌いなのか?片想いだったのか?
 俺、お前のそんな所、初めて」

 そう言われて俺はドキッとなった。
 そんな訳ないのに、俺はルイスも高畑も好きなのに、すぐに言葉が出ない。
 前ならふざけてでも「愛してる」とか言えた仲だったはずなのに、対等じゃなくなったからなのか、上手く話せなくなってしまっている。

「俺はさ日本の時、最初にお前と同じクラスになった時は学校では運動して好きな事を隠して中心に混ざってた、そうする事で俺は満たされていたけど、本心で自分を好きになれなかった。俺は俺を見失ってた。
 お前みたいな他を気にせず教室で小説ラノベを読む様な奴変だって思ってた、恥ずかしいじゃんって、でもそれと同じくらいには、自分を持ってるお前に少し憧れてたし好きだった。」
「何が言いたいの?」
「俺はまたお前と!心置きなく話せる親友になりたい!
 悩みも全部!俺と一緒に!!」

 こいつはどこまでいってもおかしな奴だ。
 俺は自分を持ってたんじゃなかった。
 でも、そんな奴が俺を見つけてくれた。
 異世界にまでも
 

 俺は

 「自分を見つけて欲しかったのだと…」
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