【第1章完】攻撃力・防御力1の俺でも、もしかしたら魔王を倒せるかもしれない。〜理不尽な世界で俺は生きていく〜

霜月優

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間章 I

急用

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 ここ数日、ルイスがいない。
 理由も教えずいなくなった。そのおかげか、部屋は広く感じたし、女性も大人しくなっていた。

 ここにいる人は本当に全員がルイスの事が好きなのかと思ってしまった。
 でも料理はちゃんと準備してくれてるし、問題無く食べれる。かく言う俺も、ルイスがいないからって、暴れたりしないから、と言うか普通に最初出会った時に取り押さえられたところから見るにまあ普通に俺より速いし強い。
 簡単に勝てる相手じゃないから俺は何もしない、てか出来ない。

「ウィルさん、今日お時間ありますか?」

 俺が食べ終わったテーブルに突っ伏していたら1人の女性に声をかけられた。
 俺はゆっくりと声のした方に首を向けて見る、と、

(やべ、取り押さえた中の1人じゃん……)

 まずい、俺は今日も魔力の調整と、消す魔法の練習をする必要があるのに、断ったらどうなるか分からない。

「ぜ、全然あります……」

 本当は1人の時間が欲しかったが、死にたくないので大人しく受けることにする。
 命があれば、練習なんていつでもできるから、、、


「では、他の人もお呼びしますので、もう少しお待ちくださいませ」
「え、何人も来るの?」
「ええ……
 それが何か問題でもありますでしょうか?」
「い、いや問題は…無いけど……」

 問題ありありですよ、と内心思っているが、別に俺がやらかさなければ怒られることもない。
 この人達は俺に気があるわけでない、皆、ルイス目当てでここにいる様なもんだろう。何があっても俺がやらかす事はない!

「あの時ぶりだねぇ、小僧」
「ウィルさん久しぶりですわ」

 げ、あの時の2人、それにまだ3人も計6人もいる。
 一体何をするつもりだ?
 俺は戦々恐々としていたが、他の人達はかなりやる目をしている。
 ルイスがいなくなったから前の復讐をしにでも来たのか。

「わ、悪い用事思い出した
 ちょっと部屋に戻りま……」

 俺は急いで自室に戻ろうとするが6人の中の1人が一気に俺の近くまで来て、まるで人質かの様に捉えてきた。

「おいおい、さっきまでは用なんてないって話だったんじゃあないか?」
「いや、あれは用事を忘れてて、本当に……」

 頼むバレないでくれ…と俺は必死になって、嘘をつく。

「嘘は良くないよねえ、本当に用があんなら、言ってみな」

 まずい、そこまでは考えていなかった。
 俺は全ての知識と今の俺の手札を最大限に利用して、絞り出した答えは、ルイスと外で飯を食うと言う何ともしょうもないありきたりですぐにバレそうな嘘。

 当然バレた。

「まだ嘘を吐く……フェル様は今10傑と……」
「アルマーその話はよして」
「カイン…ごめん」

 1番最初に俺を呼び止めた女性が俺に突っかかって来た。アルマーという女性を注意した。
 その言葉にしっかり反応して、手を離し、戻っていった。

「ウィルさん私達が嫌なんですか?」

 俺を取り押さえた最後の1人が話しかけてくる。

「……別に」
「なら…どうして嘘を吐くのです?」

 ここは正直にいうことにした。
 笑われてもいい、でもそれを言うことで、引いてくれるかもしれないから。

「殺されると思った。
 皆んな俺より強いし、最初の事もあって…ルイスがいなくなったからその隙に確実に俺を殺すって」
「フェル様のご友人を殺すなんて、そんな事ある訳ないじゃないですか」
「当たり前ですよ、取り敢えず外に来て下さい」

 やっぱり少し笑われた。そのおかげで俺も何とかやっていけそうな気がした。
 俺はその言葉と言動を信じて仕方なく外に出る。
 当然、6人だ。
 今なら何されても死ねる気がする。

「フェル様の命令なのです。私達と戦いましょう」

 やっぱり戦いじゃ無いか。
 それだけは嫌だと言ったのに、と言うかここでは戦い以外に表現が出来ないのかよ。
 普通に許してくれよ。前にこっそり謝ったじゃ無いか。

「「ぶっ殺してやる!」」
「駄目ですよ!アルマ、ピムスこれは命令なのですから」

 アルマーと同類の奴がもう1人いるとは、
 そいつらは俺に牙を向ける。
 ピムスはそこまで強そうに見えない、正直正面衝突なら勝てそうだ。
 他2人も弱くはなさそうだけど、カイン、メリム、アルマーに比べれば数段レベルは低い。


「俺、死にたく無いんだけど……」
「大丈夫です、私達はウィルさんに、致命傷となる攻撃はしません
 6人全員に攻撃を当てるまで続けます」
「お前なんかの攻撃食らうかっての」
「そこまで強く見えないけど大丈夫?過労で死なない?」

 そこまで余裕なら、俺だって少しは卑怯な手を使わせて貰う。
 
 俺はあの後もずっと練習した。
 見えない攻撃、毒を使って確実に相手のバランスを内部から崩す、いくら攻撃が弱くても、当てさえすれば俺の勝ちだ、長引かせるつもりだろうが、サクッと終わらせる。

「俺が当てるのは別に1人ずつでも構わないですよね?」
「ええ、勿論
 全員に攻撃を一度でも当てればウィルさんの勝利で終わります」

 ちゃんと時間は稼がせて貰う。
 今までの中で最高傑作、自分の感覚を研ぎ澄ませ。
 ここで決める!

(よし、量は十分!
 後は一気に拡散して一掃だ)

「皆さんジャンプです、避けて下さい」
「何?」

 5人が同時にジャンプをする。
 俺の最終奥義が簡単に、誰にも当たる事なく躱されてしまった。

「良くやった!助かったぞハイン」
「私、魔力の感知には優れていまして…すいません
 泳がせてしまいました」

 くそ、これもルイスの命令かよ…魔力感知に秀でてる人を出しやがって…しかも残りの1人は自分は分かっていたかの様に俺の攻撃を防ぎやがった。

「ルイスめ、やってやるよ!」
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