9 / 56
会心の一撃
しおりを挟む「動くな」
「うっ何なんだこれは」
俺の魔力結界を奴は破壊しようとするが、そんな程度の魔力じゃあ俺レベルの魔力を打ち崩す事などできない。
完全にこの場は俺が支配していた。
「何をしても死なないんだよなあ。じゃあ俺の全力を食らいやがれ!」
俺はもう完全に殺る目をしていた。
「篠突氷」
俺は手を上に挙げる。
すると、氷の塊が上空に上がっていく。
俺は上にあげてた手を下に下げ合図を出すと打ち上げた氷の塊がバラバラに崩れ始める。
その氷は溶ける事なく大粒の雹が、この空間に雨のように降る。
その範囲は凄まじく、すぐに逃げれる場所は無かった奴は全ての魔力を防御に当てて上からの攻撃を防ぐ。
「ウオォォォッ」
上からの攻撃を防ぐのに精一杯な奴は完全に俺のことを視界から外していた。その隙を俺が見逃すわけがなかった。
「召喚魔法 【氷の双剣】」
「グオォォォッ」
俺は短剣を2つ出して、上の攻撃を意識してる瞬間に一気に距離を詰める。
そして片方の剣を奴の首にもう片方の剣は胸元に突き付ける。
「は、早く降参しろ。しないとお前激痛が来るぞ。いいのか?」
「ぐっ」
奴は完全に打つ手が無かった。
俺は落ち着いていた。できるだけ相手を傷つけることはしたく無かった。
「はっやれるならはやくやれよ」
奴もまた冷静だった。
俺の両手がブルブル震えているのが分かっているからだった。
何もしないので、ついに俺が最後の手段を取る。
持っていた片方の剣を落とし、その手から強力な魔力を凝縮させ、小さな塊を作る。
それは小さいコアだったが、周りを大気を動かすくらいのエネルギーがある。
「見ろよこれが俺の全力だよ。これを喰らったらお前死んじまうかもなあぁ」
死ぬことはないのにも関わらず、俺は奴を脅す。しかしその手も震えている。
奴も死なない事くらいは理解しているはずだ。だか、周りの大気が歪んでいる。こんなことは奴にとっても初めての経験なのだろう。
「わ、分かった降参だ、降参」
流石に食らったことない攻撃を受けるのは怖かったのか、ついに諦めた。俺の勝利だ。
「試合が終了しました。転送します。その場から動かないで下さい。」
「ウィーン」
───「転送完了しました。」
「かっ勝った。俺は勝てたんだ。自分の力で、」
初めて兄さんの力を使わずに自分で何かを成し遂げることが出来た。
─────一方その頃対戦をモニターで見ていた人達。
「なんかあいつ弱くね?」
流石に今日、証明書をとった人に自称強豪クランのメインアタッカーが負けるなんてことはまず無いと見ていた人達だったが、いざ対戦を始めるとまず初めの突進から違和感を感じる。
「なあ、今思うと本当にあいつ強えーのか?未知数の敵にいきなり正面から戦いに行くか普通?」
と、数人の人達が対戦のことで俺が勝ったことよりも、奴の嘘について話す人が現れる。
すると最初に奴の横にいた3人が、
「もう言ってもいいんじゃねーの?」
と何かを呟く。
この時、俺がやってしまった事の重大さはまだ何も分かっていなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる