31 / 56
絶望感①
しおりを挟む「よっしゃああああああああああ」
先輩がめちゃくちゃ嬉しそうに飛び跳ねる。
光神竜を倒し、俺たちはこぞって、光神竜の死体を漁り始める。
「なんだ?これも使えるものなのか?光神竜の頭の骨は」
頭蓋骨、爪、鱗、羽、両翼など使えそうなアイテムは全て取り尽くした。
もう大丈夫か?
ダックスさんがはしゃいでいる先輩を止めようとする。
流石の先輩もダックスさんの言う事はしっかり聞いている。マーレンさんも先輩を止めようとしていたのに、
「俺の言う事も少しは聞けよな、、、、」
マーレンさんもこのチームの中では年上の方。実力で言えば、真ん中の方だが、努力量ならば先輩の次に日々鍛錬を怠らない真面目な人間だ。
「ボスはまだ倒せていないのか?アルバード!助太刀に行こうか?」
「…………………」
「おい!アルバード反応しろ!」
アルバードはダックスの応答に返事をしない。もしかして死んでしまったのか?いやあいつに限ってそれはないだろう。能力は隠密に長けているから1人で戦っていても、戦闘離脱出来るくらいに、優れている。そんな奴がAランクボス程度にやられる訳が無い!
しかしその後も応答を試みるが、反応はない。本当にやられてしまったのか?
そう思っていると、、、
「ポータルボスを討伐しました。ポータルが10分後閉鎖を開始します。」
「こちらアルバードです。生きてます。ボスは今、撃破完了した。それよりハンスさんとロンさんの応答がないですが?生きてますか?」
あ、
ここにいる全員の顔が青ざめる。そういえばさっきから2人の声が聞こえない。
「おい、ロン!ハンス!大丈夫か?」
しかし返答が来る事はない。もう2人は何者かによって撃破されてしまっていたからだ。
「死んじゃてますね、じゃあ自分はボスも倒した事ですし先に帰らせてもらいますね、」
と、安否不明のチームメイトをまるで赤の他人の様にしている。
「ふざけんなよアルバードお前の自分勝手がこれ以上通ると思うなよ!お前はリューに拾われてここに来ていると言うのにお前はその恩を少しは返そうとも思わないのか?」
「なに言ってんだ?あんたバカなのか?ロンもハンスもリューさんではない。2人に俺は恩を貰ってない。そんな死んでる奴を助けに行くほど俺はお人好しじゃねえ」
「だからってこのチームの人が死んだかもわかんねーでこのポータルに見捨てられる。それがリューにとってどんだけ悲しいことかを考えろ!」
2人の通話越しの口論に俺と先輩とマーレンさんはただ引き気味に見ているだけだった。
「五月蝿いな!もういいよ。俺はこのクランを抜ける。もう1人で生きていけるくらいには金も稼げたし、これからも1人で稼いでいける。リューももう俺の人生に必要の無い存在だ。ガチャ」
と言って、遠隔同調のマイクを地面に投げつけてぶっ壊した。
「おい!アルバードアルバードまだ話が、」
明らかに頭より格段に冷静さを欠いたダックスさんがただ1人でずっとアルバードの名前を叫び続けている。
もう通話はかれてるって言うのに、、、
「ダックスさん自分達だけでも2人を探しませんか?あいつはもう同じチームじゃない訳ですし、」
マーレンさんは荒々しく取り乱してるダックスさんに普通に話しかける。
おいおいとは思いつつもこう言うところがマーレンさんの頼りになるところだ。
「だか、、、」
「だがって何ですか?何か言いたい事でもあるんでしょうか?そんな取り乱した姿、リューさんに見せられませんよね?ダックスさんもアルバードの様に成り下がりたいんですか?」
煽るように喋る。こんな事をしたら余計に暴れてしまうのではないかと俺は焦りを隠せていないが、先輩の方を見ると、首を振っていた。
「安心しろ」とでも言っているかのように、、、、
「そ、そうだな俺が悪かった。ここにいる4人だけでも探そうか、」
「おーーっ!」
先輩が元気に声をあげる。
一同に活気が戻って来る。
3分後
「なかなか見つかりませんね、、」
先輩がもう根を上げている。おそらくだが、先輩も探すのは内心嫌なのだろう。
ちなみに俺も嫌だった。それは面倒くさいのでは無くて、仲間の死体を見るなんて俺にはとても耐えれそうに無かったから。
すると─────
「これ、、、ハンスの手袋じゃないか?」
ついに見つけた。しかしそれは生きている仲間では無かった。死体も無く手袋だけがあった。
周りも探すも、片手袋以外には特に何も無かった。
「これで許してくれ、ロン、ハンス」
マーレンさんがいつに無く大人びている。やはり身内の死ともなるとそう元気でいられなくなるのも無理はない。
「じゃあここも少し遠いですし、出口に向かいつつ探しましょ~」
「あ、いつもに戻った。」
安心する俺がいる。やっぱりマーレンさんはこっちでいる方がなんか親しみがある。
マーレンの声を聞いてダックスさんが腰を上げる。そしてマーレンさんの方に振り返る。
「逃げろ!マーレン!後ろ!」
「えっ?」
ダックスさんが声を掛ける時にはもう遅かった。
「あああ、、、、、、、」
俺がダックスさんの声でマーレンさんの方を振り返ると、
ちょうど、大型のモンスターに喰われたマーレンさんが俺の目に映った。
「君がフィル=フリートだね?」
0
あなたにおすすめの小説
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる