43 / 56
本部突撃
しおりを挟む「やっぱりそうだよね。名前で、もしかしてって思ってたんだけど、最後の連絡をメールで済ませる所で確信した。」
と言ってアイはクスッと笑う。
ちょっと嫌なとこを見られてアルバードは表情が変わる。
「見られちゃいましたかね、でも俺、大切な人にはしっかり話して伝えるタイプなので、安心してくださいね。」
「分かってる。」
リカバリーが出来たのか?
少し遠ざかった様な気がする。
「後この話は絶対に二人の秘密にしてください。特にフィルさんだけには絶対。」
「なんで?言った方が良くないかな?」
どうして言ってはいけないのか、理解出来ないアイに理由は話さなかった。
とにかく秘密にして下さいとだけを伝えて、何とかこの場を乗り越える。
「ごめんねキリヤ君。待たせたね」
「悪いなキリヤ、」
「全然大丈夫ですよ。」
「それでは私達の事務所の説明をします。トイレとかお風呂と洗面所の場所はこの部屋入って右に行ってくれれば分かると思うから説明は省くね。キッチンは奥にあるけど基本的には私が料理とかはするから大丈夫だね。」
「アイさんがご飯作ってくれるんですか?」
「そうだけど、出前の日とかも少し増えてるかな」
ご飯を作ると言った時のアルバードの顔は最高潮に笑顔だったが、出前が増えてると聞いた瞬間にスンっと普段のクールっぽい表情に戻る。
少し移動した所にこれから住む部屋があるらしい、
「ここが二人の生活する場所ね広さは問題ないと思うんだけど大丈夫よね」
「大丈夫です!!」
「全然余裕ですよ。」
ここはスルー。
「ベットは二段になってるから上か下かは各自で決めておいて、、後は────」
「俺下でいい?」
キリヤが提案をする。
アルバードも下が良さそうな顔をして、悩んでいる。
「じゃんけんとかで決めたら良いんじゃない?決めるなら早く決めて欲しいんだけど、」
はっ
「キリヤいいよ下、譲るよ。俺上でも全然大丈夫だから」
「いいのありがとう」
一通り事務所の中の説明を終え、その後は夕飯を食べて、次の日がくる。
「二人、準備はしたのか?そろそろ行くが大丈夫か?」
今日は正式に入隊するための登録を本部でしなくてはならない。
普通なら入隊可能日は決められているが、スカウトの場合はいつでも本部に行けば大丈夫と言う事ですぐに行動に移す事にした。
二人は準備OKの合図をした。
それを見たフィルがポータルを本部前に繋げようとする、
「………………ごめんアイ、これどうやって繋げるんだっけ、」
元々フィルは機械音痴な上に三年以上もこのポータルを使用していないし、自分で繋げたことすらほぼないと言うのに今回に限って出来るはずが無かった。
「何?繋がらない?馬鹿ね。ほんと私がいないと何も出来ないんだから。座標を合わせて接続を押すだけ!分かった。」
「ありがとう、、、」
「二人もこんなんにならない様にちゃんと覚えてよね。」
初めての二人にも少し飛び火が……
「分かりました。」
「仰せのままに。」
大丈夫そうだ。
二人はフィルよりも心が強い。
フィルは咳払いをして、少し偉そうにして、話す。準備ができたから、入るぞと、
二人は何の躊躇いもなくこのポータルに入る。
「うおおおっ、、で、でけえぇ」
キリヤがいい反応をする。それに対しアルバードは一度見た事があるかの様な無反応をする。
元々高い建物として有名だったのもあるが、目の前に来るとその高さがより感じられる。
「入るぞ」
アルバードはすんなりと受け入れて中に入ろうとする。
キリヤは憧れのクローシスの本部を前にして、周りの人に名前とサインを貰おうと必死になっている。
「はぁ、全くキリヤは───おーいキリヤ早くこいよ」
「分かってるあと一分だけ待って、、」
アルバードとフィルの呼びかけも無視して隊員らしき人達に一通り声をかけてまわる。
「来ないならいいけど、」
「い、行きます。」
3人は本部の正面の扉から入っていく───
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる