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雑魚の見物人
しおりを挟む「ここが検査室です。測定は数分で完了します。ここに入って少し待機していて下さい。」
数分後。
「準備が出来ましたのでお一人はこちらでもう一人はあちらの部屋に入って下さい。入ったら指示があると思いますので、それに従うようにして下さい。」
「分かりました。」
コクッ
キリヤは緊張なのか声が出ていなかった。
特に体力テストをするとかでは無いのだが、少し身構えていた。
その部屋で行ったのは二つだけだった。
中にある小さなカプセルに入って計測したのと、数問の質問回答をしたくらいだった。
「ふーっ。緊張したー」
拍子抜けだったのか、あまりにも簡単な検査だったので気が緩んだ。
「お疲れ様でした。では最後に一人ずつこの扉に入って下さい。」
二人は順番に扉に入って、あっさりと検査が終了した。
「今二人のステータスを数値化してますので終わり次第、ご自分のディスプレイを開くと確認できますので、各々で確認して下さい。」
「ありがとうございました」
そして今に至る。
「どうしたんだ?この人フィルのスカウトした子だよね。数値が良くなかったのかな?」
アルゴはキリヤに話しかける。
「は、い……自分基本のステータスは高い方だと思うんですが、魔力が………」
やはりな、俺も初めから危惧していた事だった。運動能力で言えば、俺を超える程の戦闘だった。
でも魔力はそうはいかない。少なくとも30は欲しいのだが、、、
「魔力が………8しか無くて、、俺大丈夫ですか、隊員としてやっていけるでしょうか」
8?俺の想像より遥かに少ない。あの戦闘の時は少なくともボスモンスターを倒せるほどの魔力はあったはずなのだが、機械は最新のはずだから計測ミスはありえない。
「アルバードはどうだったんだ?」
取り敢えず本命のアルバードの数値を聞いてみる事にした。
アルバード・ソルサー
魔力 92
筋力 60
機動力 85
技術 95
体力 46
防御力 50
知力 89
「かなり高いね、これだと特殊か恒常のスキルさえあれば、最上位も狙えるくらいのステータスだ。」
「アルバード、スキルはあるか?」
「ありません」
嘘をついた。実はスキルも持っている。
・恒常スキルを。
「スキルなら俺もあります。」
「おー君はスキル持ちなのか、やるね魔力が少なくても何とかなるスキルだってある少し見せてくれないかな?」
アルゴはムキムキの大柄な人間だが、心はかなり優しい好青年みたいな印象だった。
特殊スキル
最大出力
魔力を特定の位置に集める事で大幅な魔力攻撃の上昇。
「ま、まあ悪く無いスキルだよ。魔力が沢山ある人がよく使ってるスキルだけど少ない人が戦うには必須のスキルかもね。」
「ありがとうございます。俺、正直、魔力が少なくて諦めそうになったんですけど、そう言われるとやる気が出てきました。」
「ならよかった。二人とも頑張ってね。フィルもまた。」
帰ろうとした時、一人の男が現れる。
「ビーフお前、勝負しろ 逃げるなよ」
「ビーフじゃないアルゴ=ストロガノフだ!……分かったじゃあ場所を変えてやろう」
「マジかよ英雄ランクの二人が闘うって、行こうぜ」「どこで?」「私も行く!」
ぞろぞろと人が動き始める。
「お前等見たいなザコはついてくんなこれは俺達二人の勝負だ」
そう言うと全員が一斉にさっきいた場所に戻った。
「俺達はザコじゃ無いよな。じゃあ見に行くぞ、」
フィルは二人の試合を見せたいらしく、連れていく。
アルバードは無言でついていくがキリヤは乗り気ではなかった。
「強くなりたいんだろ。じゃあ最高峰の二人戦い見ておいた方が良いんじゃ無いか?勉強になると思うけど、」
「……………」
そう言われると何も言い返せず、キリヤも試合を見に行く事にした。
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