異世界最強の俺 〜生まれ変わった俺が世界を変える〜

霜月優

文字の大きさ
52 / 56

表向きの英雄

しおりを挟む
「俺に話?」

 「うん、二人が聞きたい事があるって」

 「何?聞きたいことって」

 寝起きフィルはいつもに比べよりだらし無さがでていた。

 「3年前の事とフィルさんが人を殺したっ、、」

 「悪ィその話俺じゃなくてアイに話してもらってくれないか、」

 やっぱり聞いちゃいけない事だった。
 キリヤはまだ相手との距離感を間違える事がよくある、しかし今回に限っては完全に地雷を踏んだ。
 自身でもこれを聞くことは流石に大丈夫なのかとは思っていたが、行動に移さないと何も起こらない、と、祖父からの教えでまたも行き過ぎてしまう。

 「ご、ごめんねキリヤ君。でもこの話は私がするのは違うと思うの、」

 アイもこの話を自分からする事は良くないと思っているという事は本当にフィルは人を殺しているのかもしれない。
 キリヤは不安でいっぱいだった。

 アイも何も話さないと言って沈黙が続く。

 

 5分後

「…………………」


 10分後

「…………………」


 30分後

「…………………」


 1時間後

「…………………」


 「まだ話さないのか?」

 いい加減腹が減ってしまったのか、フィルが我慢勝負に負け?て部屋を出てくる。

 「自分で話をしなさい。あんたもここは隠し事はしちゃダメよ。」


 「分かったよ。じゃあ席を外してくれないか」

 アイはフィルの指示に従い、外に用事があると言い席を外し隊員の3人で、話をすることにした。

 「どっちからだ?空間戦線からか?」

 「3年前の方からでお願いします。」
 「します」

 二人が頭を下げてから、頭を上げフィルは話し始める。

 「この闘いは俺はあまり関係ない事だが、クローシス隊員である以上この話はしないといけないとは思っていた。」
 
 3年前の空間戦線の出来事を分かる限りで話し始める。

 「空間戦線が始まる少し前にクローシス隊員が、モンスター達を一度全滅まで追い詰めていた。この闘いの約一年位はほぼポータルの出現報告も受けなくなった。これで我々にも平穏が訪れると思っていた。しかし今から3年前、ユーガ区に今まで見た事ない大きさのポータルが発現した。我々もこれが最終決戦だと確信をし、約95%の隊員を派遣して挑んだ。分かるか?3年前だ」

 「クローシスが世間に認められた時ですか?」

 「そうだ。あの一件はポータルも閉鎖され一般人からみれば我々はまさに世界を救った英雄ヒーローの様だったのだろう、、しかし実際は我々クローシス隊員の完全敗北だった。あのポータルから帰還した人の人数を覚えているか?」

 「46人です。」

 「そう。たったの46人。何も知らない人からすると46人は多いと感じる。実際にはポータルにクローシス隊員を約一万の人員がポータルに入っている。そして、一気に人手を失い、モンスターが、日常的に出る様になり、それを生き残った人で救う形になった。」

 「ま、まさか」

 「そのまさかだ、完全敗北をしたにも関わらず、世間が我々の敗北を美化したんだ、ただの敗北者に、、それ以降は何も知らない人がモンスターを倒すクローシス隊員の姿に憧れる様になり、真実を知らずに隊員になってすぐ死ぬ、しかし、それを名誉ある死と言って、美しさを保ち続けている。もう後に引けない様になっていたんだ。」

 「……っ」

 あまりに過酷な仕事である事を知ってしまった、キリヤは息を呑む。
 だが、そんなキリヤを気にもせず、フィルは話し続ける。

 「さらに生き残った精鋭の46人の半数以上は自分が生き残ってしまった事の罪悪感と世間の対応の違いにサイバーズ・ギルドを引き起こして、実質的引退となっている。まともな戦闘員が少ない俺たちは今、モンスターに支配されていると思え。夢のある仕事だと思うな、これが実態だ。」

 「わかりました、、、」

 クローシスは想像の何十倍、、いや何百倍もエグい仕事だという事が分かった。
 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...