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鏡の了▪その八 (コンテスト当日3)
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『おお!ついに【第一回AIが決める美少女コンテスト】、その映えあるグランプリの栄光に輝いたのは16番にエントリーした美少女、白井 了子さんに決定しました。了子さん、おめでとう。皆さん、拍手をお願いします』
ワーッワーッワーッ
パチパチパチパチッ
「「「「リョーコチャーン!!!」」」」
「「「「こっち向いてー!」」」」
え?え?え?
な、何、何、何が?!
「ほら、やっぱりアナタが一番だったわね」
「私達の見込み通り!」
「リョーコちゃんっていうんだ。ほら、アナタの事だよ?皆さんに挨拶しないと」
「え?あ、更衣室で会ったお姉さん達?!あ、挨拶???」
突然の事でパニクってたら、更衣室で会った三人お姉さん達に囲まれていた。
ええーっ!僕が一番なの?!
『それではここで、今回のコンテスト優勝に輝いた了子ちゃんに一言、喜びの言葉を頂きましょう。さあ了子ちゃん、お願いします!』
「ふぇっ!?」
了子ちゃんって誰だっけ?
あ、僕の事か。
姉ちゃんの捻りもない名前付けで決まったステージでの芸名。
まさかこのまま本名になるのかなぁ、などど思っていたら司会者から口元にマイクが向けられた。
何を話そう?!
モジモジモジモジッ
『…………あの……その…………』
シーン……………。
さっきまでざわついていた観客が一斉に静かになる。
僕の一挙し一動を固唾を飲んで待っている?
僕の緊張感は爆上がりだよ!
『あ…………皆さん、げ、元気?てへっ』
シーン…………。
えっ、えっ、えっ、静けさが倍増?!
もしかしたらメチャクチャ滑ったかも!
緊張し過ぎで頭の中が真っ白で僕は今、何を言った?
ドオッワーッワーッワーッ
「うひっ!?」
「「「うおおおーっ!リョーコタン!!かわゆい!!」」」
「「「「サイコー!!」」」」
「「「「「抱きしめたいーっ!!」」」」」
『何と何と何と、何というスマイルでしょう!すでに会場はファンの熱気に包まれております。これ程ファンの心を掴む微笑を持つ少女がかつていたでしょうか?美少女だけに魔性の微笑なのかも知れません。おっと、私の下らないだじゃれにブーインクもありますので、これでコンテストを終了とさせて頂きます。なお、今回のステージ参加者は全員、芸能界デビューが決まっております。今後はリョーコちゃんも含め、それぞれの活動をお見守り下さい!!』
ワーッワーッワーッワーッワーッ
こうして大盛況の中、コンテストは終了した。
だけど芸能界デビューが決まってる?!
姉ちゃん、どうするつもりだよ!
まあ、いいや。
疲れがマックスだから早く帰りたい。
だけど、ステージ裏口や回りはファンに囲まれて凄い事になってる。
どうやって帰ろう!?
と、眺めていると、ここのステージは隣の薔薇園に隣接してるみたい?
なら、薔薇園に紛れ込めばファンに捕まらず逃げられそう。
よし、着替えたら、側面の窓から出て薔薇園に飛び込もう。
逃げるにはコレしかない。
僕は更衣室で素早く着替えると、薔薇園隣接の窓から薔薇園に侵入した。
勿論コートと帽子、サングラスとマスクは付けてだ。
殆んど姉ちゃんの用意したバックから出したんだけど、姉ちゃんはこうなる事を分かってたって事なのかな?
すげぇな。
姉ちゃんに感謝だ。
ドサッ
「痛てっ!?流石に窓が小さかったな。男時代の僕じゃ、間違いなく通れなかったよ」
窓から落ちる様にステージ施設から脱出した僕。
辺りを見回したけど殆んどの観客は裏口に回っていて、やはりここは盲点だった。
「うっ、流石に薔薇園。薔薇の匂いがキツイ!」
鼻をつく薔薇の匂い。
気分が悪くなる。
あれ?こんなに嫌な匂いだったっけ?
「どちらにせよ長居は無用だ。よし、このまま薔薇園の出口から出て地下鉄の入り口に向かおう」
予定ではそこで、姉ちゃんと合流できる筈。
そして僕は、早歩きでその場から立ち去ろうとした。
サザッビリッ
「へ?」
な、何だ今の?
変な音がしたけど?!
それに頭痛と目眩が強くなってきた。
えっ、病気?
ザッ
「うぐっ気持ち悪い。立ってられない……」
ふらついて膝をついた僕。
顔に手をやって違和感に気づく。
手が大きくなっている?
ビリビリッビリビリビリビリッ
「あ、あれ?」
着ていた衣服が破れてって、これ、僕の身体が大きくなっているって事?
「ま、まさか?!」
僕は慌てて股間を押さえる。
「あ、ある!あるよ!?」
何という事だろう。
あの日以来、すっかりご無沙汰だった僕の息子がしっかりと戻っていた。
何か嬉しい、じゃなくて!
「た、大変だ!と、いう事は、今の僕はボロボロの女子の服を着た変態男子って事じゃないか。こんな姿で誰かに見付かったら警察に通報されちゃうよ!ど、どうしよう!?」
ガヤガヤガヤガヤッ
そう焦っていると騒がしい人の声が近づいてくる?!
誰かが薔薇園に入ってきたんだ。
や、ヤバい!
バサッ
「?!」
その時だった。
大きな男物のコートが僕の頭から掛かる。
えっ、だ、誰?
ワーッワーッワーッ
パチパチパチパチッ
「「「「リョーコチャーン!!!」」」」
「「「「こっち向いてー!」」」」
え?え?え?
な、何、何、何が?!
「ほら、やっぱりアナタが一番だったわね」
「私達の見込み通り!」
「リョーコちゃんっていうんだ。ほら、アナタの事だよ?皆さんに挨拶しないと」
「え?あ、更衣室で会ったお姉さん達?!あ、挨拶???」
突然の事でパニクってたら、更衣室で会った三人お姉さん達に囲まれていた。
ええーっ!僕が一番なの?!
『それではここで、今回のコンテスト優勝に輝いた了子ちゃんに一言、喜びの言葉を頂きましょう。さあ了子ちゃん、お願いします!』
「ふぇっ!?」
了子ちゃんって誰だっけ?
あ、僕の事か。
姉ちゃんの捻りもない名前付けで決まったステージでの芸名。
まさかこのまま本名になるのかなぁ、などど思っていたら司会者から口元にマイクが向けられた。
何を話そう?!
モジモジモジモジッ
『…………あの……その…………』
シーン……………。
さっきまでざわついていた観客が一斉に静かになる。
僕の一挙し一動を固唾を飲んで待っている?
僕の緊張感は爆上がりだよ!
『あ…………皆さん、げ、元気?てへっ』
シーン…………。
えっ、えっ、えっ、静けさが倍増?!
もしかしたらメチャクチャ滑ったかも!
緊張し過ぎで頭の中が真っ白で僕は今、何を言った?
ドオッワーッワーッワーッ
「うひっ!?」
「「「うおおおーっ!リョーコタン!!かわゆい!!」」」
「「「「サイコー!!」」」」
「「「「「抱きしめたいーっ!!」」」」」
『何と何と何と、何というスマイルでしょう!すでに会場はファンの熱気に包まれております。これ程ファンの心を掴む微笑を持つ少女がかつていたでしょうか?美少女だけに魔性の微笑なのかも知れません。おっと、私の下らないだじゃれにブーインクもありますので、これでコンテストを終了とさせて頂きます。なお、今回のステージ参加者は全員、芸能界デビューが決まっております。今後はリョーコちゃんも含め、それぞれの活動をお見守り下さい!!』
ワーッワーッワーッワーッワーッ
こうして大盛況の中、コンテストは終了した。
だけど芸能界デビューが決まってる?!
姉ちゃん、どうするつもりだよ!
まあ、いいや。
疲れがマックスだから早く帰りたい。
だけど、ステージ裏口や回りはファンに囲まれて凄い事になってる。
どうやって帰ろう!?
と、眺めていると、ここのステージは隣の薔薇園に隣接してるみたい?
なら、薔薇園に紛れ込めばファンに捕まらず逃げられそう。
よし、着替えたら、側面の窓から出て薔薇園に飛び込もう。
逃げるにはコレしかない。
僕は更衣室で素早く着替えると、薔薇園隣接の窓から薔薇園に侵入した。
勿論コートと帽子、サングラスとマスクは付けてだ。
殆んど姉ちゃんの用意したバックから出したんだけど、姉ちゃんはこうなる事を分かってたって事なのかな?
すげぇな。
姉ちゃんに感謝だ。
ドサッ
「痛てっ!?流石に窓が小さかったな。男時代の僕じゃ、間違いなく通れなかったよ」
窓から落ちる様にステージ施設から脱出した僕。
辺りを見回したけど殆んどの観客は裏口に回っていて、やはりここは盲点だった。
「うっ、流石に薔薇園。薔薇の匂いがキツイ!」
鼻をつく薔薇の匂い。
気分が悪くなる。
あれ?こんなに嫌な匂いだったっけ?
「どちらにせよ長居は無用だ。よし、このまま薔薇園の出口から出て地下鉄の入り口に向かおう」
予定ではそこで、姉ちゃんと合流できる筈。
そして僕は、早歩きでその場から立ち去ろうとした。
サザッビリッ
「へ?」
な、何だ今の?
変な音がしたけど?!
それに頭痛と目眩が強くなってきた。
えっ、病気?
ザッ
「うぐっ気持ち悪い。立ってられない……」
ふらついて膝をついた僕。
顔に手をやって違和感に気づく。
手が大きくなっている?
ビリビリッビリビリビリビリッ
「あ、あれ?」
着ていた衣服が破れてって、これ、僕の身体が大きくなっているって事?
「ま、まさか?!」
僕は慌てて股間を押さえる。
「あ、ある!あるよ!?」
何という事だろう。
あの日以来、すっかりご無沙汰だった僕の息子がしっかりと戻っていた。
何か嬉しい、じゃなくて!
「た、大変だ!と、いう事は、今の僕はボロボロの女子の服を着た変態男子って事じゃないか。こんな姿で誰かに見付かったら警察に通報されちゃうよ!ど、どうしよう!?」
ガヤガヤガヤガヤッ
そう焦っていると騒がしい人の声が近づいてくる?!
誰かが薔薇園に入ってきたんだ。
や、ヤバい!
バサッ
「?!」
その時だった。
大きな男物のコートが僕の頭から掛かる。
えっ、だ、誰?
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