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第23話 魔王ルビア討伐戦 再び
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その時、俺の心は決意した。
魔剣「壱號」の持つ危険な魔素の力を借りてでもいい。
俺は魔王ルビアと正面切って戦うべきなのだ!
俺自身が全てを乗り越えていく為にもこれは必要なことなんだ!
心の中で何かが熱く燃えて前へ進める様な気がした。
この気持ちが冷めないうちに、逃げ込んだ空き家から出て村の広場へと向かうことにした。
村長やザワルトから家に知らせが届いているかもしれないが、どうせ良いことなんてひとつも書かれていないだろう。
もうそんなもの読むべきではない。
俺はもう決めたのだ。
この魔剣で正々堂々と今度こそ魔王ルビアと戦うのだ。
それが親父への花向けにもなる。
村の広場で情報収集から始めたかったのだが、時間帯が悪かったのか村人はまばらだった。
しかも、たまに村人と目が合うが「あ… 」と困惑した様な顔をされて避けられてしまう。
やはり俺がルビアから狙われているのを知っているのだろうか。(※)
(※後日、村人に確認すると毛が全部抜けたクアルトの姿を見て思わず目を逸らしてしまったとのこと)
とにかく今は魔王がどこにいるのか情報を集めなくてはいかん。
俺は広場にある「きまぐれ飯店」に入って取り敢えずエールを頼み、客の会話から情報を知ろうとした。
(俺は今でも極度の人見知りだから、知らない他人へなんか積極的に話せる訳がないんだよ。放っておいてくれ…)
特に情報が掴めないまま、俺がエールを半分くらい飲んだ時。
「おおお… ルビア様がいらっしゃったぞ!!!」
俺は耳を疑った。
正直、心構えが全然できていなかった。
情報を集めてゆっくり塾考してとか、あまりにも考えが悠長だった。
まさかこんなにすぐ遭遇しちまうなんて…
そのルビアと呼ばれた人物はコツコツとブーツの靴音を響かせながら俺の背中に迫ってくる。
しかし俺の魔力感知スキルには何も反応がないぞ…
なぜこんな近くにいるのにルビアの魔力を感じないんだ!?
本当に魔王ルビアなのか!?
本物かどうか確定した訳でもないのに、ドッと一気に冷たい汗が全身の毛穴から吹き出す。
俺の本能… 身体そのものが「やつはやばい!」と猛烈に反応しているからだ。
どっちにしても相当やばいやつが迫ってきている!
やはり、魔王ルビアなのか!?
「だめだ。もうここで殺される!」
まるで背後から虎に睨まれた子鼠の様だ。
情けないことに足がひどく震えて力が全く入らない。
魔剣をしっかり握っても震えは一向に止まらない。
これで背後を振り返るなんてとても無理だ。
さっきまでの「魔王と正々堂々と戦ってやる!」という意気込みは抜けた鼻毛の様にどこかへ飛んで行ってしまった。
俺は椅子に座ったまま涙ぐんで心の中で絶叫。
誰か助けて…!! お願いぷりーず!!
しかしそいつは俺の横を素通りしてカウンターに座ったのだ。
その時見えた姿。
羽織っているのは魔力遮蔽外套!
そうか… どうりで気が付かなかった訳か…!!
でもどうして俺を無視した!?
し、しかも俺に気が付かないフリをして飯を食ってるだと!? それにエールまで!!
「そうか、わかったぞ」
「魔王ルビアは俺を挑発しているのだ!!」
「おまえごときなど飯と酒をくらいながらでも秒殺してやるわ!!と」
俺は魔王の後ろ姿を眺めているうちに冷静さを取り戻し、更に魔剣の魔素効果でひどく強気になってきた。
親父が戒めた様にこれは俺の本当の力ではない。
魔剣の魔素効果で一時的に高揚しているだけなんだ。
それでも俺は…
やっぱり俺は戦いたい!!
戦わなきゃだめなんだ!!!
俺が戦いたいという気持ちに嘘はないっ
その為に魔剣の力を利用するのが正しいかどうかなんて知らん!
ただ、今は戦いたい。
俺は魔王と戦いたいだけの冒険者 剣士クアルトなんだっ!!
俺は大きく息を吸うと椅子から立ち上がり、食事中の魔王ルビアへ決闘を申し込んだ。
「おい!! 魔王ルビア!!!」
「おれと決闘しろ!!!」
魔王は食事中の手を止めて、その手を顎の下で組み直した。
こちらへは振り返らず、少々俯いて目を閉じている様だ。
そのまま、何も返事がない。
まるで何かを深く長考しているようにも見える。
二人の間に沈黙が続く。
まさか食事を遮ったことに怒っているのか?
いや、俺を無視したおまえにも非がある筈!
「魔王ルビアよ! 俺は冒険者で剣士のクアルト!! 討伐戦でおまえと戦う筈だった男だ!!」
魔王は前を向いたまま、大きなため息をついた。
「はぁぁ… 」
明らかにその瞬間、場の空気が一変した。
俺の全身に鳥肌がたち、血の気が悪魔に吸い取られる様に引いていくのを感じた。
気がつくと店長も含め、客もみんな店内からとっくに避難して、きまぐれ飯店は俺と魔王の貸切状態になっていた。
「間違いだった!」
「こんなやつに決闘を申し込むなんてどうかしてたんだ」
「たかが人間族のしかもB級冒険者で魔王に決闘などと…」
「いやいや!だめだ!! だめだめ!! ここで自分に負けるなクアルト!!!」
俺は魔剣「壱號」を更に強く握りしめた。
その時、魔王ルビアがゆっくりと椅子から立ち上がり、俺の方にその顔を向けた。
「あ? 貴様か? 我に不快な神経毒を盛った輩は?」
俺は魔王が何を言っているのか全然わからなかった。
何言ってるんだこいつ?と思った瞬間に、俺は壁を突き破って外の地面に吹っ飛ばされていた。
防具を身につけていたとはいえ、固い土壁をぶち破って地面にスライディングした俺の身体は激痛で悲鳴を上げた。
何が起きた!?
驚きと激痛で気が動転したものの、一緒にぶっ飛ばされた壱號を慌てて拾い上げ抜刀した。
周囲では遠巻きで村人たちが固唾を飲んで見守っている。
今度はきまぐれ飯店の入り口扉が派手に爆裂して吹っ飛んだ。
周囲からも恐れ慄く悲鳴が聞こえる。
これからどうなる?
もう喉もからからだぞ俺。
さっきのエールを最後まで飲んでおけば良かったのでは?とちょっとだけ後悔した。
そんな悠長な考えが頭に浮かんでいると、壊れた入り口から悪魔の様な姿の魔王がゆっくりと歩いて出てきた。
なにやらブツブツと独り言を言っている様だが内容までは聞きとれない。
いや、正確には何を言っているのかさっぱりわからない。
「RAID 01拡張ミラーリングシステム バックアップ完了 起動DISK自動交換完了… 」
「二重エラーチェック実行… バッファメモリ初期化中… 一時的な管理者権限譲渡完了… システムオールクリア」
これは俺の知らない高度の魔術詠唱かもしれない。
その詠唱らしき独り言が終わると、魔王は初めて俺に理解できる言葉を話した。
「この最底辺のクソうじ虫野郎が! ゆーっくりとぶッころしてやるわ!」
そこにいたのは誰が見てもあの恐ろしい最強最悪のラスボス 魔王ルビアであった。
魔剣「壱號」の持つ危険な魔素の力を借りてでもいい。
俺は魔王ルビアと正面切って戦うべきなのだ!
俺自身が全てを乗り越えていく為にもこれは必要なことなんだ!
心の中で何かが熱く燃えて前へ進める様な気がした。
この気持ちが冷めないうちに、逃げ込んだ空き家から出て村の広場へと向かうことにした。
村長やザワルトから家に知らせが届いているかもしれないが、どうせ良いことなんてひとつも書かれていないだろう。
もうそんなもの読むべきではない。
俺はもう決めたのだ。
この魔剣で正々堂々と今度こそ魔王ルビアと戦うのだ。
それが親父への花向けにもなる。
村の広場で情報収集から始めたかったのだが、時間帯が悪かったのか村人はまばらだった。
しかも、たまに村人と目が合うが「あ… 」と困惑した様な顔をされて避けられてしまう。
やはり俺がルビアから狙われているのを知っているのだろうか。(※)
(※後日、村人に確認すると毛が全部抜けたクアルトの姿を見て思わず目を逸らしてしまったとのこと)
とにかく今は魔王がどこにいるのか情報を集めなくてはいかん。
俺は広場にある「きまぐれ飯店」に入って取り敢えずエールを頼み、客の会話から情報を知ろうとした。
(俺は今でも極度の人見知りだから、知らない他人へなんか積極的に話せる訳がないんだよ。放っておいてくれ…)
特に情報が掴めないまま、俺がエールを半分くらい飲んだ時。
「おおお… ルビア様がいらっしゃったぞ!!!」
俺は耳を疑った。
正直、心構えが全然できていなかった。
情報を集めてゆっくり塾考してとか、あまりにも考えが悠長だった。
まさかこんなにすぐ遭遇しちまうなんて…
そのルビアと呼ばれた人物はコツコツとブーツの靴音を響かせながら俺の背中に迫ってくる。
しかし俺の魔力感知スキルには何も反応がないぞ…
なぜこんな近くにいるのにルビアの魔力を感じないんだ!?
本当に魔王ルビアなのか!?
本物かどうか確定した訳でもないのに、ドッと一気に冷たい汗が全身の毛穴から吹き出す。
俺の本能… 身体そのものが「やつはやばい!」と猛烈に反応しているからだ。
どっちにしても相当やばいやつが迫ってきている!
やはり、魔王ルビアなのか!?
「だめだ。もうここで殺される!」
まるで背後から虎に睨まれた子鼠の様だ。
情けないことに足がひどく震えて力が全く入らない。
魔剣をしっかり握っても震えは一向に止まらない。
これで背後を振り返るなんてとても無理だ。
さっきまでの「魔王と正々堂々と戦ってやる!」という意気込みは抜けた鼻毛の様にどこかへ飛んで行ってしまった。
俺は椅子に座ったまま涙ぐんで心の中で絶叫。
誰か助けて…!! お願いぷりーず!!
しかしそいつは俺の横を素通りしてカウンターに座ったのだ。
その時見えた姿。
羽織っているのは魔力遮蔽外套!
そうか… どうりで気が付かなかった訳か…!!
でもどうして俺を無視した!?
し、しかも俺に気が付かないフリをして飯を食ってるだと!? それにエールまで!!
「そうか、わかったぞ」
「魔王ルビアは俺を挑発しているのだ!!」
「おまえごときなど飯と酒をくらいながらでも秒殺してやるわ!!と」
俺は魔王の後ろ姿を眺めているうちに冷静さを取り戻し、更に魔剣の魔素効果でひどく強気になってきた。
親父が戒めた様にこれは俺の本当の力ではない。
魔剣の魔素効果で一時的に高揚しているだけなんだ。
それでも俺は…
やっぱり俺は戦いたい!!
戦わなきゃだめなんだ!!!
俺が戦いたいという気持ちに嘘はないっ
その為に魔剣の力を利用するのが正しいかどうかなんて知らん!
ただ、今は戦いたい。
俺は魔王と戦いたいだけの冒険者 剣士クアルトなんだっ!!
俺は大きく息を吸うと椅子から立ち上がり、食事中の魔王ルビアへ決闘を申し込んだ。
「おい!! 魔王ルビア!!!」
「おれと決闘しろ!!!」
魔王は食事中の手を止めて、その手を顎の下で組み直した。
こちらへは振り返らず、少々俯いて目を閉じている様だ。
そのまま、何も返事がない。
まるで何かを深く長考しているようにも見える。
二人の間に沈黙が続く。
まさか食事を遮ったことに怒っているのか?
いや、俺を無視したおまえにも非がある筈!
「魔王ルビアよ! 俺は冒険者で剣士のクアルト!! 討伐戦でおまえと戦う筈だった男だ!!」
魔王は前を向いたまま、大きなため息をついた。
「はぁぁ… 」
明らかにその瞬間、場の空気が一変した。
俺の全身に鳥肌がたち、血の気が悪魔に吸い取られる様に引いていくのを感じた。
気がつくと店長も含め、客もみんな店内からとっくに避難して、きまぐれ飯店は俺と魔王の貸切状態になっていた。
「間違いだった!」
「こんなやつに決闘を申し込むなんてどうかしてたんだ」
「たかが人間族のしかもB級冒険者で魔王に決闘などと…」
「いやいや!だめだ!! だめだめ!! ここで自分に負けるなクアルト!!!」
俺は魔剣「壱號」を更に強く握りしめた。
その時、魔王ルビアがゆっくりと椅子から立ち上がり、俺の方にその顔を向けた。
「あ? 貴様か? 我に不快な神経毒を盛った輩は?」
俺は魔王が何を言っているのか全然わからなかった。
何言ってるんだこいつ?と思った瞬間に、俺は壁を突き破って外の地面に吹っ飛ばされていた。
防具を身につけていたとはいえ、固い土壁をぶち破って地面にスライディングした俺の身体は激痛で悲鳴を上げた。
何が起きた!?
驚きと激痛で気が動転したものの、一緒にぶっ飛ばされた壱號を慌てて拾い上げ抜刀した。
周囲では遠巻きで村人たちが固唾を飲んで見守っている。
今度はきまぐれ飯店の入り口扉が派手に爆裂して吹っ飛んだ。
周囲からも恐れ慄く悲鳴が聞こえる。
これからどうなる?
もう喉もからからだぞ俺。
さっきのエールを最後まで飲んでおけば良かったのでは?とちょっとだけ後悔した。
そんな悠長な考えが頭に浮かんでいると、壊れた入り口から悪魔の様な姿の魔王がゆっくりと歩いて出てきた。
なにやらブツブツと独り言を言っている様だが内容までは聞きとれない。
いや、正確には何を言っているのかさっぱりわからない。
「RAID 01拡張ミラーリングシステム バックアップ完了 起動DISK自動交換完了… 」
「二重エラーチェック実行… バッファメモリ初期化中… 一時的な管理者権限譲渡完了… システムオールクリア」
これは俺の知らない高度の魔術詠唱かもしれない。
その詠唱らしき独り言が終わると、魔王は初めて俺に理解できる言葉を話した。
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