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混乱 ーブリジットー
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「学園に見学に行ったと聞いたが、通うのか。」
「いえ……まだ決めておりません。見学に行っただけです。」
「勉強が好きなのか。」
「……学ぶのは楽しいと思っております。」
何なのだ、これは。
ブリジットは混乱した頭を必死に回転させて会話していた。
ちらりとアベルから視線を逸らせば、ガゼボの外のベンチにガネット夫人とデイビットが座っているのが見える。
いわゆる監視付きのティータイムだ。
(何か話したいことがあるのだろうか。)
ずっと取り留めのない話ばかり続いている。
アベルが質問し、ブリジットが答える。
その繰り返しだ。
その質問に意味があるとも思えない。
(何か言いづらい事?婚姻解消はいつしてくれるのか、とか?)
しかし解消の手続きはガネット夫人に任せてある。
いつと言われても、期限はあれどブリジットの身の振り方が決まるまでは待ってもらえるとも言われていた。
(それが気に入らないとか?離婚でないと困る事があるとか?)
「ブリジット。」
ぐるぐると考えていると、名前を力強く呼ばれてハッとする。
「はい。」
慌てて返事をした。
何を言われるのか。
緊張で手が汗ばむ。
「次の私の休みの日に、一緒に出かけないか。」
???
ブリジットの頭の中は疑問符でいっぱいになった。
出かける?
どこへ?
何をしに?
「かまわないか?」
アベルが伺う様に聞いてくる。
構わないも何も。
未だブリジットは混乱中だ。
疑問だらけで何を聞いていいのかわからない。
「どこに出かけるのでしょうか。」
ブリジットは何とか言葉を絞り出した。
「隣の領地は友人のサイラスの領地だ。」
「それは大事な事でしょうか。」
聞くとアベルはパッと顔を華やかせた。
「ああ、ああ、とても大事だ!構わないか。」
大事と言われれば断れない。
しかも友人の領地。
まだアベルとブリジットは夫婦だ。
既婚者として友人に誘われたなら夫婦連れ立って行かねばならないのだろう。
「子爵家のお許しがあればどこへでも参ります。」
「ああ、父上も母上もブリジットが首を縦にすれば構わないと言ってくれた。だから大丈夫だ。ありがとう、ブリジット。」
そういうとホッとしたような柔らかい笑みを浮かべ、アベルはお茶を飲んだ。
笑顔でお礼を言われた。
また跳ねた心臓が憎らしかった。
そうならないようにずっと奥歯に力を入れて、気合も入れて、アベルとのお茶に臨んでいたというのに。
混乱で気が抜けたのだ。
「では、私はこれで失礼しよう。」
アベルは上機嫌で席を立ち、ガネット夫人の所に行くと何やら話しかけた。
ブリジットもその後を追う。
ガネット夫人は立ち上がり、ブリジットに「了承しちゃったのね……」と諦めとも呆れとも取れる表情を浮かべた。
「本当ビジイは自分の価値をわかってないよ。」
続いてデイビットにまでため息混じりに謎かけのような言葉を投げかけられ、ブリジットは本当に何が何やらわからなかった。
「いえ……まだ決めておりません。見学に行っただけです。」
「勉強が好きなのか。」
「……学ぶのは楽しいと思っております。」
何なのだ、これは。
ブリジットは混乱した頭を必死に回転させて会話していた。
ちらりとアベルから視線を逸らせば、ガゼボの外のベンチにガネット夫人とデイビットが座っているのが見える。
いわゆる監視付きのティータイムだ。
(何か話したいことがあるのだろうか。)
ずっと取り留めのない話ばかり続いている。
アベルが質問し、ブリジットが答える。
その繰り返しだ。
その質問に意味があるとも思えない。
(何か言いづらい事?婚姻解消はいつしてくれるのか、とか?)
しかし解消の手続きはガネット夫人に任せてある。
いつと言われても、期限はあれどブリジットの身の振り方が決まるまでは待ってもらえるとも言われていた。
(それが気に入らないとか?離婚でないと困る事があるとか?)
「ブリジット。」
ぐるぐると考えていると、名前を力強く呼ばれてハッとする。
「はい。」
慌てて返事をした。
何を言われるのか。
緊張で手が汗ばむ。
「次の私の休みの日に、一緒に出かけないか。」
???
ブリジットの頭の中は疑問符でいっぱいになった。
出かける?
どこへ?
何をしに?
「かまわないか?」
アベルが伺う様に聞いてくる。
構わないも何も。
未だブリジットは混乱中だ。
疑問だらけで何を聞いていいのかわからない。
「どこに出かけるのでしょうか。」
ブリジットは何とか言葉を絞り出した。
「隣の領地は友人のサイラスの領地だ。」
「それは大事な事でしょうか。」
聞くとアベルはパッと顔を華やかせた。
「ああ、ああ、とても大事だ!構わないか。」
大事と言われれば断れない。
しかも友人の領地。
まだアベルとブリジットは夫婦だ。
既婚者として友人に誘われたなら夫婦連れ立って行かねばならないのだろう。
「子爵家のお許しがあればどこへでも参ります。」
「ああ、父上も母上もブリジットが首を縦にすれば構わないと言ってくれた。だから大丈夫だ。ありがとう、ブリジット。」
そういうとホッとしたような柔らかい笑みを浮かべ、アベルはお茶を飲んだ。
笑顔でお礼を言われた。
また跳ねた心臓が憎らしかった。
そうならないようにずっと奥歯に力を入れて、気合も入れて、アベルとのお茶に臨んでいたというのに。
混乱で気が抜けたのだ。
「では、私はこれで失礼しよう。」
アベルは上機嫌で席を立ち、ガネット夫人の所に行くと何やら話しかけた。
ブリジットもその後を追う。
ガネット夫人は立ち上がり、ブリジットに「了承しちゃったのね……」と諦めとも呆れとも取れる表情を浮かべた。
「本当ビジイは自分の価値をわかってないよ。」
続いてデイビットにまでため息混じりに謎かけのような言葉を投げかけられ、ブリジットは本当に何が何やらわからなかった。
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