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星の数ほどの最後を ーブリジットー
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「子爵家の皆様には本当にお世話になりました。」
ブリジットはそう言って馬車の前で頭を下げた。
「なんだかあっという間だったわね……。」
寂しそうにガネット夫人が言う。
「1日も早くご両親に元気な姿を見せてあげなさい。」
婚姻解消が成立するとスラビーズ子爵はそう言って手際よくロイフラング行きの手配を進めてくれた。
「慰謝料だよ。」と費用も路銀も賄ってくれた。
そして夫人の言う通り、手際が良すぎて旅立つ今日まであっという間だった。
今からロイフラングに向かう……そう思うとブリジットは不思議な気分だった。
ほんの少し前まではそんな勇気が持てなかったと言うのに。
ブリジットは少し前にセドリックとアリスの処遇をガネット夫人に聞かされた。
2人は一緒に帰る事を許されなかった。
セドリックはもうロイフラングに出発してこの国にはもういないそうだ。
アリスは両親が迎えに来る手筈だそうで、まだこの国にいるらしい。
ゴスルジカ公爵家としてのアリスへの処遇は男爵家は公爵家に一切関わらない事。
セドリックへの処遇はゴスルジカ公爵が決めた相手と即結婚し公爵家嫡男としての学び直しをする事。
アリスとどうしても結婚したいなら廃嫡。
しかし公爵家によって男爵家は潰されるだろう。
それだけの事をアリスはしている。
ブリジットの知るセドリックなら、平民になってまでアリスと添い遂げない。
公爵家嫡男としてやってきて今更無理だろうと本人も十分わかっているはずだ。
そしてそもそも契約婚をする羽目になった、アリスの養子問題。
高位貴族の養子入りをアリスが断固拒否した理由は両親と親子じゃなくなるのは嫌だ。という幼稚な理由だった。
そしてこれを許したセドリックは公爵家嫡男として甘すぎる。
加えてブリジットの両親がつけた契約の条件もほぼ守れていない。
契約の守れない貴族など論外だ、とゴスルジカ公爵はご立腹らしい。
確かに天真爛漫で優しいのがセドリックなのだが、4大公爵家のひとつを継ぐにはこのままじゃ危なっかしいだろう。
とはいえ人は変わる。
今のセドリックがどういう選択をするのか、ブリジットにはわからない。
そしてそれは、ブリジットもそうだ。
この事をガネット夫人はもっと前に知っていたがあえてブリジットには言わなかった。
だけど「今のあなたなら……」と教えてくれたのだ。
確かに少し前のブリジットなら「自分のせいで」と気に病んでいただろう。
もちろんそう思う気持ちはある。
しかし全て自分のせいだと今は思わない。
それぞれが、それぞれの分の責任を背負うべきだ。
セドリックとアリスの問題はブリジットには関係ない。
そんな風に思える様になるまでに随分遠くまで来たものだ。
「アベルは……ちゃんと出発の日は教えたのだけど。お仕事休めなかったのかしらね……」
ガネット夫人にそう言われてブリジットはハッと思考から引き戻される。
「来るかと思ったのに。」とデイビットも同意した。
アベルに会ったのは婚姻解消の話し合いをしたのが最後だ。
そうして一ヶ月も経たないうちに出発する事になって今日である。
ブリジットも実は最後だから、と来てくれるのを期待していた。
しかしそれも都合もいい話だ。
初恋は自身の手で終わらせた。
だけども青いリボンを置いて行くことはしない。
大事に持って帰ろうと決めていた。
「いいえ、お仕事があるのです。皆様に送っていただけて。それだけでも贅沢です。」
そう言って顔を綻ばせると皆なんとも言えない顔をした。
皆込み上げるものがあるらしく無口になっていた。
「まあ、道中気をつけてな。長旅になるだろうけど、楽しんで。」
ポールがわざとらしいくらい明るく言った。
「手紙、頂戴ね。待っているから。」
「ビジイ……お別れだなんて信じたくないけど……でも元気で……」
ガネット夫人もデイビットもそれに続く。
「さあ、もう乗って、ビジイ。このままじゃ本当に離れ難くなってしまうよ。」
長くなりそうな別れに子爵は笑って言った。
ビジイは美しくカーテシーをすると振り返り馬車に乗り込もうと子爵の手を借り馬車に足をかけた。
「え?」
「あ、おい?!」
「ええ?」
急に子爵家の面々がブリジットの背中で騒がしくなる。
ビジイは馬車に乗り込み外を見ようとするとヌッと前を塞がれた。
「もうちょっとつめてくれないか。」
えっと思う間もなく乗り込んでくる人がいた。
「アベル様?!」
ブリジットは思わず驚いた声を上げた。
「兄さん!何乗り込んでんだよ!」
デイビッドも声を上げる。
「何でって、私も行くからだよ。ヒステマラ領に。」
当然のように、アベルが言う。
そんなの皆初耳だ。
「一体何を?アベル様。」
ブリジットも混乱しながら震える声で尋ねる。
「今、ヒステマラ領は私のアドバイスに基づいてブドウを植えていると言っていたよね。でも知っているかい?環境や育て方で品質はグッと変わるって。」
「え、ええ。ですから私なりに勉強して……」
「私が直接行ったほうが早い。」
「あなた!何言ってるの!王宮の仕事はどうするの?!」
ガネット夫人が甲高い声を上げた。
「ああ、辞めてきた。」
「ええ!!」
そこに居た全員が目を丸くした。
「辞めた……?どうして……!そんな事一言も……!」
「言えば君は反対するじゃないか。」
そう言えばクルと馬車の外を振り返る。
「じゃあ、そう言うわけだから領邸に纏めている荷物があるから後から送ってくれ。ポール兄さん諸々よろしく。」
そういうとバタンと扉を閉めてしまった。
「一体、アベル様は何を……」
ブリジットがそういうとアベルは駄々っ子を前にしたように眉を下げて微笑むと大きく息を吐いた。
「私が君を諦める気がないって事をわかってもらう様全力で行動することに決めたんだ。」
それはどう言うことだ。
聞きたいけれど誰も言葉が出ない。
「そもそも君には普通のやり方じゃ駄目だってようやく気付いたんだよ。何故ならブリジットは頑固で変わり者だからね。」
皆の時が止まった。
「ぶはっ」
沈黙を破ったのはポールだった。
「あは!あははは!!本当お前は……!!」
そういうとポールは馬車の窓に手を掛けた。
「ははは!後はぶふっ!任せろアベル!くっくっく!」
腹を抱えながら馬車から離れると御者に手で合図を送った。
絶句している皆を置いて馬車が動き出す。
「あなたにだけは言われたくありません!!」
「ぶはは!!」
暫くするとブリジットの絶叫が響き渡り、被る様にポールの笑い声も響いた。
ブリジットはそう言って馬車の前で頭を下げた。
「なんだかあっという間だったわね……。」
寂しそうにガネット夫人が言う。
「1日も早くご両親に元気な姿を見せてあげなさい。」
婚姻解消が成立するとスラビーズ子爵はそう言って手際よくロイフラング行きの手配を進めてくれた。
「慰謝料だよ。」と費用も路銀も賄ってくれた。
そして夫人の言う通り、手際が良すぎて旅立つ今日まであっという間だった。
今からロイフラングに向かう……そう思うとブリジットは不思議な気分だった。
ほんの少し前まではそんな勇気が持てなかったと言うのに。
ブリジットは少し前にセドリックとアリスの処遇をガネット夫人に聞かされた。
2人は一緒に帰る事を許されなかった。
セドリックはもうロイフラングに出発してこの国にはもういないそうだ。
アリスは両親が迎えに来る手筈だそうで、まだこの国にいるらしい。
ゴスルジカ公爵家としてのアリスへの処遇は男爵家は公爵家に一切関わらない事。
セドリックへの処遇はゴスルジカ公爵が決めた相手と即結婚し公爵家嫡男としての学び直しをする事。
アリスとどうしても結婚したいなら廃嫡。
しかし公爵家によって男爵家は潰されるだろう。
それだけの事をアリスはしている。
ブリジットの知るセドリックなら、平民になってまでアリスと添い遂げない。
公爵家嫡男としてやってきて今更無理だろうと本人も十分わかっているはずだ。
そしてそもそも契約婚をする羽目になった、アリスの養子問題。
高位貴族の養子入りをアリスが断固拒否した理由は両親と親子じゃなくなるのは嫌だ。という幼稚な理由だった。
そしてこれを許したセドリックは公爵家嫡男として甘すぎる。
加えてブリジットの両親がつけた契約の条件もほぼ守れていない。
契約の守れない貴族など論外だ、とゴスルジカ公爵はご立腹らしい。
確かに天真爛漫で優しいのがセドリックなのだが、4大公爵家のひとつを継ぐにはこのままじゃ危なっかしいだろう。
とはいえ人は変わる。
今のセドリックがどういう選択をするのか、ブリジットにはわからない。
そしてそれは、ブリジットもそうだ。
この事をガネット夫人はもっと前に知っていたがあえてブリジットには言わなかった。
だけど「今のあなたなら……」と教えてくれたのだ。
確かに少し前のブリジットなら「自分のせいで」と気に病んでいただろう。
もちろんそう思う気持ちはある。
しかし全て自分のせいだと今は思わない。
それぞれが、それぞれの分の責任を背負うべきだ。
セドリックとアリスの問題はブリジットには関係ない。
そんな風に思える様になるまでに随分遠くまで来たものだ。
「アベルは……ちゃんと出発の日は教えたのだけど。お仕事休めなかったのかしらね……」
ガネット夫人にそう言われてブリジットはハッと思考から引き戻される。
「来るかと思ったのに。」とデイビットも同意した。
アベルに会ったのは婚姻解消の話し合いをしたのが最後だ。
そうして一ヶ月も経たないうちに出発する事になって今日である。
ブリジットも実は最後だから、と来てくれるのを期待していた。
しかしそれも都合もいい話だ。
初恋は自身の手で終わらせた。
だけども青いリボンを置いて行くことはしない。
大事に持って帰ろうと決めていた。
「いいえ、お仕事があるのです。皆様に送っていただけて。それだけでも贅沢です。」
そう言って顔を綻ばせると皆なんとも言えない顔をした。
皆込み上げるものがあるらしく無口になっていた。
「まあ、道中気をつけてな。長旅になるだろうけど、楽しんで。」
ポールがわざとらしいくらい明るく言った。
「手紙、頂戴ね。待っているから。」
「ビジイ……お別れだなんて信じたくないけど……でも元気で……」
ガネット夫人もデイビットもそれに続く。
「さあ、もう乗って、ビジイ。このままじゃ本当に離れ難くなってしまうよ。」
長くなりそうな別れに子爵は笑って言った。
ビジイは美しくカーテシーをすると振り返り馬車に乗り込もうと子爵の手を借り馬車に足をかけた。
「え?」
「あ、おい?!」
「ええ?」
急に子爵家の面々がブリジットの背中で騒がしくなる。
ビジイは馬車に乗り込み外を見ようとするとヌッと前を塞がれた。
「もうちょっとつめてくれないか。」
えっと思う間もなく乗り込んでくる人がいた。
「アベル様?!」
ブリジットは思わず驚いた声を上げた。
「兄さん!何乗り込んでんだよ!」
デイビッドも声を上げる。
「何でって、私も行くからだよ。ヒステマラ領に。」
当然のように、アベルが言う。
そんなの皆初耳だ。
「一体何を?アベル様。」
ブリジットも混乱しながら震える声で尋ねる。
「今、ヒステマラ領は私のアドバイスに基づいてブドウを植えていると言っていたよね。でも知っているかい?環境や育て方で品質はグッと変わるって。」
「え、ええ。ですから私なりに勉強して……」
「私が直接行ったほうが早い。」
「あなた!何言ってるの!王宮の仕事はどうするの?!」
ガネット夫人が甲高い声を上げた。
「ああ、辞めてきた。」
「ええ!!」
そこに居た全員が目を丸くした。
「辞めた……?どうして……!そんな事一言も……!」
「言えば君は反対するじゃないか。」
そう言えばクルと馬車の外を振り返る。
「じゃあ、そう言うわけだから領邸に纏めている荷物があるから後から送ってくれ。ポール兄さん諸々よろしく。」
そういうとバタンと扉を閉めてしまった。
「一体、アベル様は何を……」
ブリジットがそういうとアベルは駄々っ子を前にしたように眉を下げて微笑むと大きく息を吐いた。
「私が君を諦める気がないって事をわかってもらう様全力で行動することに決めたんだ。」
それはどう言うことだ。
聞きたいけれど誰も言葉が出ない。
「そもそも君には普通のやり方じゃ駄目だってようやく気付いたんだよ。何故ならブリジットは頑固で変わり者だからね。」
皆の時が止まった。
「ぶはっ」
沈黙を破ったのはポールだった。
「あは!あははは!!本当お前は……!!」
そういうとポールは馬車の窓に手を掛けた。
「ははは!後はぶふっ!任せろアベル!くっくっく!」
腹を抱えながら馬車から離れると御者に手で合図を送った。
絶句している皆を置いて馬車が動き出す。
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