転生勇者の異世界見聞録

第6話 ギルド2

わしはレティシアに連れられてまず両替商に行く。

エリミリア金貨１枚を細かくしてギルドに向かった。

ギルドの建物は西門から500mぐらいの大通りの並びにある。

ハーフテンバー様式で木の柱と漆喰でできているようだ。

市役所の様な感じでまあまあの大きさ。

扉は開放されている。

中に入ると中央は広くスペースをとっている。

その両側は食堂兼酒場と言う感じ。

そしてテンプレの様に、いかつい兄ちゃん達が興味深々といった目でこっちを見ている。

「おいレティシアおまえの子か？」

二十歳ぐらいだろうか男前だがいかついにいちゃんが声をかけてくる。

周りで似たような年頃の冒険者達がニヤニヤしている。

「そんなわけないでしょ。せめて弟かって聞くところでしょ。」

「で、弟なのか？」

「ちがうわよ。」

「マッテオ俺その子供、西門で見たぜ人さらいに連れてこられたんだ。」

「その人さらいに連れてこられた子供が何しにギルドに来たんだ。見学か？」

「登録に来たんじゃが」

「あ、しゃべった。じゃなくて、おまえみたいなちっこいのがギルドに入って何すんだ。」

「さっさと教会にでも行って孤児院に入んな。」

「孤児院はやだって言うのこの子。」

なんじゃこの小僧達、レベルは25程度。

偉そうに人を見下せるほどではないじゃろうが。

マッテオと呼ばれた男前は

「こいつは現実ってのがわかってねえんじゃないか。」

と言いながら木製のテーブルをゲンコツでドーンと叩いた。

「マッテオあなた子供相手に何を威嚇してんのよ。」

「初めに分からせてやらねえとすぐに死んじまって・・・」

言い終わらない間にわしはマッテオのそばに歩いて行く。

彼の前のテーブルを小さな手で加減しながらペチャっと叩いた。

テーブルはズゴーンと音をたてて真っ二つに割れた。

あっ加減が足りなかった。