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第24話 ダンジョンボス3
しおりを挟む偶然だけど、この子らのそばにはわしがいる。
存分に利用してレベルアップして簡単には死なないようにすればいいのじゃ。
最下層の30階層まで魔物を寄せ付けずにいく。
可哀想だが片っ端から光の粒になってこの子らの糧になってもらう。
わしはタピタに肩車されている。楽ちんじゃ。
ここなら女子達にもかまわれないし安全じゃな。
マッテオたちは完全にキノコ狩りのようになってドロップアイテムや魔核を拾い集めている。
彼らにはマジックポーチを持たせているので荷物はいくら増えても大丈夫。
「なんだか俺たち反則だよな。」
マッテオが言う。
他のメンバーはいまさらと思っているのだろう。
何も言わない。
ただ、時折体がパーっと光って頭の中でぴろぴろーんと音が鳴るたびになんだか強くなってきたって感じている。
タンジョンボスの部屋の扉の前に来た。
みんなのレベルも45位。ボスのレベルは50位だからパーティで戦えば勝てないことはない。
「なんか雰囲気のある扉ね。」
「どんなボスがいるのかしら。」
と盛り上がっている。
と、扉が勝手にスルーっと開く。
みんなに緊張感が走る。
扉の間から宝箱がずるずると押されて出てくる。
何事かと訝しんでいると宝箱の影から小さくなったトロールが顔をのぞかせる。
「これでカンニンして、お願い。」
と小さな声で言う。
「ダメだよ、こんな初心者のダンジョンに化け物が来ちゃ。いじめだからねそれ。」
トロールは宝箱を外に押し出して扉を閉めようとする。
「待って待って。」
と声をかける。
トロールは迷惑そうにこちらに目を向ける。
「ちょっとボス部屋の中を見せて。」
「いやですよ。エッチ。」
「だってせっかくここまで来たんだからどんな所か見たいじゃないの。」
「せっかくって言うほど苦労してないでしょうに。」
「まあそう言わずに。」
「じゃあ、ちょっとだけ。」
と言ってドアを開けてくれる。
「ああ、やっぱりそんな感じね。」
「なんだか失礼ね。その宝箱あげるからもうこないでね。」
と言ってピシャっと扉を閉められた。
ワシ達はなんか複雑な気分になったが転移魔法を使ってダンジョンの入り口に出た。
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