転生勇者の異世界見聞録

yahimoti

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第26話 月からの来訪2

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こいつらも魔物と同じでわしの魔力を感じて避けているのか?

ちょっと魔力を抑え込んでみるとその分近づいて来る。

この魔力を抑え込むというのは鼻をつまんでいるようで気持ちが悪いんじゃ。
どうしてくれようかと考える。

すると急に暗くなって来た。
まだ昼前だし、目の前は晴れているぞ。

頭の上から女性っぽい声がする。

「ご主人。ご主人様なの。ご主人様と同じ魔力の匂いがする。」

見上げると空を覆う程のでかい翼を広げた竜がおる。

でかいなー。
暗いのはおまえの影か。

「釣りの邪魔じゃから向こうに行け。」

「えーっそっちにいっちゃダメ?」

「この浜のどこにおまえみたいなでかいのがこれるんじゃ。」

「じゃ小さくなったらいいの。」

「好きにせい。」

でかい竜がスルスルと小さくなって降りて来る。
小さくなったら今度は光りだして人の姿になった。若い姉ちゃんじゃ。

一応着るもんは着ているのでよしとしよう。姉ちゃんはわしに近づいてきてクンクン匂いを嗅いでいる。

犬の様じゃな。

「お前は誰じゃ。」

姉ちゃんはしょげた様に頭の両側に立ってた角の様なものをぺたりと垂れた。

「ご主人様ボクの事忘れちゃったの。やっぱり捨てられちゃったんだ。」

「何を言っとるわしゃおまえなんぞ知らんぞ。」

「えーっ。ボクに乗っていろんなところに行ったじゃない。」

レティシアが異変に気づいてかけよってくる。

「これ、誰?あの大きな竜はどこに行ったの。」

「こいつがその竜じゃ。」

「ふーん。竜は人化することができるっていうけど本当なのね。それで誰なの?」

「ボクはムート。エンシェントドラゴン。勇者ユウトのペットだよ。」と胸を張って答える。

エンシェントドラゴンが自慢そうにペットはないじゃろう。

「それって1000年ぐらい前の事でしょう。勇者はもういないわよ。」

ムートは納得出来ないという顔をしてわしを指差す。

「だってそこにいるし。」

ムートは勇者がかまってくれないので月(ルネリリーというらしい。もう一つの月はカタリリー、ちなみにこの地球の様な星はサイティカと呼ぶそうだ。)
でふて寝をしていたらしい。

それで月が揺れたので目を覚ましたと言う。

「ご主人が怒って叩き起こされたと思って魔力の匂いをたどってここに来たんだよ。」

わしはちょっと心あたりがあってメニューを開いて見た。

ずーっとステータスや加護やスキルが列記されておるのをスクロールさせて見ていくと終いの方にあった。

ペット バハムートと書いてある。

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