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第33話 新勇者伝2
しおりを挟むここんとこウロちゃんは毎日フツーにご飯を食べに来る。
来ると言っても転移魔法でポンっと来てポンっと帰る。
わしはウロちゃんが魔国チェルゴスの古本屋で買ってきた真勇者伝を読んでみた。
本当に絵日記だった。
ページの上は色鉛筆で絵が描いてあって下には月日と天気が書かれて、短い文章が書かれている。
内容のほとんどは今日はどこに行って何を食べたとか。
他のパーティメンバーの誰が勇者と馴れ馴れしいとか、後は露天で買ったアクセサリーや服の事が書かれている。
そりゃ年頃の女の子の日記だし。
勇者と会った後から書き始められていてるようなので会った時の事などは記載がない。
だいたい記述の中から推測すると年齢は15歳から17歳ぐらい。
中肉中背で筋骨隆々といったタイプではないようじゃ。
金髪碧眼通常はぽやーっとしていて何を考えているのかわからない感じといったところか。
絵が描いてあるが下手すぎてわかりにくいというか描かない方がまどわされんでよいぐらいじゃ。
画伯じゃな。
旧ミルグラス王国に召喚された勇者は魔王の討伐に向かうが魔国に至る紆余曲折のうちに問題が魔国にあるのでないことに気がついた。
魔国にある多数の希少金属や鉱物の鉱山や労働力としての奴隷などに目をつけて侵略や掠奪をしているのは王国の方だった。
勇者は激怒して王国を滅ぼして現在の王国カルナガリアを建国したと言うことじゃ。
日記(真勇者伝)にはその後パーティメンバーの誰と何したとか、魔王となんかしたとか書いてあるがそれはパスじゃ。
しかしカルナガリア王国って1000年も続いとるんか。
「ウロちゃん、魔国に温泉あるって書いてあるけど。」
ウロちゃんがそれそれって顔を輝かせて言う。
「あるよ。観光地として有名だよ。火山地帯だからいっぱいあるんだ。7種類のお湯がある温泉とか、いいところだよ。のんびりお湯に浸かって美味しいもの食べて最高だよ。」
「行った事あるの?」
「ないよ。」
「なんだ、行った事あるみたいな話しぶりだったじゃないか。」
ダンジョンからの遠見の魔法具で見たらしい。
なんかいろいろ見たんじゃないの?
ウロちゃんが視線をうろうろ泳がせている。
「いや、いろいろは見ていないよ。見えるものだけ。」
「出歯亀。エッチ。」
レティシアに白い目で見られている。
ムートはなんだかわからない様だ、竜だし。
「ユウトー。みんなで温泉に行こうよー。」
とウロちゃんが言う。
よーしエリミリア金貨を両替して大豪遊しちゃおうかな。
これぞ異世界でチートって感じじゃん。
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