僕らを残したこの世界で笑う

Ran

文字の大きさ
2 / 9
プロローグ 偽りの仮面

1. いつも通り

しおりを挟む
―― 現在 ――

 現在 西暦2230年。
 今より500年程前、この世界は争いが耐えず起こってた。原因は、人間族のほかに、鬼族、妖精族、吸血鬼族、魔女族の4種族がいるからだ。
 いまは各種族が協定を結び、種族ごとに住む土地をきめた事で争いもなく平穏に過ごしている。

 人間は戦闘の時代、勝つために魔力を操る力をつけた。いわゆる魔術師だ。
 そして、魔術師よりは数が少ないけど陰陽師も現れるようになった。
 理由はここ300年の間に妖が姿を見せるようになったから。

 魔術師にも陰陽師にも力の強さを表す階級がある。
 この階級社会の世界では、階級が上の者程待遇がよくいい扱いをうける。
 魔術師の階級は上から、黒規員くろきいん、紺期員、緑規員、黄規員、白規員になる。

 ちなみに、あたし荒木結花は上から3番目の階級、青規員あおきいんだ。
 この学校の中では魔術師としての階級は1番高い。

『えー、最近この学校の近くにも不審者が出ているので生徒達は注意するように。それから──……。』

 今は全校集会中。けど校長の話は長くてつまらないからあくびしか出てこない。

「ねぇ、結花知ってる? 二階堂れら様がまたテロ組織を倒したって話。しかも相手は青規員のやつらが500人もいたのに、れら様と従者の3人だけで倒したんだって。」

 横を見ると友達の瑠依るいがあたしに話しかけてきていた。
 この子とは1年からの友達だ。

「もちろん知ってるよっー! ほんとれら様って強いよね。もー、めっちゃ憧れるよ~」

 あたしは両手を握りしめてうっとりする。

 二階堂れら様は私たち人間族をおさめる長。
 最年少の18歳で長になり、しかも異例の10代で1番上の階級 黒規員になったみんなの尊敬の的だ。

 黒規員は人間族15億人のうち、たったの200人しかいない。
 半年に1回行われる階級試験では毎回合格率が3.5%ほどの狭き門だ。
 そのため10代で合格したは者は本当に数少ない。

「いつかあたしもれら様みたいになれたらな~。」

 すると後ろからトンっと肩を叩かれた。振り向くとこの前産休に入った先生の代わりに臨時で保健室の先生を務めることになった明石先生がいた。

 「二階堂様に憧れるのはいいけど、集会中は静かにね。」

 と注意されてしまった。

「はーい。」

  あたしはしぶしぶ前を向き、瑠依と話すのをやめる。

 いつも通りの生活。いつも通りの日常。
 そうなると思っていた。けど、あたしの日常は今日で崩れてしまった。


 ふと、そういえば瑠依は出会った頃と比べよく笑うようになったな、と思う。

 瑠依とは去年も同じクラスで最初はクラスの子に全然興味なさそうで自分から誰かに話しかけるとかしなかったから、クラスでけっこう浮いてた。
 瑠依は生まれつき魔力のないノンスキルで、ノンスキルはいつもバカにされがちだから、それでみんなに話しかけないのかな、と思っていた。

 あたしは、瑠依がどんな子が気になって話しかけてみた。第一印象はすごくクールで冷たい感じの子、だった。
 けど話してみると優しくていい子で、あたしが話しかけたのがきっかけでだんだんとクラスに溶け込んで行った。

 今ではあたしの1番の友達。

 すると突然、

ドオオオオオオォォォォォォンン!!!

 突然体育館中に爆音が響き渡る。

「きゃああああぁぁ!!」「な、なんだぁ!?」

 みんな突然のことに驚き、そこら中から悲鳴が聞こえる。
 辺りは煙で包まれて何も見えない。
 みんな突然の出来事にパニックを起こして悲鳴をあげながら、爆発の音のした後方とは反対の前方のステージ側へと走り出す。

 パニックを起こしているみんなに押し倒され、転びしながら私もみんなと一緒になって前方へと進む。

 怖い、一体何が起こったの…!?

 先生達が大きな声で「落ち着け!」とか「迂闊に動くな! 危険だ!!」とか色々叫んでいるけどパニックを起こしているみんなは聞く耳を持たない。
 先生の中にはパニクって生徒達と一緒にずっと悲鳴をあげてる人もいる。

 何が何だかわからなくて、体が恐怖で震える。ヒザがガクガクいって全然直らない。

 するとだんたんと煙が薄くなってきて、体育館の後方に誰か2人佇んでいるのが分かる。 

 「動くなああぁ!! 動いたらまた爆弾を爆発させるぞぉ!」

 犯人の1人そう言い片手をあげる。手の中には爆弾のスイッチと思われるものが握られている。

 それをみて、みんなはより一層悲鳴をあげる。パニックに拍車がかかり始めた。
 さっきまで冷静に指示を出してた先生たちも驚愕して言葉も出ない様子だった。

 「ぎゃーぎゃーうるせぇ! 騒ぐと殺すぞぉ!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

悪役令嬢は手加減無しに復讐する

田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。 理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。 婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...