21 / 30
最終章 魔王編
初戦闘?
しおりを挟む
魔大陸、それは出現する魔王によって様変わりする不思議な所だった。前回は平和そうな平原だった。進むにつれて土地が荒れ地になっていき、魔王城はまるで廃墟のようだった。
しかし今回の魔大陸は・・・。
「すごい。魔素が充満してる・・・」
「ですね。魔術師にとっては最高の環境でしょう」
魔法を基本使わないメリーでさえ感じる魔素の濃さ。魔法の素と書いて魔素。その名の通りだ。
「不気味」
「だねー。それにこの風景・・・」
森のような場所だった。しかし、木々は枯れて、草は紫色に変色している。地面はごつごつしていて石の上を歩いてるようだ。
「魔素が浸透して、生態系が変わってんのかもな。あそこの泉見てみろよ。毒々しい色してるな」
紫色の泉がポコポコと音を立てて空気を排出している。まさに異界という感じだった。
「うへぇ・・・気持ち悪い」
「それよりエル」
「分かってますよレイ」
そういうとエルは地面に魔法陣を描き始める。転移魔法が使えるかの確認だ。これが使えるか使えないかで討伐作戦の難易度が変わってくる。
書き終えるとそこに乗り、エルの姿が消える。そしてすぐに現れる。
「どうだったー?」
「ええ問題なく使えます。これなら補給に帰るのも簡単です」
「荷物をもっていかなくていいのはありがたいな・・・ん?」
「どうかしましたカイ様?」
じっと後方右側に視線をやる。しかしそこには何もない。
「んー視線を感じた気がするんだが・・・気のせいか」
別に敵意を感じたわけではないからいっか。
「行きましょうカイ様」
エルに手を引かれて歩きはじめる。
「む。エルはあざとい」
「ねー。まあ私はそんなに焦らないからいいけど」
「いいなぁ長命の種族は。ねねここは私に先を譲るという話はない?」
「「ない」」
「むぅー!」
まるで緊張感のないパーティー一同。さながらピクニックに来ているようだった。
まあロケーションは最悪、右を見ても左を見ても気味が悪いが・・・。
まあどうせ当分ただただ探索しつつ魔王城を探す旅だ。前回は探し出すのに一年も要したし、気長に行こう。
そうしてしばらく枯れ木に印をつけながらまずは周辺の探索から始めた。
「しかし・・・何もないですね」
「うーん。確かに前回は魔王以外の生物はいなかった」
「そうなの?」
「つまんない」
「楽に進めるのは歓迎だけどねー」
前回は魔王城に到達するまで戦闘はなく、まさに万全の状態で魔王と対峙することができた。しかし・・・。
「俺なりに色々調べたんだが、歴史を振り返ると、魔物が跋扈していたり、魔王四天王とかいたり、まさに軍と言えるほどの規模の魔王軍がいたりしたそうだ。だから油断はできないな」
「何が来ようと、カイ様に傷一つつけさせませんけどね」
「お?森を抜けるみたい」
枯れた木々が生える森を抜けると、真っ黒い草が生い茂る平原に出た。この魔大陸は常時夜のようで、真っ暗な世界が目の前に広がる。
「!?避け――」
と俺が声を出す前に、飛んできた何かをメリーがカカカァン弾く。
「敵かな?」
いつの間にか二刀の刀を抜き臨戦態勢に入っているメリー。
しかし敵は姿を現さず、ひたすら何か棘のようなものが飛んでくる。
「ストーンウォール」
俺たちの四方に分厚い石の壁が現れる。エルの魔法だ。
石壁に音を立てて弾かれていく棘。前方だけでなく、四方八方から飛んできている。
「どうします?一体を更地にもできますが・・・」
「んー・・・塵も残さないのはまずいな、出来れば姿を確認したいし」
「じゃあ私が」
スゥゥゥゥっと息を吸い込み続けるレイちゃん。吸い込み終わるとバンッと音を立てて飛びあがる。
囲まれた壁を上から飛び出たレイちゃんに無数の棘が飛んでくるが・・・。
吐き出される冷気のブレスに、棘は凍り、途中で落下する。
「エル」
「はい」
エルが魔法を解除し、石の壁が消える。すると・・・周りの全てが凍っていた。まるで時が止まっているかのように・・・。
「カイ。これが正体」
ポイッとレイはこちらに氷を投げてよこす。氷の中には黒いハリネズミの様な動物がいた。
「魔物・・・だよな?」
まじまじと見る。大きさは尻尾も合わせた全長60㎝ほどだろうか。黒い禍々しい棘が印象的だ。
「なんか・・・可愛い顔してる」
「棘がなかったらペットにしたいなーコレ」
うん。確かに少し愛くるしい感じがあるな。目とかめっちゃつぶらで可愛い。
「でも所詮魔物です。倒しておきましょう」
スッと氷漬けになったハリネズミに手を翳すエル。
「まぁまぁ!ちょっと待とうよエル」
「そうだねーこんな可愛いんだし・・・」
スッとエルを遮るように前に出るシノとメリー。
「エルが手を出さなくても、もう死んでる」
レイが指をパチンっと・・・鳴らしたかったのだろうが、カスッという音がすると共に、氷と共に魔物が粉々になる。
「「「ああ~~~!!!」」」
と悲鳴が三つ聞こえる。みっつ?
「貴様ら・・・!よくも我配下を!!」
スッと俺たち五人は即座に臨戦体勢に入る。
目の前には黒肌の筋骨隆々な男がいた。額には二つの小さなこぶ。目の色は赤く、怒り心頭でこちらを睨んでいた。
「誰だお前は・・・」
「我か?我こそはかの至高の魔王様に仕える親衛隊!百八天王が一人!飛針の―――ぎゃあああ!!」
「あれ?斬っちゃまずかった?」
名乗りを上げている途中でメリーが斬りこみ、下半身と上半身がお別れした。
「いや・・・まあ隙がある方が悪い。でも今度からはちゃんと名乗りを終えてから突っ込もうな?」
なんか俺たちが悪いことをしてるみたいで後味が悪いし・・・。
「お・・おのれ・・・勇者め・・・だが我は・・・百八天王でも最弱・・・・第二第三の刺客が・・・お前たちを・・・」
と言ったところで飛針さんは黒い煙となって消えた。
「あんなのが108人もいるのか・・・」
「そうですね。あんなのが108人程度しかいないなら、安全に魔王城まで行けそうですね」
エルさんが辛辣である。つーか普通四天王とかじゃないの?多すぎても天王の意味が消えている気がする。
「油断はだめ」
「そうだよエル。いくらあれがスライム並みに弱かったとしても、次がそうとは限らないんだから」
「私出番あるのかなー?」
まあお世辞にも強かったとは言えないが・・・。喋ってる間もなんかポージング決めてたし・・・。
なんやかんや魔大陸での初戦闘は大勝利を収めたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なに!?飛針のハイリがやられた?」
「はい。通信が途絶えたので間違いないかと」
「ふむ・・・まあ奴は所詮我ら百八天王の中でも最弱。やられたところで痛くも痒くもない」
「私共がやられたとしても、魔王様さえ無事でいれば・・・」
「ああ。まさしくその為だけに我らがいるのだ。ぬかるなよ?最善を尽くし、勇者を亡き者にせよ」
「はい。他の百八天王にも伝達しておきます」
「我らが魔王様に、願わくば多くの幸あらんことを」
しかし今回の魔大陸は・・・。
「すごい。魔素が充満してる・・・」
「ですね。魔術師にとっては最高の環境でしょう」
魔法を基本使わないメリーでさえ感じる魔素の濃さ。魔法の素と書いて魔素。その名の通りだ。
「不気味」
「だねー。それにこの風景・・・」
森のような場所だった。しかし、木々は枯れて、草は紫色に変色している。地面はごつごつしていて石の上を歩いてるようだ。
「魔素が浸透して、生態系が変わってんのかもな。あそこの泉見てみろよ。毒々しい色してるな」
紫色の泉がポコポコと音を立てて空気を排出している。まさに異界という感じだった。
「うへぇ・・・気持ち悪い」
「それよりエル」
「分かってますよレイ」
そういうとエルは地面に魔法陣を描き始める。転移魔法が使えるかの確認だ。これが使えるか使えないかで討伐作戦の難易度が変わってくる。
書き終えるとそこに乗り、エルの姿が消える。そしてすぐに現れる。
「どうだったー?」
「ええ問題なく使えます。これなら補給に帰るのも簡単です」
「荷物をもっていかなくていいのはありがたいな・・・ん?」
「どうかしましたカイ様?」
じっと後方右側に視線をやる。しかしそこには何もない。
「んー視線を感じた気がするんだが・・・気のせいか」
別に敵意を感じたわけではないからいっか。
「行きましょうカイ様」
エルに手を引かれて歩きはじめる。
「む。エルはあざとい」
「ねー。まあ私はそんなに焦らないからいいけど」
「いいなぁ長命の種族は。ねねここは私に先を譲るという話はない?」
「「ない」」
「むぅー!」
まるで緊張感のないパーティー一同。さながらピクニックに来ているようだった。
まあロケーションは最悪、右を見ても左を見ても気味が悪いが・・・。
まあどうせ当分ただただ探索しつつ魔王城を探す旅だ。前回は探し出すのに一年も要したし、気長に行こう。
そうしてしばらく枯れ木に印をつけながらまずは周辺の探索から始めた。
「しかし・・・何もないですね」
「うーん。確かに前回は魔王以外の生物はいなかった」
「そうなの?」
「つまんない」
「楽に進めるのは歓迎だけどねー」
前回は魔王城に到達するまで戦闘はなく、まさに万全の状態で魔王と対峙することができた。しかし・・・。
「俺なりに色々調べたんだが、歴史を振り返ると、魔物が跋扈していたり、魔王四天王とかいたり、まさに軍と言えるほどの規模の魔王軍がいたりしたそうだ。だから油断はできないな」
「何が来ようと、カイ様に傷一つつけさせませんけどね」
「お?森を抜けるみたい」
枯れた木々が生える森を抜けると、真っ黒い草が生い茂る平原に出た。この魔大陸は常時夜のようで、真っ暗な世界が目の前に広がる。
「!?避け――」
と俺が声を出す前に、飛んできた何かをメリーがカカカァン弾く。
「敵かな?」
いつの間にか二刀の刀を抜き臨戦態勢に入っているメリー。
しかし敵は姿を現さず、ひたすら何か棘のようなものが飛んでくる。
「ストーンウォール」
俺たちの四方に分厚い石の壁が現れる。エルの魔法だ。
石壁に音を立てて弾かれていく棘。前方だけでなく、四方八方から飛んできている。
「どうします?一体を更地にもできますが・・・」
「んー・・・塵も残さないのはまずいな、出来れば姿を確認したいし」
「じゃあ私が」
スゥゥゥゥっと息を吸い込み続けるレイちゃん。吸い込み終わるとバンッと音を立てて飛びあがる。
囲まれた壁を上から飛び出たレイちゃんに無数の棘が飛んでくるが・・・。
吐き出される冷気のブレスに、棘は凍り、途中で落下する。
「エル」
「はい」
エルが魔法を解除し、石の壁が消える。すると・・・周りの全てが凍っていた。まるで時が止まっているかのように・・・。
「カイ。これが正体」
ポイッとレイはこちらに氷を投げてよこす。氷の中には黒いハリネズミの様な動物がいた。
「魔物・・・だよな?」
まじまじと見る。大きさは尻尾も合わせた全長60㎝ほどだろうか。黒い禍々しい棘が印象的だ。
「なんか・・・可愛い顔してる」
「棘がなかったらペットにしたいなーコレ」
うん。確かに少し愛くるしい感じがあるな。目とかめっちゃつぶらで可愛い。
「でも所詮魔物です。倒しておきましょう」
スッと氷漬けになったハリネズミに手を翳すエル。
「まぁまぁ!ちょっと待とうよエル」
「そうだねーこんな可愛いんだし・・・」
スッとエルを遮るように前に出るシノとメリー。
「エルが手を出さなくても、もう死んでる」
レイが指をパチンっと・・・鳴らしたかったのだろうが、カスッという音がすると共に、氷と共に魔物が粉々になる。
「「「ああ~~~!!!」」」
と悲鳴が三つ聞こえる。みっつ?
「貴様ら・・・!よくも我配下を!!」
スッと俺たち五人は即座に臨戦体勢に入る。
目の前には黒肌の筋骨隆々な男がいた。額には二つの小さなこぶ。目の色は赤く、怒り心頭でこちらを睨んでいた。
「誰だお前は・・・」
「我か?我こそはかの至高の魔王様に仕える親衛隊!百八天王が一人!飛針の―――ぎゃあああ!!」
「あれ?斬っちゃまずかった?」
名乗りを上げている途中でメリーが斬りこみ、下半身と上半身がお別れした。
「いや・・・まあ隙がある方が悪い。でも今度からはちゃんと名乗りを終えてから突っ込もうな?」
なんか俺たちが悪いことをしてるみたいで後味が悪いし・・・。
「お・・おのれ・・・勇者め・・・だが我は・・・百八天王でも最弱・・・・第二第三の刺客が・・・お前たちを・・・」
と言ったところで飛針さんは黒い煙となって消えた。
「あんなのが108人もいるのか・・・」
「そうですね。あんなのが108人程度しかいないなら、安全に魔王城まで行けそうですね」
エルさんが辛辣である。つーか普通四天王とかじゃないの?多すぎても天王の意味が消えている気がする。
「油断はだめ」
「そうだよエル。いくらあれがスライム並みに弱かったとしても、次がそうとは限らないんだから」
「私出番あるのかなー?」
まあお世辞にも強かったとは言えないが・・・。喋ってる間もなんかポージング決めてたし・・・。
なんやかんや魔大陸での初戦闘は大勝利を収めたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なに!?飛針のハイリがやられた?」
「はい。通信が途絶えたので間違いないかと」
「ふむ・・・まあ奴は所詮我ら百八天王の中でも最弱。やられたところで痛くも痒くもない」
「私共がやられたとしても、魔王様さえ無事でいれば・・・」
「ああ。まさしくその為だけに我らがいるのだ。ぬかるなよ?最善を尽くし、勇者を亡き者にせよ」
「はい。他の百八天王にも伝達しておきます」
「我らが魔王様に、願わくば多くの幸あらんことを」
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる