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第五十九話_ビオラ、ダメな上司みたいなことをする
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ビオラ、イクシア、ペリウィンクルが世界樹を中心とした花畑で仕事をしていると、遠くで「「えっほ、えっほ」」と掛け声をあげながら狩りで仕留めたイグアナを運ぶGPシスターズの姿があった。
「ずいぶん狩りにも慣れたみたいだね」
「そうですね、初回で歴戦王でしたからね。通常個体は難なく狩れているようです」
「スアナ帝では人が増えたからね。産まれた妹ちゃんも凄く食べるってゼフィちゃんが言ってたよ」
ペリウィンクルから聞きなれない言葉を聞いたビオラは「巣穴てい?」と言って首を傾げる。
「スーパーアルティメット・ナナチャン大帝国の略です、お母さま。 長いですから」
「略したんだ…… ま、確かに長いもんね。 それはそうと、ナナちゃんのところの子もそろそろだと思うけど、ウチのペパーミントももうすぐ立ち上がりそうだよね――」
と、ビオラは言いながらオアシ巣を見上げる。そして「あぁっ!!」と大声をあげた。
見れば、巣から小さな塊が飛び出して結構なスピードで空を飛んでいるのが目に入ったのだ。
「ペパーミント!! え? ちょっ、あの子、裸じゃんっ!!」
ペパーミントは身に一糸も纏わず、キリっとした真面目な表情で両手を前に伸ばした姿勢で高速で空をブンブン飛び回っていた。
「何で裸??! 寝かせてた時には服着てたよね、そうだよねイクシア?!」
「はい。 暑かったんでしょうか?」
「と、とにかく早く捕まえて服着せないと! このままじゃマズいって! 倫理の女神コンプラに見つかったら大変なことになるよ! 幼女の裸はマズいって!!」
あわあわと焦るビオラに、「落ち着いてください、お母さま」とイクシアは冷静に声をかけ、「お母さま、あれを!」とペパーミントを指さす。
「あ、あぁっ!! 光の精霊が!」
ビオラは驚いた。いつもペパーミントの周りをキラキラしながらまとわりついている光の精霊が、いつもより格段にキラキラ度を上げてペパーミントの際どい部分を隠すかのように輝いていた。
「光の精霊がイイ仕事してるっ!!」
「今のうちです、お母さま。 倫理の女神コンプラに見つかる前に捕まえましょう! ペリウィンクルは巣に戻って服を取って来て」
「はーい!」
ペリウィンクルは巣のほうへ、ビオラとイクシアはペパーミントを追いかけようと飛び上がる。しかし追いかけるまでもなく、ビオラが「ペパーミント!」と声をかけると笑顔で振り返ったペパーミントは「ママぁ~!」と嬉しそうにビオラの胸に飛び込んできた。
抱きとめたビオラはそのまま地面に降り、抱いていたペパーミントも地面に下ろして立たせると目線を合わせるようにビオラは屈む。
「もぉ~、ペパーミント。 ビックリするじゃない。どうして服脱いじゃったの?」
「ん~とね! どくしゃシャービシュっ!」
「こらっ、ペパーミント。 どこで覚えたんですか、そんなはしたない言葉!」
―― はしたない言葉なのか読者サービスって……? まぁ、今回に限れば確かにそうか……
ビオラはそんなことを思いながら、イクシアに怒られるペパーミントを見る。可愛く小首を傾げるペパーミントはちゃんと理解しているのかどうか。
イクシアに「ちゃんと服は着なさい」と言われ「は~い、イクねぇちゃん」とペパーミントは返事をしている。と、その時、ドドドドドドッという激しい音と遠くで砂煙が上がっているのにビオラは気が付いた。
「待てぇーっ!! 待たんかぁーーーいっ!!!」
「ん? ナナちゃん??」
声の主から、ナナが走ってくるのかと思ったビオラは砂煙の先頭を目を凝らして見た。
「あっ……!」
「服を着ろぉーーーっ!!」
砂煙の先頭は、真っ裸の地獄蟻の女の子。その後ろを、珍しく必死の形相をしたナナが追いかけている。
―― あっちもかいっ!!?
砂煙はだんだんビオラたちに近づいて来、先頭の女の子はキキッと急ブレーキをかけたかのようにペパーミントの前で止まった。ペパーミントはキラキラとした光に包まれているが、地獄蟻の女の子は揺らめくような黒い靄に包まれ大事な部分が隠れていた。
二人は見つめ合い、そして無言で頷くとガッと堅く握手をする。
―― 気が合っちゃったかぁ……
「ぜぇ…… ぜぇ…… お、追いついたぁ……」
息も絶え絶え、服を抱えてやって来たナナに「おはよう、ナナちゃん。 その…… お疲れさま」とビオラは声をかけた。
「う、うむ…… あれはビオラのとこの娘か?」
「うん。ペパーミントって名前だよ」
「そ、そうか。 ウチの娘はGP-004だ」
「……連番なん?」
「いや、そういうわけじゃないんだが、ゼフィたちが自分たちの妹だからって。 まぁそれはひとまず置いといて、服を着せよう」
ちょうどペリウィンクルが服を抱えて巣から戻って来たため、逃げられないように全員で囲んで二人を着替えさせた。飛び上がって逃げないように上空はペリウィンクルで蓋をするという念の入れようである。
「ところでナナちゃん。GP-004ちゃんの周りに黒い靄がふよふよしてるけど…… コレってもしかして」
「うむ。 闇の精霊っぽいな。産まれてチョットしてからずっと周りをウロウロしてるみたいだ」
「そっちもなんだ…… こっちは何故か光の精霊なんだけど、なんにせよ今回は光と闇の精霊がイイ仕事してくれて助かったわ。危うく女神コンプラに叱られるところだったよ……」
「そうなのか? 女神に叱られるとどうなるのだ?」
「最悪、この世界が終わる」
「……マジで? 一応謝っておいたほうがよくないか?」
「確かに」
ビオラは服を着たペパーミントをはじめ娘たちに「魔力に乗せて女神に謝罪を届けるよ」と言って整列させる。そこへトコトコとGP-004までやって来て、さりげなく一緒に並んだ。
「では、こほん……」
一つ咳ばらいをして呼吸を整えたビオラは両手を天高く掲げ「倫理の女神コンプラよ、我らの謝罪の言葉と魔力を受け取り給え」と唱えはじめる。ビオラと、そして真似をして両手を掲げた娘たちとGP-004の体が魔力で淡く輝いた。
「誰にも見つからないうちに服は着せました。 事故発覚後の迅速な隠蔽ヨシ! ごめんなさい!!」
「「ごめんなさい!!」」
「いや、隠蔽はダメだろ」
珍しくツッコみに回ったナナの目の前で、唱和した一同から謝罪の言葉を乗せた魔力が大空に向かって立ち昇って行く。
立ち昇って行く先、ふわりと女神コンプラがまるで蜃気楼のように現れ、魔力と報告を受け取るとグッと親指を立ててニコリと笑った。
「オッケーなのか……」
青く澄んだ大空に映る、笑顔の女神に向かってナナは呟いた。
「ずいぶん狩りにも慣れたみたいだね」
「そうですね、初回で歴戦王でしたからね。通常個体は難なく狩れているようです」
「スアナ帝では人が増えたからね。産まれた妹ちゃんも凄く食べるってゼフィちゃんが言ってたよ」
ペリウィンクルから聞きなれない言葉を聞いたビオラは「巣穴てい?」と言って首を傾げる。
「スーパーアルティメット・ナナチャン大帝国の略です、お母さま。 長いですから」
「略したんだ…… ま、確かに長いもんね。 それはそうと、ナナちゃんのところの子もそろそろだと思うけど、ウチのペパーミントももうすぐ立ち上がりそうだよね――」
と、ビオラは言いながらオアシ巣を見上げる。そして「あぁっ!!」と大声をあげた。
見れば、巣から小さな塊が飛び出して結構なスピードで空を飛んでいるのが目に入ったのだ。
「ペパーミント!! え? ちょっ、あの子、裸じゃんっ!!」
ペパーミントは身に一糸も纏わず、キリっとした真面目な表情で両手を前に伸ばした姿勢で高速で空をブンブン飛び回っていた。
「何で裸??! 寝かせてた時には服着てたよね、そうだよねイクシア?!」
「はい。 暑かったんでしょうか?」
「と、とにかく早く捕まえて服着せないと! このままじゃマズいって! 倫理の女神コンプラに見つかったら大変なことになるよ! 幼女の裸はマズいって!!」
あわあわと焦るビオラに、「落ち着いてください、お母さま」とイクシアは冷静に声をかけ、「お母さま、あれを!」とペパーミントを指さす。
「あ、あぁっ!! 光の精霊が!」
ビオラは驚いた。いつもペパーミントの周りをキラキラしながらまとわりついている光の精霊が、いつもより格段にキラキラ度を上げてペパーミントの際どい部分を隠すかのように輝いていた。
「光の精霊がイイ仕事してるっ!!」
「今のうちです、お母さま。 倫理の女神コンプラに見つかる前に捕まえましょう! ペリウィンクルは巣に戻って服を取って来て」
「はーい!」
ペリウィンクルは巣のほうへ、ビオラとイクシアはペパーミントを追いかけようと飛び上がる。しかし追いかけるまでもなく、ビオラが「ペパーミント!」と声をかけると笑顔で振り返ったペパーミントは「ママぁ~!」と嬉しそうにビオラの胸に飛び込んできた。
抱きとめたビオラはそのまま地面に降り、抱いていたペパーミントも地面に下ろして立たせると目線を合わせるようにビオラは屈む。
「もぉ~、ペパーミント。 ビックリするじゃない。どうして服脱いじゃったの?」
「ん~とね! どくしゃシャービシュっ!」
「こらっ、ペパーミント。 どこで覚えたんですか、そんなはしたない言葉!」
―― はしたない言葉なのか読者サービスって……? まぁ、今回に限れば確かにそうか……
ビオラはそんなことを思いながら、イクシアに怒られるペパーミントを見る。可愛く小首を傾げるペパーミントはちゃんと理解しているのかどうか。
イクシアに「ちゃんと服は着なさい」と言われ「は~い、イクねぇちゃん」とペパーミントは返事をしている。と、その時、ドドドドドドッという激しい音と遠くで砂煙が上がっているのにビオラは気が付いた。
「待てぇーっ!! 待たんかぁーーーいっ!!!」
「ん? ナナちゃん??」
声の主から、ナナが走ってくるのかと思ったビオラは砂煙の先頭を目を凝らして見た。
「あっ……!」
「服を着ろぉーーーっ!!」
砂煙の先頭は、真っ裸の地獄蟻の女の子。その後ろを、珍しく必死の形相をしたナナが追いかけている。
―― あっちもかいっ!!?
砂煙はだんだんビオラたちに近づいて来、先頭の女の子はキキッと急ブレーキをかけたかのようにペパーミントの前で止まった。ペパーミントはキラキラとした光に包まれているが、地獄蟻の女の子は揺らめくような黒い靄に包まれ大事な部分が隠れていた。
二人は見つめ合い、そして無言で頷くとガッと堅く握手をする。
―― 気が合っちゃったかぁ……
「ぜぇ…… ぜぇ…… お、追いついたぁ……」
息も絶え絶え、服を抱えてやって来たナナに「おはよう、ナナちゃん。 その…… お疲れさま」とビオラは声をかけた。
「う、うむ…… あれはビオラのとこの娘か?」
「うん。ペパーミントって名前だよ」
「そ、そうか。 ウチの娘はGP-004だ」
「……連番なん?」
「いや、そういうわけじゃないんだが、ゼフィたちが自分たちの妹だからって。 まぁそれはひとまず置いといて、服を着せよう」
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「ところでナナちゃん。GP-004ちゃんの周りに黒い靄がふよふよしてるけど…… コレってもしかして」
「うむ。 闇の精霊っぽいな。産まれてチョットしてからずっと周りをウロウロしてるみたいだ」
「そっちもなんだ…… こっちは何故か光の精霊なんだけど、なんにせよ今回は光と闇の精霊がイイ仕事してくれて助かったわ。危うく女神コンプラに叱られるところだったよ……」
「そうなのか? 女神に叱られるとどうなるのだ?」
「最悪、この世界が終わる」
「……マジで? 一応謝っておいたほうがよくないか?」
「確かに」
ビオラは服を着たペパーミントをはじめ娘たちに「魔力に乗せて女神に謝罪を届けるよ」と言って整列させる。そこへトコトコとGP-004までやって来て、さりげなく一緒に並んだ。
「では、こほん……」
一つ咳ばらいをして呼吸を整えたビオラは両手を天高く掲げ「倫理の女神コンプラよ、我らの謝罪の言葉と魔力を受け取り給え」と唱えはじめる。ビオラと、そして真似をして両手を掲げた娘たちとGP-004の体が魔力で淡く輝いた。
「誰にも見つからないうちに服は着せました。 事故発覚後の迅速な隠蔽ヨシ! ごめんなさい!!」
「「ごめんなさい!!」」
「いや、隠蔽はダメだろ」
珍しくツッコみに回ったナナの目の前で、唱和した一同から謝罪の言葉を乗せた魔力が大空に向かって立ち昇って行く。
立ち昇って行く先、ふわりと女神コンプラがまるで蜃気楼のように現れ、魔力と報告を受け取るとグッと親指を立ててニコリと笑った。
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