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第六十三話_イクシア、試し撃ちをする
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軽食を終えたマーゴロックは「待ってな」と言って立ち上がると、工房の隅に立て掛けてあった銃の許へ行き手にして戻ってくる。その銃の周囲には破裂したであろう銃身の残骸が転がっていた。
「お前らサイズの銃を作る前に、まず作った試作品だ。 お前の案が本当にうまくいくか分からんかったからな」
「はい、そうですね」
「いっちばん最初に作った試作品は大爆発だった…… いや、マジで死ぬかと思ったぜ。試射するときに引き金に紐つけて離れたとこから引っ張るようにしてなけりゃ、今頃俺は肉片になってたぞ……」
遠い目をするマーゴロックの横で、ずずっとイクシアはお茶をすする。
「まぁ愚痴はこのへんにしとくか。 外行くぞ」
マーゴロックとイクシアが外に出ようと工房の出入り口に差し掛かると背後から「おっちゃ~ん」とサリスが呼び止める。
「わたしも行くぅ~。 連れてってぇ~」
生肉を食べ終わってテーブルの上で仰向けに転がっているサリスは力なくマーゴロックに向かって手を伸ばしている。「しゃあねぇなぁ」とマーゴロックはむんずとサリスを掴むと頭の上に乗せて外に出た。
「ここらでいいか」
周囲に何もない場所までやって来るとマーゴロックは持って来ていた木の板を岩に立て掛ける。
ここに来るまでに、お腹の膨れたサリスはマーゴロックの歩く揺れで気持ち良くなったのか、頭の上で眠ってしまっていた。
「んじゃ、まずは見てもらうか。 下がってろよ、イクシア」
「はい、よろしくお願いします」
マーゴロックは銃を構えると撃鉄を起こして板に狙いをつけ、おもむろに引き金を引く。ダァーンッと爆破音が周囲に響き渡り、弾が当たった衝撃で的の板が立て掛けていた岩からズレて倒れた。「おわぁっ!!」と轟音に驚いたサリスが飛び起き、バランスを崩して落ちそうになるが、ジタバタとあがいて何とかマーゴロックの髭に引っ掛かってぶら下がった。
「と、こんな感じだ」
銃を下ろすと、何ということもない感じでマーゴロックは髭をほどいてサリスを救出すると再び頭の上に載せる。「ありがと、おっちゃん」とサリスは礼を言った。
「おぉ! 凄いです、マーゴロックさま」
「……まぁ、ここまではいいんだ。 問題はこっからだったんだよ」
そう言いながらマーゴロックはポケットから小さな銃を取り出してイクシアに渡す。
「当然だが同じ威力で爆発させちゃ、お前らサイズの銃は壊れちまう。 調整が大変だった…… 徹夜で歌ってくれたサリスに礼言っとけよ」
受け取った銃をしげしげと眺めていたイクシアはマーゴロックにそう言われると、ブーンとマーゴロックの頭上に飛んで行き、「ありがとう、サリス」と礼を言った。サリスは「へへっ」と嬉しそうに照れ笑いをする。
マーゴロックはイクシアが頭上でサリスに礼を言っている間にも倒れた板に向かって歩いて行き、元通りに岩に立て掛けると「ほれ、撃ってみろ。 試し撃ち用に弾は一発入ってる」と言った。
イクシアは「はい、試してみます」と的になる板から離れ、撃鉄を起こすと引き金を引いた。ぽすっと爆発音とは言い難い小さな音がして板にカツンッと弾が突き刺さった。
「見た通り火縄銃の威力と比べりゃ相当劣るが、お前らが使う弓矢よりは威力もあるし飛距離もある。それと爆発が小さいから銃身に熱を持ちにくいみたいだ。すぐに装填して、ある程度は連射しても大丈夫そうだな。 あぁ、あと、弾はお前らのケツの針だから毒も仕込めるぞ」
「素晴らしいです、マーゴロックさま」
「はははっ、いやもっと褒めてくれよ。 お前らの武器は小さすぎて難しいんだよ。特に今回はめちゃくちゃ細かい部品まで…… まったく、俺は鍛冶師で、細工師じゃあねぇんだよ」
愚痴っぽいことを言いながらも楽しそうに笑うマーゴロックに、イクシアはニコッと笑って「ありがとうございます、マーゴロックさま」と再び礼を言う。
「おぅよ、じゃあ俺は寝るわ。 あぁ、そうだ、もうあと二丁作っといた。予備にするか、ビオラ陛下やペリウィンクルが使うかは好きにするといい」
そう言うとポケットから小さな銃を二丁とりだしたマーゴロックはイクシアに渡す。
「この短期間で。 本当にありがとうございます」
「ははっ、じゃあな。 おい、サリス」
マーゴロックは自分の頭に乗っかっているサリスをツンツンとつつく、しかしサリスからは、むにゃむにゃと言葉にならない寝言が漏れる。
「なんだ、また寝ちまったのか。 こいつらの家は入り口が小さいからベッドまで運んでやれねぇんだが…… しゃあねぇなぁ、布団用意してやるか」
マーゴロックはサリスを頭に載せたまま地下都市の自宅へと帰って行った。
イクシアは三丁の銃をオアシ巣へと持って帰る。巣の中にある武器庫用の部屋に入ると、ビオラやペリウィンクルが使う弓の横に立て掛けた。
武器庫の中には毎日お尻から抜いて貯め込んでいる針と、それを加工して作った矢が箱に入って保管されている。他にはミニ世界樹の実から作った毒薬が瓶に入って保管されている。しかし火事の前に作ったのもなので残りは少ない。
「まさかこの短期間で三丁も作って頂けるとは。 何かあった時はとりあえず、お母さまとわたしとペリウィンクルが使えばいいですね。 ペパーミントはまだ戦闘に参加させるのは早いですし。 今度、お母さまとペリウィンクルに使い方を教えないと!」
ちょっと気の早いイクシアは、ウキウキしながら先生用の伊達メガネをスチャっと装備した。
「お前らサイズの銃を作る前に、まず作った試作品だ。 お前の案が本当にうまくいくか分からんかったからな」
「はい、そうですね」
「いっちばん最初に作った試作品は大爆発だった…… いや、マジで死ぬかと思ったぜ。試射するときに引き金に紐つけて離れたとこから引っ張るようにしてなけりゃ、今頃俺は肉片になってたぞ……」
遠い目をするマーゴロックの横で、ずずっとイクシアはお茶をすする。
「まぁ愚痴はこのへんにしとくか。 外行くぞ」
マーゴロックとイクシアが外に出ようと工房の出入り口に差し掛かると背後から「おっちゃ~ん」とサリスが呼び止める。
「わたしも行くぅ~。 連れてってぇ~」
生肉を食べ終わってテーブルの上で仰向けに転がっているサリスは力なくマーゴロックに向かって手を伸ばしている。「しゃあねぇなぁ」とマーゴロックはむんずとサリスを掴むと頭の上に乗せて外に出た。
「ここらでいいか」
周囲に何もない場所までやって来るとマーゴロックは持って来ていた木の板を岩に立て掛ける。
ここに来るまでに、お腹の膨れたサリスはマーゴロックの歩く揺れで気持ち良くなったのか、頭の上で眠ってしまっていた。
「んじゃ、まずは見てもらうか。 下がってろよ、イクシア」
「はい、よろしくお願いします」
マーゴロックは銃を構えると撃鉄を起こして板に狙いをつけ、おもむろに引き金を引く。ダァーンッと爆破音が周囲に響き渡り、弾が当たった衝撃で的の板が立て掛けていた岩からズレて倒れた。「おわぁっ!!」と轟音に驚いたサリスが飛び起き、バランスを崩して落ちそうになるが、ジタバタとあがいて何とかマーゴロックの髭に引っ掛かってぶら下がった。
「と、こんな感じだ」
銃を下ろすと、何ということもない感じでマーゴロックは髭をほどいてサリスを救出すると再び頭の上に載せる。「ありがと、おっちゃん」とサリスは礼を言った。
「おぉ! 凄いです、マーゴロックさま」
「……まぁ、ここまではいいんだ。 問題はこっからだったんだよ」
そう言いながらマーゴロックはポケットから小さな銃を取り出してイクシアに渡す。
「当然だが同じ威力で爆発させちゃ、お前らサイズの銃は壊れちまう。 調整が大変だった…… 徹夜で歌ってくれたサリスに礼言っとけよ」
受け取った銃をしげしげと眺めていたイクシアはマーゴロックにそう言われると、ブーンとマーゴロックの頭上に飛んで行き、「ありがとう、サリス」と礼を言った。サリスは「へへっ」と嬉しそうに照れ笑いをする。
マーゴロックはイクシアが頭上でサリスに礼を言っている間にも倒れた板に向かって歩いて行き、元通りに岩に立て掛けると「ほれ、撃ってみろ。 試し撃ち用に弾は一発入ってる」と言った。
イクシアは「はい、試してみます」と的になる板から離れ、撃鉄を起こすと引き金を引いた。ぽすっと爆発音とは言い難い小さな音がして板にカツンッと弾が突き刺さった。
「見た通り火縄銃の威力と比べりゃ相当劣るが、お前らが使う弓矢よりは威力もあるし飛距離もある。それと爆発が小さいから銃身に熱を持ちにくいみたいだ。すぐに装填して、ある程度は連射しても大丈夫そうだな。 あぁ、あと、弾はお前らのケツの針だから毒も仕込めるぞ」
「素晴らしいです、マーゴロックさま」
「はははっ、いやもっと褒めてくれよ。 お前らの武器は小さすぎて難しいんだよ。特に今回はめちゃくちゃ細かい部品まで…… まったく、俺は鍛冶師で、細工師じゃあねぇんだよ」
愚痴っぽいことを言いながらも楽しそうに笑うマーゴロックに、イクシアはニコッと笑って「ありがとうございます、マーゴロックさま」と再び礼を言う。
「おぅよ、じゃあ俺は寝るわ。 あぁ、そうだ、もうあと二丁作っといた。予備にするか、ビオラ陛下やペリウィンクルが使うかは好きにするといい」
そう言うとポケットから小さな銃を二丁とりだしたマーゴロックはイクシアに渡す。
「この短期間で。 本当にありがとうございます」
「ははっ、じゃあな。 おい、サリス」
マーゴロックは自分の頭に乗っかっているサリスをツンツンとつつく、しかしサリスからは、むにゃむにゃと言葉にならない寝言が漏れる。
「なんだ、また寝ちまったのか。 こいつらの家は入り口が小さいからベッドまで運んでやれねぇんだが…… しゃあねぇなぁ、布団用意してやるか」
マーゴロックはサリスを頭に載せたまま地下都市の自宅へと帰って行った。
イクシアは三丁の銃をオアシ巣へと持って帰る。巣の中にある武器庫用の部屋に入ると、ビオラやペリウィンクルが使う弓の横に立て掛けた。
武器庫の中には毎日お尻から抜いて貯め込んでいる針と、それを加工して作った矢が箱に入って保管されている。他にはミニ世界樹の実から作った毒薬が瓶に入って保管されている。しかし火事の前に作ったのもなので残りは少ない。
「まさかこの短期間で三丁も作って頂けるとは。 何かあった時はとりあえず、お母さまとわたしとペリウィンクルが使えばいいですね。 ペパーミントはまだ戦闘に参加させるのは早いですし。 今度、お母さまとペリウィンクルに使い方を教えないと!」
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