【完結】王子への罰として婚約させられました!

オリハルコン陸

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パーティー2

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「男どもの視線が、おまえの胸にいってる気がする。気に食わん」

王子うちのバカ犬が何か言い出した。

「……普通とは逆の意味ですけどね」

思わず死んだ眼差しを返す。
大きな胸を思わず二度見するのはたまによくあることだけれど、私の場合はあまりの平らさに…ってやかましいわ!

王子だって、さっきから大きな乳の女性にチラチラ視線をやってる癖に。まあそれは私もだから、わからなくはないけれど。

だって気になる。
何をしたらあそこまで大きくなるのか。
パットで盛るにしても限界がある。ドレスの胸は、完全に覆うのじゃなくて、上側は生乳を見せるデザインだから。

私じゃあの三分の一も…ってやかましい。
…今、三分の一どころか五分の一もあやしいって言った奴、前に出ろ!
その通りだよ!ちょっと見栄張ったよ!!悪いか!!


…あれ?王子が従者に何か言って、従者がターニャにコソコソ話してる。何だ?

「リューン様。ちょっとだけ離れますね」

うん、まあいいけど。




「リューン様、これを」

しばらくして、ターニャが戻ってきた。
今日のドレスと同系色の、ふわっとした薄手のスカーフを手に。
…そんなのあったっけ?

ターニャがそれを私の肩にかけて整えた。
貧相というのもおこがましいほどにささやかな胸元が隠れる。
王子が満足そうに頷いた。

「よし、これで直接は見えなくなったな」

「…そんなに見苦しかったですか?」

思わずいじける。
そこまで貶さなくたって…。

「いや。単に他の男がおまえの胸を見るのが、気に食わなかっただけだ」

…何だそれ。

ちょっと難しめの球をキャッチできた時の、クーみたいな顔。

…こんなセリフを少し格好いいと思ってしまう私は、どこかおかしいんじゃないだろうか。

そうは思うけれど、ちょっとだけ嬉しかった。



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