24 / 30
おまけ
男子会
しおりを挟む
第三王子視点
------
部屋に帰るとソファの陰に何かいた。
チラリと見える茶色い髪の毛。
「…兄上?」
「しーっ…!」
ちょっとだけ顔を出して、唇の前で指を一本立てている不審人物は間違いなく兄上だ。
つまりこの国の王太子。
「…またですか?」
兄上が何かから逃げて僕の部屋にくるのは、今に始まったことじゃない。
「頼むよ」
自分と似た顔を格好いいと言うのもどうかと思うけど、だいぶ格好いい部類に入る自慢の兄上。
…普段なら。
「…仕方がないですね」
今はちょっと情けなく見える兄上に、肩を竦めて匿うことを了承した。
今日のこれからの予定は全部無視すると兄上が言うので、お酒の準備をする。
僕は元々、これ以降の予定はない。
お酒やナッツなどのツマミは部屋に常備してあるから、人を呼ぶ必要はない。兄上がこういう時の為に貰い物の酒やなんかをちょいちょい持ち込むので、皿やグラスなんかも結構充実しているのだ。
僕が一人で飲むことはほとんど無くて、兄上と飲む時専用みたいになってるけど。
「悪いな」
僕の返事にほっとした表情を見せてソファに座った兄上は、やっぱり格好いい。女性が放っとかない感じだ。
というか事実放っておかれないから、こうなってる。
でも兄上は
「またご令嬢とのお茶会から逃げてきたんですか?」
そう言った僕を恨めしげに見て
「だって女なんて、あの母上や姉上や妹と同じ生き物なんだぞ!?」
いつもの言い分を涙目で訴えてきた。
兄上もいい歳なので、周囲は結婚させたがっている。兄上と結婚したい女性も山ほどいる。
その為たまにこうして、公務の合間にお茶会がねじ込まれたりするのだ。
それから逃げてくる兄上の気持ちはわかる。
とてもよくわかる。
母上も姉上たちも、見た目は粛々とした淑女にしか見えないのに、中身はアレだ。
特に下の姉上は、虫も殺さない顔で…
……………忘れたい…。
兄上の気持ちは凄くよくわかるけど
「でもきっと、あんなのばっかりじゃないですよ」
心にもない事を一応言ってみた。
だって兄上は王太子だ。
跡継ぎが必要なのだ。
けど案の定
「ならおまえが結婚しろよ!先に結婚してそれを証明してみせろよ!」
と反発して………泣き始めた。
泣くのまでは予想してなかった。
格好良さが五割減だ。
それでもまだ格好いいとか、どうなってる。
「僕はまだ若いし。兄上の後にって思ってるから」
とりあえずいつもの言い訳で誤魔化した。
でも本音を言うと、僕だって結婚なんてしたくない。
女は魔物だ。
いや。剣で斬り伏せていい分、本物の魔物の方がまだいいと時々本気で思わなくもない。僕が直接相手しなくてもいいし。
…女は怖い。
女と結婚なんて嫌だ。
なんであんな怖いのと一生を添い遂げなきゃならないんだ…。
僕の身近な女性が特殊なだけ。
そう思おうとしていた時期が、幼い頃の僕にもあった。
けどそんな甘っちょろい幻想は、お茶会に数回参加しただけで粉々に粉砕された。
女に隙を見せたらダメだ。
絶対に!
そう魂に刻みつけられた。
そんな相手と将来を誓い合うとか……
無理無理無理無理無理!!!
すぐ上のアラン兄上のお嫁さんは、ちょっと毛色が違うみたいだけれど。あれは絶滅危惧種的な何かだろう。あの胸の小ささ同様に。
少なくとも、僕らが結婚できそうな年齢で、僕らと結婚したがる女性の中にああいうのはいないだろう。
けれど困った事に、僕らはモテる。
顔はそこそこいいし、何より身分が申し分ない。
教育された通りに全ての女性を平等に丁寧に扱うのも、受けがいい理由らしい。
だから虎視眈々と狙われている。
しかし決して、女が好きな訳じゃないのだ。
というか正直、この一番上の兄上と僕は、女性不信を拗らせている。
アラン兄上は、単純な性格が幸いしたのかそんな事はないようだけれど。
…大きなおっぱいを見れば素直に飛び込んでいきそうなアラン兄上が、一時期ちょっと羨ましかったっけ。あれだけ無邪気に女性に夢見ていられたら、どれだけ幸せだろうって。
…今は特に狙ってもいなかった癖に、偶然怖くない女性と結婚できた兄上が心底羨ましい。
でもそんな絶滅危惧種がそうそういる訳もないから、僕らが怖い女性と結婚するのはほぼ決定付けられている。今はまだ、どうにか逃げ回っているけれど。
でも、兄上に対する結婚へのプレッシャーは、日に日に強くなっていってる。
そりゃ次期王だから、世継ぎをつくらなきゃいけないのはわかる。
でもその為に女と結婚するのは……。
………だいぶ追いつめられているのか、兄上は最近本気でアラン兄上の子を養子に迎えたそうにしている。
この前、アラン兄上が父上に子どもを見せに来た時に、凄くしっかりして見えたのも大きいんだと思う。
あのアラン兄上の子とは思えないほど、ちゃんとした受け答えだったから。
「あれだけしっかりした子なら王太子として十分だよな!?な!!?」
って部屋に戻ってきてから血走った目で言ってた。
あれから、前例とか他国の事例とかも調べさせてるみたいだし…。
いざとなったら、僕はそれでもいいんだけどね。
「王位継承権を混乱させたくない」とか何とか上手い事言って自分の結婚も回避できそうだから、むしろ好都合だ。
「はー………王太子なんてやだ」
兄上が、天井を見上げて愚痴る。
だいぶ酔いが回ってるみたいだ。
兄上が持ってくる酒は、度数が高いものが多いから酔いやすいのだ。
…酔って現実逃避する為のものだから……。
「またそういう事を」
「おまえがやればいいんだ」
一方僕は、ツマミがメインだ。
お酒は弱いから、ゆっくり飲んでいる。酔った兄上の愚痴を聞かなきゃだから。
今は何かのジャーキーを齧っている。
これ、旨味が凝縮してて美味しい。
「やですよ。早い者順ですから。諦めて兄上がやってください」
「嫌だー。好きで先に生まれた訳じゃないー」
かなり酔ってても、アラン兄上に継がせようと言わない理性は残ってるみたいだ。
…うん。それは絶対超えちゃいけない一線だ。
僕も、もしキリル兄上に何かあったら即位する覚悟はできている。
…でも理想は、キリル兄上が結婚して即位してその子が跡を継いで…だなー。
次点でキリル兄上が即位してアラン兄上の子がその跡を継ぐ…のがいいな。
………うん。その方向なら誰も傷つかない…かな……?
…甥っ子に面倒を押しつけるみたいで少し悪い気はするけれど。
でもあの変わり者のお嫁さんに育てられるなら、僕らほど女性に対する激しいトラウマが刻み込まれる事はないだろうし…。
だから…うん。僕も協力しようかな?王冠も付いてくるんだから、そう悪い話じゃないよね?
あれだけ可愛がってる孫が継ぐなら、父上もそこまで強く反対しないだろうし…。
…うん。
少し酔ってるような気もするけど。
でも明日になっても気が変わってなかったら、ちょっとその方向で進めるのもあり…かな…
------
本人不在で、酔っ払いたちによるとんでもない計画が…
------
部屋に帰るとソファの陰に何かいた。
チラリと見える茶色い髪の毛。
「…兄上?」
「しーっ…!」
ちょっとだけ顔を出して、唇の前で指を一本立てている不審人物は間違いなく兄上だ。
つまりこの国の王太子。
「…またですか?」
兄上が何かから逃げて僕の部屋にくるのは、今に始まったことじゃない。
「頼むよ」
自分と似た顔を格好いいと言うのもどうかと思うけど、だいぶ格好いい部類に入る自慢の兄上。
…普段なら。
「…仕方がないですね」
今はちょっと情けなく見える兄上に、肩を竦めて匿うことを了承した。
今日のこれからの予定は全部無視すると兄上が言うので、お酒の準備をする。
僕は元々、これ以降の予定はない。
お酒やナッツなどのツマミは部屋に常備してあるから、人を呼ぶ必要はない。兄上がこういう時の為に貰い物の酒やなんかをちょいちょい持ち込むので、皿やグラスなんかも結構充実しているのだ。
僕が一人で飲むことはほとんど無くて、兄上と飲む時専用みたいになってるけど。
「悪いな」
僕の返事にほっとした表情を見せてソファに座った兄上は、やっぱり格好いい。女性が放っとかない感じだ。
というか事実放っておかれないから、こうなってる。
でも兄上は
「またご令嬢とのお茶会から逃げてきたんですか?」
そう言った僕を恨めしげに見て
「だって女なんて、あの母上や姉上や妹と同じ生き物なんだぞ!?」
いつもの言い分を涙目で訴えてきた。
兄上もいい歳なので、周囲は結婚させたがっている。兄上と結婚したい女性も山ほどいる。
その為たまにこうして、公務の合間にお茶会がねじ込まれたりするのだ。
それから逃げてくる兄上の気持ちはわかる。
とてもよくわかる。
母上も姉上たちも、見た目は粛々とした淑女にしか見えないのに、中身はアレだ。
特に下の姉上は、虫も殺さない顔で…
……………忘れたい…。
兄上の気持ちは凄くよくわかるけど
「でもきっと、あんなのばっかりじゃないですよ」
心にもない事を一応言ってみた。
だって兄上は王太子だ。
跡継ぎが必要なのだ。
けど案の定
「ならおまえが結婚しろよ!先に結婚してそれを証明してみせろよ!」
と反発して………泣き始めた。
泣くのまでは予想してなかった。
格好良さが五割減だ。
それでもまだ格好いいとか、どうなってる。
「僕はまだ若いし。兄上の後にって思ってるから」
とりあえずいつもの言い訳で誤魔化した。
でも本音を言うと、僕だって結婚なんてしたくない。
女は魔物だ。
いや。剣で斬り伏せていい分、本物の魔物の方がまだいいと時々本気で思わなくもない。僕が直接相手しなくてもいいし。
…女は怖い。
女と結婚なんて嫌だ。
なんであんな怖いのと一生を添い遂げなきゃならないんだ…。
僕の身近な女性が特殊なだけ。
そう思おうとしていた時期が、幼い頃の僕にもあった。
けどそんな甘っちょろい幻想は、お茶会に数回参加しただけで粉々に粉砕された。
女に隙を見せたらダメだ。
絶対に!
そう魂に刻みつけられた。
そんな相手と将来を誓い合うとか……
無理無理無理無理無理!!!
すぐ上のアラン兄上のお嫁さんは、ちょっと毛色が違うみたいだけれど。あれは絶滅危惧種的な何かだろう。あの胸の小ささ同様に。
少なくとも、僕らが結婚できそうな年齢で、僕らと結婚したがる女性の中にああいうのはいないだろう。
けれど困った事に、僕らはモテる。
顔はそこそこいいし、何より身分が申し分ない。
教育された通りに全ての女性を平等に丁寧に扱うのも、受けがいい理由らしい。
だから虎視眈々と狙われている。
しかし決して、女が好きな訳じゃないのだ。
というか正直、この一番上の兄上と僕は、女性不信を拗らせている。
アラン兄上は、単純な性格が幸いしたのかそんな事はないようだけれど。
…大きなおっぱいを見れば素直に飛び込んでいきそうなアラン兄上が、一時期ちょっと羨ましかったっけ。あれだけ無邪気に女性に夢見ていられたら、どれだけ幸せだろうって。
…今は特に狙ってもいなかった癖に、偶然怖くない女性と結婚できた兄上が心底羨ましい。
でもそんな絶滅危惧種がそうそういる訳もないから、僕らが怖い女性と結婚するのはほぼ決定付けられている。今はまだ、どうにか逃げ回っているけれど。
でも、兄上に対する結婚へのプレッシャーは、日に日に強くなっていってる。
そりゃ次期王だから、世継ぎをつくらなきゃいけないのはわかる。
でもその為に女と結婚するのは……。
………だいぶ追いつめられているのか、兄上は最近本気でアラン兄上の子を養子に迎えたそうにしている。
この前、アラン兄上が父上に子どもを見せに来た時に、凄くしっかりして見えたのも大きいんだと思う。
あのアラン兄上の子とは思えないほど、ちゃんとした受け答えだったから。
「あれだけしっかりした子なら王太子として十分だよな!?な!!?」
って部屋に戻ってきてから血走った目で言ってた。
あれから、前例とか他国の事例とかも調べさせてるみたいだし…。
いざとなったら、僕はそれでもいいんだけどね。
「王位継承権を混乱させたくない」とか何とか上手い事言って自分の結婚も回避できそうだから、むしろ好都合だ。
「はー………王太子なんてやだ」
兄上が、天井を見上げて愚痴る。
だいぶ酔いが回ってるみたいだ。
兄上が持ってくる酒は、度数が高いものが多いから酔いやすいのだ。
…酔って現実逃避する為のものだから……。
「またそういう事を」
「おまえがやればいいんだ」
一方僕は、ツマミがメインだ。
お酒は弱いから、ゆっくり飲んでいる。酔った兄上の愚痴を聞かなきゃだから。
今は何かのジャーキーを齧っている。
これ、旨味が凝縮してて美味しい。
「やですよ。早い者順ですから。諦めて兄上がやってください」
「嫌だー。好きで先に生まれた訳じゃないー」
かなり酔ってても、アラン兄上に継がせようと言わない理性は残ってるみたいだ。
…うん。それは絶対超えちゃいけない一線だ。
僕も、もしキリル兄上に何かあったら即位する覚悟はできている。
…でも理想は、キリル兄上が結婚して即位してその子が跡を継いで…だなー。
次点でキリル兄上が即位してアラン兄上の子がその跡を継ぐ…のがいいな。
………うん。その方向なら誰も傷つかない…かな……?
…甥っ子に面倒を押しつけるみたいで少し悪い気はするけれど。
でもあの変わり者のお嫁さんに育てられるなら、僕らほど女性に対する激しいトラウマが刻み込まれる事はないだろうし…。
だから…うん。僕も協力しようかな?王冠も付いてくるんだから、そう悪い話じゃないよね?
あれだけ可愛がってる孫が継ぐなら、父上もそこまで強く反対しないだろうし…。
…うん。
少し酔ってるような気もするけど。
でも明日になっても気が変わってなかったら、ちょっとその方向で進めるのもあり…かな…
------
本人不在で、酔っ払いたちによるとんでもない計画が…
66
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!
みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。
幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、
いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。
そして――年末の舞踏会の夜。
「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」
エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、
王国の均衡は揺らぎ始める。
誇りを捨てず、誠実を貫く娘。
政の闇に挑む父。
陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。
そして――再び立ち上がる若き王女。
――沈黙は逃げではなく、力の証。
公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。
――荘厳で静謐な政略ロマンス。
(本作品は小説家になろうにも掲載中です)
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
婚約者を奪われるのは運命ですか?
ぽんぽこ狸
恋愛
転生者であるエリアナは、婚約者のカイルと聖女ベルティーナが仲睦まじげに横並びで座っている様子に表情を硬くしていた。
そしてカイルは、エリアナが今までカイルに指一本触れさせなかったことを引き合いに婚約破棄を申し出てきた。
終始イチャイチャしている彼らを腹立たしく思いながらも、了承できないと伝えると「ヤれない女には意味がない」ときっぱり言われ、エリアナは産まれて十五年寄り添ってきた婚約者を失うことになった。
自身の屋敷に帰ると、転生者であるエリアナをよく思っていない兄に絡まれ、感情のままに荷物を纏めて従者たちと屋敷を出た。
頭の中には「こうなる運命だったのよ」というベルティーナの言葉が反芻される。
そう言われてしまうと、エリアナには”やはり”そうなのかと思ってしまう理由があったのだった。
こちらの作品は第18回恋愛小説大賞にエントリーさせていただいております。よろしければ投票ボタンをぽちっと押していただけますと、大変うれしいです。
[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました
masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。
エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。
エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。
それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。
エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。
妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。
そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。
父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。
釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。
その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。
学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、
アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
妻よりも幼馴染が大事? なら、家と慰謝料はいただきます
佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢セリーヌは、隣国の王子ブラッドと政略結婚を果たし、幼い娘クロエを授かる。結婚後は夫の王領の離宮で暮らし、義王家とも程よい関係を保ち、領民に親しまれながら穏やかな日々を送っていた。
しかし数ヶ月前、ブラッドの幼馴染である伯爵令嬢エミリーが離縁され、娘アリスを連れて実家に戻ってきた。元は豊かな家柄だが、母子は生活に困っていた。
ブラッドは「昔から家族同然だ」として、エミリー母子を城に招き、衣装や馬車を手配し、催しにも同席させ、クロエとアリスを遊ばせるように勧めた。
セリーヌは王太子妃として堪えようとしたが、だんだんと不満が高まる。
あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです
じじ
恋愛
「あんな女、金だけのためさ」
アリアナ=ゾーイはその日、初めて婚約者のハンゼ公爵の本音を知った。
金銭だけが目的の結婚。それを知った私が泣いて暮らすとでも?おあいにくさま。あなたに恋した少女は、あなたの本音を聞いた瞬間消え去ったわ。
私が金づるにしか見えないのなら、お望み通りあなたのためにお金を用意しますわ…ただし、利子付きで。
【片思いの5年間】婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。
五月ふう
恋愛
「君を愛するつもりも婚約者として扱うつもりもないーー。」
婚約者であるアレックス王子が婚約初日に私にいった言葉だ。
愛されず、婚約者として扱われない。つまり自由ってことですかーー?
それって最高じゃないですか。
ずっとそう思っていた私が、王子様に溺愛されるまでの物語。
この作品は
「婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。」のスピンオフ作品となっています。
どちらの作品から読んでも楽しめるようになっています。気になる方は是非上記の作品も手にとってみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる