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動けない
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彼の去った部屋の中、動けない。
先ほどの彼の様子が、何度も頭の中でぐるぐると回る。
仕方がないと言いながらも、辛そうな顔をしていた。
決して、あっさり別れを決めた態度ではなかった。
「俺のことなど、何とも思っていない癖にっ…」
そう私を責めた時の語調の強さ。
瞳の鋭さ。
何より
「好きだった」
彼はそう言った。
彼は確かにそう言った。
そんなの、別れる女に言うセリフじゃない。
いくらでも替えのきく相手に言うセリフじゃない。
彼は…本当に私が好き…?
私のことを特別だと思ってくれている…?
彼にとって私は………冷たく突き放したあの子とは…違う……?
だったら…
私は…彼を好きでいてもいいの?
当たり障りのない夫婦以上の関係を、期待してもいいの?
彼から愛されることを期待してしまってもいいの?
それなら…
それなら…私は……彼と………
でも…
婚約解消の手続きをすると、彼は去り際にはっきりと言った。
もし、彼が本当に私のことを好きでいてくれたのだとしても…
もう手遅れ………
先ほどの彼の様子が、何度も頭の中でぐるぐると回る。
仕方がないと言いながらも、辛そうな顔をしていた。
決して、あっさり別れを決めた態度ではなかった。
「俺のことなど、何とも思っていない癖にっ…」
そう私を責めた時の語調の強さ。
瞳の鋭さ。
何より
「好きだった」
彼はそう言った。
彼は確かにそう言った。
そんなの、別れる女に言うセリフじゃない。
いくらでも替えのきく相手に言うセリフじゃない。
彼は…本当に私が好き…?
私のことを特別だと思ってくれている…?
彼にとって私は………冷たく突き放したあの子とは…違う……?
だったら…
私は…彼を好きでいてもいいの?
当たり障りのない夫婦以上の関係を、期待してもいいの?
彼から愛されることを期待してしまってもいいの?
それなら…
それなら…私は……彼と………
でも…
婚約解消の手続きをすると、彼は去り際にはっきりと言った。
もし、彼が本当に私のことを好きでいてくれたのだとしても…
もう手遅れ………
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