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序章プロローグ

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  ある年のクリスマスの時だった。僕はストーブによって温められたリビングに1人だった。けど悲しくはなかったよ。僕はお父さんとお母さんの3人で一つ屋根の下で楽しく過ごしてきた。毎年毎年、普通の子供のようにクリスマスプレゼントを親からもらっている。
しかし、今年もそのために、楽しくてうきうきしていた僕は親の帰りをずっと待っていたのだが、一本の電話が入った。

「・・・。」

この電話を受けて僕は何も言えなかった。
部屋の中で何も音が感じない空間の中で僕は一人泣きそして喚き続けた。
「なんで急にいなくなるんだ。」
「僕はこんなに軟弱な人間じゃないのに。早く病院に行かなくちゃ。」
と僕は急な出来事を真摯に受け止め、足早に病院向かった。
  病院に着いたら、看護師の人が待っていてくれた。
「こちらでございます。」と遺体がある病室に案内してくれた。その目線には布で覆われた血の気もなく、体が真っ白な二つの遺体があった。僕は恐る恐る布をめくった。

「・・・!お父さんお母さん。」

僕には本当に両親かどうか信じられない遺体がそこにはあった。
僕はまだ7歳だった。まさかこんな悲しいことが来るなんて思わなかったよ。

  後日、2人の葬儀が静かに営まれた。
僕はまだ7歳なのに、親のいない世界に迷い込んでしまったのだ。ずっと僕は手を合わせ、数珠を持ちながら祈っていたのだ。

「なんでこんな早くにいなくなったんだ。」

僕はずっとこのことしか頭に思い浮かばなかった。

「この度は父と母の葬儀にご参列いただき誠にありがとうございます。」
という挨拶を参列者に向かって話した。7歳とは思えなかった。
葬儀終了後、参列者たちは僕が遺影の前に座っている様子を鋭い目で見ながら、この場所をさっていった。
「あの子かわいそうね。親も祖父母も従兄弟もいない。今後どうしていくんだろうねー。まぁ施設行きは免れないけど。」
と軽々しく愚痴を言う近所のおばさまたちがずっと思っていたのだ。どうやら僕たちをよく思っていなかったようだ。
  言っておくが、僕の祖父母そして従兄弟たちは東日本大震災の津波にみんな飲み込まれて息絶えてしまったのだ。
  しかし、祖母だけは流木に捕まって生き残ったのだ。けど、その20日後誰もいない寂しさと大事な家族を亡くしたことを仇となり、自宅のリビングで首吊り自殺を図って絶命したのだ。
  そして、遠方から来ていた祖母の知り合い2人も祖母の連帯責任を負い、1人はナイフで刺され、もう1人はナイフでその人を跡形もなく無差別に切り刻んで八つ裂きにしたらしい。そしてその血が大量に付着したナイフを自分の各部分、臓器を抉り取った。それから、摘出した臓器は床に置いたまま機能を失い、血が噴出し絶命した。
もう部屋中、臓器の腐った匂い、血の匂いで充満していた。気持ち悪すぎる。部屋と3人の遺体は血の海と化してしまった。
 発見した警察官も嘔吐をしながら部屋を片付けたと言う。

  このような状況で1人で死を覚悟して生きることは無理難題であると考えた僕は、今まで死んだ家族、親族の遺産をかき集めて5000万円を手にすることができた。僕は施設に行くことになったと言うエピソードがある。
  
  僕の家族って怖いと思う。死にたがりが集結してると思っていた。けどこんなに素晴らしいことが未来で待っているなんて知るよしもなかった。
 
 中学3年生になった僕はとても有意義な生活を送っている。僕の名前は相田 飛雄。昔ではあり得なかった笑顔が満ち溢れていた。とてもワクワクしている。

「これから、僕の物語が始まるんだ。」
そう悟ったのだ。

第一章をみてね。
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