サバイバルパーティー

Hanakappa!

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第5話 悲劇の王子様

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 ここは一体、どこだろうか。
私は、誰なのか。

どこかの部屋のベッドで寝込んでいる私。
起き上がるときに細くて色白な手首が見えた。

目がぼやけていて、どこに何があるのかわからない。

メガネはどこなのか?

私は手探りでベッドの周りを探して見ることにした。

ガサガサと何かを漁る音が聞こえる。

「あった。」

壁と枕の間にめがねがあることに気が付き、装着してみる。

私は、部屋の中を見渡した。

「ここはどこなの?」

全く見覚えのない景色である。

白を基調としたシンプルなお部屋になっていた。

私はクローゼットのようなものを発見する。

開けてみると、どこかで見たことのあるブレザーがあった。

何食わぬ顔で私は身につけ、部屋のドアノブに手を触れた。

ビリビリと少し静電気が走っている。

ドアを開け、リビングに向かうも、そこには誰もおらず、ただ鳥の鳴き声が聞こえるだけで、閑散としていた。
外に出てみても、私の心当たりのある場所ではない。

まるでたんぽぽの綿毛が舞い上がっているようなそよ風が吹いていた。


自転車で急な下り坂をジェットコースターのように落ちていく。

日が昇り、空が抜けるようなあおさに澄み切っている。

下り坂が終わり、とある交差点で待っているところだった。


信号が青になった途端、私は、自転車を漕ぎ始めようとするが、



「えっ?」

私は、空を舞っているような気がした。


バタン!!!!!






「はっ!!」

私は目が覚めた。どうやら夢を見ていたようだ。

私の部屋は白を基調としているのではなく、どちらかといえば、青とか緑とかの寒色系が多いと思う。

あの記憶の中に出てきた部屋は一体誰のものなのか、とても気になるばかりだ。

「メガネはないんだよね」

メガネはつけていないはずなのに、なぜか探そうと動きそうになった。

「いってきま~す」

私は玄関を出て軽快な太陽の光を全身に浴びるが、


ガッシャーン!!


私は車に轢かれてしまったのだ。







「えっ!!!!」


現在の私に戻った。

急速な坂を下り、車に轢かれたのが一つ、そして朝の通学時に車に轢かれるのが二つ、実は、この二つの夢を同時に見ていた私なのだが、全て私ではないことにお気づきだろうか。

私ではないということは、誰かはわからない人に、私という分身が憑依したのかもしれない。普通、1人の人間が一気に二つ以上の夢を見るなんてありえないからだ。

話を戻そう。

私は屋上で何か腕にメッセージが記されていることに気がつく。

中身はこのように書いてあったのだ。

’’この事件の犯人は必ずあなたの近くにいる’’と記されている。

(きっとこれは、誰かに私は騙されているんじゃないの?それとも奈々美たちが残したとされるもう一つのダイイングメッセージなの?)

私は様々な視点で考えてみる。

(もう一つのダイイングメッセージ?奈々美に関係することだとしたら、確か眞理子さんが、夜に帰ってくるのが遅いって言ってた気がする。でも家には帰ってきたということは、多分違うかもしれない。)

(でも、きっとどこかにいるのは間違いないんだよね。)

独り言のように呟いていた。結局すぐにはわからないというのに。


気がつけば、お昼休みになっていた。
私は教室に戻り、いつものように誠由美と昼食を食べた。

「この間私ね、変な夢見たんだ。」
「何見たの?誠由美?」
「なんか誰かに襲われるような感じだったかな。」

何食わぬ表情でご飯を貪っていたが、誰かに襲われたというワードを耳にすると、私は、食べるのをやめてしまった。

「どうかした?」
「ううん。なんでもないわ。」

さすがに誠由美に相談できるようなスケールではないから、話を変えることにしたのだ。

「誠由美は最近どうなの?彼氏は?」
「彼氏?ああー。”悲劇の王子様”ねー」
「なにそれ?どっかのアニメキャラ?」
「違う、違う、なんかいつもあいつといるとひどい災難に合うの。この間も一緒にショッピングモールに行ったのは良かったんだけど、そのときに震度6の地震が発生してさ、照明が落ちてきたの。やばいでしょ?」
「えーーー!でもなんで王子様なの?」
「ああ。それはねーただ優しいからだと思う。お金持ちでもないし、イケメンでもない、だからといって意地悪でもないっていうのが好きなの。」
「そうなんだ。」



一見みると順風満帆に見えるかもしれないが、この日の翌日、誠由美が教えてくれた。



今日の放課後、駅前のカフェに行って、二人で勉強していたという。学校に忘れ物してきたと言って彼は学校に行ったきり、彼はもう戻ってこなかった。彼に先に帰っててと言われた誠由美はそのとき家に向かっていた。


そして翌日の朝、教室で彼は遺体として見つかった。
彼だけではなく、彼が所属している3年6組の生徒全員があの事件のような有様になっていた。

その状況を目の当たりにした誠由美は、ひざまずいて泣き叫んでいた。

「誠由美。大丈夫?」
「ええ。なんとか。でもあれで終わりなのかと思ってた。」
「でも、終わらないんだ。」




二人は教室のベランダで澄み切った青い空を見上げながら話をしていた。

「誠由美。私達大丈夫かな?」
「なんで?」
「だってもう4組と6組が被害にあってるわけじゃん。今度はうちらに襲いかかってくるんじゃないかなって思っちゃったんだ。」
「それは・・。怖いよ。いつ死ぬかわからないわけだからさ。でも今を生きないといけないと思うよ。」

「・・・・。」



私は、このまま怯えながら過ごさないといけないのか。

次に続く。



















































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