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第6話 ある計画
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これまでに、80人が犠牲になった殺人事件。殺人事件と言うよりもテロのほうが良いのかもしれない。4組の奈々美、そして誠由美の彼氏である6組の通称”悲劇の王子様”も犯人Xによって殺められている。
すでに警察による大捜索が裏で決行されたのだが、犯人と確信できるものは未だに発見できていないという。
私は右腕に記されていたメッセージを、先生とか警察の人たちに見せたものの、帰ってきたのは呆れと憤りだった。
「本当に犯人の筆跡なのかもわからないのに、どうしろっていうの?」
「実は、捜査を撹乱させるために態(わざ)と書いたんじゃないの?」
「あなた犯人と知り合いなの?」
周りの大人たちに叱責を受ける私は、まるでサンドバッグのようだった。
何度も蹴られても動じないような感じである。
(誰かに頼れる場所がない。)私は悟った。
廊下の真ん中で1人で歩いている私は、もう我を忘れているようだ。
教室に帰っても、誠由美と話すことに気まずさを感じている。
なぜだろうか。私は朝、誠由美に謎の右腕のメッセージのことを打ち明けたが、何食わぬ顔で聞く耳も持たなかったという。
「それが本当に犯人のものかわかるの?あんた最近おかしいよ。」
それを言われた瞬間に、私は気力をなくしていた。
(もう私は全てを侮辱されているような気がして、ここにいる資格がないのかも)と諦めかけようとしたその時、
私は担任に呼ばれたのだ。
静まり返った廊下で、先生と二人であった。
「実は、あなたが怒られているところを見たの。何かあった?」
「あの私屋上に行こうとしたときに、右腕に違和感を感じたんです。それで見たら、なにか書かれてて、誰かのメッセージかなと思ったんですけど、よく見たら、この事件の真相が書かれている気がしたんです。」
「ちょっと見せてもらえる?」
私は右腕を出した。
「”この事件の犯人はあなたの近くにいる”でも本当にそれが正しいのかわからないわ。でももしこれが虚偽だったとしたら、真相を見つける価値があると思うわ。自分の意見があるのなら、周りの意見だけじゃ動かないでしょ?とりあえず納得いくまでやってみなさい。私はあいつらのような将来安定しているからって余裕ぶってるひねくれた大人たちが大嫌いなの。ギャフンと言わせなさい。」
私はなぜか喝を入れられたかのような気がした。
「わかりました。私やってみます。」
それから私は独断でこの事件の証拠を探してみることにした。
でも、今から何ができると言っても私にはわからない。
このまま時間が経つのを待つことしかできなかった。
ところで、そろそろ文化祭の時期になる。
学校周辺がまるで絵の具でも描かれたような見事な紅葉が咲き誇っていた。
学校全体で文化祭に必要な装飾を制作している。
私は、とても嫌な予感がした。
「今日、みんなでカラオケ行かない?」
「いいね行こ行こ!」
「このあと私の服選びお願い!」
「良いよ。じゃあ今日行こっか。」
「ここのパフェ美味しんだよねー行こうよ!」
「今日一緒に勉強しようよ!
クラスメイトたちが盛り上がっている中で、私は、誠由美と一緒にいられなくなってしまった。あいつは、クラスメイトの輪に入って、私といるときよりも楽しそうにしているのが見えた。
私は黙々と花を開く作業をしている。
「これお願いね」
次々に花を作るための色紙が私の元へとくる。
私は確信したのだ。
本番で必ず殺戮が起こることを。
だから私は、あることを決心した。
文化祭本番に学校から抜け出して、犯人の姿を捉えることを。
もちろん躊躇なんて一ミリも感じない。
もっと人が虐殺の餌食になりたくなければね。
すでに警察による大捜索が裏で決行されたのだが、犯人と確信できるものは未だに発見できていないという。
私は右腕に記されていたメッセージを、先生とか警察の人たちに見せたものの、帰ってきたのは呆れと憤りだった。
「本当に犯人の筆跡なのかもわからないのに、どうしろっていうの?」
「実は、捜査を撹乱させるために態(わざ)と書いたんじゃないの?」
「あなた犯人と知り合いなの?」
周りの大人たちに叱責を受ける私は、まるでサンドバッグのようだった。
何度も蹴られても動じないような感じである。
(誰かに頼れる場所がない。)私は悟った。
廊下の真ん中で1人で歩いている私は、もう我を忘れているようだ。
教室に帰っても、誠由美と話すことに気まずさを感じている。
なぜだろうか。私は朝、誠由美に謎の右腕のメッセージのことを打ち明けたが、何食わぬ顔で聞く耳も持たなかったという。
「それが本当に犯人のものかわかるの?あんた最近おかしいよ。」
それを言われた瞬間に、私は気力をなくしていた。
(もう私は全てを侮辱されているような気がして、ここにいる資格がないのかも)と諦めかけようとしたその時、
私は担任に呼ばれたのだ。
静まり返った廊下で、先生と二人であった。
「実は、あなたが怒られているところを見たの。何かあった?」
「あの私屋上に行こうとしたときに、右腕に違和感を感じたんです。それで見たら、なにか書かれてて、誰かのメッセージかなと思ったんですけど、よく見たら、この事件の真相が書かれている気がしたんです。」
「ちょっと見せてもらえる?」
私は右腕を出した。
「”この事件の犯人はあなたの近くにいる”でも本当にそれが正しいのかわからないわ。でももしこれが虚偽だったとしたら、真相を見つける価値があると思うわ。自分の意見があるのなら、周りの意見だけじゃ動かないでしょ?とりあえず納得いくまでやってみなさい。私はあいつらのような将来安定しているからって余裕ぶってるひねくれた大人たちが大嫌いなの。ギャフンと言わせなさい。」
私はなぜか喝を入れられたかのような気がした。
「わかりました。私やってみます。」
それから私は独断でこの事件の証拠を探してみることにした。
でも、今から何ができると言っても私にはわからない。
このまま時間が経つのを待つことしかできなかった。
ところで、そろそろ文化祭の時期になる。
学校周辺がまるで絵の具でも描かれたような見事な紅葉が咲き誇っていた。
学校全体で文化祭に必要な装飾を制作している。
私は、とても嫌な予感がした。
「今日、みんなでカラオケ行かない?」
「いいね行こ行こ!」
「このあと私の服選びお願い!」
「良いよ。じゃあ今日行こっか。」
「ここのパフェ美味しんだよねー行こうよ!」
「今日一緒に勉強しようよ!
クラスメイトたちが盛り上がっている中で、私は、誠由美と一緒にいられなくなってしまった。あいつは、クラスメイトの輪に入って、私といるときよりも楽しそうにしているのが見えた。
私は黙々と花を開く作業をしている。
「これお願いね」
次々に花を作るための色紙が私の元へとくる。
私は確信したのだ。
本番で必ず殺戮が起こることを。
だから私は、あることを決心した。
文化祭本番に学校から抜け出して、犯人の姿を捉えることを。
もちろん躊躇なんて一ミリも感じない。
もっと人が虐殺の餌食になりたくなければね。
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