花影

尾崎カデxヱ

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心の裏側を知る迄は

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わからない。人の心の裏側なんて、言われた日にはかなり病む。それをあえて言う彼にはそこ意地の悪さがある。だけど、そんな事を僕が思ったところで自分には何の役得もない。俯瞰した目線で物事を捉える自分というのは彼には煙たがられている。わかった気になるな、とそれは君のことだろ?良い加減に気づいてくれという。自分が不思議な人だと言われる事に対してどう思うと言われても、それで心まで支配されはしない。そう思う人もいるんだね、と思う程度だ。だが、彼はそのままの僕をよく思ってない。だったら、変えれば良いしか選択技がない。自分の事を見つめるのがすごく僕は怖い。あまりにも、自分の落ち度を見つめすぎてしまうと、僕は耐えられなくなる。彼はそんな自分が、他人の怒りを買うんだぞ、と教えてくれたが、物事をあまりにも考えてしまうと心を痛めてしまう。そこまでして、彼は僕の精神を変えたいと思うのか。それは彼の心の内では自分に対して逆らう事は許し難い。指示をする貴方のその指図が僕はずっと気に喰わなかった。僕はその点でいつも、避けて生きていた。けれど、組織に属する限りに於いて、人の命令には、逆らわずに従えと言う、言い分はわかっているつもりだ。わからないとうそぶいても、本当は痛いほどわかっていた。自分が夢をまた、見ることも出来たのも、この組織に属したから、叶う事なので僕はそれは認めなければならない。良く、組織と個人の関係において、組織に反旗を翻す変革者の到来は待たれて久しい。けれども、例え、それが求められる程組織が気弱化していようとも、組織の問題意識に目を背けないでほしいと懇願されても、貴方は、結局は何も変えられなかった、ただの無力な個体に過ぎない。私に彼はあまりにも力をつけすぎるとこっちが困ると言っていたが、それぐらいの意気でしてくれた方が良いとも言っていた。貴方は僕にそれを期待していたのか…今の私たちの関係性が成立しているのは、お互いがお互いを理解する労りがあったり、声に出せない事を主張する勇気があったからに他ならない。けして、貴方だけが、頑張ったからではないのだ。人の怒るポイントで汲々するよりも、肉体的に疲弊し関係性が壊れる仕事ができなくなった人間が、関係を壊すのだとゆめゆめ忘れないで欲しい。貴方が歳のことを言い出したのには、やはり肉体的衰えが心まで歪ませるのだと自認しているからこそ、だろうから。
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