世界大戦が始まりました!何がなんでも生き残りたいと思います!

海賊王

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少年は戦う (前)

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 第3次世界大戦が始まって2月が経過した。
 戦線は九州にまで引き下げ、本格的な本土決戦へと移った。
 九州の人々は中国、近畿地方に疎開し出した。
 九州は激戦地 となったのだ。

 俺の名前は【東雲勇治】20歳だ。
 陸士になって2年になった。
 戦争が起きると言われていたのになぜ入ったのか。
 そんなのはお金のために決まっている。
 家はお金がなくて、貧乏で、借金まで抱えている。
 それなのに、俺の下には妹と弟がいる。
 今の時代、5人家族で、こんな家の環境では食ってはいけないのだ。
 それに、戦争が決まってから、自衛隊の給料は爆上がりした。
 陸士の頃から給料が平和だった頃の陸曹と同じくらいの給料になったのだ。
 そう言う理由から俺は、親に反対されつつも入隊を希望した。
 仕送り以外ではほとんど給料を使わずに貯めに貯め込んで、そのお金で、なんとか戦争をするために必要な装備を買うことができだ。
 本当なら自衛隊の装備があって、それが配られるのだが、いかんせん性能が悪い。どこかしら壊れていたり、すぐに壊れたりするものだから、どうしてこんな物を作ったのか不思議で仕方がない。
 買ったものとしては、米軍御用達のボディーアーマーやMOLLEシステムを購入した。これにより、いちいち弾帯に弾嚢や救急品セットなどを付ける必要もなく、必要なものは全て体に装着することができる。また、ボディーアーマーは携行が容易になっており、日本で使用している防弾チョッキより全然いい。これは状況に合わせて防護性を容易に変更できるので本当に使い勝手いがいい。
 でも、米軍使用だと色合いとかが日本ではないので、色の変更で日本の明細に変えた。
 正直、気に入らない。
 ここまでくるとわかると思うが、俺は自衛隊が好きではない。
 自衛隊に入隊して余計に嫌いになった。
 ここまで装備が疎かだとは思いもしなかったのだ。
 おかげさまで、貯金が全て装備に食い尽くされた。
 
 日々の訓練はつまらない。
 基本的な戦闘動作の訓練を何十回、何百回と繰り替えす。
 来週には九州の佐世保地方に飛ばされるのに、具体的な戦闘訓練はほとんど行われていなかった。
 実弾射撃の回数もほとんどなく、弾は全て戦争に使用された。
 俺は、あと一週間で戦地に行かないと思うと不安で不安で仕方がないと思う一方、はやくこんな生活から抜け出したいと思う気持ちもあった。
 そして、一番俺が戦争に行かないといけないと思った原因は、家が隣の幼馴染である【姫路由紀】という存在を守りたいと思ったからだ。
 
 彼女と最後に会ったのは、戦場に行く5日前のことだった。
 俺は、最後の挨拶だと上司に言われ実家に帰省することになった。
 実家まで電車で2時間の場所にあるため、滅多なことでは帰省しない。
 実家の玄関の呼び出しボタンを押す。
 ピーンポーンという古臭い音が外まで聞こえてくる。
 扉が開くと母がそこにいた。
「あー、ただいま。」
「勇治!」
 母は俺に抱きついた。
 俺も抱きつき返す。
 そこからは大変だった。色々と根掘り葉掘り聞かれ、生活は大丈夫なのかとか、辛くはないのかとかすごい質問攻めだった。
 父は、母が連絡してからすぐに家に帰ってきた。
「勇治!」
 母の時と同じように抱き合う。父は仕事とかいろんなものを人に押し付けて帰ってきたらしい。家に帰ってからは2人で昼間っから酒を飲んだ。ここでも根掘り葉掘り聞かれて大変だった。
 妹と弟は夕方帰ってきた。
「勇治!」
 これまた同じように抱き合う。というか、お前らいつから俺のことをお兄ちゃんじゃなくて勇治って呼ぶようになったのか。お兄ちゃん、兄弟の成長を感じちゃったよ。
 ちょっとした成長は感じたが、遊びについては昔と変わらず3人で仲良くできた。久しぶりの兄弟はなんか心にくるものがあった。
 3人でゲームをして遊んんでいると、俺に大客がきた。そう、姫路由紀だ。
 由紀は、玄関んで俺と対面すると泣きながら抱きついた。
 俺は正直びっくりしたが、ゆっくりと腕を由紀の背中に回し抱きつく。
「、、、、おかえり。」
「ああ、ただいま。」
 俺は、ゆっくりと体を離す。
 由紀は少し力を入れて俺から離れないようにしようとするが、少しづつ力を緩めて俺から離れる。
 綺麗な茶髪のセミロングの髪、整った可愛い顔立ち、大きくぱっちりと開いた目。由紀を久ぶりに見たが、とても可愛く思えてしまった。
「由紀、お前こんなに可愛かったか?」
 由紀は由紀で俺の姿を見て少し頬が赤くなっていた。
「勇治は少し、、、いや、大分男らしくなった?」
「まあ、毎日鍛えてるからな。」
 俺は、見惚れながら答える。
 自衛隊には女も存在するが、なんか、めちゃくちゃ怖い。
 というか、ほぼ女性協商になるつつある。
 それがこっちに帰ってきて、久しぶりの幼馴染と会うと、本物の女の子に出会えて、俺としてはとても感激である。
 由紀の方は、俺と会えて、こんなくだらない感想じゃなくて、他の感想が出てきそうではある。
「ねえ、今日、一緒に寝よ。」
「、、、え。」
 由紀がいきなりそんなことを言い出した。
「いやいや、な、なんで?」
 由紀は目をマジにして俺に迫ってくる。
「勇治がいなくなってわかったわ。私、勇治が好きなの。子供が欲しいくらい好きなの!」
 まじかーー。
 あれかな、いなくなって初めて大切なものがわかった的なやつかな。
 こんなことされたら、俺、戦争なんで絶対に行きたくなくなるんだけど。
 でも、、、、、ま、いっか。
 俺、死ぬと思うし。
「わかった。でも、明日でいいか?今日は、実家でゆっくりしようと思うから。」
「、、、やだ」
 やだかーーーー可愛過ぎだろ。
 もう仕方ない!
 こうなったらやけだ。
「わかった。夜、そっちの家で寝るから夕食食べ終わるまで待ってくれ」
「わかったわ」
 由紀はそれでやっと離れてくれた。
 マジで、どうしてこうなったのだろうか。
 前はこんな感じじゃなかったのに。
 すごいな。
 俺は、彼女を見送って、今日は幼馴染所に行ってくると親に伝えると、母が黙って俺にコン●ームを渡してくる。
「勘弁してくれよ」
「あら、いらなかったかしら。」
「いらないことはないけどさ。なんで持ってんの?俺、びっくりだよ。」
 母は頬に手を当てて、くねくねしてくる。
「そんなの決まってるじゃない。弟と妹、どっちがほしい?」
 はああぁぁぁぁぁ?
「何やっての?こともつく暇があったら働いたら?借金はどうしたの?」
「そんなの、もうとっくに返しきったわ。」
 マジか!!
 なんか2年帰らなかっただけで、ここまで実家事情が変わってると思わなかった。。
「あんた、もうすぐ、戦争に行っちゃうんでしょ。、、、本当は、行って欲しくない。、、、けど、勇治が決めたことなら、母は見送るだけよ。由紀ちゃんと仲良くしておきなさい。」
 母は、俺の肩に手を置くと黙って2個目のコン●ームを渡してくる。
「由紀ちゃん、勇治が戦争行くと聞いて気を失ったんだから。」
「あのさ、とてもいい話してくれてんのに、2個目渡すってどうなの。」
 まあ、もらっておくんだけどね。
 俺は、夕食を実家でとって、風呂を入って隣の姫路家に向かった。

「ごめんくださーい。」
 俺は、姫路家の扉を半分くらい開けて顔を出す。
 玄関で出迎えてくれたのは由紀のお母さんだった。
「あら、いらっしゃい!久しぶりね!」
 由紀のお母さんは、由紀が大人になったらこうなるのかなと思うほど、由紀に似ていて、それでいてとても美人な人だ。
 というか、テンション高いな。
 前はもう少しおとなしい感じの人だったような気がする。
「さあ、上がって上がって!夕食食べるでしょ!用意してあるから!」
「は、はあ。お邪魔します。」
 俺は、なんかよくわからないまま姫路家に上がった。
 リビングに行くと、3人分の食事が用意されていた。
 まあ、いつもは結構な量の食事をとるので、実家の食事だけでは足りなかったのでちょうどよかった。
 よかったのだが、、、、なぜスッポン?
 テーブルの上に並べられていたのはスッポン鍋料理だった。
 え、いや、、、どういうこと?
 今日何度目かわからない状況に、俺は少し頭を抱える。
 スッポンかー。
「あの、姫路さん。」
「姫路さんなんて他人行儀な。お義母さんと呼んで欲しいわ。」
「、、、、お義母さん。あの、、、、あの料理はなんですか?」
 俺は、震える指でテーブルを指す。
 由紀のお母さんはルンルンで箸とかの準備をする。
「何って、晩餐よ!」
 答えになってない!
「由紀!夕食にしましょ!」
 そう言って由紀を呼ぶ。
 由紀は二階にある自分の部屋から出て来た。
「な、なんでそんな綺麗になってるの?」
 俺は、もう驚き疲れるほど驚いていたが、これまた、驚いていた。
 なんかおめかししてる感じがする。
 由紀は少し頬を染めると、嬉しそうにした。
「ありがと。今日は泊まっていくのよね。」
「まあ、そう言われたしね。」
「そう、ならよかったわ。」
 なんか緊張しているような感じだ。
 俺は、そのまま席について3人でこれまでのこととかを話しながら食事をした。
 とても楽しく食事ができて、とてもよかったが、、、スッポンかーー。
 まあ、そういうことなのはよく分かる。
 ウジウジしててもどうしようもないので、ここは1発、男を見せる時が来たのではないのだろうか。
 食事中、俺は覚悟を決めていた。

 食事が終わると、俺は入浴して、由紀の部屋に向かう。
 さっきからスッポンの血を飲んだせいで、身体中が熱って仕方がない。
 俺は、なんとか理性を保ちながら由紀の部屋の扉をノックする。
「入って大丈夫?」
「、、、どうぞ。」
 扉を開けて、中に入ると、女の子の匂いがした。
 なんの匂いかはわからないが、とても興奮した。
 こんな状況、簡単に襲ってしまえる状況だ。
 彼女もそれを望んでいるのか、ベットの上で膝を抱えている。
 でも、俺は簡単には彼女を抱けない。
 なぜなら、今から戦争に行くのだから。
「ひとつ聞いてもいいか。、、、なんで、俺なんだ?正直、そんなにかっこよくもないし、なんか、こんなに好意を向けられるのが初めてで、正直、よくわからないんだ。」
 俺は、正直な気持ちをいう。
「それに、俺はもうすぐ戦争に行く。由紀と一緒にいられない。死んで帰ってくるかもしれない。」
「やめて!」
 由紀はいきなり俺に抱きついてきた。
「ねえ、私は気づいたの。勇治が自衛隊に行ってとても寂しかった。そして、戦争になって勇治が帰って来ないかもしれないと考えてしまうと、、、もう耐えられなかった!」
 由紀はぎゅっと力を入れる。
 俺もそれに答えるように腕に力を入れる。
「私、勇治との子供が欲しい。、、、あなたが大好きなの。」
 そこからは、もう、理性が吹っ飛んだ。
 
 俺は、やく3日間実家の方で暮らした。
 実家にはいたけど、ほとんど由紀と生活していた。
 2人でちょっとした新婚生活みたいなのだ。
 婚姻届も出した。
 俺は、初めは反対した。だって、俺いなくなっちゃうかもしれないし、こんなもので彼女を縛りたくなかったのだ。
 でも、彼女はどうしても婚姻とおどけを出したかったらしく、俺が寝ている間に母印を勝手にとっていた。
 なんかいつのっまにこんなに強かになったのか不思議でたまらない。
 俺にもその強かさを分けて欲しいくらいだ。
 2人で甘い3日間を過ごした。
 3日目の夕方、俺は基地に帰隊する。

 俺は家族に挨拶をして、姫路家にも挨拶をする。
「じゃあ、行ってくるよ」
 俺は、あまり多くを話すことはない。決意が揺らいでしまうからだ。
 父も母も黙ったままだった。
 昨日まで、おちゃらけた家族だったのに今日になって一気に暗い感じが出ている。
「、、、ええ。」
 母が俺に答えてくれる。
「行ってこい。」
 父も続いて俺に言ってくれる。
「頑張るのよ。」
 お義母さんも俺に言ってくれる。
「、、、、、、、、。」
 由紀だけは黙って俺を見つめてくる。
 少し寂しく思うが、彼女も不安なのだと思うと目だけで訴えてそっとしておくのがいいと思った。
 俺は軽く手を振って駅に向かって歩き出す。
 実家に帰ってきてよかったと思う。
 本当は帰ってくるつもりはなかったのだ。
 だって、戦争に行きたくないと思ってしまうんだもの。
 でも帰ってきてよかった。
 守らないといけないものがあるとわかった。
 家族がどんなものだったのか、どれだけ大切なものなのかがわかった。そして、新しい家族もできた。
 由紀はどうしても守らないといけない。
 3日間だけ一緒にいてとても大事な存在になった。
 俺は、死んでも守る。
 駅の近くまできたところでこの帰宅期間散々聞いた声が聞こえた。
「待って!」
 俺は少し嬉しくなって振り返る。
「おう!どうしたこんなところまで来て。」
 彼女は全力で駆け出して俺に飛びついてくる。
 俺は驚きながらも彼女が怪我をしないように優しく抱き上げる。
「おいおい、危ないだろ。」
「勇治なら大丈夫。」
「まあ、大丈夫だけどさ。」
 由紀は俺を見上げてくる。
 ああもう!かわいい~!
「生、、て。」
 声が小さくてよく聞こえなかった。
「うん?なんて?」
「生きて!私、待ってるから!ずっと待ってるから!生きて帰らなかったら私絶対に自殺するから!絶対に生きて帰ってきなさい!」
 もうやめて欲しいと思った。
 絶対に泣かないようにしようと決意していたのに、そん決意が揺らいでしまう。
 揺らいでしまった決意のダムが徐々にひび割れていく、すると涙が徐々に漏れ出す。
 俺は、顔は泣いていないのに、目から涙が溢れ出す。
「、、、、やめてくれよ。、、、気持ちが揺らいじゃうよ。」
 由紀も涙を流す。
「いいの。揺らいじゃっても。戦争に行きたくなかったらいかなくてもいいの!勇治の仕事が見つかるまで私がどうにかするから!行かなくてもいいの!」
 彼女はそ訴えてくる。
 どうしようもなく嬉しい。
 嬉しいけど、甘えられない。
 男として甘えられない!
 それに、こんないい女を絶対に守らないと思った。
 敵から彼女を守るならこの国を出ていけばそれでいい。
 でも、それだけじゃダメなのはわかっている。
 彼女の幸せを守らないといけない。
 ならなおさら戦争に行って勝たないといけない。
 俺は確固たる決意をする。
「ありがとう由紀。でも、やっぱり行かないといけないや。由紀を守るために、国を守るために俺がなんとしても勝ってくるから。生きて由紀のもとに帰ってくるから。、、、待っていてよ。」
 由紀は泣きながら頷く。
「わかってた。わかってたわそう言うの。だから、、、、行ってらっしゃい!」
 笑顔で俺を送ってくれる。
 俺も笑顔で答える。
「行ってきます!」
 
 
 大切なものを再認識して、愛しい者を手に入れて、使命感を抱いた俺は戦争に行った。
 
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