帰ってきたダンゴムシ

むひ

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帰ってきたダンゴムシ

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 僕はダンゴムシ。
世界中を旅してきた。
やっと故郷の草むらに帰ってきたんだ。

カマキリくんが歩いていたよ。

「あっ、カマキリくん!」

「ダンゴムシくん帰ってきたのか。おかえり」

「ただいま。僕ね、広ーい広ーい水たまりを見てきたよ。海って言うんだって。
この草むらより、もーっともっーと広くて、見える限り水たまりなんだ!」

カマキリくんは言いました。

「そんな大きな水たまりなんかあるわけないじゃないか。ダンゴムシくん、ウソはいけないよ」

「ウソじゃないんだよ。本当に大きな水たまりだったんだ」

カマキリくんは首を振りました。

「ウソつきはキライだよ」

カマキリくんは歩いていきました。

今度はチョウチョさんが飛んでいたよ。

「チョウチョさん、ただいま」

チョウチョさんはパタパタと葉っぱにとまりました。

「おかえりなさい、ダンゴムシくん。旅は楽しかった?」

「うん、とっても楽しかったよ。この葉っぱよりももっともーっと高い、山というところに登ったんだ。ぜーんぶが小さく見えて、お空が手を伸ばせばとどくようなところだったんだ」

「ダンゴムシくん、この葉っぱより高いものは見たことがありませんわ。そんな高いところがあるわけないわ」

「ほんとうなんだよ。ほんとうに登ったんだ」

チョウチョさんは首を振りました。

「ウソつきはキライだわ」

チョウチョさんは飛んでいきました。

何んでみんなはウソつきって言うのかな。

「あっ、タカさんだ。タカさんなら信じてもらえそうだ。
おーい、タカさーん」

タカはバサバサと降りてきました。

「やあ、ダンゴムシくん帰ってきたのい。おかえり」

「ありがとう。僕ね、大きな大きなこの草むらよりも大きな船を見てきたんだ。草の舟なんて比べ物にならなかったよ」

「そうかい、良かったね。知らないものをいっぱい見てきたんだね。じゃあこれは見てきたかな。お空の上のもっと上には空気も何もないところがあるんだ」

ダンゴムシくんは考えてこう言いました。

「そんなのあるわけないよ。空気がなかったら死んでしまうよ」

タカさんは困りました。

「僕はウソはつかないよ」

ダンゴムシくんは思いました。タカさんも僕をバカにしてウソを言ってるんだと。

ダンゴムシくんは家に入ったきり誰とも話さなくなりました。

しばらくして、カマキリくん、チョウチョさんに絵葉書が届きました。そこには大きな水たまりや高い山から見た風景が写っていました。

カマキリくんとチョウチョさんはダンゴムシくんの家に謝りにいきました。

「ダンゴムシくん、疑ってごめんよ。大きな水たまりの話をもっと聞きたいな」

「ダンゴムシくんごめんなさい。こんな高い場所があったのね。もっとよく聞かせてもらえないかしら」

ダンゴムシくんは家から出てきました。

「いいんだ。ありがとう。信じてくれてよかった」

ダンゴムシくんはカマキリくんとチョウチョさんに色んな話をしました。

と、ダンゴムシくんは思い出しました。

「僕はタカさんに酷いことを言ってしまった。謝ってこなきゃ」

ダンゴムシくんはタカさんにを探しましたがタカさんはどこにもいません。
ダンゴムシくんは困りました。

「なんであの時タカくんを信じてあげられなかったんだろう。もっと早く気付いて謝ればよかった」

落ち込んでいるダンゴムシくんをカマキリくんとチョウチョさんは慰めました。

「ダンゴムシくん元気を出して。またいつかタカさんに会えるよ。その時に謝ればいいさ」

ダンゴムシくんは泣きました。

「タカさんごめんなさい」

「僕を呼んだかい?」

タカさんが降りてきました。

「いやいや、ごめんね。用事で隣の林まで行ってきたんだ。林というのは木がいっぱい生えてて君たちの仲間がいっぱいいるんだ」

ダンゴムシくんは心から謝りました。

「謝るのは僕の方です。タカさん疑ってごめんなさい。もっと林のことを教えてください」

「いや、いいんだよ。知らないことを疑うのは悪いことじゃないからね。それじゃあ林のことをもっと話そうか」

草むらには笑い声がひびきましたとさ



~おしまい~
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