1 / 1
帰ってきたダンゴムシ
しおりを挟む
僕はダンゴムシ。
世界中を旅してきた。
やっと故郷の草むらに帰ってきたんだ。
カマキリくんが歩いていたよ。
「あっ、カマキリくん!」
「ダンゴムシくん帰ってきたのか。おかえり」
「ただいま。僕ね、広ーい広ーい水たまりを見てきたよ。海って言うんだって。
この草むらより、もーっともっーと広くて、見える限り水たまりなんだ!」
カマキリくんは言いました。
「そんな大きな水たまりなんかあるわけないじゃないか。ダンゴムシくん、ウソはいけないよ」
「ウソじゃないんだよ。本当に大きな水たまりだったんだ」
カマキリくんは首を振りました。
「ウソつきはキライだよ」
カマキリくんは歩いていきました。
今度はチョウチョさんが飛んでいたよ。
「チョウチョさん、ただいま」
チョウチョさんはパタパタと葉っぱにとまりました。
「おかえりなさい、ダンゴムシくん。旅は楽しかった?」
「うん、とっても楽しかったよ。この葉っぱよりももっともーっと高い、山というところに登ったんだ。ぜーんぶが小さく見えて、お空が手を伸ばせばとどくようなところだったんだ」
「ダンゴムシくん、この葉っぱより高いものは見たことがありませんわ。そんな高いところがあるわけないわ」
「ほんとうなんだよ。ほんとうに登ったんだ」
チョウチョさんは首を振りました。
「ウソつきはキライだわ」
チョウチョさんは飛んでいきました。
何んでみんなはウソつきって言うのかな。
「あっ、タカさんだ。タカさんなら信じてもらえそうだ。
おーい、タカさーん」
タカはバサバサと降りてきました。
「やあ、ダンゴムシくん帰ってきたのい。おかえり」
「ありがとう。僕ね、大きな大きなこの草むらよりも大きな船を見てきたんだ。草の舟なんて比べ物にならなかったよ」
「そうかい、良かったね。知らないものをいっぱい見てきたんだね。じゃあこれは見てきたかな。お空の上のもっと上には空気も何もないところがあるんだ」
ダンゴムシくんは考えてこう言いました。
「そんなのあるわけないよ。空気がなかったら死んでしまうよ」
タカさんは困りました。
「僕はウソはつかないよ」
ダンゴムシくんは思いました。タカさんも僕をバカにしてウソを言ってるんだと。
ダンゴムシくんは家に入ったきり誰とも話さなくなりました。
しばらくして、カマキリくん、チョウチョさんに絵葉書が届きました。そこには大きな水たまりや高い山から見た風景が写っていました。
カマキリくんとチョウチョさんはダンゴムシくんの家に謝りにいきました。
「ダンゴムシくん、疑ってごめんよ。大きな水たまりの話をもっと聞きたいな」
「ダンゴムシくんごめんなさい。こんな高い場所があったのね。もっとよく聞かせてもらえないかしら」
ダンゴムシくんは家から出てきました。
「いいんだ。ありがとう。信じてくれてよかった」
ダンゴムシくんはカマキリくんとチョウチョさんに色んな話をしました。
と、ダンゴムシくんは思い出しました。
「僕はタカさんに酷いことを言ってしまった。謝ってこなきゃ」
ダンゴムシくんはタカさんにを探しましたがタカさんはどこにもいません。
ダンゴムシくんは困りました。
「なんであの時タカくんを信じてあげられなかったんだろう。もっと早く気付いて謝ればよかった」
落ち込んでいるダンゴムシくんをカマキリくんとチョウチョさんは慰めました。
「ダンゴムシくん元気を出して。またいつかタカさんに会えるよ。その時に謝ればいいさ」
ダンゴムシくんは泣きました。
「タカさんごめんなさい」
「僕を呼んだかい?」
タカさんが降りてきました。
「いやいや、ごめんね。用事で隣の林まで行ってきたんだ。林というのは木がいっぱい生えてて君たちの仲間がいっぱいいるんだ」
ダンゴムシくんは心から謝りました。
「謝るのは僕の方です。タカさん疑ってごめんなさい。もっと林のことを教えてください」
「いや、いいんだよ。知らないことを疑うのは悪いことじゃないからね。それじゃあ林のことをもっと話そうか」
草むらには笑い声がひびきましたとさ
~おしまい~
世界中を旅してきた。
やっと故郷の草むらに帰ってきたんだ。
カマキリくんが歩いていたよ。
「あっ、カマキリくん!」
「ダンゴムシくん帰ってきたのか。おかえり」
「ただいま。僕ね、広ーい広ーい水たまりを見てきたよ。海って言うんだって。
この草むらより、もーっともっーと広くて、見える限り水たまりなんだ!」
カマキリくんは言いました。
「そんな大きな水たまりなんかあるわけないじゃないか。ダンゴムシくん、ウソはいけないよ」
「ウソじゃないんだよ。本当に大きな水たまりだったんだ」
カマキリくんは首を振りました。
「ウソつきはキライだよ」
カマキリくんは歩いていきました。
今度はチョウチョさんが飛んでいたよ。
「チョウチョさん、ただいま」
チョウチョさんはパタパタと葉っぱにとまりました。
「おかえりなさい、ダンゴムシくん。旅は楽しかった?」
「うん、とっても楽しかったよ。この葉っぱよりももっともーっと高い、山というところに登ったんだ。ぜーんぶが小さく見えて、お空が手を伸ばせばとどくようなところだったんだ」
「ダンゴムシくん、この葉っぱより高いものは見たことがありませんわ。そんな高いところがあるわけないわ」
「ほんとうなんだよ。ほんとうに登ったんだ」
チョウチョさんは首を振りました。
「ウソつきはキライだわ」
チョウチョさんは飛んでいきました。
何んでみんなはウソつきって言うのかな。
「あっ、タカさんだ。タカさんなら信じてもらえそうだ。
おーい、タカさーん」
タカはバサバサと降りてきました。
「やあ、ダンゴムシくん帰ってきたのい。おかえり」
「ありがとう。僕ね、大きな大きなこの草むらよりも大きな船を見てきたんだ。草の舟なんて比べ物にならなかったよ」
「そうかい、良かったね。知らないものをいっぱい見てきたんだね。じゃあこれは見てきたかな。お空の上のもっと上には空気も何もないところがあるんだ」
ダンゴムシくんは考えてこう言いました。
「そんなのあるわけないよ。空気がなかったら死んでしまうよ」
タカさんは困りました。
「僕はウソはつかないよ」
ダンゴムシくんは思いました。タカさんも僕をバカにしてウソを言ってるんだと。
ダンゴムシくんは家に入ったきり誰とも話さなくなりました。
しばらくして、カマキリくん、チョウチョさんに絵葉書が届きました。そこには大きな水たまりや高い山から見た風景が写っていました。
カマキリくんとチョウチョさんはダンゴムシくんの家に謝りにいきました。
「ダンゴムシくん、疑ってごめんよ。大きな水たまりの話をもっと聞きたいな」
「ダンゴムシくんごめんなさい。こんな高い場所があったのね。もっとよく聞かせてもらえないかしら」
ダンゴムシくんは家から出てきました。
「いいんだ。ありがとう。信じてくれてよかった」
ダンゴムシくんはカマキリくんとチョウチョさんに色んな話をしました。
と、ダンゴムシくんは思い出しました。
「僕はタカさんに酷いことを言ってしまった。謝ってこなきゃ」
ダンゴムシくんはタカさんにを探しましたがタカさんはどこにもいません。
ダンゴムシくんは困りました。
「なんであの時タカくんを信じてあげられなかったんだろう。もっと早く気付いて謝ればよかった」
落ち込んでいるダンゴムシくんをカマキリくんとチョウチョさんは慰めました。
「ダンゴムシくん元気を出して。またいつかタカさんに会えるよ。その時に謝ればいいさ」
ダンゴムシくんは泣きました。
「タカさんごめんなさい」
「僕を呼んだかい?」
タカさんが降りてきました。
「いやいや、ごめんね。用事で隣の林まで行ってきたんだ。林というのは木がいっぱい生えてて君たちの仲間がいっぱいいるんだ」
ダンゴムシくんは心から謝りました。
「謝るのは僕の方です。タカさん疑ってごめんなさい。もっと林のことを教えてください」
「いや、いいんだよ。知らないことを疑うのは悪いことじゃないからね。それじゃあ林のことをもっと話そうか」
草むらには笑い声がひびきましたとさ
~おしまい~
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
悪女の死んだ国
神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。
悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか.........
2話完結 1/14に2話の内容を増やしました
瑠璃の姫君と鉄黒の騎士
石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。
そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。
突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。
大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。
記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。
まぼろしのミッドナイトスクール
木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。
かつて聖女は悪女と呼ばれていた
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「別に計算していたわけではないのよ」
この聖女、悪女よりもタチが悪い!?
悪魔の力で聖女に成り代わった悪女は、思い知ることになる。聖女がいかに優秀であったのかを――!!
聖女が華麗にざまぁします♪
※ エブリスタさんの妄コン『変身』にて、大賞をいただきました……!!✨
※ 悪女視点と聖女視点があります。
※ 表紙絵は親友の朝美智晴さまに描いていただきました♪
人柱奇譚
木ノ下 朝陽
児童書・童話
ひたすら遣る瀬のない、救いのない物語です。
※デリケートな方は、閲覧にお気を付けくださいますよう、お願い申し上げます。
昔書いた作品のリライトです。
川端康成の『掌の小説』の中の一編「心中」の雰囲気をベースに、「ファンタジー要素のない小川未明童話」、または「和製O・ヘンリー」的な空気を心掛けながら書きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる