anything ~elf’s life~

むひ

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そして再会

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 夜も深くなった頃だった。物音で目が覚めた。
鼻息…
暗闇に目を凝らすと茂みの中に光が見える。無数に。
「やばい」と直感的に察した。あれは目だ。無数の目がこっちを見ている。ここは動くべきか。このままいても襲われるのは必至。
ガサッと茂みが揺れたのを合図にエルヒムはシェルターから抜け走った。
「ふンゴォ!」唸りを上げながら何かが追いかけてくる。あの鳴き声からするとオークか。それにしてもすごい数だ。
横から影。咄嗟にかわし走る。
ブォンと耳元で風を切る音が鳴る。アックスを投げてるのか。アックスを投げる音が増えていく。
「いや無理だろ、無理無理」
「助太刀する!」後ろから声が飛ぶ。カーンとアックスを弾く音。
エルヒムが振り向くとファノが剣を構えていた。
「何やらかしたのさエルヒムくん」鼻につく声。ピッツオ。
「探したんだからね」マビル。
「私もまあまあやれるのよ」サラン。
「行くぞ!」とファノの掛け声にオークの群れにつっこんだ。
思い思いに演舞を描く。
「我に宿りし宿命さだめの炎よまとえ!」ファノの剣に炎が纏う。そうだ皆エルフだから魔法が使えるのか。武術しか見ていなかったからある種の驚きを覚えた。
ピッツオは「ヒュー」と口笛を吹く。「ファノが本気になったか。じゃあ俺も。鉄の呼吸…ギャイン!」マビルのゲンコツが飛んできた。
「絶対誰かやってるネタなんだからやめなさいよ!」
「マビルぅ!俺も一回くらいやらせろよな!わかったって。地の精霊よ我に鋼の鎧を!」ビシッと音が鳴り、体が鋼鉄に変化する。鋼の拳でオークを吹っ飛ばした。
「遠くを見るとは即ち未来をも見通す」マビルは攻撃の先を読み先手を打つ。
「イリュージョンウォール!」サランは地面から壁を出現させオークの進行を止めた所にファノ、ピッツオはぶつかる。あっという間にオークの大軍を片付けた。

 ファノがドシドシと歩いてくる「もう!エルヒム探したんだからね!城にいる時はマビルの遠視が効かなかったけど移動してくれたお陰でやっと見つけたのよ。間に合ってよかった」
「結界でも張られてたんだろうな。そんな危険な目をして来なくても良かったのに」
「一回戦えば仲間なのさ」ピッツオがエルヒムの肩に手を置く。

帰りしなゲンゲンに聞かされたことを話した。
「すごいじゃん」ピッツオは興味津々に聞く。「王様の子供とか憧れるなー」
「でもハーフエルフだぞ」
「そこがまたいいんじゃないの?ミステリアスで。なんかこう別の能力があったりしてな!」
別の能力か…
「いい事なんてひとつもないさ、現にこうして拉致されて痛い目にあってる」
「それはお断りだ」

村に近づくにつれて気配が禍々しくなってきた。
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