20 / 22
天使の祈り
しおりを挟む
暗闇。エルヒムは巨大な蛇を目の前にしていた。
蛇…でかいな。村の巨木よりもでかいんじゃないか。
エルヒムは尋ねる。「お前は…」
蛇はジョロっと舌を出す。
「私は私であり私はお前だ」
何を言っているのか分からなかった。
「ここは一体…」
「此処はどこでもない此処であり、どこでもある」
頭がおかしくなりそう。そういえば確かハヤノが…
「ハヤノはどうなった」
「ハヤノは死んだ。お前が力を使わないばかりに」
「俺には呪いがかけられて…」
蛇がギョロっと睨む。
「誰の呪いだ」
「誰って村人が…」
「お前だ。お前に呪いをかけたのはお前だ」
「なんで俺が俺に呪いをかけなきゃいけないんだよ」
「お前は幸せになってはいけない、ハーフエルフは災いを呼ぶ。幸せに暮らすなど以ての外だ」
「お前何を言って…やめろ」
「それがお前が自分自身にかけた呪いだ。お前は自分で力を封印した。本当は誰よりも強く。皆と同じ幸せになる権利がある」
「やめろ!そんなわけ…」語尾が弱くなる。
「呪いと対峙せよ。その目でしかと見よ己の運命を!さあ、我を受け入れよ!」
「止めろおおおおおお!」
再び暗闇が訪れた。
「ファノ!」ピッツオが飛び出すも間に合わなかった。血飛沫が上がりファノはゆっくりと倒れる。
「ファノおおおおお!」ピッツオはファノに近寄り抱き起こす。「くっそー!よくも!よくもファノを!」
ピッツオはそっとファノを地面に寝かせ立ち上がる。
「鋼鉄の鎧よ我に力を…アイアンフィストおお!」
「無駄…無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
アイアンフィストはムヒコーウェルの刃を弾くも押される。
「くっ!力が違いすぎる…もっと力を…グハッ!」
手数の多い刃の嵐がピッツオを襲った。
「ピッツオ!」マビルは倒れ込むピッツオを見ているしかできなかった。「私の力は攻撃に向いてない。先読みするにしても数が多すぎる…こんな時に…」
ムヒコーウェルは舌なめずりする。
「さぁて、みんなこの鶴丸の餌食になりなさい。アハァン///」
刃の雨。いや嵐が襲う。岩の陰に隠れていてもどんどん岩は削られる。時間の問題だ。
マビルはファノとピッツオの上に覆い被さった。
「これ以上…くうっ!二人を傷付けさせないか…ら…」
背中がズタズタに裂けるもそこを離れなかった。
後方では岩は砕けアイズマン、ヒュメ、サランにも襲いかかる。
「させないよ!」アイズマンはヒュメの前に盾となる。
「危ない!イリュージョンウォール!」サランが咄嗟に反応するも遅かった。
アイズマンは刃を食らう。「ぐうっうわ!」
「いやいやいやいや!!」ヒュメはうづくまり泣いた。
アイズマンは薄れゆく意識の中でヒュメがブツブツ何かを呟いているのを聞く。
「あ…あの詠唱は…」
「 И Святой Дух. Я посвящаю все себе. Ты спас жизнь тому, кого любишь.我の全てを捧げん。命を救いたまえ…」
「そ、蘇生魔法だと…こんな超高等魔法を使える者がいるはずは…」
蘇生魔法は未だかつて誰も完成させたことが無い魔法であった。その複雑さ。その使用する魔力は甚大、自然の摂理に逆らう茨の道。ヒュメがどれだけ優等生であろうと使えるはずは無かった。
ヒュメの胸が光り、そこから光が広がった。
「光よ………」
蛇…でかいな。村の巨木よりもでかいんじゃないか。
エルヒムは尋ねる。「お前は…」
蛇はジョロっと舌を出す。
「私は私であり私はお前だ」
何を言っているのか分からなかった。
「ここは一体…」
「此処はどこでもない此処であり、どこでもある」
頭がおかしくなりそう。そういえば確かハヤノが…
「ハヤノはどうなった」
「ハヤノは死んだ。お前が力を使わないばかりに」
「俺には呪いがかけられて…」
蛇がギョロっと睨む。
「誰の呪いだ」
「誰って村人が…」
「お前だ。お前に呪いをかけたのはお前だ」
「なんで俺が俺に呪いをかけなきゃいけないんだよ」
「お前は幸せになってはいけない、ハーフエルフは災いを呼ぶ。幸せに暮らすなど以ての外だ」
「お前何を言って…やめろ」
「それがお前が自分自身にかけた呪いだ。お前は自分で力を封印した。本当は誰よりも強く。皆と同じ幸せになる権利がある」
「やめろ!そんなわけ…」語尾が弱くなる。
「呪いと対峙せよ。その目でしかと見よ己の運命を!さあ、我を受け入れよ!」
「止めろおおおおおお!」
再び暗闇が訪れた。
「ファノ!」ピッツオが飛び出すも間に合わなかった。血飛沫が上がりファノはゆっくりと倒れる。
「ファノおおおおお!」ピッツオはファノに近寄り抱き起こす。「くっそー!よくも!よくもファノを!」
ピッツオはそっとファノを地面に寝かせ立ち上がる。
「鋼鉄の鎧よ我に力を…アイアンフィストおお!」
「無駄…無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
アイアンフィストはムヒコーウェルの刃を弾くも押される。
「くっ!力が違いすぎる…もっと力を…グハッ!」
手数の多い刃の嵐がピッツオを襲った。
「ピッツオ!」マビルは倒れ込むピッツオを見ているしかできなかった。「私の力は攻撃に向いてない。先読みするにしても数が多すぎる…こんな時に…」
ムヒコーウェルは舌なめずりする。
「さぁて、みんなこの鶴丸の餌食になりなさい。アハァン///」
刃の雨。いや嵐が襲う。岩の陰に隠れていてもどんどん岩は削られる。時間の問題だ。
マビルはファノとピッツオの上に覆い被さった。
「これ以上…くうっ!二人を傷付けさせないか…ら…」
背中がズタズタに裂けるもそこを離れなかった。
後方では岩は砕けアイズマン、ヒュメ、サランにも襲いかかる。
「させないよ!」アイズマンはヒュメの前に盾となる。
「危ない!イリュージョンウォール!」サランが咄嗟に反応するも遅かった。
アイズマンは刃を食らう。「ぐうっうわ!」
「いやいやいやいや!!」ヒュメはうづくまり泣いた。
アイズマンは薄れゆく意識の中でヒュメがブツブツ何かを呟いているのを聞く。
「あ…あの詠唱は…」
「 И Святой Дух. Я посвящаю все себе. Ты спас жизнь тому, кого любишь.我の全てを捧げん。命を救いたまえ…」
「そ、蘇生魔法だと…こんな超高等魔法を使える者がいるはずは…」
蘇生魔法は未だかつて誰も完成させたことが無い魔法であった。その複雑さ。その使用する魔力は甚大、自然の摂理に逆らう茨の道。ヒュメがどれだけ優等生であろうと使えるはずは無かった。
ヒュメの胸が光り、そこから光が広がった。
「光よ………」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる