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むひ

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旅立ちとは何か

ナーナ国

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 ナーナ国は国の中でも大きく人口も多い。ギルドも多く酒場には外まで人が溢れていた。
「きゃーー!誰か!泥棒よ!」
声の方向を見ると黒ずくめの男がカバンを抱えて走っていた。
ピヨーンがいきり立つ。
「泥棒だと!あたしがとっ捕まえてやる」
ピヨーンが走り出したその時、陰から少年が出てきて泥棒を投げ飛ばした。それを見ると「今だ!」とハビモズは泥棒を取り押さえた。
凛とした目鼻立ちの少年は息を切らしながらお礼を言った。
「手伝ってくれてありがとう。僕はキール。これはお姉ちゃんのカバンなんだ」
向こうからふわっとした雰囲気の可愛らしい女性が走ってきた。
「本当にありがとうございます。私はニャモチ、弟と買い物をしていたらひったくりにあったんです。」
ピヨーンが胸を叩きながら。
「いえいえ。当然のことをしたまでです。わたしの手にかかればこんな泥棒なんて…」
「あんたは何もしてないでしょ!」
間のいいハーチの突っ込みに皆笑った。
ニャモチが笑いながら。
「いえいえ、とんでもない。キール一人では危険でした。どうかお礼をさせて下さい。近くに家がありますので。」
ストールは手を振りながら。
「そんな。当然のことをしたまですから大丈夫です」
「それでは私の気持ちが収まりません。どうか」
キールも是非と勧め、モチャはそれではと受け入れた。

 広い家だった。小綺麗に整頓されたリビング。趣味のいい絵画と花。お金持ちの家とはこういう事をいうのだろう。
ニャモチはドレスに着替え迎え入れた。
「ようこそ我がアイネ家へ。何もおもてなしはできませんが夕飯でもご馳走させて下さい。改めて紹介致します。姉のヒューコと弟のキール。父のクライネは出張中で申し訳ありません」
ヒューコとキールはお辞儀をした。ヒューコはお姉さんという事もあってニャモチより落ち着いた雰囲気をしていた。
モチャが舵を取る。
「僕達四人はハビモズというギルド。僕はモチャ、そしてハーチ、ストール、ピヨーン。一番向こうのエニスが捜し物で西へ向かっているのをサポートしていました」
ヒューコは興味津々な様子だ。
「何を探していらっしゃるのですか」
エニスは少し考え。
「分かりません。記憶喪失で、西に行けば答えがあると」
「西に…漠然としていらっしゃるのね」
「はい。でも、手がかりは西しかありませんので進み続けるしかないのです」
キールがはたと膝を打った。
「イヤザザ地方じゃないかな。異変があったって聞いたことがある。僕もどういう異変なのかは分からないんだけど」
それでは行ってみよう。そういうことになった。

 出された食事は豪華で見たこともないような料理が並んだ。エニス、ハビモズはガッツいた。
ストールは困った顔で。
「もーみんな、ガッツかないでよはしたない」
モチャが口にケチャップを付けながら。
「こんな食事今後いつ食べれるか分からないからね。食べれる時に食べておかないと」
あっという間にテーブルの料理を平らげてしまった。
ニャモチは嬉しそうに。
「こんなに美味しそうに食べる方は初めてだわ。ねえ、キール」
「ほんとにね。こんな家族いたら楽しいよね」
ヒューコが気を使う。
「皆様お疲れでしょう。今日は寝るといいわ」
よほど疲れたのであろう。ピヨーンがうとうとしていた。
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