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最終決戦
25話 それはある日の出来事だった
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ある夜更けの事だった。小さな町外れの家から怒鳴り声が聞こえていた。
「ムーフー!何してるの!ほんとあんたって子は何度言ったら分かるの!」
家からは折檻の音が響いていた。
「なんであんたは笑ってるのよ!怒られてるの分かってる?」
折檻の音が激しくなる。
チュラーは家の外でじっと聞いていた。
ムーフーと出会ったのは教会の玄関先で雨宿りをしていた時だった。小さな女の子が傷だらけでうずくまり笑っていた。
話を聞いても何も言わない。
それから3日チュラーは教会へ行った。女の子は3日同じところにいた。いつもの様に女の子は笑っていた。
チュラーはふと問いかける。
「なあ、何でいつも傷だらけで笑ってるんだ?」
「なんでだろ。私も分からないの。凄く痛いし悲しいのに何故か笑っちゃうの」
「ふーん、そうか」
それがムーフーなりの精神を守るための自衛だった。二人は黙ったまま佇んだ。
ドーンという音とともにチュラーはドアを蹴破った。
無言でムーフーを担ぎドアを出ようとするのを母親が止める。
「ちょっと!あんた何なの!私の娘をどうするの!」
チュラーはしばらく黙り口を開いた。
「子供は親のオモチャじゃない。貰っていく」
母親が何か怒鳴っていたが関係なくドアを出た。
しばらく歩きムーフーを下ろした。
「辛かったな。今日から俺がお前の家族だ。お兄ちゃんだ。だからムーフー。もう笑うな」
ムーフーは涙を浮かべ本当の笑顔を見せた。
リファーには身寄りがなかった。預けられた親戚の家では粗末に扱われ食べるものさえろくに与えられなかった。
ある日リファーは継母に呼ばれた。
「今日からお前はこの人の所の子供になるんだ、早く行きな」
出てきたのは小太りの酒臭い50代位の男だった。リファーは臭いで吐きそうになった。男は継母に金を渡すと「行くぞ」とリファーの手を取った。
「やだ!行きたくない」
リファーは抵抗するも子供の力。引きずられて連れていかれ無理やり車に乗せられた。
「おい、車を出せ。ぐへへへ、可愛い娘が手に入ったぞ。さて、家に帰るまで待ちきれない。ぐふふふ」
危険を感じたリファーはあらぬ限りの声で叫んだ。
「いやーーーー!やめて!イヤだ!!!」
「うるせー!なき叫ぼうがお前は俺のモノなんだよ!」
どこで人生を間違えたのだろう。もうこんな人生なら要らない。神様、いや、悪魔でもいい。私の人生を変えて下さい。私の全てを捧げるから…
ガタンと車が揺れた瞬間目の前に鮮血が飛び散った。フロントガラスから何者かが覗き込んだ。涙でぼやけた視界に見えたのは深紅の眼、ねじれた角…悪魔だった。
「悪魔さんお願い…助けて…」
リファーはそっと目を閉じ悪魔はゆっくりとうなづいた。
マカルは歌が好きな子でいつも歌っていた。それは孤児院生活で親がいない寂しさを紛らせるものでもあった。
いつもの様に河原で歌っていると男の子が現れ、しばらく聞きこう言った。「何その声。気持ちわる!」
それからというものマカルは声を出さなくなった。
2年の月日が経ち全く声を発声しないままの生活が続いた。
ある時孤児院に一人の青年が尋ねてきた。
「すんまへん、ここの管理者さんはおられます?」
妙なイントネーションの言葉だった。
マカルは首を振りごめんなさいと頭を下げた。
「なんやこの子喋れんのかいな。お嬢ちゃん名前は?」
マカルは首を振った。後ろから「あら、ごめんなさい、買い物に出ててまして」とスーザンヌが帰ってきた。
「この子本当は喋れるの。でも何かあったらしくて急に喋らなくなったのよ」
「そうなんでっか」
青年は少し考え。
「そうそう、今日来たのはギルドからの…」
青年はポッツと名乗った。ギルドから手紙を持ってきたようだった。それにしてはスーザンヌママをチヤホヤする。嫌悪感を感じた。
それからというものポッツは何かと話しかけてくる。逃げても逃げても着いてくる。
「なーなー、少しだけでいいからわしと喋ってくれへんかな」
いい加減鬱陶しくなってつい声を出した。
「いい加減にして!」
ポッツはビックリした顔からやがて泣き崩れた。
「やっと喋ってくれた!うううう嬉しいいいいい」
たかが喋ったくらいでこんなに泣けるのか。少し可愛く感じた。
それからというものマカルはポッツとは少しずつ話すようになった。ある日ポッツはどうしても言ってもらいたい言葉があると言い出した。マカルは恥ずかしくて言えなかったがポッツが額を地面に擦り付けてお願いしてるのを止めさせたくて、つい言ってしまった。
「にぃに…」
ポッツは奇声を発しながら不思議な踊りを踊った。
マカルのMPが20奪われた。
「ムーフー!何してるの!ほんとあんたって子は何度言ったら分かるの!」
家からは折檻の音が響いていた。
「なんであんたは笑ってるのよ!怒られてるの分かってる?」
折檻の音が激しくなる。
チュラーは家の外でじっと聞いていた。
ムーフーと出会ったのは教会の玄関先で雨宿りをしていた時だった。小さな女の子が傷だらけでうずくまり笑っていた。
話を聞いても何も言わない。
それから3日チュラーは教会へ行った。女の子は3日同じところにいた。いつもの様に女の子は笑っていた。
チュラーはふと問いかける。
「なあ、何でいつも傷だらけで笑ってるんだ?」
「なんでだろ。私も分からないの。凄く痛いし悲しいのに何故か笑っちゃうの」
「ふーん、そうか」
それがムーフーなりの精神を守るための自衛だった。二人は黙ったまま佇んだ。
ドーンという音とともにチュラーはドアを蹴破った。
無言でムーフーを担ぎドアを出ようとするのを母親が止める。
「ちょっと!あんた何なの!私の娘をどうするの!」
チュラーはしばらく黙り口を開いた。
「子供は親のオモチャじゃない。貰っていく」
母親が何か怒鳴っていたが関係なくドアを出た。
しばらく歩きムーフーを下ろした。
「辛かったな。今日から俺がお前の家族だ。お兄ちゃんだ。だからムーフー。もう笑うな」
ムーフーは涙を浮かべ本当の笑顔を見せた。
リファーには身寄りがなかった。預けられた親戚の家では粗末に扱われ食べるものさえろくに与えられなかった。
ある日リファーは継母に呼ばれた。
「今日からお前はこの人の所の子供になるんだ、早く行きな」
出てきたのは小太りの酒臭い50代位の男だった。リファーは臭いで吐きそうになった。男は継母に金を渡すと「行くぞ」とリファーの手を取った。
「やだ!行きたくない」
リファーは抵抗するも子供の力。引きずられて連れていかれ無理やり車に乗せられた。
「おい、車を出せ。ぐへへへ、可愛い娘が手に入ったぞ。さて、家に帰るまで待ちきれない。ぐふふふ」
危険を感じたリファーはあらぬ限りの声で叫んだ。
「いやーーーー!やめて!イヤだ!!!」
「うるせー!なき叫ぼうがお前は俺のモノなんだよ!」
どこで人生を間違えたのだろう。もうこんな人生なら要らない。神様、いや、悪魔でもいい。私の人生を変えて下さい。私の全てを捧げるから…
ガタンと車が揺れた瞬間目の前に鮮血が飛び散った。フロントガラスから何者かが覗き込んだ。涙でぼやけた視界に見えたのは深紅の眼、ねじれた角…悪魔だった。
「悪魔さんお願い…助けて…」
リファーはそっと目を閉じ悪魔はゆっくりとうなづいた。
マカルは歌が好きな子でいつも歌っていた。それは孤児院生活で親がいない寂しさを紛らせるものでもあった。
いつもの様に河原で歌っていると男の子が現れ、しばらく聞きこう言った。「何その声。気持ちわる!」
それからというものマカルは声を出さなくなった。
2年の月日が経ち全く声を発声しないままの生活が続いた。
ある時孤児院に一人の青年が尋ねてきた。
「すんまへん、ここの管理者さんはおられます?」
妙なイントネーションの言葉だった。
マカルは首を振りごめんなさいと頭を下げた。
「なんやこの子喋れんのかいな。お嬢ちゃん名前は?」
マカルは首を振った。後ろから「あら、ごめんなさい、買い物に出ててまして」とスーザンヌが帰ってきた。
「この子本当は喋れるの。でも何かあったらしくて急に喋らなくなったのよ」
「そうなんでっか」
青年は少し考え。
「そうそう、今日来たのはギルドからの…」
青年はポッツと名乗った。ギルドから手紙を持ってきたようだった。それにしてはスーザンヌママをチヤホヤする。嫌悪感を感じた。
それからというものポッツは何かと話しかけてくる。逃げても逃げても着いてくる。
「なーなー、少しだけでいいからわしと喋ってくれへんかな」
いい加減鬱陶しくなってつい声を出した。
「いい加減にして!」
ポッツはビックリした顔からやがて泣き崩れた。
「やっと喋ってくれた!うううう嬉しいいいいい」
たかが喋ったくらいでこんなに泣けるのか。少し可愛く感じた。
それからというものマカルはポッツとは少しずつ話すようになった。ある日ポッツはどうしても言ってもらいたい言葉があると言い出した。マカルは恥ずかしくて言えなかったがポッツが額を地面に擦り付けてお願いしてるのを止めさせたくて、つい言ってしまった。
「にぃに…」
ポッツは奇声を発しながら不思議な踊りを踊った。
マカルのMPが20奪われた。
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