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最終決戦
36話 完全なる
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「まだだ」ナカムトが構える。
「気を抜くな!まだ本体がいる!」
ムヒコーウェルは薄ら笑った。
「皆様お疲れ様でした。あたしの時間稼ぎも終わったわ。ぅふ。ようやく到着よ。あたしが…」
黒いつむじ風に人が運びこまれた。
「キャーッチ!ぅふ。おかえり…あ、た、し」
ムシャはぐったりしていた。消え入りそうな声だった。
「ムシャさん今助けるからね!」モチャが駆け寄る。
「……いいの。来ないで…」
「いいってどういう事なの!ダメだよムヒコーウェルにやられちゃうよ!」
ムヒコーウェルは不気味に笑う。
「何を言ってるの?これはあたしよ。だから『いいの』って言ってるじゃない。ぅふ」
「あれはムヒコーウェルの核だな」ナカムトは嫌な予感がした。
「私達が封印した時にあの者がいたんだ。そして最後のあがきにムヒコーウェルは何かをした。このままだと危険だ」
チュラーは判断する。
「攻撃だ。ムヒコーウェルに何かをする余裕を与えるな!エリーヌさん!」
「分かったわ!魔法部隊!打てー!」
無数の魔法が再び降り注ぐ。
ムヒコーウェルはムシャを得てパワーが上がっていた。ムヒコーウェルの直前で魔法攻撃が消される。
「無駄よ。おっほっほっほ!それじゃいただきまーす!」
ズシャっという音と共にムシャの身体をムヒコーウェルの手が貫いた。鮮血が飛び散る。
ムシャは痙攣する。
「…いいの…これで…これが…魔女を作った私の償い…エニスと出会う事…ムヒコーウェルを完全にする事…これが私の役目…千年待ち続けていたの…この瞬間を…かはっ!」
ムシャは息絶えた。ムヒコーウェルはムシャの体内から何かを取り出した。
「これこれ…あたしの『鶴丸』ちゃん。やっぱり図書館の知識を詰め込んだだけの偽物じゃ語り部になれなかったわ」
「ムシャさん!!」モチャが叫ぶ。ピヨーヌが吐いた。
ナカムトの冷や汗が止まらない。
「これはジパヌグに伝わる剣、刀という物だ。まずいな…」
エニスも危ない空気を感じた。
「偽物?もしかしてダッタン図書館の…人をなんだと思ってるんだ!」
「そうよ、知識を詰め込んで語り部を作り出せば手に入ると思ったんだけど。失敗だったわ。これで完璧!力がみなぎるわ!!!」
ムヒコーウェルは鶴丸を一振すると地面に巨大な溝が刻まれた。
ムヒコーウェルは何か思いついたようだった。
「にぃに…」
ポッツが反応する。
「マカルの声や!マカル!」
「にぃには何で私を放っておくの…嫌い」
「ちゃう…ちゃうんや!マカル!」
「私もよ…何で早く帰ってきてくれないの…嫌い」
チュラーが反応する。
「ムーフー!だからこうしてムヒコーウェルを!はっ!やめろムヒコーウェル!」
「嫌い」「嫌い」
「耳を貸すな!怒りに飲み込まれるぞ!」ナカムトは激を飛ばすも、ポッツとチュラーは怒りに任せムヒコーウェルへ向かい、小石のようにはね飛ばされた。
「ポッツ!チュラー!」ジースーは介抱へ向かう。
ムヒコーウェルは続ける。
「おにぃ…ずっと嫌いだったの。本当は私の事なんて見てない…」
ジースーは苦々しく目をつむる。
「リファー!僕には効かないぞ!ちょっとショックだけど…何で声を奪うんだ!」
ムヒコーウェルはフンと鼻を鳴らすとこう言った。
「気に入らないのよ。美しい声が。愛情が。人気が。憎ったらしい!全て奪ってやる!あたしより人気のある声!美しい顔全部あたしが手にする。そしてあたしが世界を膝まづかせるのよ!!死んでしまえ!キエェーーー!」
鶴丸を乱れるように振り回すと無数の衝撃が飛ぶ。
全員避ける隙もなく弾き飛ばされ、岩に激突した。
「おーほっほっほっ!あたしの前にひれ伏せ!あたしの世界を作るのよ!!!」
ドクン
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」
ドクン
ムヒコーウェルの攻撃は凄まじく抵抗どころか防御もままならない。
ドクン
ナカムトはジースーを睨む。
「ジースー!!!!!」
ドクン
「分かってるよ…だけど…だけど…」
ドクン
魔法部隊の方までムヒコーウェルの攻撃が及ぶ。チリのように吹き飛ぶ。
ドクン
ジースーは目をつむった。
ドクン
「皆…ごめん…」
ドクン。
「僕…悪魔なんだ」
ジースーの頭から捻れた角が、背中から漆黒の翼が生え、目が赤く染った。
「気を抜くな!まだ本体がいる!」
ムヒコーウェルは薄ら笑った。
「皆様お疲れ様でした。あたしの時間稼ぎも終わったわ。ぅふ。ようやく到着よ。あたしが…」
黒いつむじ風に人が運びこまれた。
「キャーッチ!ぅふ。おかえり…あ、た、し」
ムシャはぐったりしていた。消え入りそうな声だった。
「ムシャさん今助けるからね!」モチャが駆け寄る。
「……いいの。来ないで…」
「いいってどういう事なの!ダメだよムヒコーウェルにやられちゃうよ!」
ムヒコーウェルは不気味に笑う。
「何を言ってるの?これはあたしよ。だから『いいの』って言ってるじゃない。ぅふ」
「あれはムヒコーウェルの核だな」ナカムトは嫌な予感がした。
「私達が封印した時にあの者がいたんだ。そして最後のあがきにムヒコーウェルは何かをした。このままだと危険だ」
チュラーは判断する。
「攻撃だ。ムヒコーウェルに何かをする余裕を与えるな!エリーヌさん!」
「分かったわ!魔法部隊!打てー!」
無数の魔法が再び降り注ぐ。
ムヒコーウェルはムシャを得てパワーが上がっていた。ムヒコーウェルの直前で魔法攻撃が消される。
「無駄よ。おっほっほっほ!それじゃいただきまーす!」
ズシャっという音と共にムシャの身体をムヒコーウェルの手が貫いた。鮮血が飛び散る。
ムシャは痙攣する。
「…いいの…これで…これが…魔女を作った私の償い…エニスと出会う事…ムヒコーウェルを完全にする事…これが私の役目…千年待ち続けていたの…この瞬間を…かはっ!」
ムシャは息絶えた。ムヒコーウェルはムシャの体内から何かを取り出した。
「これこれ…あたしの『鶴丸』ちゃん。やっぱり図書館の知識を詰め込んだだけの偽物じゃ語り部になれなかったわ」
「ムシャさん!!」モチャが叫ぶ。ピヨーヌが吐いた。
ナカムトの冷や汗が止まらない。
「これはジパヌグに伝わる剣、刀という物だ。まずいな…」
エニスも危ない空気を感じた。
「偽物?もしかしてダッタン図書館の…人をなんだと思ってるんだ!」
「そうよ、知識を詰め込んで語り部を作り出せば手に入ると思ったんだけど。失敗だったわ。これで完璧!力がみなぎるわ!!!」
ムヒコーウェルは鶴丸を一振すると地面に巨大な溝が刻まれた。
ムヒコーウェルは何か思いついたようだった。
「にぃに…」
ポッツが反応する。
「マカルの声や!マカル!」
「にぃには何で私を放っておくの…嫌い」
「ちゃう…ちゃうんや!マカル!」
「私もよ…何で早く帰ってきてくれないの…嫌い」
チュラーが反応する。
「ムーフー!だからこうしてムヒコーウェルを!はっ!やめろムヒコーウェル!」
「嫌い」「嫌い」
「耳を貸すな!怒りに飲み込まれるぞ!」ナカムトは激を飛ばすも、ポッツとチュラーは怒りに任せムヒコーウェルへ向かい、小石のようにはね飛ばされた。
「ポッツ!チュラー!」ジースーは介抱へ向かう。
ムヒコーウェルは続ける。
「おにぃ…ずっと嫌いだったの。本当は私の事なんて見てない…」
ジースーは苦々しく目をつむる。
「リファー!僕には効かないぞ!ちょっとショックだけど…何で声を奪うんだ!」
ムヒコーウェルはフンと鼻を鳴らすとこう言った。
「気に入らないのよ。美しい声が。愛情が。人気が。憎ったらしい!全て奪ってやる!あたしより人気のある声!美しい顔全部あたしが手にする。そしてあたしが世界を膝まづかせるのよ!!死んでしまえ!キエェーーー!」
鶴丸を乱れるように振り回すと無数の衝撃が飛ぶ。
全員避ける隙もなく弾き飛ばされ、岩に激突した。
「おーほっほっほっ!あたしの前にひれ伏せ!あたしの世界を作るのよ!!!」
ドクン
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」
ドクン
ムヒコーウェルの攻撃は凄まじく抵抗どころか防御もままならない。
ドクン
ナカムトはジースーを睨む。
「ジースー!!!!!」
ドクン
「分かってるよ…だけど…だけど…」
ドクン
魔法部隊の方までムヒコーウェルの攻撃が及ぶ。チリのように吹き飛ぶ。
ドクン
ジースーは目をつむった。
ドクン
「皆…ごめん…」
ドクン。
「僕…悪魔なんだ」
ジースーの頭から捻れた角が、背中から漆黒の翼が生え、目が赤く染った。
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