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旅立ちとはまさに出会いである
1話 手がかりを探しに
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イーモズは悩んでいた。どうやってオーニズを探すか。
歩きながら案を出し合う。中々意見がまとまらない中、イヤザザ中央公園で休憩することは一致した。
イヤザザ中央公園は木々が黄色や赤に染まり、秋の気配がしていた。落ち葉を払い、べンチに座り作戦会議をする。
「やっぱり」とリファーが切り出す。
「聞き込みからかしら。オーニズの辿った道を進みながら聞き込みすれば何か手がかりがあるはずよ」
ムーフーも頷く。
「マカルはどう?」
「うーん、なんか近くに居るような感じがするんだよなー。何でだろう?なんかこう…にぃにに触られてるような…」
ムーフーは笑う。
「そんなわけないじゃない。ここにいるんだったら苦労しないよ」
「そ、そうだよね、気のせいだよね」
リファーは何故か一瞬顔が曇った。
「とりあえず進みましょ。とりあえずオーニズが寄りそうな所を当たりましょう」
マカルは記憶を総動員させた。
「にぃにが行きそうな場所かぁ…にぃには変態だから変態が集まる店とか?」
笑いながらムーフーが突っ込む。
「うちのお兄ちゃんが許さないわよね、それは」
みんな唸りながら知識を集めるも中々答えが出せなかった。リファーはポンと手を叩く。
「アイテムショップはどうかしら?回復アイテムとか旅の前に買うでしょ?」
「そうね、そうしよ!」
ようやくまとまった。
街のメインストリートでは早くも冬支度をするため買い出しをしている人で賑わっていた。この街にはアイテムショップは三件あり、どれか迷ったが一番老舗と言われるアイテムショップにした。そのアイテムショップは外観はボロく、取り揃えは悪いがレアな薬品、道具などが置いてありツウが通う店として知られていた。
リファーが先頭を切る。
「すいませーん」
「はーい」と出てきたのはマカルと同じ歳くらいの女性だった。
マカルが後ろから飛び出す。
「シズク!」
「あっ、マカル。久しぶりね。anything養成学校以来よね」
anything養成学校はチュラーが主導をとり、ルイ35世をなだめ、透かし、説得。ルイ王は(いろんな意味で)泣きながら資金を提供し、世界にanythingを伝えるために開設した学校だった。
「ほんとに久しぶりだねー。あっ、紹介するね。私の所属するギルド『イーモズ』のリファーとムーフー。この子はanything養成学校の同級生のシズク」
リファーとムーフーは「よろしくね」と握手を交わす。
「ところでシズクはオーニズ見なかった?一ヶ月前なんだけど」
「そうねー…。あー、来たわ。確か回復薬と毒消し、あと…店主と何か相談してて小瓶を受け取ってたわね」
リファーが乗り出す。
「何の小瓶か分かりますか?」
「んー。私には分からないな。バイトだしそんなに貴重なものを扱わせてくれないのよ」
ムーフーも話を下げる。
「どこか行くとか話してませんでした?」
「そうねー。ダッタン国に用事がどうのとか言ってたわね」
マカルは意気込む。
「ダッタン国ね!ありがとう。帰ったら遊ぼうね、シズク」
「そうね。また学校の近くのカフェでおしゃべりしましょ」
回復薬と毒消しを買い、店を出たイーモズはダッタン国に向かうことにした。
「それにしても」とムーフーは切り出す。
「小瓶が気になるよね。そんなに貴重な小瓶ってなんだろ?」
リファーも悩む。
「見当もつかないなー。ギルドクエストは調査だからそんな特別なものを持っていくかしら。マカルはどう思う?」
「変態を治す薬?」
二人は真面目に言うマカルに笑いが込み上げた。
ムーフーが「なんでやねん!」と笑いながら芸人並みにマカルを手の甲で突っ込む。
「ポッツにぃの代わりに突っ込んでおいたよ」
「ちょっと二人で突っ込まないでよー」
リファーは「え?」という顔で。
「私は突っ込んでないよ?なんかマカル変ね」
「あれ?おかしいなー、二人に突っ込まれた気がしたんだけどなー。まっいっか。行こー」
歩きながら案を出し合う。中々意見がまとまらない中、イヤザザ中央公園で休憩することは一致した。
イヤザザ中央公園は木々が黄色や赤に染まり、秋の気配がしていた。落ち葉を払い、べンチに座り作戦会議をする。
「やっぱり」とリファーが切り出す。
「聞き込みからかしら。オーニズの辿った道を進みながら聞き込みすれば何か手がかりがあるはずよ」
ムーフーも頷く。
「マカルはどう?」
「うーん、なんか近くに居るような感じがするんだよなー。何でだろう?なんかこう…にぃにに触られてるような…」
ムーフーは笑う。
「そんなわけないじゃない。ここにいるんだったら苦労しないよ」
「そ、そうだよね、気のせいだよね」
リファーは何故か一瞬顔が曇った。
「とりあえず進みましょ。とりあえずオーニズが寄りそうな所を当たりましょう」
マカルは記憶を総動員させた。
「にぃにが行きそうな場所かぁ…にぃには変態だから変態が集まる店とか?」
笑いながらムーフーが突っ込む。
「うちのお兄ちゃんが許さないわよね、それは」
みんな唸りながら知識を集めるも中々答えが出せなかった。リファーはポンと手を叩く。
「アイテムショップはどうかしら?回復アイテムとか旅の前に買うでしょ?」
「そうね、そうしよ!」
ようやくまとまった。
街のメインストリートでは早くも冬支度をするため買い出しをしている人で賑わっていた。この街にはアイテムショップは三件あり、どれか迷ったが一番老舗と言われるアイテムショップにした。そのアイテムショップは外観はボロく、取り揃えは悪いがレアな薬品、道具などが置いてありツウが通う店として知られていた。
リファーが先頭を切る。
「すいませーん」
「はーい」と出てきたのはマカルと同じ歳くらいの女性だった。
マカルが後ろから飛び出す。
「シズク!」
「あっ、マカル。久しぶりね。anything養成学校以来よね」
anything養成学校はチュラーが主導をとり、ルイ35世をなだめ、透かし、説得。ルイ王は(いろんな意味で)泣きながら資金を提供し、世界にanythingを伝えるために開設した学校だった。
「ほんとに久しぶりだねー。あっ、紹介するね。私の所属するギルド『イーモズ』のリファーとムーフー。この子はanything養成学校の同級生のシズク」
リファーとムーフーは「よろしくね」と握手を交わす。
「ところでシズクはオーニズ見なかった?一ヶ月前なんだけど」
「そうねー…。あー、来たわ。確か回復薬と毒消し、あと…店主と何か相談してて小瓶を受け取ってたわね」
リファーが乗り出す。
「何の小瓶か分かりますか?」
「んー。私には分からないな。バイトだしそんなに貴重なものを扱わせてくれないのよ」
ムーフーも話を下げる。
「どこか行くとか話してませんでした?」
「そうねー。ダッタン国に用事がどうのとか言ってたわね」
マカルは意気込む。
「ダッタン国ね!ありがとう。帰ったら遊ぼうね、シズク」
「そうね。また学校の近くのカフェでおしゃべりしましょ」
回復薬と毒消しを買い、店を出たイーモズはダッタン国に向かうことにした。
「それにしても」とムーフーは切り出す。
「小瓶が気になるよね。そんなに貴重な小瓶ってなんだろ?」
リファーも悩む。
「見当もつかないなー。ギルドクエストは調査だからそんな特別なものを持っていくかしら。マカルはどう思う?」
「変態を治す薬?」
二人は真面目に言うマカルに笑いが込み上げた。
ムーフーが「なんでやねん!」と笑いながら芸人並みにマカルを手の甲で突っ込む。
「ポッツにぃの代わりに突っ込んでおいたよ」
「ちょっと二人で突っ込まないでよー」
リファーは「え?」という顔で。
「私は突っ込んでないよ?なんかマカル変ね」
「あれ?おかしいなー、二人に突っ込まれた気がしたんだけどなー。まっいっか。行こー」
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