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むひ

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旅とは先の見えない闇である

39話 私にできること

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 「オーカマバレーにこんな穴が空いているとは」
チュラーは覗き込んだ。下は暗く深淵と言うに相応しい異質な空気を放っていた。
ムヒコーウェルは淵に立つ。
「この下にムビーがいるわ。行くわよ!」
「姐さん私もお供します。お前も来い」
と、ムヒコーウェルとイールビ、ロッロは飛び降りた。ポッツが下を覗く。
「無理やて無理やてめっちゃ高いやん!あんな化け物と一緒やと思わんで欲しいわ」
「誰が化け物だって?」ムヒコーウェルが禍々しいオーラをまとい浮上してきた。
「冗談やて!冗談!」
「ほんとにもう!ふん!」とムヒコーウェルは消えた。
「危ないとこやったな。ほんでどう行くねんて」
「はいはいはいはい!」っと、ヒャノが前に出る。
「さっきプルリと話してたんだけどね、ブルーバードを大きくできるんだって!私の力だけでは三人が限界なんだけどね。それに乗ればいいよ」
「任せるのら!」プルリが胸を叩く。
ポッツはプルリを撫でながら。
「そんな事できるんか、ほな頼むで」
ヒャノは詠唱する。
「私の相棒、出ておいで。ブルーバード!」
ヒャノの手から青い炎が吹き出し鳥の形になった。
プルリは葉っぱをちぎり振り回す。
「プルプルプルーリプールプル!」
ブルーバードはムクムクと大きくなった。
「さあ、乗って」
一人ずつ乗り込む。最後にポッツだったがどうやら乗れないようだった。
ジースーは残念そうに。
「どうやらスペースが足りないみたいだね。ポッツはとりあえずダイエットしてから来てね」
「まてい!お前飛べるやろお降りんかい!」
「あ、忘れてた。あはは。それじゃあしゅっぱーつ!」
と、ジースーは穴の中に飛び降りた。
「おいおい!待てや!行くでー」
ピエーっとブルーバードは雄叫びを上げ飛び立った。


ブルーバードは下降していく。暗闇を突き抜けて突如明るい場所に出た。
チュラーは何かを見つけた。
「あれはなんだ?城?…」
並行して飛んでいたジースーの顔が険しくなる。
「あれがムビーのいる城。パルパポリス城だ」
リカーが首を傾げた。
「ラスボスにたどり着くのにこんなに簡単なのか?」
ポッツもハッとする。
「さすがご主人!目の付け所がちゃいまんな!」
「だまれポッツ」
「はいいいい!」
カクトは照準を覗き弾丸を放つ。
「来るぞ!」
前方には雲の塊がこっちに向かってくるが、よく見ると雲では無かった。
カクトは何発が放つ。
「あれ全部魔物よ!数が多すぎるわ!固まっていてはダメ。一旦降りましょう」
ブルーバードは下降し全員を下ろすと雲に突っ込み魔物を灰にした。
チュラーは詠唱する。
「ブルーバードだけじゃ追いつかない!迎え撃つ!炎香!」
バカでかい炎の塊が放たれた。
リファーも何か手伝えることを探していたが防御系の魔法しかない。
「私も戦いたいのに…」
ジースーがふわりとリファーの隣りに降りた。
「大丈夫。みんなできることは違うんだ。できる人に任せればいいんだよ。そのうちリファーの力を使わなきゃ行けない時が来る。その時はお願いね」
「うん、ありがとう。おにぃ」
「じゃ!」とジースーは飛び立つ。
「私たちに…私たちにできることは…」
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