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むひ

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旅とは先の見えない闇である

41話 悪魔

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 一行が進む中突如空が曇り雷が鳴った。
空から野太い声がこだまする。
「貴様らは愚かだ。この創造主に逆らうとは」
ポッツが反応する。
「来たな!ムビー!マカルを返さんかい!それにしてもこんなあっさり出てくるか」
「尺の都合だ」
「尺ってなんやねん!」
「まあどうでもいいが。お前らには死んでもらう。私が出るまでもない。こいつが相手だ。行け!娘よ!」
雲が割れ少女が降りてきた。その目は赤く染まり。禍々しいオーラを放っていた。
「マ…マカル!今行くから待っててや!」
「来ないで…みんな大嫌い。こんな私も嫌い」
走るポッツに虚無が襲う。チュラーは飛びつきポッツを、押し倒した。
「ポッツ危ないぞ!周りを見ろ!」
「せやかてマカルが!」
「見てみろ!ムビーに操られている。どうするか考えるんだ!」
ジースーが飛び立つ。
「パパやめて!マカルまでこんな事しないで!」
「笑止!お前もだジースー。魔族でありながら人間に加勢する。許さぬ」
暗黒がジースーを包み、頭を抱え失速した。
「うあああ!ぐぐぐぐああああああああぁぁぁ!」
ジースーの目は赤く染まり全身が獣のように変形していく。
エリーヌ隊にも異変が起こった。
「みんな嫌い…私なんて力がなくて邪魔だと思ってるんでしょ!」ムーフーも突然目の色が変わり。暴れ出す。
「みんな消えればいい…nothing…全てを消して」マカルはnothingを発動させエリーヌ隊を襲う。
ジースーは唸りながらチュラーに襲いかかった。
チュラーはチュラウムウォーターでジースーの攻撃を逸らした。
「ちょっと待て!これじゃ仲間割れじゃないか!正気になれ!」
願うも止まらなかった。anything養成学校の中にもムビーに毒され仲間を攻撃する者が続出した。
エリーヌは指示を飛ばす。
「異常をきたした者はとりあえず取り抑えて!なるべく傷付けないように!」
仲間の剣を受けながらチピが叫ぶ。
「無理だろそんなの!相手は本気で殺しに来てるのに傷付けるなとかよ!」

リファーはその中呆然とした。
「私達は誰と戦っているの……こんなの……違う!いやああああああああ!」


✎︎____________


「いやーーーー!やめて!イヤだ!!!」
「うるせー!なき叫ぼうがお前は俺のモノなんだよ!」
どこで人生を間違えたのだろう。もうこんな人生なら要らない。神様、いや、悪魔でもいい。私の人生を変えて下さい。私の全てを捧げるから…
 ガタンと車が揺れた瞬間目の前に鮮血が飛び散った。フロントガラスから何者かが覗き込んだ。涙でぼやけた視界に見えたのは深紅の眼、ねじれた角…悪魔だった。
「悪魔さんお願い…助けて…」
リファーはそっと目を閉じ悪魔はゆっくりとうなづいた。
悪魔はそこにいる者を殺し、リファーを抱え走った。
小高い山の頂上まで来ると気絶したリファーを石の上に寝かせリファーを起こした。
「我に心臓を捧げよ」
「あ、約束ですものね。全てを捧げるって。分かったわ」
リファーは目を閉じた。
しかし待っても何も起こらない。リファーは目を開けるとそこには血の涙を流す悪魔がいた。
「あらどうしたの?なぜ泣いているの?私は抵抗しないわ、早くやってください」
悪魔は「ぐおおお」と唸りながら苦しんだ。
「そう……あなたも辛かったのね……可哀想に」
リファーは悪魔を抱きしめた。
リファーの身体が光り悪魔を包み込んだ。

少し気絶したようだった。リファーは目を覚ますと青年に介抱されていた。青年はニコッと笑う。
「やっと気がついたんだね。僕はジースー。君は?」


✎︎____________



リファーの身体が光を発した。光はどんどん大きくなり一小隊全てを包み込んだ。心地よい光の中、毒されたものは正気に戻っていった。リファーは倒れ込む。
「前々からマカルにはお兄ぃと同じ感覚があったの……」
リファーは気絶した。
「「リファー!」」コーナーズは介抱に向かい戦いは収束した。
ポッツもマカルを抱え戻ってきた。

「ほう、ホーリーサークルとな。これでジースーの悪魔化を封じたのか。そしてマカルも…クックック」
ドシッドシッと出てきたのは悪魔。牛の角に裂けた口。見るだけで失神してしまいそうな容姿だった。
腕を一振すると真空の刃が襲う。安心した矢先の攻撃で気が緩んでいたため何名かは致命傷を負った。
「エルクサーを使って!」エリーヌは救護班に司令を飛ばした。
チュラーは構える。
「みんな気を抜くな!来るぞ!みんなもエルクサー飲んどけ」
ムビーの第二波が襲う。
「これじゃ近寄れないぞ。ムヒコーウェルの時とは比較にならない」

「私が行こう」

キールが先陣を切る。
「我々レジェンドは後の者に道を残す。それが務めだ。幸い状況が私向きだからな。行くぞ!」
雲がムビーの上に集まる。雲の摩擦が大きくなり力を溜め込んだ。
「俺のanything…応えてくれ!雷剣絶落!」
ムビーの刃と同時に雷の柱が落ち、キールはまともに刃を受けた。
「クソ!やったのは腕だけか…カハッ。超回復でも時間かかるぞこれは…すまない…」
チュラーがキールを運び出す。
「すごい攻撃だったぞ。腕一本やれたのはでかい、ありがとうキール。少し休んでてくれ」
「おほほほほほほほほ」と遠くから笑い声が近づいてきた。
ドラゴンに乗ったムヒコーウェル。
「あたしの惚れ薬で手懐けてやったわ。おら!ムビーこれでも喰らいなさい!」
両手を上げた所に暗黒が集まる。ムヒコーウェルはムビーに投げつけた。
ボコッと右足が削り取られる。
「ざまーみなさい!あたしを振るからこうなるのよ!」
ムビーはよろける。
「ムヒコーウェル、貴様にはこれをやろう」
ムビーは口を開けると炎を吐き出した。
「やだばっちい!」
トンッと一飛び。炎はドラゴンを溶かした。
「危ないわね、いくらあたしでもあれは無理だわ。あら?みんなどうしたのよ疲れた顔して。やるなら今よ」
と、ジースーに弾丸を放り投げた。
「これは水魔法を詰め込んだマジックバレット。あげるわ」
ジースーはキャッチするとピンと来た。
ポッツは勢い立つ。
「よっしゃやったるで!ん?ちょっと!最終決戦目前でチュラーどこいったん!ジースー知らんか?」
「まあまあ、チュラーにも色々あるんだって。とりあえずこれで踏ん張るしかないよね!」
「せやな!ワシとジースーで突っ込むさかい、ヤミーは後ろで援護してくれるか?」
「まかせて!風の精霊、力を貸したまえ、エアロ・スティーチ!」


『西の果てに希望があるという』


「ユランは爆弾で陽動してくれ」
「そういうの得意!いっくよー、サイレント・ボム!未だ!突っ込んで!」


『救うには力が無さすぎる』


「よっしゃ行くでジースー!突撃ー!」
チュラーが駆け寄る。
「待たせたな!」

『託された欠片握りしめ』


ムヒコーウェルはナカムトに駆け寄る。
「ナカムトちゃんはあたしとイチャイチャしながら行きましょうね」
「滅せよオカマあぁぁぁぁ!音の呼吸。壹ノ型千年殺し!」
「あーれーーーーーー!それご褒美ぃぃぃい!」


『手にした欠片瞬き僕は明日へと歩けるさ』


ポッツは地鳴りに気付いた。
「ん?なんや!セッチ山動くんかいいぃぃぃ!」
「んごおおおおおお!」


『羽ばたけ地平の果まで』


ナカムトはセッチ山に飛び乗った。
「そう、セッチ山は古代兵器なんだ。始動に時間がかかった」


『新しい未来をあげるから』


エリーヌは号令を飛ばす。
「魔法部隊は援護射撃!打てえええ!」
マカルもよろけながら張り切る。
「にぃにに触らせない!虚無虚無虚無虚無」
「ドラゴンクロー!こんな力要らねえから全部お前にくれてやる!」
「凍てつけ!アイス・ロマンス」
ムビーに攻撃が降り注ぐ。


『Everything is all right .Please show me your smile again.』


ジースーは悪魔化しマジックバレットを構える。
「ポッツ!なんちゃらウェーブ頼む!指弾!!!」
「お前も名前覚えろや!任せとき!コズミックウェエエエエイブ」
「チュラウムストーーーーム!!」


『We’re a lost child.On the way to eternity.』


ムビーも攻撃を繰り出す。
「愚かなりいぃぃいい!」
マジックバレットは勢いを上げ空間を裂き、時間逆光、再生を繰り返しながら水の核分裂を起こしムビーに刺さる。


『Fly to the new world.Faraway!』


マジックバレットは衝撃に耐えられず大爆発を起こした。

爆風の砂埃の中ムビーは跡形もなく消し飛んだ。
しかし、こちらもムビーの悪あがきで甚大な被害を負った。
「やったで!やった!ムビーを倒した!!!」
「やったー!」と口々叫ぶ中、チュラーは浮かない顔をした。

「ポッツ…もうやめよう」

「やめるってどういうことやねん。もう終わったんやで」
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