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新婚生活は清らかに ②
さて、クリストフはおいしく食べてくれるかしら。
どう反応するかが気になって観察していると、彼は怪訝そうに首をかしげた。
「これは? 以前と料理の雰囲気が違うようだが」
今回の出張の前までは、焼いたお肉の塊がドーン! その横にゆでたソーセージがどっさり! スープにもお肉がゴロゴロ……という状態だった。
あまり細かいことは気にしないクリストフにも、さすがに今日の夕食の違いがわかったようだ。
「まずは召し上がってみてくださいませ」
「ああ。これはステーキだよな?」
「はい」
最初にステーキを食べはじめたクリストフは、かっと目を開いた。
「いかがですか?」
「変わったソースがかかっているが、うまいな」
よかった。おいしいと言ってもらえた!
「見た目はどうですか?」
「見た目? ああ、いつもより色とりどりで、なんというかミルドレッドの帽子のようだな」
「帽子? あ、お庭に出るときに使っている麦わら帽子ですね」
つばが広くて、クラウンのまわりにたくさんの花飾りがついている。
たしかにステーキを彩る野菜に似ている……かなぁ?
でも、なによりもうれしかった。
「わたしの帽子を覚えてくださっていたなんて、感激です」
まさかクリストフが、わたしの身につけているものを気にかけてくれていたとは。
彼は軽く頭をかいて、照れくさそうに笑った。
「きみの服装はだいたい記憶している。あのときも花冠に囲まれた金髪が美しくて……」
「え?」
「い、いやいや、なんでもないぞ。気にするな。それはそうと、これは野菜なのか?」
「あ、はい、野菜と果物をすりおろしたり、細かく切ったりしています」
苦手な野菜の形や味があからさまに残っているとおいしく感じられないだろうと思って、料理長と調理の仕方を相談したのだ。いずれは野菜そのもののサラダも食べてほしいけどね。
案の定、クリストフは困ったように眉を下げている。
「俺は野菜があまり好きではないのだが」
「でも、食べられましたよね? まずかったですか?」
「いや、うまかった……」
「よかった! クリストフさまがおいしく食べられるように工夫したんです」
自然と頬がゆるむ。
せっかく一緒にいただく食事だもの。いやいや口にするよりも、楽しく食べてもらえるほうがうれしい。
彼はカトラリーを置いて、じっとわたしを見つめてきた。
「……どうして、そこまでしてくれるんだ?」
「クリストフさまのお体のためですよ」
「体?」
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