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promitto of memory
第14話 向かう先に在るべき物。
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そうして、長い様で短かった滞在が終わる。
離れゆく彼等の姿を見て自分は、
少しの間寂しいと思っていた。
夕日が黄金に輝く黄昏の中、自分は少し濡れた目を擦る。
戻ることの無かった記憶が蘇る時には
自分はいつも涙を流して泣いていた。
『…そういえば』
ふと、とあることを
思い返した自分は、自身の部屋に行き
師匠の形見である耳飾りを手に取り、身に付けた。
…
一つだけ言えることがある。
帰らぬ人達はもう二度と戻らない。
…それでも尚、自分の記憶の中で生き続けると。
皆の元へと戻ると、ヴァルフが真っ先にこう言う。
「それ、付けたんだね。」
この耳飾りを付けていると、どこかで
師匠が一緒に居てくれる様な気がしていた。
「うん、身につけたら安心するから。」
―第14話 星々睡る、星空の詩―
自分とリウラの部屋で
彼女は疲れ果ててしまったのか
安らぐ様な表情で眠っていた。
「…。」
その顔を見て、彼女の頭を撫でる。
撫でると言っても起こさない様に
そっと手を乗せるだけだった。
…自分は少しながら寂しいと思っている。
追憶の神としての
記憶があったとしても
彼女はあくまでも、名は【リウラ】だとそう思った。
そんな事を思っては行けない。
…そう思って口にはしなかった。
そう思い部屋の窓越しで空の景色を見る。
見上げた空は相変わらずの綺麗な星空だった。
隣で寝ているリウラの幸せそうな寝顔を
見るなり、自分は眠たくなっていった。
気がかりなことがありながらも、
それよりも眠たかった為自分は昼寝をしようとした
横になって部屋の天井を見つめ瞼を閉じる。
───
『…師匠。』
『また一つ、前世の記憶を取り戻しました。』
花道に眠る師匠を見て自分は、もう彼女は戻らないと
…返事は返ってこないと分かっていながらこう言った。
あの時自分が【約束の加護】に目醒めていれば
貴女を助けられたのでしょうか。
──こんな自分が、
貴女を助けれる筈が無いと分かっていても、
……そう思ってしまう。
「…」
夢から目が覚めた。
…返事がないまま、夢から覚めてしまった。
すると偶然かのように、空いていた扉の
向こう側に居た兄さんがこちらを見ていた。
「…アンル、大丈夫?」
その言葉に自分は兄さんを安心させるべく
優しい笑顔で、優しい嘘を吐いた。
「うん、大丈夫。」
そう言うと、兄さんはこっちに向かって来ると同時に
余計心配そうにこう答えた。
「本当に…?」
「…本当に大丈夫なら、
アンルはそんな顔しない筈だよ。」
兄さんが自分に向けてそう言うと
自分が気がつく間には涙を流していた。
あっ、と声を漏らした後にこう答えた。
「…っ大丈夫…。」
兄さんは、自分を慰めるように
抱きしめるとこう答えた。
「オレ、馬鹿だからさ…言ってくれないと分からないよ。」
「こんな、馬鹿でダメな兄さんでも
背負って欲しいものはちゃんと背負わせて欲しいな。」
…どうしてそんなに優しくしてくれるのか、
こんなにも優しくしてくれているのに解らなかった。
……今こそ、正直な事を言おうと思った。
「大丈夫じゃない…。」
「師匠が居なくなってから
ずっと…大丈夫じゃなかった…っ」
涙を一つ、二つと零して
何処か静かに慟哭するように自分は泣いた。
それが落ち着いて、泣き疲れた果てに
自分が目を閉じて寝ていた時に兄さんは
悲しそうで複雑な表情をしてこう言った。
「…馬鹿でダメな兄で、ごめんよ。」
…何故か兄さんのその声を聞いて、
自分は不安になってしまっていた。
そうして夜になると、
兄さんの姿がなかった。
何処を探しても見当たらなかった。
…
あの時の嫌な不安を
自分は出来れば信じたくなかった。
それらは、時期に舟中に広がっていった。
いつも明るげで辛い事には無縁そうな、
…そんな兄さんがいなくなるなんて
誰も想像つかなかったからだ。
「…兄さん。」
そうして、その嫌な感じと共に
次なる目的地に着いた。
リウラは力を取り戻す際で眠っている為、
それと同じくヴァルフも
舟の中で待っていると言っていた。
その遺跡は刻印の洞窟の時とは違って
何やら入り口が空いていた。
その遺跡が、なにやら
自分たちを招き入れるかのように。
コツ、コツと自分達の足音が響き渡る。
するとアギトさんが冷や汗を頬に垂らしていた。
「……。」
彼も自分と同じく嫌な感じがしていたのだろうか。
──そして、漸く遺跡の中に辿り着いた。
そこは迷路のように広く、
何処か不気味なようにも思えた。
「此処は…」
そう言葉を一つ漏らすと、
アギトさんが自分の口を手で塞ぐ。
彼の視線の先に、何かあるのだろうか。
「…遠くに彼奴の気配がする。」
その先に向かうと同時に、とある事に気がつく。
…兄さんの気配もするのは当然だが、
他の誰かの気配がすると。
「まさか、ルーラは…」
…まさかとはどういうことなのだろう。
気になってその事を彼に問い掛けた。
「【星喰者の儀式】…彼奴は
それに手を出したのかもな…。」
【星喰者の儀式】…
嘗て禁忌の儀とされた物の事を指す…
「それってもしかして…」
「あぁ、ルーラは過去に
教え子だった子供達を千紡戦争で失っちまってな。」
…つまりは、その子達を蘇生させるため
星喰者に成るのか…
蘇生魔法の類は、あくまでも完全では無い。
なんとかして止めなければ、兄さんが死んでしまう。
また、失ってしまう。
『──抗え。』
「…!」
明らかに、どこからか声が聞こえた。
…自分のようで違うような、そんな声色だった。
「…どうした?」
アギトさんが心配そうにこちらを見ていた。
先程のは…間違いなく空耳でも、聞き間違えでもない。
「…何でもないです、取り敢えず行きましょう。」
取り敢えず、兄さんの
気配がする所へ向かって行った。
…嫌な気配を感じつつも向かっていく。
そうして自分は、
兄さんのいる場所へとたどり着いた。
「っルーラ…!!」
するとそこに居たのは、
星喰者に成り掛けていた兄さんだった。
「ぶら、ざー」
ひどく傷ついた体、
…それを蝕む宇宙色に淀む何か。
これらを一体誰が…、
『まさか、自分でこれを…?』
記憶の中では、星喰者の儀式は
"必ず"1人で行うとされた。
すると兄さんが何かを、小さな声で喋っていた。
「早く…っにげて…。」
「正気を…失う前に…っ」
すると、次の瞬間兄さんが
アギトさんに素早い蹴り技を仕掛ける。
「!!」
その攻撃を彼が大剣で素早く受け止めた。
「しっかりしろ!おい、ルーラッ!!」
…
何も出来ない…。
自分はどうすれば、何をすればいい?
…分からなかった。
星喰者の儀式を
止める方法は何だったか思い出せない。
自分の知恵を必死に絞った。
「!」
床に複数書かれた赤い紋章のようなものを消せば
もしかしたら…兄さんが助かるかもしれない。
…アギトさんが歯止めをしてくれている今が好機だ。
「っ!」
全部で五つ…。
出来るか不安だが、こういう事は今まで経験している。
…自分を信じるしかないと思ってその所へと走った。
一つ…
二つ…
…そしてあと三つ…。
するとその瞬間、
正気を失った兄さんがこちらに向かい、
再び足技を仕掛ける。
「アンル!!」
「!」
…鈴杖で何とか受け止めた。
それと同時に砂埃と鈍い音が
自分達のいる場所に響き渡った。
「く…っ!!」
明らかに力が強い…。
こんな力で、もし自分が
これを受け止められなかったら…。
「…っ!」
…何とか弾き返した。
時間稼ぎに彼が兄さんの攻撃を
止めてくれることを祈るばかりだった。
「…」
…そして、赤い紋章を全て消した。
その時には正気をなくした
兄さんがパタリと倒れてしまう。
すると床がひび割れる。
そこには淀んだ宇宙色の空間があった。
「なっ…!?」
其処から兄さんと自分だけが落ちて行った。
…────。
『───馬鹿でダメな兄で、ごめんよ。』
「!」
前に兄さんが言っていた言葉が、何故か頭をよぎった。
ここは兄さんの…記憶の箱の中なのだろうか。
何処からか、兄さんの声が聞こえるような気がした。
『───自分は臆病者だ。』
『弟を崩壊直前のエデン家に1人置いていった挙句、
教え子だった子達まで亡くしてしまった。』
……。
『…そしてまた、最後に
残ったのは汚く醜い感情のみだった。』
違う。
…そんな事は、思って欲しくなかった。
「…違うよ…。」
兄さんは…自分の思う兄さんは
どこか抜けてて、ドジで…楽観的すぎて、
でも…それでも優しくて思いやりのある人だ。
「…兄さん。」
「…背負って欲しいものは背負わせて
欲しいって、兄さんは言っていた、でも
自分にも…辛かった事を背負わせて欲しい…っ。」
どうにもならないことも…辛い事も、悲しい事も全部。
「…だから帰ってきて、兄さん!」
「!」
「…ぁ…アンル…」
「……ごめん、ごめんよ…っ」
「突然居なくなったりして、
アンルだって、辛かったのに…っ。」
……。
「それは、辛いのは兄さんだって同じ。」
「…おれは置いていかれたなんて思ってない。」
「だからお互い様だよ。」
──兄さんが居なくなったのは、本当は少し寂しかった。
居なくなっていい人なんてこの世界には居ない。
誰しもが誰かに必要とされて、生きているのだから。
「…へへ、そっか。」
そして兄さんの記憶の箱から目覚めた。
…するとその時には兄さんが正気を取り戻していた。
すると、アギトさんが兄さんに向かってこう言った。
「っ馬鹿野郎…!!…心配、させやがって…」
怒っているようで、
どこか安心したかのようにも思えた。
「ごめんね、ブラザー…もう居なくならないから。」
「…あぁ、取り敢えず…無事で良かった。」
───そうして、自分達は舟に戻った。
ヴァルフが心配そうにこちらに向かって来る。
「あ…ルーラさん、お帰りなさい。」
「ただいま、ごめんね心配かけて…」
「…ううん大丈夫、無事で何よりだよ。」
──そうしてまた少し時間が経ったあと、
自分はリウラが寝ている部屋に向かって行った。
「…。」
まだ力を取り戻している途中なのだろう。
…短い間だと、知っていながら、
少しばかり寂しいとそう思っていた。
「…ほんの短い間でも、寂しい事には変わりないや。」
小さな声でそう言った。
部屋の窓越しに映る景色がとても綺麗だった。
心地の良い鳥のさえずりが聞こえてくる。
──もう少しここにいよう、と
そう呟いて、もう一台の寝台の上で横になった。
それともう一つ、少し思った事があった。
リルエッタ旅団の団長である自分が
仲間を、危険にさらしては行けない…と。
そうならない為にはどうすればいいのか、
何をすればいいのだろうか…。
…少しばかり仰向けになって考えた。
「…」
そう言えば、暫くの間に
鞄の中身を整理していなかった事を思い出した。
その事を考えるのは、後にすることにした。
自分は起き上がって鞄が置いてある所へ行った。
…とはいえ自分の部屋に置いていたから、
さほど遠くは無かった。
「あ、もう回復薬がない…」
「…後で作って置かないと。」
また一つ用事が出来てしまった…と
ため息をしながらそう思った。
…その時、師匠の形見である耳飾りが輝いていた。
あの人が傍に居てくれるような、そんな感じだった。
先程にも約束の加護が
目醒めるその時にも強く光り輝いていた。
もしかしたらこの耳飾りは、
加護石で出来ている物なのだろうか。
「虹色の加護石…」
その様な色の石は初めて見た気がする。
そこで自分は、棚にある書物で調べる事にした。
…どうやらこの加護石は
全能開花や、自身の持つ強力な加護の効果を発揮する
【リプルの加護石】…というものらしい。
「師匠はこれを、一体何処で作ったのやら…。」
商人等から買ったものとは想定思えない。
…リプルの加護石は、希少な石であって
過酷な錬金術を使って漸く作れる物だ。
そのような品物を作り上げたということは
師匠はやはり凄い人だったのか…。
……
「…エデン家当主…母さんの事かな」
クロノスさんが言っていたことを
少しばかり思い返した。
既に亡くなっている事は分かっていた。
…もしかしたら母さんは亡くなる直前、
師匠に称号を得る様にそう言ったのだろうか…?
でも何故そうしたのかは、はっきりよく分からなかった。
「…やっぱり、よく分からない。」
すると、窓越しからアギトさんの声が聞こえてきた。
「アンル、入るぞ。」
「あ、はい」
「どうかなさいましたか?」
そう問いかけると、彼は首を横に振っていた。
その後に自分に向けてこう答えた。
「いや、嬢ちゃんの様子を見に来たってだけだ。」
「そうでしたか。」
ついでに丁度いいと思い、自分は先程の
この耳飾りの事について全て話した。
そしてその数分後…。
「──という訳なのですが、」
「…ほう…成程な。つまりその
耳飾りはリプルの加護石で出来てるのか。」
自分はその言葉に小さく頷きながらこう答えた。
「はい、先程調べたらそう書かれてあったので。」
すると、自分の頬に
その大きな手をそっと当てる。
「…どうしました?」
「ん…綺麗だと思ってな。」
何が綺麗なのだろう。
もしかすると、この耳飾りの事だろうか。
「これですか?…確かにそうですね。」
するとアギトさんは何やら顔を自分から背けつつ、
何やら少し恥じらうような雰囲気でこう言った。
「あー、いや…そうじゃねぇ。」
「……お前の事だ。」
少し恥ずかしそうに言うその声と顔に
自分は沈黙を捧げた後、頬を赤らめた。
「!?」
「…えっと」
…その時何故か自分は、何か
話題を変えなければと思って自分は話の内容を考えた。
「…きょ、今日はいい天気ですね…?」
咄嗟に出た言葉がそれだけだった。
…自分は余計恥ずかしくなってしまった。
『うぅ…。』
すると、自分が気まずそうにしている間にも
アギトさんも自分と同じ表情でこう言った。
「あ、あぁ…そうだな。洗濯日和って所か。」
少しだけ自分は
ポカン、と…唖然としてしまった。
その後にふふっ、と自分は笑顔を見せた。
「そうですね。」
そう言うと、目の前にいる彼はこう答えた。
「…ん。そういや、飯まだ食ってねぇな。」
アギトさんは立ち上がって
ベッドに座る自分を見た。
…確か自分も、まだ朝食は食べてない気がした。
そう思って自分は彼に向けてこう述べる。
「分かりました。少ししてから自分も行きます。」
「ん、おうよ。」
……
『──綺麗だと思ってな。』
アギトさんが部屋を出た数秒後、
少し前に言われたことが頭をよぎった。
…女性でもないのに、そんな事を
言われるのは初めてだった。
「綺麗って、何処ら辺が綺麗なんだろう…」
本当に、アギトさんには良い意味でいつも驚かされる…
……
「さてと…」
そして用事を済ませて、速くも食卓の方へと向かった。
「あ、アンル!
リウラちゃんの様子どうだった?」
「うん、相変わらず眠ってるよ。」
「そっか~…まぁそうだよね、少し寂しいなぁ…。」
…兄さんは、昨日の件に関して何事も
無かったかのように元気を取り戻していた。
それでも星喰者の件については
何も言わずに問わない事にした。
離れゆく彼等の姿を見て自分は、
少しの間寂しいと思っていた。
夕日が黄金に輝く黄昏の中、自分は少し濡れた目を擦る。
戻ることの無かった記憶が蘇る時には
自分はいつも涙を流して泣いていた。
『…そういえば』
ふと、とあることを
思い返した自分は、自身の部屋に行き
師匠の形見である耳飾りを手に取り、身に付けた。
…
一つだけ言えることがある。
帰らぬ人達はもう二度と戻らない。
…それでも尚、自分の記憶の中で生き続けると。
皆の元へと戻ると、ヴァルフが真っ先にこう言う。
「それ、付けたんだね。」
この耳飾りを付けていると、どこかで
師匠が一緒に居てくれる様な気がしていた。
「うん、身につけたら安心するから。」
―第14話 星々睡る、星空の詩―
自分とリウラの部屋で
彼女は疲れ果ててしまったのか
安らぐ様な表情で眠っていた。
「…。」
その顔を見て、彼女の頭を撫でる。
撫でると言っても起こさない様に
そっと手を乗せるだけだった。
…自分は少しながら寂しいと思っている。
追憶の神としての
記憶があったとしても
彼女はあくまでも、名は【リウラ】だとそう思った。
そんな事を思っては行けない。
…そう思って口にはしなかった。
そう思い部屋の窓越しで空の景色を見る。
見上げた空は相変わらずの綺麗な星空だった。
隣で寝ているリウラの幸せそうな寝顔を
見るなり、自分は眠たくなっていった。
気がかりなことがありながらも、
それよりも眠たかった為自分は昼寝をしようとした
横になって部屋の天井を見つめ瞼を閉じる。
───
『…師匠。』
『また一つ、前世の記憶を取り戻しました。』
花道に眠る師匠を見て自分は、もう彼女は戻らないと
…返事は返ってこないと分かっていながらこう言った。
あの時自分が【約束の加護】に目醒めていれば
貴女を助けられたのでしょうか。
──こんな自分が、
貴女を助けれる筈が無いと分かっていても、
……そう思ってしまう。
「…」
夢から目が覚めた。
…返事がないまま、夢から覚めてしまった。
すると偶然かのように、空いていた扉の
向こう側に居た兄さんがこちらを見ていた。
「…アンル、大丈夫?」
その言葉に自分は兄さんを安心させるべく
優しい笑顔で、優しい嘘を吐いた。
「うん、大丈夫。」
そう言うと、兄さんはこっちに向かって来ると同時に
余計心配そうにこう答えた。
「本当に…?」
「…本当に大丈夫なら、
アンルはそんな顔しない筈だよ。」
兄さんが自分に向けてそう言うと
自分が気がつく間には涙を流していた。
あっ、と声を漏らした後にこう答えた。
「…っ大丈夫…。」
兄さんは、自分を慰めるように
抱きしめるとこう答えた。
「オレ、馬鹿だからさ…言ってくれないと分からないよ。」
「こんな、馬鹿でダメな兄さんでも
背負って欲しいものはちゃんと背負わせて欲しいな。」
…どうしてそんなに優しくしてくれるのか、
こんなにも優しくしてくれているのに解らなかった。
……今こそ、正直な事を言おうと思った。
「大丈夫じゃない…。」
「師匠が居なくなってから
ずっと…大丈夫じゃなかった…っ」
涙を一つ、二つと零して
何処か静かに慟哭するように自分は泣いた。
それが落ち着いて、泣き疲れた果てに
自分が目を閉じて寝ていた時に兄さんは
悲しそうで複雑な表情をしてこう言った。
「…馬鹿でダメな兄で、ごめんよ。」
…何故か兄さんのその声を聞いて、
自分は不安になってしまっていた。
そうして夜になると、
兄さんの姿がなかった。
何処を探しても見当たらなかった。
…
あの時の嫌な不安を
自分は出来れば信じたくなかった。
それらは、時期に舟中に広がっていった。
いつも明るげで辛い事には無縁そうな、
…そんな兄さんがいなくなるなんて
誰も想像つかなかったからだ。
「…兄さん。」
そうして、その嫌な感じと共に
次なる目的地に着いた。
リウラは力を取り戻す際で眠っている為、
それと同じくヴァルフも
舟の中で待っていると言っていた。
その遺跡は刻印の洞窟の時とは違って
何やら入り口が空いていた。
その遺跡が、なにやら
自分たちを招き入れるかのように。
コツ、コツと自分達の足音が響き渡る。
するとアギトさんが冷や汗を頬に垂らしていた。
「……。」
彼も自分と同じく嫌な感じがしていたのだろうか。
──そして、漸く遺跡の中に辿り着いた。
そこは迷路のように広く、
何処か不気味なようにも思えた。
「此処は…」
そう言葉を一つ漏らすと、
アギトさんが自分の口を手で塞ぐ。
彼の視線の先に、何かあるのだろうか。
「…遠くに彼奴の気配がする。」
その先に向かうと同時に、とある事に気がつく。
…兄さんの気配もするのは当然だが、
他の誰かの気配がすると。
「まさか、ルーラは…」
…まさかとはどういうことなのだろう。
気になってその事を彼に問い掛けた。
「【星喰者の儀式】…彼奴は
それに手を出したのかもな…。」
【星喰者の儀式】…
嘗て禁忌の儀とされた物の事を指す…
「それってもしかして…」
「あぁ、ルーラは過去に
教え子だった子供達を千紡戦争で失っちまってな。」
…つまりは、その子達を蘇生させるため
星喰者に成るのか…
蘇生魔法の類は、あくまでも完全では無い。
なんとかして止めなければ、兄さんが死んでしまう。
また、失ってしまう。
『──抗え。』
「…!」
明らかに、どこからか声が聞こえた。
…自分のようで違うような、そんな声色だった。
「…どうした?」
アギトさんが心配そうにこちらを見ていた。
先程のは…間違いなく空耳でも、聞き間違えでもない。
「…何でもないです、取り敢えず行きましょう。」
取り敢えず、兄さんの
気配がする所へ向かって行った。
…嫌な気配を感じつつも向かっていく。
そうして自分は、
兄さんのいる場所へとたどり着いた。
「っルーラ…!!」
するとそこに居たのは、
星喰者に成り掛けていた兄さんだった。
「ぶら、ざー」
ひどく傷ついた体、
…それを蝕む宇宙色に淀む何か。
これらを一体誰が…、
『まさか、自分でこれを…?』
記憶の中では、星喰者の儀式は
"必ず"1人で行うとされた。
すると兄さんが何かを、小さな声で喋っていた。
「早く…っにげて…。」
「正気を…失う前に…っ」
すると、次の瞬間兄さんが
アギトさんに素早い蹴り技を仕掛ける。
「!!」
その攻撃を彼が大剣で素早く受け止めた。
「しっかりしろ!おい、ルーラッ!!」
…
何も出来ない…。
自分はどうすれば、何をすればいい?
…分からなかった。
星喰者の儀式を
止める方法は何だったか思い出せない。
自分の知恵を必死に絞った。
「!」
床に複数書かれた赤い紋章のようなものを消せば
もしかしたら…兄さんが助かるかもしれない。
…アギトさんが歯止めをしてくれている今が好機だ。
「っ!」
全部で五つ…。
出来るか不安だが、こういう事は今まで経験している。
…自分を信じるしかないと思ってその所へと走った。
一つ…
二つ…
…そしてあと三つ…。
するとその瞬間、
正気を失った兄さんがこちらに向かい、
再び足技を仕掛ける。
「アンル!!」
「!」
…鈴杖で何とか受け止めた。
それと同時に砂埃と鈍い音が
自分達のいる場所に響き渡った。
「く…っ!!」
明らかに力が強い…。
こんな力で、もし自分が
これを受け止められなかったら…。
「…っ!」
…何とか弾き返した。
時間稼ぎに彼が兄さんの攻撃を
止めてくれることを祈るばかりだった。
「…」
…そして、赤い紋章を全て消した。
その時には正気をなくした
兄さんがパタリと倒れてしまう。
すると床がひび割れる。
そこには淀んだ宇宙色の空間があった。
「なっ…!?」
其処から兄さんと自分だけが落ちて行った。
…────。
『───馬鹿でダメな兄で、ごめんよ。』
「!」
前に兄さんが言っていた言葉が、何故か頭をよぎった。
ここは兄さんの…記憶の箱の中なのだろうか。
何処からか、兄さんの声が聞こえるような気がした。
『───自分は臆病者だ。』
『弟を崩壊直前のエデン家に1人置いていった挙句、
教え子だった子達まで亡くしてしまった。』
……。
『…そしてまた、最後に
残ったのは汚く醜い感情のみだった。』
違う。
…そんな事は、思って欲しくなかった。
「…違うよ…。」
兄さんは…自分の思う兄さんは
どこか抜けてて、ドジで…楽観的すぎて、
でも…それでも優しくて思いやりのある人だ。
「…兄さん。」
「…背負って欲しいものは背負わせて
欲しいって、兄さんは言っていた、でも
自分にも…辛かった事を背負わせて欲しい…っ。」
どうにもならないことも…辛い事も、悲しい事も全部。
「…だから帰ってきて、兄さん!」
「!」
「…ぁ…アンル…」
「……ごめん、ごめんよ…っ」
「突然居なくなったりして、
アンルだって、辛かったのに…っ。」
……。
「それは、辛いのは兄さんだって同じ。」
「…おれは置いていかれたなんて思ってない。」
「だからお互い様だよ。」
──兄さんが居なくなったのは、本当は少し寂しかった。
居なくなっていい人なんてこの世界には居ない。
誰しもが誰かに必要とされて、生きているのだから。
「…へへ、そっか。」
そして兄さんの記憶の箱から目覚めた。
…するとその時には兄さんが正気を取り戻していた。
すると、アギトさんが兄さんに向かってこう言った。
「っ馬鹿野郎…!!…心配、させやがって…」
怒っているようで、
どこか安心したかのようにも思えた。
「ごめんね、ブラザー…もう居なくならないから。」
「…あぁ、取り敢えず…無事で良かった。」
───そうして、自分達は舟に戻った。
ヴァルフが心配そうにこちらに向かって来る。
「あ…ルーラさん、お帰りなさい。」
「ただいま、ごめんね心配かけて…」
「…ううん大丈夫、無事で何よりだよ。」
──そうしてまた少し時間が経ったあと、
自分はリウラが寝ている部屋に向かって行った。
「…。」
まだ力を取り戻している途中なのだろう。
…短い間だと、知っていながら、
少しばかり寂しいとそう思っていた。
「…ほんの短い間でも、寂しい事には変わりないや。」
小さな声でそう言った。
部屋の窓越しに映る景色がとても綺麗だった。
心地の良い鳥のさえずりが聞こえてくる。
──もう少しここにいよう、と
そう呟いて、もう一台の寝台の上で横になった。
それともう一つ、少し思った事があった。
リルエッタ旅団の団長である自分が
仲間を、危険にさらしては行けない…と。
そうならない為にはどうすればいいのか、
何をすればいいのだろうか…。
…少しばかり仰向けになって考えた。
「…」
そう言えば、暫くの間に
鞄の中身を整理していなかった事を思い出した。
その事を考えるのは、後にすることにした。
自分は起き上がって鞄が置いてある所へ行った。
…とはいえ自分の部屋に置いていたから、
さほど遠くは無かった。
「あ、もう回復薬がない…」
「…後で作って置かないと。」
また一つ用事が出来てしまった…と
ため息をしながらそう思った。
…その時、師匠の形見である耳飾りが輝いていた。
あの人が傍に居てくれるような、そんな感じだった。
先程にも約束の加護が
目醒めるその時にも強く光り輝いていた。
もしかしたらこの耳飾りは、
加護石で出来ている物なのだろうか。
「虹色の加護石…」
その様な色の石は初めて見た気がする。
そこで自分は、棚にある書物で調べる事にした。
…どうやらこの加護石は
全能開花や、自身の持つ強力な加護の効果を発揮する
【リプルの加護石】…というものらしい。
「師匠はこれを、一体何処で作ったのやら…。」
商人等から買ったものとは想定思えない。
…リプルの加護石は、希少な石であって
過酷な錬金術を使って漸く作れる物だ。
そのような品物を作り上げたということは
師匠はやはり凄い人だったのか…。
……
「…エデン家当主…母さんの事かな」
クロノスさんが言っていたことを
少しばかり思い返した。
既に亡くなっている事は分かっていた。
…もしかしたら母さんは亡くなる直前、
師匠に称号を得る様にそう言ったのだろうか…?
でも何故そうしたのかは、はっきりよく分からなかった。
「…やっぱり、よく分からない。」
すると、窓越しからアギトさんの声が聞こえてきた。
「アンル、入るぞ。」
「あ、はい」
「どうかなさいましたか?」
そう問いかけると、彼は首を横に振っていた。
その後に自分に向けてこう答えた。
「いや、嬢ちゃんの様子を見に来たってだけだ。」
「そうでしたか。」
ついでに丁度いいと思い、自分は先程の
この耳飾りの事について全て話した。
そしてその数分後…。
「──という訳なのですが、」
「…ほう…成程な。つまりその
耳飾りはリプルの加護石で出来てるのか。」
自分はその言葉に小さく頷きながらこう答えた。
「はい、先程調べたらそう書かれてあったので。」
すると、自分の頬に
その大きな手をそっと当てる。
「…どうしました?」
「ん…綺麗だと思ってな。」
何が綺麗なのだろう。
もしかすると、この耳飾りの事だろうか。
「これですか?…確かにそうですね。」
するとアギトさんは何やら顔を自分から背けつつ、
何やら少し恥じらうような雰囲気でこう言った。
「あー、いや…そうじゃねぇ。」
「……お前の事だ。」
少し恥ずかしそうに言うその声と顔に
自分は沈黙を捧げた後、頬を赤らめた。
「!?」
「…えっと」
…その時何故か自分は、何か
話題を変えなければと思って自分は話の内容を考えた。
「…きょ、今日はいい天気ですね…?」
咄嗟に出た言葉がそれだけだった。
…自分は余計恥ずかしくなってしまった。
『うぅ…。』
すると、自分が気まずそうにしている間にも
アギトさんも自分と同じ表情でこう言った。
「あ、あぁ…そうだな。洗濯日和って所か。」
少しだけ自分は
ポカン、と…唖然としてしまった。
その後にふふっ、と自分は笑顔を見せた。
「そうですね。」
そう言うと、目の前にいる彼はこう答えた。
「…ん。そういや、飯まだ食ってねぇな。」
アギトさんは立ち上がって
ベッドに座る自分を見た。
…確か自分も、まだ朝食は食べてない気がした。
そう思って自分は彼に向けてこう述べる。
「分かりました。少ししてから自分も行きます。」
「ん、おうよ。」
……
『──綺麗だと思ってな。』
アギトさんが部屋を出た数秒後、
少し前に言われたことが頭をよぎった。
…女性でもないのに、そんな事を
言われるのは初めてだった。
「綺麗って、何処ら辺が綺麗なんだろう…」
本当に、アギトさんには良い意味でいつも驚かされる…
……
「さてと…」
そして用事を済ませて、速くも食卓の方へと向かった。
「あ、アンル!
リウラちゃんの様子どうだった?」
「うん、相変わらず眠ってるよ。」
「そっか~…まぁそうだよね、少し寂しいなぁ…。」
…兄さんは、昨日の件に関して何事も
無かったかのように元気を取り戻していた。
それでも星喰者の件については
何も言わずに問わない事にした。
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