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promitto of memory
第19話 大切なものと共に。
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なにか不思議な感じと、
何かを忘れてしまっている……
その様な感覚とともに自分達は進んで行った。
「お師匠、最近ずっと大丈夫じゃなさそうです…。」
「でも何かあれば、僕が援護しますのです!」
自分は少し微笑んでリウラにこう返した。
「ええ、ありがとうございます。」
…やっぱり、
自分の中で何か忘れてしまっている気がして
少しばかり不思議な感覚がして仕方が無かった。
―最終話 大切なものと共に―
確かに自分は、世界樹の謎を解いてから
自分でも分かるほどに様子がおかしくなっていた。
その中で自分は、師匠の意志を…この旅団を
紡げるのか段々と不安に思えてしまっていた。
そうやって1人で考えていると、その場所で
自分はとあるものを目の前にした。
「…?」
そこに居たのは、自分と同じような姿をした
兄さんと同じくらいの年や見た目の人だった。
…もしかすると、先程に楽園都市にいた人
かもしれないと仮説を立てた。
「アンル…?」
すると、自分は意識が朦朧として
その挙句倒れてしまったのか視界が横になる。
それと同時に、自分の名前を呼んでいた
アギトさんの声が途切れてしまった。
「───っアンル!!」
…────。
「───抗え。」
……あぁ、またあの声だ。
でも何故…今になってまた聞こえて来たのだろう。
「──足掻いてみせろ。」
…
……いや、ちがう。
今まで勘違いをしていた。
これは…自分自身の、記憶じゃない。
──誰かが、自分に問いかけているんだ。
「!」
「ここは…、」
…その場所は、先程に
自分達がいた遺跡のようで違うように見えた。
「みんなは…何処に、」
──視界が暗くて何も見えなかった。
それでも必死に、自分がいる
場所には居ない筈の皆を探していた。
すると、誰かが居た。
「此処には居ない。」
その人は自分にそういっていた。
まるで言葉の槍で突き刺されたような感覚だった。
…何やら自分を試すように。
「!」
自分はその人に問いかけた、貴方は誰だ…と。
何の目的で自分を此処に来させたのかと。
…貴方は何者なのだと。
「…今からする事で分かる時が来る。少々
手荒な真似をしてしまう…どうか許して欲しい。」
そう彼が言うと、自分は立ち上がってこう言った。
「手荒な真似…?」
それは一体何なのか示しがつかなかった。
……もしかすると自分は、
今此処で彼と戦うのかもしれない。
「…っリンクルス!」
そう彼女の名を答えると
彼女が武器の形へと変化する。
すると自分の向かいに居る
彼も同じようなものを使っていた。
…もしかしたら、この人は只者では無いと
そう自分が悟っていた。
何故自分と同じく彼もそれが出来たのか、
…もしかすると、彼は自分の前世なのか?
だがこれは仮説であって真実かどうかは分からない。
「…っ、」
彼が構えると同時に自分も戦闘態勢に入る。
アギトさんと試練を行った時と同じく、
あの時の緊張感のような感覚を思い出すように。
──来る。
「!!」
ガッ、と音がすると同時に自分の顔の横に
彼が杖を降った後、それを自分は運良く止めれた。
「…っっ…!!」
兄さんやアギトさん…そして今まで
戦ってきた人たちとは違う力強さだった。
今までに感じたことの無いような…。
…然し受け止めれるのもやっとであり、
それも時間の問題だった。
そして何とかそれを打ち返し、
自分は数秒の間に飛び上がり…杖を斧へと変化させ
それを振りかざし、斬撃を繰り出した。
「はあッ!!」
すると、それも見えていたかのように
彼が攻撃をその杖で受け止めてしまった。
「っ!?」
そして…それもほんの一瞬の出来事で、
自分は危うく彼の攻撃を受けてしまう所だった。
「いっ…」
…気がついた時には、
攻撃を受けた方の腕が少し痛かった。
そのかすった所に打撲傷が痣になっていた。
自分は素早く壁裏に隠れ、
その傷に回復薬をドバドバとかけて
一刻も早く傷を癒した。
「…、」
そして自分がそこから姿を現し、
また戦闘を再開させた。
一方その頃、アギトさん達は…。
「アンル!しっかりしろ…!!」
彼がそう言うと、自分の前世の姿であるアストは
アギトさんの元へと歩み寄りこう言った。
「…その子は、少しだけ
此方で意識だけ預かってる。」
「っ何の真似だ…何の目的でこんな事をしたッ!!」
彼が怒るようにアストの胸ぐらを掴み
そう言うと、兄さんが止めに入ってきた。
「ブラザー落ち着いて!…
ちゃんとこの人の理由を聞こう。ね?」
「!!」
「…っあぁ、分かった。」
そしてアストが
口を開くと同時に、彼はこう答えた。
「君たちも、世界樹にいた時に
目の当たりにしただろう。
…髪色が銀に染った彼の姿を。」
何故、彼がそれらを知っているのか
怪しくて仕方が無かったアギトさん達だったが
もう少し話を聞くことにした。
「…それが何を意味しているのか、それは
自分にもよく分からない未知のものでもある。」
───。
「はっ…はぁ…っ。」
───どうしても倒せなかった。
…何があれば彼を倒せる?
……分からない。
記憶の中の何かが、足枷になって動けなかった。
そして彼は自分に杖を向けてこう問いかけた。
「…抗え。」
──どうやって…?
自分には…自分にはもう残ったものすらない。
「…足掻いてみせろ。」
──無理だった。
もうこれ以上、自分に
期待される気持ちが嫌で仕方がなかったから。
「…答えを、導き出せ。」
「!」
「己自身が見つけた物の先に、答えは有る。」
あぁ、そうだ…。
自分は、師匠の意志と
この旅団を…紡げるのか
不安になってしまっていたんだ…。
…たったそれだけの事だったのに。
どうして自分は忘れてしまったのだろう。
「…答えは、今ここで見つけた。」
「自分は、師匠が残したこの旅団を…
嘗ての仲間たちとの、想いを紡ぐ。」
「この世界を、人を…愛していたから。」
──やっと、見つけた。
自分の答えを、自分で導き出したんだ。
すると、自分の髪色が銀色に輝き出す。
「…」
「そっか、それなら…
『アスト』としての自分は、もう必要ないか。」
「!…それって、」
口を開き息を揃えて彼はこう答えた。
「…そう。オレは君だった。」
「いつの日か…君が生まれ変わった後に
記憶が分断されてこの器が出来上がった。」
「…この器も、君の記憶と前世を
つなぎ戻すために作られたモノだよ。」
そう言うことだったのか…。
…だからあの時、アスト…前世の自分と出会った時に
前世の時の記憶が曖昧になっていたのか。
「…っなら、貴方はどうなるのですか…」
貴方がしてくれた事は…
自分にとって感謝すべき事に変わりない。
それなのに…。
「この恩を返せずに…
自分はどうしろというのですか…!」
涙ぐみながらそう言うと
彼は自分の頭に手を、ぽんと乗せてこう答えた。
「…!」
「それなら、君は自分の為に生きて。
それが…オレにとっての恩返しだよ。」
「新たな記憶を…
見つけて、大切にして欲しい。」
…
どうして貴方は…
そんなにも自分に優しいのだろう。
自分は消えゆく彼に涙を零しながら、こう答えた。
「っ…もう会えないけれど…
絶対、貴方のことは忘れないから…!」
そして散り散りになっていく中、彼が微笑んで
『ありがとう』と…
そう言っていたように見えた。
────
もし、貴方がこの世界から消えゆくとしても
自分は、そこに有るべき道を辿るでしょう。
それでも…その果てに
辿り着いたのは希望でも、絶望でも無い。
──たった一つ、優しい記憶の物語なのだから。
────
「今日はルカの所に行くのか?」
アギトさんが不思議そうに
自分の見ていた地図をひょっこりと見る。
「はい、そうしようと考えてます。」
「そうか。」
リウラと兄さん、ラミジュが
楽しげにわちゃわちゃと騒いでいる中、
自分とヴァルフは
地図を見て次の目的地へと向かう予定だ。
「はーい皆集合~!
ブラザーの昔の写真、見てみたい人いる~?♪」
「なっ!?おい馬鹿やめろ!
いつからそれ持ってやがったんだ…!!」
アギトさんが恥ずかしげに耳を赤らめてそういう。
「んー?ずっと前からに決まってるじゃん♪」
「ハッ、そうか…
なら今すぐにでもそれ燃やしてやるよ…」
そう言いアギトさんが黒炎を指から少し出した。
「えぇっ!?う、うそうそ!
わかったからそれ仕舞ってよぉ!!」
自分は微笑ましいな…と思いその様子を見ていた。
そして…ふと舟の外を見ると、
そこに広がっていた光景は
嘗て自分達が出会った場所だった。
「皆さん、もう着きましたよ。」
──そうして自分達は、舟を降りて
師匠の眠る墓の元へと歩み寄った。
「…師匠。」
「自分がここを出た2年間、
色々あって大変でしたが…その分、
学んだ事や得た物があるのです。」
「…」
「貴女が育ててきたものは、今ここで
立派に物事をやり遂げようとしていますよ。」
…それでも、返事は帰ってこなかった。
けれども…それで良いと自分は思った。
「それと…」
「…まだやるべき事を、自分は果たしに行きます。」
「それまではどうか…待っていてください。」
そうして夕方になり…自分達は舟に乗って
もう一度、旅を再開させる。
「アンル、もう行くぞ。」
───此処でやり残した事はもう無い。
…けれども、貴女と過ごした日々や思い出が
今も尚、自分の中で生き続けるから。
「…はい!」
―約束と追憶 promitto of memory―
何かを忘れてしまっている……
その様な感覚とともに自分達は進んで行った。
「お師匠、最近ずっと大丈夫じゃなさそうです…。」
「でも何かあれば、僕が援護しますのです!」
自分は少し微笑んでリウラにこう返した。
「ええ、ありがとうございます。」
…やっぱり、
自分の中で何か忘れてしまっている気がして
少しばかり不思議な感覚がして仕方が無かった。
―最終話 大切なものと共に―
確かに自分は、世界樹の謎を解いてから
自分でも分かるほどに様子がおかしくなっていた。
その中で自分は、師匠の意志を…この旅団を
紡げるのか段々と不安に思えてしまっていた。
そうやって1人で考えていると、その場所で
自分はとあるものを目の前にした。
「…?」
そこに居たのは、自分と同じような姿をした
兄さんと同じくらいの年や見た目の人だった。
…もしかすると、先程に楽園都市にいた人
かもしれないと仮説を立てた。
「アンル…?」
すると、自分は意識が朦朧として
その挙句倒れてしまったのか視界が横になる。
それと同時に、自分の名前を呼んでいた
アギトさんの声が途切れてしまった。
「───っアンル!!」
…────。
「───抗え。」
……あぁ、またあの声だ。
でも何故…今になってまた聞こえて来たのだろう。
「──足掻いてみせろ。」
…
……いや、ちがう。
今まで勘違いをしていた。
これは…自分自身の、記憶じゃない。
──誰かが、自分に問いかけているんだ。
「!」
「ここは…、」
…その場所は、先程に
自分達がいた遺跡のようで違うように見えた。
「みんなは…何処に、」
──視界が暗くて何も見えなかった。
それでも必死に、自分がいる
場所には居ない筈の皆を探していた。
すると、誰かが居た。
「此処には居ない。」
その人は自分にそういっていた。
まるで言葉の槍で突き刺されたような感覚だった。
…何やら自分を試すように。
「!」
自分はその人に問いかけた、貴方は誰だ…と。
何の目的で自分を此処に来させたのかと。
…貴方は何者なのだと。
「…今からする事で分かる時が来る。少々
手荒な真似をしてしまう…どうか許して欲しい。」
そう彼が言うと、自分は立ち上がってこう言った。
「手荒な真似…?」
それは一体何なのか示しがつかなかった。
……もしかすると自分は、
今此処で彼と戦うのかもしれない。
「…っリンクルス!」
そう彼女の名を答えると
彼女が武器の形へと変化する。
すると自分の向かいに居る
彼も同じようなものを使っていた。
…もしかしたら、この人は只者では無いと
そう自分が悟っていた。
何故自分と同じく彼もそれが出来たのか、
…もしかすると、彼は自分の前世なのか?
だがこれは仮説であって真実かどうかは分からない。
「…っ、」
彼が構えると同時に自分も戦闘態勢に入る。
アギトさんと試練を行った時と同じく、
あの時の緊張感のような感覚を思い出すように。
──来る。
「!!」
ガッ、と音がすると同時に自分の顔の横に
彼が杖を降った後、それを自分は運良く止めれた。
「…っっ…!!」
兄さんやアギトさん…そして今まで
戦ってきた人たちとは違う力強さだった。
今までに感じたことの無いような…。
…然し受け止めれるのもやっとであり、
それも時間の問題だった。
そして何とかそれを打ち返し、
自分は数秒の間に飛び上がり…杖を斧へと変化させ
それを振りかざし、斬撃を繰り出した。
「はあッ!!」
すると、それも見えていたかのように
彼が攻撃をその杖で受け止めてしまった。
「っ!?」
そして…それもほんの一瞬の出来事で、
自分は危うく彼の攻撃を受けてしまう所だった。
「いっ…」
…気がついた時には、
攻撃を受けた方の腕が少し痛かった。
そのかすった所に打撲傷が痣になっていた。
自分は素早く壁裏に隠れ、
その傷に回復薬をドバドバとかけて
一刻も早く傷を癒した。
「…、」
そして自分がそこから姿を現し、
また戦闘を再開させた。
一方その頃、アギトさん達は…。
「アンル!しっかりしろ…!!」
彼がそう言うと、自分の前世の姿であるアストは
アギトさんの元へと歩み寄りこう言った。
「…その子は、少しだけ
此方で意識だけ預かってる。」
「っ何の真似だ…何の目的でこんな事をしたッ!!」
彼が怒るようにアストの胸ぐらを掴み
そう言うと、兄さんが止めに入ってきた。
「ブラザー落ち着いて!…
ちゃんとこの人の理由を聞こう。ね?」
「!!」
「…っあぁ、分かった。」
そしてアストが
口を開くと同時に、彼はこう答えた。
「君たちも、世界樹にいた時に
目の当たりにしただろう。
…髪色が銀に染った彼の姿を。」
何故、彼がそれらを知っているのか
怪しくて仕方が無かったアギトさん達だったが
もう少し話を聞くことにした。
「…それが何を意味しているのか、それは
自分にもよく分からない未知のものでもある。」
───。
「はっ…はぁ…っ。」
───どうしても倒せなかった。
…何があれば彼を倒せる?
……分からない。
記憶の中の何かが、足枷になって動けなかった。
そして彼は自分に杖を向けてこう問いかけた。
「…抗え。」
──どうやって…?
自分には…自分にはもう残ったものすらない。
「…足掻いてみせろ。」
──無理だった。
もうこれ以上、自分に
期待される気持ちが嫌で仕方がなかったから。
「…答えを、導き出せ。」
「!」
「己自身が見つけた物の先に、答えは有る。」
あぁ、そうだ…。
自分は、師匠の意志と
この旅団を…紡げるのか
不安になってしまっていたんだ…。
…たったそれだけの事だったのに。
どうして自分は忘れてしまったのだろう。
「…答えは、今ここで見つけた。」
「自分は、師匠が残したこの旅団を…
嘗ての仲間たちとの、想いを紡ぐ。」
「この世界を、人を…愛していたから。」
──やっと、見つけた。
自分の答えを、自分で導き出したんだ。
すると、自分の髪色が銀色に輝き出す。
「…」
「そっか、それなら…
『アスト』としての自分は、もう必要ないか。」
「!…それって、」
口を開き息を揃えて彼はこう答えた。
「…そう。オレは君だった。」
「いつの日か…君が生まれ変わった後に
記憶が分断されてこの器が出来上がった。」
「…この器も、君の記憶と前世を
つなぎ戻すために作られたモノだよ。」
そう言うことだったのか…。
…だからあの時、アスト…前世の自分と出会った時に
前世の時の記憶が曖昧になっていたのか。
「…っなら、貴方はどうなるのですか…」
貴方がしてくれた事は…
自分にとって感謝すべき事に変わりない。
それなのに…。
「この恩を返せずに…
自分はどうしろというのですか…!」
涙ぐみながらそう言うと
彼は自分の頭に手を、ぽんと乗せてこう答えた。
「…!」
「それなら、君は自分の為に生きて。
それが…オレにとっての恩返しだよ。」
「新たな記憶を…
見つけて、大切にして欲しい。」
…
どうして貴方は…
そんなにも自分に優しいのだろう。
自分は消えゆく彼に涙を零しながら、こう答えた。
「っ…もう会えないけれど…
絶対、貴方のことは忘れないから…!」
そして散り散りになっていく中、彼が微笑んで
『ありがとう』と…
そう言っていたように見えた。
────
もし、貴方がこの世界から消えゆくとしても
自分は、そこに有るべき道を辿るでしょう。
それでも…その果てに
辿り着いたのは希望でも、絶望でも無い。
──たった一つ、優しい記憶の物語なのだから。
────
「今日はルカの所に行くのか?」
アギトさんが不思議そうに
自分の見ていた地図をひょっこりと見る。
「はい、そうしようと考えてます。」
「そうか。」
リウラと兄さん、ラミジュが
楽しげにわちゃわちゃと騒いでいる中、
自分とヴァルフは
地図を見て次の目的地へと向かう予定だ。
「はーい皆集合~!
ブラザーの昔の写真、見てみたい人いる~?♪」
「なっ!?おい馬鹿やめろ!
いつからそれ持ってやがったんだ…!!」
アギトさんが恥ずかしげに耳を赤らめてそういう。
「んー?ずっと前からに決まってるじゃん♪」
「ハッ、そうか…
なら今すぐにでもそれ燃やしてやるよ…」
そう言いアギトさんが黒炎を指から少し出した。
「えぇっ!?う、うそうそ!
わかったからそれ仕舞ってよぉ!!」
自分は微笑ましいな…と思いその様子を見ていた。
そして…ふと舟の外を見ると、
そこに広がっていた光景は
嘗て自分達が出会った場所だった。
「皆さん、もう着きましたよ。」
──そうして自分達は、舟を降りて
師匠の眠る墓の元へと歩み寄った。
「…師匠。」
「自分がここを出た2年間、
色々あって大変でしたが…その分、
学んだ事や得た物があるのです。」
「…」
「貴女が育ててきたものは、今ここで
立派に物事をやり遂げようとしていますよ。」
…それでも、返事は帰ってこなかった。
けれども…それで良いと自分は思った。
「それと…」
「…まだやるべき事を、自分は果たしに行きます。」
「それまではどうか…待っていてください。」
そうして夕方になり…自分達は舟に乗って
もう一度、旅を再開させる。
「アンル、もう行くぞ。」
───此処でやり残した事はもう無い。
…けれども、貴女と過ごした日々や思い出が
今も尚、自分の中で生き続けるから。
「…はい!」
―約束と追憶 promitto of memory―
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