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promitto of memory Ⅱ
第21話 脅威に勝るために。
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自分達が歯車の国に来た理由は一つ。
その一つの理由とは、
旅にはいつも危険が伴う。その危険や
脅威に合わせて自分達も強くならねばと
そう思ったからだ。
―第21話 脅威に勝るために―
十分強いと思っていても、
自分たちは試練を一回のみ受けただけで
そこまで強くなったとは言えない。
その為、今度は試練でニーニャさんや狼煙さんに
手合わせをお願いすることにするのだ。
「おぉ!アンル達か、久しぶりじゃのぅ!」
「お久しぶりですね、元気そうで何よりです。」
そう言うと同時に、ニーニャさんは綴ってこう答えた。
「此処に来たという事は、試練を受けに来たんじゃな?」
「はい。試練と言っても
加護や称号を授かるものではなく、
ただ実力的に強くなりたいからです。」
皆にもこの事は事前に自分が直接伝えていた。
その為兄さん達もここに来た訳などは理解している。
ニーニャさんは考えた後にこう答えた。
「成る程…なら、狼煙殿に聞いてみるとするかの!」
「ええ、是非お願いいたします。」
『少し待っていてくれ』…と言葉を残して
ニーニャさんは狼煙さんのいる場所へと向かっていく。
そして、自分たちは近くにある
店が立ち並ぶ街で暫しの間待つことにした。
その頃ニーニャさんは狼煙さんに
何か話し合いをしてくれているのだろう。
此処で何か、足りなくなった食材や
加護石の材料も買うのも有りだと思っていたが、
ニーニャさんと行き違いになってはならない為
それは後にしようと考えた。
すると兄さんが、アギトさんに
不思議そうにこう問いかけた。
「そういえばブラザー、
ベーグルサンド買って行かないの?」
彼はそれにこう答えていた。
「…まぁな。買いてぇ気持ちは山ほどだが、
アイツを注視しておかないと行けねぇからな。」
それを言うと同時にラミジュの事を見ていた。
あの件については彼女も反省している様子ではあった。
それにラミジュは少し、その人とは誰だろう
…と言わんばかりに困惑していた。
「?……??」
アギトさんはラミジュに、冗談交じりでこう答えた。
「…まぁ、ハッキリ言うならお前の事だ。」
ラミジュは驚いた様子で目を開いていた。
「…は?!」
「だからもうしないってば…!!
……もちろん、アンタにもだけど、」
その様子を見ているアギトさんは、何やら
彼女を茶化すように、微笑を彼女に向けた。
「そうか、なるほどな。」
ごく普通の人間は、称号を得た者…または
神に近い存在の者達への攻撃などは許されてはいない。
だが…だとしてもラミジュは別件だ。
それでも彼女を、リルエッタ旅団の
一員として迎え入れる事にした。
アギトさんとラミジュは
なにやら打ち解けた様子でもあった。
どうやら一件落着…という事で合ってる様だ。
そしてようやく、
ニーニャさんが自分の所へと戻ってきた。
その隣には、なにやら狼煙さんも居た。
「狼煙さん…メルシアも、お久しぶりですね。」
彼は自分を横目で見た後、こう答えた。
「…有無、久しいな。」
「お久しぶりです、アンル兄さん…!」
メルシアは狼煙さんの後ろにいながらも
顔をひょっこりと出してそう言った。
そしてラミジュは、そのメルシアに
少しばかり興味を示していた様子だった。
「…メルシアと話してきますか?ラミジュ。」
アギトさんの所にいる彼女にそう声をかけると、
彼女は目をキラキラと輝かせてこう答えた。
「いっ…いいの…?」
自分はニコッと優しい笑顔を見せて述べる。
「あなたの好きなようにしても良いのですよ。」
──そして彼女がメルシアに挨拶をした後、
自分たちの近くで何か話していた。
「…語らいは終えたか。」
狼煙さんは相変わらずの立ち振る舞いでそう答えた。
ラミジュ達を見るなり自分はこう言う。
「ええ、そうですね。」
その後彼は、ニーニャさんが話していた全てを
自分に教えたあと、狼煙さんは自分に問いかけた。
「…それと、誰に手合せを頼みたいのか教えてくれぬか。」
自分は覚悟を決めたような眼差しで、こう答えた。
「貴方と、手合せをお願いいたします。」
それにアギトさんとヴァルフは
少しだけ驚いた様子をしていた。
「!」
しかしそれは自分が決めたことである為、
彼らは何も言わずに居た。
…居てくれていたと言った方が正しいだろうか。
狼煙さんが相当強い事は明らかだ。
自分では歯が立たないとそう感じていた。
…だからこそ、彼に試みる事を決意する。
「…答えはそれでも良いのか。」
「【約束の賢者】…アンル=リュカストル。」
「…」
「はい。」
手合せを願う相手は、ガルバトス家当主。
最も戦場に立ち入り、
生き残った者たちの集まりとされる。
…その中のリーダーでもあるような、そんな存在に
今から自分は手合わせを申し込んだ。
しかし、彼が何の武器で
どんな戦術を使って戦うのかも分からない。
…ただその時になればの話であって、
今はまだじっくりと考えれる。
「……」
「あと一日かぁ…」
近くに停めていた舟に戻って
少しの間自分の部屋で考え事をしていた。
あと一日稽古をしていれば、手合わせできるような
それ相応の力が着くと狼煙さんは言っていた。
それほど歴戦を重ねていれば、
どのくらいで力が着くのが分かるのだろうか…。
それでも、自分には分からなかった。
「…まぁいっか、」
するとアギトさんの声が扉越しから聞こえてくる。
「アンル、入るぞ。」
「…あ、はい。」
…試練と、狼煙さんと手合せする事に
ついての話をするのだろうと予想は着いていた。
「そういや、狼煙の他に
手合せをする奴が決まったんだとよ。」
自分は不思議げにこう問いかけた。
「他に手合せをする人…?」
「あぁ、俺の弟…ギラトとクロノスだ。」
…なるほど。
つまりは、色んな戦術を見ながら学び
視野を広げて強くなる…そういうのも有りだったのか。
そして自分が考え終わったあとに
アギトさんはこう答える。
「それと一人ずつ、1体1での
手合せっつー形になると思うぜ。」
「…成程、分かりました。」
そして夕方になり、自分は武器の素振りをしていた。
「やっぱり、これだと強くなってる実感がないや。」
…すると後ろからヴァルフの足音と
気配がこちらに向かってくる。
「何してるの?アンル。」
自分は少しばかり汗を拭きながらこう答えた。
「明日に備えて稽古をしてるんだ。」
「…確か、狼煙とだっけ。」
ヴァルフがそう言うと、
自分は頷いた後にこう答えた。
「まぁ…そうだね。」
トラウマの件については何も言わない様にした。
彼にとっては思い出したくないことだろうから。
するとヴァルフが呼吸を揃えて、こう答えた。
「ならオレも、アンルと手合わせしたい。」
「…うん、今は時間空いてるから良いよ。」
ヴァルフについては、何でとは言わない様にしている。
彼のする事に疑いや、謎は持って居ない。
──それ程、彼を信頼をしているという証だ。
「…初め!」
自分がそう言うと同時に、
双方が同時に剣を交わした。
「…強くなったね。アンル。」
ヴァルフも影で努力をしているのだろう。
…力が強くなっていくと同時に、
自分もその力を増した。
そしてそれを弾いた後、自分達は一歩手前に下がる。
「ヴァルフも自分も、でしょ?」
その言葉に彼は少しばかり微笑んでこう答えた。
「…たしかに。」
──そうして1日が経ち、自分は少しの間
リンクルスと話していた。
「──それと手合せが終わったら、
市場に行って買い物に行くよ。」
「承知しました。」
するとリンクルスは、少しの間
沈黙を捧げた後にこう答えていた。
「主さまは、話をしている時が
一番に楽しそうだと、私にはそう見えます。」
自分は少し驚いて…
その後恥ずかしくなっていた。
「そ、そんなに分かりやすかった…?」
リンクルスは、ふふっ…と笑った後にこう答えた。
「…そうですね。」
すると遂にその時間となり、自分はこう述べた。
「あ、もうこんな時間に…
リンクルス、もう直ぐ行こう。」
「畏まりました。」
その一つの理由とは、
旅にはいつも危険が伴う。その危険や
脅威に合わせて自分達も強くならねばと
そう思ったからだ。
―第21話 脅威に勝るために―
十分強いと思っていても、
自分たちは試練を一回のみ受けただけで
そこまで強くなったとは言えない。
その為、今度は試練でニーニャさんや狼煙さんに
手合わせをお願いすることにするのだ。
「おぉ!アンル達か、久しぶりじゃのぅ!」
「お久しぶりですね、元気そうで何よりです。」
そう言うと同時に、ニーニャさんは綴ってこう答えた。
「此処に来たという事は、試練を受けに来たんじゃな?」
「はい。試練と言っても
加護や称号を授かるものではなく、
ただ実力的に強くなりたいからです。」
皆にもこの事は事前に自分が直接伝えていた。
その為兄さん達もここに来た訳などは理解している。
ニーニャさんは考えた後にこう答えた。
「成る程…なら、狼煙殿に聞いてみるとするかの!」
「ええ、是非お願いいたします。」
『少し待っていてくれ』…と言葉を残して
ニーニャさんは狼煙さんのいる場所へと向かっていく。
そして、自分たちは近くにある
店が立ち並ぶ街で暫しの間待つことにした。
その頃ニーニャさんは狼煙さんに
何か話し合いをしてくれているのだろう。
此処で何か、足りなくなった食材や
加護石の材料も買うのも有りだと思っていたが、
ニーニャさんと行き違いになってはならない為
それは後にしようと考えた。
すると兄さんが、アギトさんに
不思議そうにこう問いかけた。
「そういえばブラザー、
ベーグルサンド買って行かないの?」
彼はそれにこう答えていた。
「…まぁな。買いてぇ気持ちは山ほどだが、
アイツを注視しておかないと行けねぇからな。」
それを言うと同時にラミジュの事を見ていた。
あの件については彼女も反省している様子ではあった。
それにラミジュは少し、その人とは誰だろう
…と言わんばかりに困惑していた。
「?……??」
アギトさんはラミジュに、冗談交じりでこう答えた。
「…まぁ、ハッキリ言うならお前の事だ。」
ラミジュは驚いた様子で目を開いていた。
「…は?!」
「だからもうしないってば…!!
……もちろん、アンタにもだけど、」
その様子を見ているアギトさんは、何やら
彼女を茶化すように、微笑を彼女に向けた。
「そうか、なるほどな。」
ごく普通の人間は、称号を得た者…または
神に近い存在の者達への攻撃などは許されてはいない。
だが…だとしてもラミジュは別件だ。
それでも彼女を、リルエッタ旅団の
一員として迎え入れる事にした。
アギトさんとラミジュは
なにやら打ち解けた様子でもあった。
どうやら一件落着…という事で合ってる様だ。
そしてようやく、
ニーニャさんが自分の所へと戻ってきた。
その隣には、なにやら狼煙さんも居た。
「狼煙さん…メルシアも、お久しぶりですね。」
彼は自分を横目で見た後、こう答えた。
「…有無、久しいな。」
「お久しぶりです、アンル兄さん…!」
メルシアは狼煙さんの後ろにいながらも
顔をひょっこりと出してそう言った。
そしてラミジュは、そのメルシアに
少しばかり興味を示していた様子だった。
「…メルシアと話してきますか?ラミジュ。」
アギトさんの所にいる彼女にそう声をかけると、
彼女は目をキラキラと輝かせてこう答えた。
「いっ…いいの…?」
自分はニコッと優しい笑顔を見せて述べる。
「あなたの好きなようにしても良いのですよ。」
──そして彼女がメルシアに挨拶をした後、
自分たちの近くで何か話していた。
「…語らいは終えたか。」
狼煙さんは相変わらずの立ち振る舞いでそう答えた。
ラミジュ達を見るなり自分はこう言う。
「ええ、そうですね。」
その後彼は、ニーニャさんが話していた全てを
自分に教えたあと、狼煙さんは自分に問いかけた。
「…それと、誰に手合せを頼みたいのか教えてくれぬか。」
自分は覚悟を決めたような眼差しで、こう答えた。
「貴方と、手合せをお願いいたします。」
それにアギトさんとヴァルフは
少しだけ驚いた様子をしていた。
「!」
しかしそれは自分が決めたことである為、
彼らは何も言わずに居た。
…居てくれていたと言った方が正しいだろうか。
狼煙さんが相当強い事は明らかだ。
自分では歯が立たないとそう感じていた。
…だからこそ、彼に試みる事を決意する。
「…答えはそれでも良いのか。」
「【約束の賢者】…アンル=リュカストル。」
「…」
「はい。」
手合せを願う相手は、ガルバトス家当主。
最も戦場に立ち入り、
生き残った者たちの集まりとされる。
…その中のリーダーでもあるような、そんな存在に
今から自分は手合わせを申し込んだ。
しかし、彼が何の武器で
どんな戦術を使って戦うのかも分からない。
…ただその時になればの話であって、
今はまだじっくりと考えれる。
「……」
「あと一日かぁ…」
近くに停めていた舟に戻って
少しの間自分の部屋で考え事をしていた。
あと一日稽古をしていれば、手合わせできるような
それ相応の力が着くと狼煙さんは言っていた。
それほど歴戦を重ねていれば、
どのくらいで力が着くのが分かるのだろうか…。
それでも、自分には分からなかった。
「…まぁいっか、」
するとアギトさんの声が扉越しから聞こえてくる。
「アンル、入るぞ。」
「…あ、はい。」
…試練と、狼煙さんと手合せする事に
ついての話をするのだろうと予想は着いていた。
「そういや、狼煙の他に
手合せをする奴が決まったんだとよ。」
自分は不思議げにこう問いかけた。
「他に手合せをする人…?」
「あぁ、俺の弟…ギラトとクロノスだ。」
…なるほど。
つまりは、色んな戦術を見ながら学び
視野を広げて強くなる…そういうのも有りだったのか。
そして自分が考え終わったあとに
アギトさんはこう答える。
「それと一人ずつ、1体1での
手合せっつー形になると思うぜ。」
「…成程、分かりました。」
そして夕方になり、自分は武器の素振りをしていた。
「やっぱり、これだと強くなってる実感がないや。」
…すると後ろからヴァルフの足音と
気配がこちらに向かってくる。
「何してるの?アンル。」
自分は少しばかり汗を拭きながらこう答えた。
「明日に備えて稽古をしてるんだ。」
「…確か、狼煙とだっけ。」
ヴァルフがそう言うと、
自分は頷いた後にこう答えた。
「まぁ…そうだね。」
トラウマの件については何も言わない様にした。
彼にとっては思い出したくないことだろうから。
するとヴァルフが呼吸を揃えて、こう答えた。
「ならオレも、アンルと手合わせしたい。」
「…うん、今は時間空いてるから良いよ。」
ヴァルフについては、何でとは言わない様にしている。
彼のする事に疑いや、謎は持って居ない。
──それ程、彼を信頼をしているという証だ。
「…初め!」
自分がそう言うと同時に、
双方が同時に剣を交わした。
「…強くなったね。アンル。」
ヴァルフも影で努力をしているのだろう。
…力が強くなっていくと同時に、
自分もその力を増した。
そしてそれを弾いた後、自分達は一歩手前に下がる。
「ヴァルフも自分も、でしょ?」
その言葉に彼は少しばかり微笑んでこう答えた。
「…たしかに。」
──そうして1日が経ち、自分は少しの間
リンクルスと話していた。
「──それと手合せが終わったら、
市場に行って買い物に行くよ。」
「承知しました。」
するとリンクルスは、少しの間
沈黙を捧げた後にこう答えていた。
「主さまは、話をしている時が
一番に楽しそうだと、私にはそう見えます。」
自分は少し驚いて…
その後恥ずかしくなっていた。
「そ、そんなに分かりやすかった…?」
リンクルスは、ふふっ…と笑った後にこう答えた。
「…そうですね。」
すると遂にその時間となり、自分はこう述べた。
「あ、もうこんな時間に…
リンクルス、もう直ぐ行こう。」
「畏まりました。」
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