さすがに異世界では学校に行くよ!

キムチ鍋

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転校生と姫の騎士編

第22話 新任教師ってお前かよ!しかも転校生だと!?

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悲劇の冬休みから数ヶ月後......朝日たちは一人欠けたが進級して、高校二年生となった。
そして本日はクラス発表の日である。クラスと出席番号が書いてある手紙が生徒の家に届くのだ。
(俺は実質高校三年生なんだよなあ)
そんな事を制服姿の朝日は胸の中で思い、ステラたちにジャンケンで負け、屋敷の外にあるポストの中身を確認しに向かった。
「俺って運が悪いんだなあ......」
ぶつぶつと呟いている内にポストの近くにたどり着いていた。中身を確認すると、白い封筒に入れられた手紙が五枚入っていた。
「あれ?一枚多い......なるほどな」
朝日は手紙をポストから取り、屋敷の中に入っていった。
制服姿のステラ、由奈、ナナ、なぜかスーツを着て、黒色のパンストを履いたユウ、マイサンは食堂で集まっていた。由奈が手紙を見て嬉しそうに言った。
「みんな同じクラスだと良いですね」
「朝日以外ね」
朝日はステラの言葉に多少ショックを受けた。
「ひどくない!?」
そんなツッコミもスルーされ、朝日は封筒に書かれている名前を読み上げ、ステラ、由奈、ナナに渡した。四人は封筒から手紙を取り出した。ユウがマイサンの頭を撫でながら言った。
「みんな何組だったの?」
朝日が何かを察し、残念そうな表情で言った。
「はい、みなさんせーの......」
「2年A組」
全員同じ組の番号を言った。それにはユウとマイサンも驚きの表情を浮かべている。朝日と由奈は手紙の端に書いてある"校長考案"という文字を見て言った。
「校長だな」
「校長ですね」
ナナが手紙をテーブルに置いて言った。
「まあ、みんな同じクラスだし楽しそうで良いんじゃない?」
ステラも手紙をテーブルに置いた。
「そうね。それじゃあ学校に行きましょう」
朝日は屋敷の扉を開ける前に玄関から見送りをするユウを見て言った。
「あ、そういえば......ユウさん......なんでOLみたいな服装なんですか?」
「秘密よ」
ユウは左目でウィンクをした。そんなユウを無視し、朝日たちは扉を開けた。
「行ってきまーす」
朝日たちは庭に出て、ステラが門を開けようとした時、朝日は何かを思い出したように内側の胸ポケットから白い封筒を取り出した。由奈が不思議そうな表情で朝日を見た。
「それって......」
朝日はガイアの墓石の前に立った。
「お前がいるはずだったクラスだ。クラスでも、俺達を見守ってくれよな」
朝日はガイアの墓石の前の地面に置いた。
「行ってくるよ」
ステラたちは朝日の行動を見て納得した。
「そういうことですね......」
その手紙には2年A組とあり、その右下には小さく"安らかに 校長より"と書いてあった。
ガイアが微笑んだかの様に雲に隠れていた太陽が顔を出し、ガイアの墓を照らした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朝日たちは体育館で始業式を行っていた。体育館の端には校長と同じ顔の先生が4人ほど立っている。
教壇では、校長が話をしている。
「全員が無事に進級できずに残念ですが、これから毎日頑張りましょう。ちなみに始業式が終わったら春休みになりますので気をつけて生活してください。そして、新任の先生を紹介します」
校長がステージの端を見た。そこからハイヒールでコツコツと歩く音が響いた。
そこに現れた人物に朝日たちは衝撃を受けた。
「うそ......だろ」
「そんなのありですか?......」
「最悪よ......」
「だから今朝はあんな......」
四人がよく知るユウがそこに立っていた。メイドではなく、先生として。
朝日たちのツッコミは全員同じものだった。
(なんであんたがここにいるの!?)
ユウは驚いた表情の朝日たちを見て微笑んだ。
(驚いてる驚いてる......内緒にした甲斐があったわね......)
「おはようございます。新任教師のユウです。ユウ先生とお呼びください!春休みが明けましたら、楽しい学校生活を共におくりましょう!!」
朝日たちは次の校長の言葉にさらに衝撃を受ける。
「ユウ先生は2年A組の担任になります」
(うそおおおおおおん!)
四人は今にも上空に飛んで行きそうになった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2年A組の教室では帰りのホームルームが行われていた。朝日は廊下側から四列目の一番後ろの席、その前の席にはステラ、ステラの左隣にはナナ、朝日の右隣には由奈が座っていた。黒板の前にはユウが立っている。朝日たちはスーツ姿のユウを見て、違和感しか感じてなかった。
「改めまして、ユウです。本名は中村 ユウです。一年間よろしくお願いします」
(ユウさんのフルネームって初めて聞いたな......って中村!?)
朝日がユウのフルネームに驚いている間にユウの話は次の話題に進んだ。
「次は転校生の紹介です。入って来てどうぞー」
(いや、そういうのは普通朝とかにやるんじゃ......)
ユウが教室の前側のドアのほうを見ると、ドアは開いた。
そこには青色の長い髪を二つに縛った背丈が小さく、タレ目で小学生に見えるが高校の制服を着ている少女が立っていた。少女は教室のドアを閉め、黒板の前に立った。
「サアヤだ。......よろしく」
サアヤと名乗る少女は幼女のような見た目だが無愛想な人柄でどこか上から人を見ていた。
「それじゃあ、五列目の一番後ろが空いてるからそこに座ってね。みんな仲良くしてあげてね」
サアヤは朝日の隣の席に座った。朝日は早速声をかけたがそれはあまりにも無謀だった。
(そうか......本当はその席にはあいつが......)
朝日は座っているサアヤにガイアの姿を重ねた。朝日の視線に気付いたサアヤが不機嫌そうな表情をして言った。
「何見てんのよ」
「なあ。サアヤちゃんだっけ?俺の名前は鈴木 朝日だ。よろしくな」
サアヤはしばらくしてから答えた。
「馴れ馴れしい」
(こ...こいつ......見た目のわりに可愛いくねえ野郎だな!!)
その言葉は朝日の胸に深く突き刺さった。その様子を見て、ステラと由奈は笑いを堪え、ナナは思いっきり笑っていた。
「あはははは!振られてやんの!!」
朝日は顔を真っ赤にし、叫んだ。
「じゃかしい!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
春休み初日......ステラの屋敷に一通の手紙が届いた。その手紙に気が付いたのはユウだった。手紙は赤い封筒に入れられていた。その裏には"王城より鈴木 朝日へ"と書いてあった。
「こ......これは......」
ユウは急いで朝日たちを食堂に連れ込み、手紙を朝日に渡した。
「なんだ?この手紙?赤色の封筒って......」
ユウは冷汗を流しながら言った。
「その手紙は王城から来てるのよ......」
その言葉にステラ、由奈、ナナ、マイサンが驚いた表情をしていた。
「それってそうとうやばいワン!」
ステラと由奈とナナは悲しい目で朝日に訴えかけた。
「朝日......あんたなんかしたの!?」
「何かしたんなら早く私たちに話してください!」
「朝日......ガイアくんに会えるね」
まるで朝日がやらかしたかのような空気になってしまい、朝日は必死に否定をした。
「ちょと待て!!俺は何もしてないからやめて!!」
ユウは朝日の手紙を眺めながら言った。
「でも、内容を見てみないと分からないわね......朝日くん......読み上げてくれない?」
「分かりました。えーっと......鈴木 朝日殿へ。久しぶりじゃな。ワシじゃよワシ。王様じゃ」
(わしわし詐欺かよ......てか、あのおっさ......王様か)
「校長からおぬしの活躍は聞いておるぞ。明日わしの城へ来てくれんか。大事な話があってな。剣も忘れずに。この手紙を見せれば城の中に入れるはずじゃ。またお主の家に迎えを使わすからのう。じゃあ、そういうで」
朝日は手紙を読み終え、溜息を吐いた。
「待て......王様ってこんなんで大丈夫なのか?」
ユウたちは安心した表情でそれぞれ椅子に座った。
「まあ、やらかしたわけじゃないなら別に良いわ」
(そういえば王様って......一話以来出番なかったな)




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