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アストライア王国VS魔界編
第30話 想い出と生徒と教師
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赤色のローブはフードを取った。銀色の長い髪を持った女だった。目は赤くなっている。校長は目を大きく見開いた。
「リューネ......なんで君が......」
リューネという女は何も言わず校長から剣を抜いて、冷たい声で囁いた。
「計画の邪魔になる者は排除よ」
リューネが校長に背中を向けたと同時に校長は地面に倒れた。これまでの出来事が校長の頭の中を駆け巡った。
(これが走馬灯か......リューネ......一体どうして......ああ......もう死ぬのか)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あれ?......ここは......」
風で緑色の草と木の葉が揺れている。黒いTシャツで、ジーパンを履いた少年の周りには大きな木々が生えている。どうやらここは森のようだ。
「森......あれ......俺は家で寝てたはずなんだが......」
黒く長い前髪がその者の右目を隠している。ボサボサな髪を掻きむしり、周りを見渡した。
「どこだよここ......俺...死んだのか?」
小さな足音が少年の耳に入り込んできた。その足音は少年の近くで止まった。
少年が後ろを振り返ると、そこには小動物の様な丸い目を持ち、銀色の長い髪の毛を風に揺らされている青い瞳を持った白いワンピースを着た少女が立っていた。少女の腕には藁で作られた買い物籠のような物がぶら下がっている。
「その服装......変わってるわね」
「なあ、ここはどこなんだ?日本だよな?」
少女は珍獣を見るような目をして、首を横に傾げた。
「ニホン?ここはアストライア王国よ?」
(は?......ってことは......ここは異世界みたいなところか?)
「君の名前は?」
「私の名前はリューネよ。あなたは?」
「俺の名前は飯村 清志だ」
リューネは不思議そうな表情をした。
「イイムラリューネ?長い名前ね」
清志はなぜか恥ずかしくなり、顔を赤くした。
「違う違う!!飯村で一回切るんだ。それで飯村 清志だ」
リューネは何かを納得した様な表情をした。
「なるほど......あなたは異世界から来たのね?」
「そ...そうだけど......」
(いや、納得しちゃうの!?てか気づくの遅くね!?)
「ということは家がないのね......じゃあ、私に着いて来てね」
リューネはそう言い放ち歩き出した。清志は置いてかれまいと慌てて歩き出した。
「ちょ待てよ!なんでそんな簡単に飲み込めるんだよ!」
リューネは笑いながら答えた。
「それはね......私の家にもいるからだよ」
清志はその言葉をすぐには理解できなかった。
「そういえば、お前って何歳だ?」
「私は16歳よ」
「じゃあ、俺と同じだな。よろしく」
しばらく二人が話していると、家や店がたくさんある街の中に入った。多くの人々が店や家から入ったり出たりしている。二人は大きめの建物の前で立ち止まった。青色の三角屋根に茶色の木材で出来た建物だ。ドアの左側の壁には看板が貼ってある。そこにはカタカナで"ヤドヤ"と書いてある。
「ここが私の家です」
(宿屋ってことか)
「家っていうか店だな」
二人はドアを開け、中に入った。そこには広い空間にテーブルと椅子がたくさん並べられている。まるで酒場だ。カウンター席もある。そこには8人ほどの人々が座って、酒を飲んだり、談笑したりしている。
「いらっしゃーい!ってリューネか?おかえり」
一人の少年がリューネと清志の前に歩み寄った。身長は清志と同じくらい高く、茶色の長めの髪の毛が揺れた。優しそうな目をしている。
「あれ?この人は......この格好ってことは......なるほど」
少年は清志を見て納得したように頷いた。
「君は異世界から来たんだな?」
清志は飲み込みが早すぎる少年に困った表情をした。
「まあ、そうだけど......」
(相変わらず飲み込むが早いな......)
「僕の宿屋は異世界から来た人を泊めてあげる代わりに働いてもらうっていう制度があるんだよ。もちろん給料はちゃんと払うよ」
清志は腕を組み、深く考えた。
(泊めてやるから働けってことか......まあ、仕方ないな)
「分かった。ここで働かせてもらうよ。俺の名前は清志だ」
「おお。それは良かったよ。僕の名前はムーンだよ。みんなからムーくんって呼ばれてるよ」
それから清志はその宿屋で働くことになった。そこには清志と同じく異世界から来たという人々がたくさん働いて、清志にも多くの仲間が増えた。
そんな中でも清志が一番親しくなった人物がいた。清志と共に皿洗い係に任命された少年"木村 優斗"だ。歳は清志よりも3歳上でほとんど大人だが、優斗はなかなかの変人で将来はこの世界の王様になりたいとのことだ。
そこからしばらく平穏な日々が続いたがその1年後......清志とムーンはある出来事をきっかけに大きな城の庭で剣を振っていた。その出来事とは、なぜか優斗が王様に指名され、清志とムーンが優斗を守る騎士として任命されたからである。
「なんて無茶苦茶な王様なんだ......」
「なんで僕まで......」
なんでも優斗が王様直々に"王様になりたい!"と言ったら後継ぎもいない王様はノリでピースをして認めたという。なんでも、その王様という職業に飽きてしまったんだとか。そして優斗が王様になり、ついでに清志とムーンも王城に連れていかれたのだ。二人は宿屋にちょくちょくと顔を出しに行っていた。くたびれた二人の様子を見て、リューネは笑いながら二人の話を聞いた。
「ムーくんってめちゃくちゃ剣術の腕が凄くてよ。もう天才かってくらい上達が早くてな......」
そして、清志とムーンのひたすら剣を振り、三人で談笑する平穏な日常はその4年後に終わりを迎えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
王座に座る優斗の前に一人の兵士が慌てた様子で膝をついた。
「大変です!魔界から多くの魔物が現れ、東の街が滅ぼされたという報告が!!」
王様である優斗は兵士たちを集め、出撃命令を下した。もちろん、騎士である清志とムーンも例外ではない。出発時間は明日の朝ということだ。
優斗と清志とムーンは腰に剣を宿屋のカウンター席に座っていた。その前には茶色の髪を持つ赤ん坊を抱えたリューネがいた。リューネの顔はもう大人びている清志が眠りについている赤ん坊を見ながら言った。
「そういえば、明日はその子の誕生日だったな」
優斗が大きなコップに注がれた酒を飲み、言った。
「しかもまだ名前は決めてないんだろ?お、と、う、さ、ん」
イヤらしい目で優斗はムーンを見た。ムーンは顔を赤くして叫んだ。
「茶化すなよ!」
リューネが微笑みながら言った。
「ムー君が名前を決めなかったのはこうしてまた四人で集まってみんなで決めたかったからだよ」
清志と優斗は冷やかしの目でムーンを見た。
「そんなに俺達が大好きなのか~?」
ムーンは顔を真っ赤にした。
「うるさい!!」
すると、リューネの足元に小さな犬がいた。蝶々の様な耳を持ち、黒と白の子犬だ。清志が子犬をじっと見て言った。
「こいつは......パピヨンか?」
「この前、森で散歩していたら拾ったのよ」
優斗が目をハートにして言った。
「可愛いね!」
すると、突然大きな音が響いた。人々の悲鳴が聞こえる。優斗たちはハッとした表情をした。
「まさか......」
三人は宿屋の外に出た。そこには絶望の光景が三人の目に焼き付いた。まるで街は火の海だ。所々に黒いローブを着た者が徘徊している。人々は悲鳴を上げながら逃げまとい、中には黒いローブの者の剣に斬られている人もいた。
「移動が早すぎる!!」
すると、宿屋のドアが開き、布に包まれた長い棒のような物を持ち、背中に赤ん坊を乗せたリューネがいた。足元には子犬もいる。
「ムー君くん!これを使って!」
布で包まれた何かをムーンに渡した。ムーンが布を取ると、そこには黒い鞘に収められた日本刀が姿を現した。
「これは......」
鞘から抜くと銀色の刀身が姿を現した。
(日本刀......なんでそんなものが......いいや、そんなことよりもリューネを逃がさないと......そうだ!)
「リューネ!俺と出会った森まで逃げろ!」
リューネは戸惑いを隠せない。
「え?......でも......」
清志は鞘から剣を抜いた。
「俺が考えたその子供の名前は世界を照らす........だ」
そう言い放ち清志は炎の中に消えた。後を追うように優斗も鞘から剣を抜いた。
「ムーくん.....ムーくんはリューネのそばにいて」
優斗は清志の後を追い、炎の中に飛び込んだ。ムーンは戸惑いながらもリューネの手を握り、引っ張った。
「早く!」
二人と一匹は必死に走り、森の中に入った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"私がしばらくしてから森に入ると、そこにはムーンの亡骸が転がっていた。その日から戦争が始まり、俺と優斗とある人物とヘルを封印して、なんだんだで校長になって......朝日くんたちに出会って......そして今死ぬ......案外短く感じる人生でしたね。朝日くん......実は君の名前は私が考えたんですよ?"
ユグドラが不気味な笑みを浮かべながら言った。
「今から死ぬ感想はどうですか?校長先生」
校長のその顔は死を目の前にしている割には清々しかった。
「生徒のために死ねる......これほど私にとって名誉なことはありませんよ......しかも......初恋の人に殺されるなんて......なんだか......面白いです......」
校長は血を吐き出して、言った。
「リューネ......君の息子もこの世界に来ているよ......とても素晴らしい人間性を持った子だよ」
リューネはその言葉にピクリと反応した。
「私......俺もあんな風に......なりたかったな......」
その言葉を最期に校長は目を閉じて、それ以降起きることはなかった。リューネは立ち去る間際に呟いた。その時、リューネの目の色は青色に変わった。
「ごめんなさい......清志」
だが、すぐに赤色の瞳に変わってしまった。赤色に染まった空は青色の空に変わり、太陽の光が校長の亡骸を照らした。
「俺が考えたその子供の名前は世界を照らす"朝日"だ」
まさか生徒に色々学ぶことになるとは思わなかった。君から学んだこと......それは人は守るもののためなら何だってできる......強くなれる......そんなこと......さよなら......私の生徒であり人生の教師......朝日くん。
彼が最期に頭に浮かべたのは、リューネ、ムーン、優斗たちと笑いあった日々と朝日、ステラ、由奈、ナナ、ユウ、サアヤ、そしてガイアの笑顔だった。
「リューネ......なんで君が......」
リューネという女は何も言わず校長から剣を抜いて、冷たい声で囁いた。
「計画の邪魔になる者は排除よ」
リューネが校長に背中を向けたと同時に校長は地面に倒れた。これまでの出来事が校長の頭の中を駆け巡った。
(これが走馬灯か......リューネ......一体どうして......ああ......もう死ぬのか)
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「あれ?......ここは......」
風で緑色の草と木の葉が揺れている。黒いTシャツで、ジーパンを履いた少年の周りには大きな木々が生えている。どうやらここは森のようだ。
「森......あれ......俺は家で寝てたはずなんだが......」
黒く長い前髪がその者の右目を隠している。ボサボサな髪を掻きむしり、周りを見渡した。
「どこだよここ......俺...死んだのか?」
小さな足音が少年の耳に入り込んできた。その足音は少年の近くで止まった。
少年が後ろを振り返ると、そこには小動物の様な丸い目を持ち、銀色の長い髪の毛を風に揺らされている青い瞳を持った白いワンピースを着た少女が立っていた。少女の腕には藁で作られた買い物籠のような物がぶら下がっている。
「その服装......変わってるわね」
「なあ、ここはどこなんだ?日本だよな?」
少女は珍獣を見るような目をして、首を横に傾げた。
「ニホン?ここはアストライア王国よ?」
(は?......ってことは......ここは異世界みたいなところか?)
「君の名前は?」
「私の名前はリューネよ。あなたは?」
「俺の名前は飯村 清志だ」
リューネは不思議そうな表情をした。
「イイムラリューネ?長い名前ね」
清志はなぜか恥ずかしくなり、顔を赤くした。
「違う違う!!飯村で一回切るんだ。それで飯村 清志だ」
リューネは何かを納得した様な表情をした。
「なるほど......あなたは異世界から来たのね?」
「そ...そうだけど......」
(いや、納得しちゃうの!?てか気づくの遅くね!?)
「ということは家がないのね......じゃあ、私に着いて来てね」
リューネはそう言い放ち歩き出した。清志は置いてかれまいと慌てて歩き出した。
「ちょ待てよ!なんでそんな簡単に飲み込めるんだよ!」
リューネは笑いながら答えた。
「それはね......私の家にもいるからだよ」
清志はその言葉をすぐには理解できなかった。
「そういえば、お前って何歳だ?」
「私は16歳よ」
「じゃあ、俺と同じだな。よろしく」
しばらく二人が話していると、家や店がたくさんある街の中に入った。多くの人々が店や家から入ったり出たりしている。二人は大きめの建物の前で立ち止まった。青色の三角屋根に茶色の木材で出来た建物だ。ドアの左側の壁には看板が貼ってある。そこにはカタカナで"ヤドヤ"と書いてある。
「ここが私の家です」
(宿屋ってことか)
「家っていうか店だな」
二人はドアを開け、中に入った。そこには広い空間にテーブルと椅子がたくさん並べられている。まるで酒場だ。カウンター席もある。そこには8人ほどの人々が座って、酒を飲んだり、談笑したりしている。
「いらっしゃーい!ってリューネか?おかえり」
一人の少年がリューネと清志の前に歩み寄った。身長は清志と同じくらい高く、茶色の長めの髪の毛が揺れた。優しそうな目をしている。
「あれ?この人は......この格好ってことは......なるほど」
少年は清志を見て納得したように頷いた。
「君は異世界から来たんだな?」
清志は飲み込みが早すぎる少年に困った表情をした。
「まあ、そうだけど......」
(相変わらず飲み込むが早いな......)
「僕の宿屋は異世界から来た人を泊めてあげる代わりに働いてもらうっていう制度があるんだよ。もちろん給料はちゃんと払うよ」
清志は腕を組み、深く考えた。
(泊めてやるから働けってことか......まあ、仕方ないな)
「分かった。ここで働かせてもらうよ。俺の名前は清志だ」
「おお。それは良かったよ。僕の名前はムーンだよ。みんなからムーくんって呼ばれてるよ」
それから清志はその宿屋で働くことになった。そこには清志と同じく異世界から来たという人々がたくさん働いて、清志にも多くの仲間が増えた。
そんな中でも清志が一番親しくなった人物がいた。清志と共に皿洗い係に任命された少年"木村 優斗"だ。歳は清志よりも3歳上でほとんど大人だが、優斗はなかなかの変人で将来はこの世界の王様になりたいとのことだ。
そこからしばらく平穏な日々が続いたがその1年後......清志とムーンはある出来事をきっかけに大きな城の庭で剣を振っていた。その出来事とは、なぜか優斗が王様に指名され、清志とムーンが優斗を守る騎士として任命されたからである。
「なんて無茶苦茶な王様なんだ......」
「なんで僕まで......」
なんでも優斗が王様直々に"王様になりたい!"と言ったら後継ぎもいない王様はノリでピースをして認めたという。なんでも、その王様という職業に飽きてしまったんだとか。そして優斗が王様になり、ついでに清志とムーンも王城に連れていかれたのだ。二人は宿屋にちょくちょくと顔を出しに行っていた。くたびれた二人の様子を見て、リューネは笑いながら二人の話を聞いた。
「ムーくんってめちゃくちゃ剣術の腕が凄くてよ。もう天才かってくらい上達が早くてな......」
そして、清志とムーンのひたすら剣を振り、三人で談笑する平穏な日常はその4年後に終わりを迎えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
王座に座る優斗の前に一人の兵士が慌てた様子で膝をついた。
「大変です!魔界から多くの魔物が現れ、東の街が滅ぼされたという報告が!!」
王様である優斗は兵士たちを集め、出撃命令を下した。もちろん、騎士である清志とムーンも例外ではない。出発時間は明日の朝ということだ。
優斗と清志とムーンは腰に剣を宿屋のカウンター席に座っていた。その前には茶色の髪を持つ赤ん坊を抱えたリューネがいた。リューネの顔はもう大人びている清志が眠りについている赤ん坊を見ながら言った。
「そういえば、明日はその子の誕生日だったな」
優斗が大きなコップに注がれた酒を飲み、言った。
「しかもまだ名前は決めてないんだろ?お、と、う、さ、ん」
イヤらしい目で優斗はムーンを見た。ムーンは顔を赤くして叫んだ。
「茶化すなよ!」
リューネが微笑みながら言った。
「ムー君が名前を決めなかったのはこうしてまた四人で集まってみんなで決めたかったからだよ」
清志と優斗は冷やかしの目でムーンを見た。
「そんなに俺達が大好きなのか~?」
ムーンは顔を真っ赤にした。
「うるさい!!」
すると、リューネの足元に小さな犬がいた。蝶々の様な耳を持ち、黒と白の子犬だ。清志が子犬をじっと見て言った。
「こいつは......パピヨンか?」
「この前、森で散歩していたら拾ったのよ」
優斗が目をハートにして言った。
「可愛いね!」
すると、突然大きな音が響いた。人々の悲鳴が聞こえる。優斗たちはハッとした表情をした。
「まさか......」
三人は宿屋の外に出た。そこには絶望の光景が三人の目に焼き付いた。まるで街は火の海だ。所々に黒いローブを着た者が徘徊している。人々は悲鳴を上げながら逃げまとい、中には黒いローブの者の剣に斬られている人もいた。
「移動が早すぎる!!」
すると、宿屋のドアが開き、布に包まれた長い棒のような物を持ち、背中に赤ん坊を乗せたリューネがいた。足元には子犬もいる。
「ムー君くん!これを使って!」
布で包まれた何かをムーンに渡した。ムーンが布を取ると、そこには黒い鞘に収められた日本刀が姿を現した。
「これは......」
鞘から抜くと銀色の刀身が姿を現した。
(日本刀......なんでそんなものが......いいや、そんなことよりもリューネを逃がさないと......そうだ!)
「リューネ!俺と出会った森まで逃げろ!」
リューネは戸惑いを隠せない。
「え?......でも......」
清志は鞘から剣を抜いた。
「俺が考えたその子供の名前は世界を照らす........だ」
そう言い放ち清志は炎の中に消えた。後を追うように優斗も鞘から剣を抜いた。
「ムーくん.....ムーくんはリューネのそばにいて」
優斗は清志の後を追い、炎の中に飛び込んだ。ムーンは戸惑いながらもリューネの手を握り、引っ張った。
「早く!」
二人と一匹は必死に走り、森の中に入った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"私がしばらくしてから森に入ると、そこにはムーンの亡骸が転がっていた。その日から戦争が始まり、俺と優斗とある人物とヘルを封印して、なんだんだで校長になって......朝日くんたちに出会って......そして今死ぬ......案外短く感じる人生でしたね。朝日くん......実は君の名前は私が考えたんですよ?"
ユグドラが不気味な笑みを浮かべながら言った。
「今から死ぬ感想はどうですか?校長先生」
校長のその顔は死を目の前にしている割には清々しかった。
「生徒のために死ねる......これほど私にとって名誉なことはありませんよ......しかも......初恋の人に殺されるなんて......なんだか......面白いです......」
校長は血を吐き出して、言った。
「リューネ......君の息子もこの世界に来ているよ......とても素晴らしい人間性を持った子だよ」
リューネはその言葉にピクリと反応した。
「私......俺もあんな風に......なりたかったな......」
その言葉を最期に校長は目を閉じて、それ以降起きることはなかった。リューネは立ち去る間際に呟いた。その時、リューネの目の色は青色に変わった。
「ごめんなさい......清志」
だが、すぐに赤色の瞳に変わってしまった。赤色に染まった空は青色の空に変わり、太陽の光が校長の亡骸を照らした。
「俺が考えたその子供の名前は世界を照らす"朝日"だ」
まさか生徒に色々学ぶことになるとは思わなかった。君から学んだこと......それは人は守るもののためなら何だってできる......強くなれる......そんなこと......さよなら......私の生徒であり人生の教師......朝日くん。
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