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アストライア王国VS魔界編
第31話 おかえりなさい
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朝日が目を覚ますと、目の前には見覚えのある顔たちがのぞき込んでいた。ステラ、由奈、ユウ、ナナ、サアヤ、マイサンだった。朝日が身体を起こすとマイサンが朝日に飛びついてきた。
「ご主人様ああああ!!良かったわん!本当に良かったわん!」
朝日がマイサンの頭を撫でながらステラたちの顔を見渡した、
「ただいま......」
ステラと由奈が黙って朝日を力強く抱きしめた。二人の声は震えていた。
「もう......またバカなことして......良かった」
「懲りないですね......本当に......生きててくれと良かったです」
二人は小さい子供の様に声をあげて泣いた。ナナが優しい目で二人を見ながら言った。
「朝日がいないことに気づいた時、世界の終わりみたいな顔してたもんね......本当に無茶ばっかりするんだから」
ユウもナナの隣で優しく目で言った。
「この二人もみんな心配したんだから......おかえりなさい」
朝日は胸が暖かくなったことに気付き、言った。
「ただいま」
朝日は笑顔で両手を広げた。ユウとナナも抱きつけということらしい。ユウとナナは互いの顔を見合わせクスリと笑い、朝日に飛びついた。サアヤはそんな光景を見て自然と笑顔になった。しかし、王様は深刻な表情をしている。朝日がそれに気付き、あることを思い出した、
「そうだ!!王様!!校長が置き去りに......」
その言葉を聞き、ステラたちは朝日から離れた。
「嫌な予感がするのじゃ......」
王様は騒いでいる胸を押さえ、青色の空を見上げた。王様はゆっくりと目を閉じた。何かを感じているようだ。
「王様?」
サアヤが小さい声で囁くように言った。
「あれは"遠命の魔法"...頭に思い浮かべた人の生死を遠くにいても感知することができる魔法よ」
しばらく沈黙が続くと王様の身体が少し震え始めた。その反応を見て朝日たちは全てを察してしまった。由奈が口元を押さえ、涙を流した。
「そんな......校長先生......」
朝日は悔しそうに目を強く閉じた。
「あいつとは古くからの友人でのう......」
王様は不思議と涙を一滴も流していない。どこか清々しい表情をしている。
「男の別れに涙は無用じゃ......せめてちゃんと埋めてやりたいのう」
森の木々の葉が風に揺らされた。何かが羽ばたく音が聞こえてきた。王様とサアヤと朝日とステラには聞き覚えのある音だ。木々の葉の隙間から見える空に大きな影が写った。
「あいつは......」
王様のペットであるイッカク羊が大きな翼を広げて空を徘徊していた。イッカク羊は朝日たちに気が付いたのか地面に降りようと下に下がって来た。木々をなぎ倒しての登場だった。
「無事だったのね!」
ステラがイッカク羊に飛びかかろうとした時、ナナは不意に背中に目をやった。そこには見覚えのある人物が横たわっているのが分かった。
「王様!この子の背中を見てください!」
朝日たちは大きな背中に目を向けた。ユウが目を見開いて言った。
「校長先生!?」
朝日と王様は慌ててイッカク羊の背中に飛び乗り、校長の姿を確認した。校長の横には校長が使っていたであろう鞘に収められた刀が置いてある。朝日が校長の首元に手を当てた。
「止まってます......本当に校長は......」
朝日と王様は校長を地面に優しく抱え下ろした。マイサンが校長の頬をぺろぺろと舐めた。
「......起きるんだわん......」
ステラが涙をこらえ、震える声でマイサンを抱き上げ、言った。
「もう起きないよ......もう二度と......」
朝日は校長の刀を見つめながら、涙を流し始めた。
「校長......生徒のために命を投げるなんて......とても優秀です......でも、俺にとっては最低な教師ですよ...」
ユウが校長の冷たくなった手を握りながら言った。
「埋めてあげましょう.....」
王様が右手を空に突き上げると、魔法陣が現れ、そこから青色の棺桶が出現した。朝日たちは校長の亡骸を棺桶の中に優しく入れた。
「さらば......親友よ......友との別れに涙は無用......おぬしが最後に見たのが泣き顔なのは嫌じゃ。最後は笑顔で別れたいんじゃ......じゃが......すまぬ......それはできないようじゃ」
王様の目からはこらえていた涙が溢れ流れた。朝日には王様の気持ちが痛いほど分かった。朝日自身も親友を失い、王様の悲しみは朝日とまったく同じだ。朝日、ステラ、由奈、ナナ、サアヤ、マイサン、ユウが声を揃えて言った。
「ありがとう......校長先生」
王様が小さな声で呟いた。
「ありがとう......我が親友」
その言葉を棺桶の蓋を閉め、土の中に埋め、十字架の墓石を立て、魔法で墓石に校長先生と残した。すると、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
「うわあああああん!!怖いよおお!!」
朝日はいち早くその悲鳴に反応し、悲鳴が聞こえた方角に走り出した。
(この声......子供か......どうしたんだ?)
ステラたちも朝日の後を追った。
「王様とイッカクちゃんはここにいてください!あと、サアヤちゃんも万が一の時のためにここにいて!あとマイサンも!」
そう言い放つと振り向きもせずにステラ、由奈、ナナ、ユウは朝日が走って行った方角に走り出した。
「気をつけてね!」
マイサンはイッカク羊の足元に寝転んだ。
「無理は禁物だわん......」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「助けて!!怖いよ!!ママ!パパ!!」
その声はもうすぐ近くから聞こえた。見覚えのあるツインテールの小さい子供が紫色の赤色の目を持った幽霊のような生物に囲まれていた。数は四体だ。
「やめろ!!」
朝日は腰にある自分の刀を鞘から抜いた。銀色の刀身が太陽の光で反射した。
「あの時のお兄ちゃん!?」
朝日はその子のことを思い出した。
「君はカナちゃん!?」
再会もつかの間、四体の紫色の生物が不気味な声をあげて朝日に飛びかかって来た。
(一振りで二匹......間に合わない......なら......)
朝日は不意に腰にあるもう一本の刀に左手を当てた。勢いよく鞘から刀を抜き、二本同時に紫色の生物に叩きつけた。見事に紫色の生物たちは真っ二つに割れ、消滅した。朝日は校長の刀の白色の刀身を見た。
「真っ白な刀身......これが校長の刀か......」
カナが朝日に抱きついた。背が小さく朝日の足に抱きついているというのが正解だ。
「また助けられちゃった......ありがとう......お兄ちゃん」
朝日はカナの頭を優しく撫でた。
「俺は名前は朝日だ。もう大丈夫だ」
そこにステラ、由奈、ユウ、ナナが息を切らしながら現れた。
「どうしたの?......ってその子だれ?」
ステラはカナをじっと見た。カナは朝日の後ろに半分隠れた。
「あんまり見るなよ......怖がるだろ?この子は俺が街で助けたカナちゃんだ」
ユウがカナの目の前にかかんだ。
「そうなのね......私はユウよ。ユウお姉ちゃんって呼んでね」
カナはユウの大人で優しい雰囲気を気に入り、ユウに抱きついた。
「ユウお姉ちゃん!」
ステラと由奈もユウの隣にかがんだ。
「私は由奈お姉ちゃんですよ~」
「じゃあ、私はステラお姉ちゃんね」
カナは二人のぬくもりを感じ、笑顔になった。
「ステラお姉ちゃん!由奈お姉ちゃん!」
大空で大きな何かが羽ばたく音が聞こえた。空を見上げると、イッカク羊が空から朝日たちを見ていた。
「大きな羊さん......」
背中から人影が見えた。そこには王様、サアヤ、サアヤの腕の中にマイサンがいる。
「朝日ー!!無事よねー?」
朝日は大きく手を振った。
「大丈夫だー!」
イッカク羊は木々をなぎ倒し着陸した。
「良かった......それよりその女の子は?」
朝日はカナの手を握り、答えた。
「そのことは後で説明する。それより、空から町とか探さないか?」
「そうじゃのう......この辺りに田舎町があるはじゃからのう」
一同は朝日の考えに賛成し、イッカク羊に乗り込んだ。イッカク羊の背中を大きくあと三人ほど乗れそうだ。カナは朝日の膝の上に座っている。空で旅している間に朝日は一同にカナとの出会いと再会について話した。話を終えると朝日の膝の中でカナは眠ってしまっていた。ステラが顎を触りながら呟いた。
「朝日がいうその紫の影ってなんなのしら......」
イッカク羊の頭に乗っている王様が答えた。
「わしにもそれについては分からん......魔物の一種かもしれん......それかヘルの手先か......」
ナナが朝日の背中から顔を出した。
「でも、朝日が帰って来たってことはヘルを倒したってことなんじゃない?校長はヘルに......」
朝日はヘルとの戦いについて詳しいことを話していないことに気が付いた。
「そうだ......みんなに話してなかっな。確かにヘルは俺が倒した......でも終わらなかったんだ......」
サアヤが目を鋭くした。
「どういうこと?」
「ヘルの手先が現れて、俺の腹を剣で貫いたんだ。校長はその時に俺を逃がしたんだ。多分、校長はそこにいた手下に殺されたんだと思う」
ステラがその言葉に違和感を感じた。
「でも、校長先生って凄く強くなかった?あの人がそんなに簡単に?」
サアヤが自分の髪の毛をいじりながら言った。
「朝日を助けるために使った移動魔法はかなりその人の体力を削るのよ?だから多分それで......」
王様が空を見上げながら言った。
「いいや......相手によるんじゃが......朝日くん......その手下の名前は分かるかのう?」
「ユグドラってやつです。あいつは前に一度俺と戦い、勝ちましたけど......」
王様の身体がピクリと動いた。どうやらユグドラという名前に反応したようだ。
「それならおかしいのう。そのユグドラとは昔、清志......校長とユグドラが戦っていたが、校長が圧勝していたからのう......」
由奈が自分の頬に手を当てながら言った。
「それじゃあ、校長先生よりも強い人が......」
深く考えていると、家が所々に並ぶ無数の田んぼが見えた。ユウが落ち着いた様子で答えた。
「そのことは後でゆっくりかんがえましょう。とにかく着陸です」
「ご主人様ああああ!!良かったわん!本当に良かったわん!」
朝日がマイサンの頭を撫でながらステラたちの顔を見渡した、
「ただいま......」
ステラと由奈が黙って朝日を力強く抱きしめた。二人の声は震えていた。
「もう......またバカなことして......良かった」
「懲りないですね......本当に......生きててくれと良かったです」
二人は小さい子供の様に声をあげて泣いた。ナナが優しい目で二人を見ながら言った。
「朝日がいないことに気づいた時、世界の終わりみたいな顔してたもんね......本当に無茶ばっかりするんだから」
ユウもナナの隣で優しく目で言った。
「この二人もみんな心配したんだから......おかえりなさい」
朝日は胸が暖かくなったことに気付き、言った。
「ただいま」
朝日は笑顔で両手を広げた。ユウとナナも抱きつけということらしい。ユウとナナは互いの顔を見合わせクスリと笑い、朝日に飛びついた。サアヤはそんな光景を見て自然と笑顔になった。しかし、王様は深刻な表情をしている。朝日がそれに気付き、あることを思い出した、
「そうだ!!王様!!校長が置き去りに......」
その言葉を聞き、ステラたちは朝日から離れた。
「嫌な予感がするのじゃ......」
王様は騒いでいる胸を押さえ、青色の空を見上げた。王様はゆっくりと目を閉じた。何かを感じているようだ。
「王様?」
サアヤが小さい声で囁くように言った。
「あれは"遠命の魔法"...頭に思い浮かべた人の生死を遠くにいても感知することができる魔法よ」
しばらく沈黙が続くと王様の身体が少し震え始めた。その反応を見て朝日たちは全てを察してしまった。由奈が口元を押さえ、涙を流した。
「そんな......校長先生......」
朝日は悔しそうに目を強く閉じた。
「あいつとは古くからの友人でのう......」
王様は不思議と涙を一滴も流していない。どこか清々しい表情をしている。
「男の別れに涙は無用じゃ......せめてちゃんと埋めてやりたいのう」
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「あいつは......」
王様のペットであるイッカク羊が大きな翼を広げて空を徘徊していた。イッカク羊は朝日たちに気が付いたのか地面に降りようと下に下がって来た。木々をなぎ倒しての登場だった。
「無事だったのね!」
ステラがイッカク羊に飛びかかろうとした時、ナナは不意に背中に目をやった。そこには見覚えのある人物が横たわっているのが分かった。
「王様!この子の背中を見てください!」
朝日たちは大きな背中に目を向けた。ユウが目を見開いて言った。
「校長先生!?」
朝日と王様は慌ててイッカク羊の背中に飛び乗り、校長の姿を確認した。校長の横には校長が使っていたであろう鞘に収められた刀が置いてある。朝日が校長の首元に手を当てた。
「止まってます......本当に校長は......」
朝日と王様は校長を地面に優しく抱え下ろした。マイサンが校長の頬をぺろぺろと舐めた。
「......起きるんだわん......」
ステラが涙をこらえ、震える声でマイサンを抱き上げ、言った。
「もう起きないよ......もう二度と......」
朝日は校長の刀を見つめながら、涙を流し始めた。
「校長......生徒のために命を投げるなんて......とても優秀です......でも、俺にとっては最低な教師ですよ...」
ユウが校長の冷たくなった手を握りながら言った。
「埋めてあげましょう.....」
王様が右手を空に突き上げると、魔法陣が現れ、そこから青色の棺桶が出現した。朝日たちは校長の亡骸を棺桶の中に優しく入れた。
「さらば......親友よ......友との別れに涙は無用......おぬしが最後に見たのが泣き顔なのは嫌じゃ。最後は笑顔で別れたいんじゃ......じゃが......すまぬ......それはできないようじゃ」
王様の目からはこらえていた涙が溢れ流れた。朝日には王様の気持ちが痛いほど分かった。朝日自身も親友を失い、王様の悲しみは朝日とまったく同じだ。朝日、ステラ、由奈、ナナ、サアヤ、マイサン、ユウが声を揃えて言った。
「ありがとう......校長先生」
王様が小さな声で呟いた。
「ありがとう......我が親友」
その言葉を棺桶の蓋を閉め、土の中に埋め、十字架の墓石を立て、魔法で墓石に校長先生と残した。すると、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
「うわあああああん!!怖いよおお!!」
朝日はいち早くその悲鳴に反応し、悲鳴が聞こえた方角に走り出した。
(この声......子供か......どうしたんだ?)
ステラたちも朝日の後を追った。
「王様とイッカクちゃんはここにいてください!あと、サアヤちゃんも万が一の時のためにここにいて!あとマイサンも!」
そう言い放つと振り向きもせずにステラ、由奈、ナナ、ユウは朝日が走って行った方角に走り出した。
「気をつけてね!」
マイサンはイッカク羊の足元に寝転んだ。
「無理は禁物だわん......」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「助けて!!怖いよ!!ママ!パパ!!」
その声はもうすぐ近くから聞こえた。見覚えのあるツインテールの小さい子供が紫色の赤色の目を持った幽霊のような生物に囲まれていた。数は四体だ。
「やめろ!!」
朝日は腰にある自分の刀を鞘から抜いた。銀色の刀身が太陽の光で反射した。
「あの時のお兄ちゃん!?」
朝日はその子のことを思い出した。
「君はカナちゃん!?」
再会もつかの間、四体の紫色の生物が不気味な声をあげて朝日に飛びかかって来た。
(一振りで二匹......間に合わない......なら......)
朝日は不意に腰にあるもう一本の刀に左手を当てた。勢いよく鞘から刀を抜き、二本同時に紫色の生物に叩きつけた。見事に紫色の生物たちは真っ二つに割れ、消滅した。朝日は校長の刀の白色の刀身を見た。
「真っ白な刀身......これが校長の刀か......」
カナが朝日に抱きついた。背が小さく朝日の足に抱きついているというのが正解だ。
「また助けられちゃった......ありがとう......お兄ちゃん」
朝日はカナの頭を優しく撫でた。
「俺は名前は朝日だ。もう大丈夫だ」
そこにステラ、由奈、ユウ、ナナが息を切らしながら現れた。
「どうしたの?......ってその子だれ?」
ステラはカナをじっと見た。カナは朝日の後ろに半分隠れた。
「あんまり見るなよ......怖がるだろ?この子は俺が街で助けたカナちゃんだ」
ユウがカナの目の前にかかんだ。
「そうなのね......私はユウよ。ユウお姉ちゃんって呼んでね」
カナはユウの大人で優しい雰囲気を気に入り、ユウに抱きついた。
「ユウお姉ちゃん!」
ステラと由奈もユウの隣にかがんだ。
「私は由奈お姉ちゃんですよ~」
「じゃあ、私はステラお姉ちゃんね」
カナは二人のぬくもりを感じ、笑顔になった。
「ステラお姉ちゃん!由奈お姉ちゃん!」
大空で大きな何かが羽ばたく音が聞こえた。空を見上げると、イッカク羊が空から朝日たちを見ていた。
「大きな羊さん......」
背中から人影が見えた。そこには王様、サアヤ、サアヤの腕の中にマイサンがいる。
「朝日ー!!無事よねー?」
朝日は大きく手を振った。
「大丈夫だー!」
イッカク羊は木々をなぎ倒し着陸した。
「良かった......それよりその女の子は?」
朝日はカナの手を握り、答えた。
「そのことは後で説明する。それより、空から町とか探さないか?」
「そうじゃのう......この辺りに田舎町があるはじゃからのう」
一同は朝日の考えに賛成し、イッカク羊に乗り込んだ。イッカク羊の背中を大きくあと三人ほど乗れそうだ。カナは朝日の膝の上に座っている。空で旅している間に朝日は一同にカナとの出会いと再会について話した。話を終えると朝日の膝の中でカナは眠ってしまっていた。ステラが顎を触りながら呟いた。
「朝日がいうその紫の影ってなんなのしら......」
イッカク羊の頭に乗っている王様が答えた。
「わしにもそれについては分からん......魔物の一種かもしれん......それかヘルの手先か......」
ナナが朝日の背中から顔を出した。
「でも、朝日が帰って来たってことはヘルを倒したってことなんじゃない?校長はヘルに......」
朝日はヘルとの戦いについて詳しいことを話していないことに気が付いた。
「そうだ......みんなに話してなかっな。確かにヘルは俺が倒した......でも終わらなかったんだ......」
サアヤが目を鋭くした。
「どういうこと?」
「ヘルの手先が現れて、俺の腹を剣で貫いたんだ。校長はその時に俺を逃がしたんだ。多分、校長はそこにいた手下に殺されたんだと思う」
ステラがその言葉に違和感を感じた。
「でも、校長先生って凄く強くなかった?あの人がそんなに簡単に?」
サアヤが自分の髪の毛をいじりながら言った。
「朝日を助けるために使った移動魔法はかなりその人の体力を削るのよ?だから多分それで......」
王様が空を見上げながら言った。
「いいや......相手によるんじゃが......朝日くん......その手下の名前は分かるかのう?」
「ユグドラってやつです。あいつは前に一度俺と戦い、勝ちましたけど......」
王様の身体がピクリと動いた。どうやらユグドラという名前に反応したようだ。
「それならおかしいのう。そのユグドラとは昔、清志......校長とユグドラが戦っていたが、校長が圧勝していたからのう......」
由奈が自分の頬に手を当てながら言った。
「それじゃあ、校長先生よりも強い人が......」
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