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王国の危機と田舎の危機編
第35話 新たな友と頼れる姉貴
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気がつくと王様の体は自然と草の中から飛び出し、校庭に立っていた。
「貴様ら......未来を作る子供たちに......なにをしている......」
王様は右手を空に突き上げ、魔法陣を作り上げた。そこから青色の剣が出現し、王様はそれを握った。
「許さねええええええ!!」
ユグドラは剣を構え、王様の一撃を受け止める準備をした。
「王が自分から殺されに来るとはな......バカだな」
王様はユグドラに剣を振った。金属音が響き渡った。ユグドラは剣で王様の剣をさばこうとしたが、その一撃でユグドラの剣は折れてしまったのだ。だが、ユグドラは余裕のある笑みを浮かべた。
「なに!?」
すると、どこからか剣が飛んで来て王様の脇腹を貫いた。王様は血を吐きながら地面に倒れ、ゆっくり顔をあげた。そこには昔から馴染みのある顔があった。
「リューネ?......なんで......」
気を失った王様を軽々しくローブの男が抱えた。
「ご苦労様......リューネ.....。そいつは地地下牢に入れとけ。明後日、牢屋にいる生徒と処刑する」
リューネは銀色の髪の毛を風に揺らされ、活力のない目で王様を見た。
「ゆう......と......ごめ......ん」
その様子を物陰から見ていたイッカク羊は慌てながらも音を立てずに、もといた場所に戻り、上空に舞い上がった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朝日とサアヤと春樹は薄暗く、湿った洞窟を突き進んでいる。しばらくすると、明かりが見えた。
「お!あの光り方は炎......ってことは......」
春樹がいち早くその方向に走って行った。そこには広い空間があり、二本の松明が祭壇のような場所を挟むようにして置いてある。その祭壇の上には黒色の壺がただならぬオーラを放っている。朝日がつまらなそうな目で壺を見つめた。
「あの壺が元凶か?そんなオーラを出してるぞ......でも、念のため罠とかかもしれねえからまずは......」
その言葉をかき消すように、何かが割れた音がした。
「え?」
隣を見ると、弓を構え満足気な表情をした春樹が立っていた。
「よし!これで良いのかな?」
「何やってんの!?もうちょっと引きずろうよ!」
自分が怒られている理由を理解できない春樹は困った表情でサアヤを見た。サアヤはため息を吐き、取り乱す朝日の頭に拳を奮った。
「いだあああああああい!!」
「何もないならそれで良いでしょ!?早く帰るわよ!」
三人は夕日を背中に田んぼ道を歩いていた。
「つか、元凶の壺の周りに何もないとかどういうことだ!普通はもっと周りになんか敵とか置いとくだろ!」
サアヤが冷静に騒がしい朝日に対して答えた。
「まさか結界が破られるなんて思ってもいなかったのよ。なにもなくてラッキーよ」
三人は建物がある場所にたどり着いた。そこはステラたちが畑仕事をしている場所だ。
「お、商店地区に着いたな。おらの家もここにあるぞ」
サアヤが周りを見渡しながら言った。
「私たちの住んでるところはここじゃないんだけど......あ!」
サアヤの目に八百屋の店の前に座っているステラと由奈とナナが目に入った。三人は八百屋の前に立った。朝日がステラたちの目の前に立った。
「お疲れ様」
三人は驚いた表情をして、慌てながら立ち上がった。
「お、おかえり!言っとくけどちゃんと仕事はしてたから!サボってるわけじゃないから!」
(お!久しぶりに見た気がするぞ......間違ってる気がするけど)
由奈が頭を下げながら言った。
「畑仕事は無事に終わりまして、今休んでいたところです」
ナナは首に巻いた白いタオルをいじりながら言った。
「なんか畑仕事で案外やってみると楽しいものね」
今まで空気になっていた春樹が口を開いた。
「なるほど。じゃあ、お前たちが俺の代わりに畑仕事をしてくれたのか」
五人は不思議そうな表情をした。そこにタイミングよく、カイが店の奥からビニール袋を両手に現れた。
「あらあら増えてるね。この子たちが朝日くんとサアヤちゃんで......お、春樹おかえり」
「ただいま!お姉ちゃん」
その一言に一同の表情が凍りついた。カイと春樹は朝日たちを見て、目を丸くした。カイによると、二人は本当は姉弟ではなく、春樹が勝手にそう読んでいるだけらしい。
「まあ、名前からしてありえないよな」
由奈が風でずれた麦わら帽子を直しながら言った。
「じゃあ、春樹くんも違う世界から来たんですか?」
「まあな!小さい頃に来たからよく覚えてないけど」
ステラが何かを思いついたような表情をした。
「そうだ!カイ姉さんと春樹くんも私の家でご飯食べてようよ!」
由奈とナナが目を輝かせながら言った。
「良いね!楽しみだなあ!」
「さらに賑やかになりますね」
案外乗り気なサアヤはカイの手にある膨らんだビニール袋を受け取った。
「この食材を使いましょ」
そのビニール袋の中から野菜や果物がチラチラと見えた。
「じゃあ、お言葉に甘えて行きますか!」
「そうだな!じゃ、俺がじいちゃんに言っとくからちょっと待ってて!」
春樹は嬉しそうに店の奥には駆けて行った。しばらくすると春樹が戻って来て歯を見せて笑い、ピースをした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いつもの七人と一匹に二人加え、九人と一匹が食卓を囲み、賑やかな食事が終わった。ユウは最初、戸惑い気味だったがすぐに了承し、料理を振舞った。カイとユウはどうやら歳が近いらしく、共にお酒を飲んでいた。朝日と春樹は隣同士で語り合った。また、朝日は春樹とカイに自分たちが置かれている状況などこれまでにあったことを説明した。
「そうか......色々大変なんだね」
お酒をガブ飲みし、酔っているカイの顔は真っ赤だ。カナがカイの頬を優しく撫でながら言った。
「お姉ちゃん顔真っ赤でお猿さんみたい」
ナナが腹を抱え笑いながら言った。
「凄い!カイ姉さん酒に弱いんだ!意外だね」
そして、カイはおならを放った。ちょうど、お尻の近くにいたマイサンはその毒ガスをもろに喰らい、苦しそうにその場に倒れた。朝日が冷たい目でカイを見た。
「あんたも色々大変だな......つか、マイサンとカナ大丈夫か?」
気がつくと、カイはいびきをかきながら眠っていた。マイサンは鼻を掻きながら言った。
「このお姉さん優しいのにおならがすごく臭いわん......」
カナが鼻を覆いながら言った。
「臭いよ~!お兄ちゃああん!」
カナが泣きながら朝日に抱きついて来た。
(こりゃあ、カイ姉ちゃん嫌われたな)
ユウが食器を腕に抱えながら言った。
「どうせなら泊まって行っても構いませんよ?」
春樹は少し考えるとすぐに答えを出した。
「いいや、さすがに悪いからもう帰るよ。ご馳走様」
春樹は眠ったカイを背中に抱えながら暗い夜道を歩いて行った。静かになった居間で、ナナが言った。
「良かったね。仲が良い男友達ができて」
朝日が綺麗な星空を見上げながら言った。
「お前らも頼れる姉貴ができて良かったな」
「まあね......今度はユウさんとサアヤとカナちゃんも畑仕事やろうよ」
サアヤとユウは顔を見合わせ、笑いながら言った。
「そうね」
「カナもお仕事したーい!」
「じゃあ、明日やろう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朝方......地面が少し揺れ、マイサンとパジャマ姿の由奈とカナが起き上がった。
「なんですか?」
「お姉ちゃん......眠いよ~」
由奈とマイサンは庭を見に行くと、イッカク羊が慌てた様子で何かを言っている。
「メエ!メエ!メエ!メエ!」
マイサンはその言葉を理解したのか冷や汗を流しながら言った。
「大変だわん!御主人様たちを起こすんだわん!」
すると、玄関をノックする音がした。由奈が慌てドアを開けると、新聞を片手にした春樹とカイが汗を流しながら立っていた。朝日たちも寝ぼけながらもぞろぞろと起きてきた。
「貴様ら......未来を作る子供たちに......なにをしている......」
王様は右手を空に突き上げ、魔法陣を作り上げた。そこから青色の剣が出現し、王様はそれを握った。
「許さねええええええ!!」
ユグドラは剣を構え、王様の一撃を受け止める準備をした。
「王が自分から殺されに来るとはな......バカだな」
王様はユグドラに剣を振った。金属音が響き渡った。ユグドラは剣で王様の剣をさばこうとしたが、その一撃でユグドラの剣は折れてしまったのだ。だが、ユグドラは余裕のある笑みを浮かべた。
「なに!?」
すると、どこからか剣が飛んで来て王様の脇腹を貫いた。王様は血を吐きながら地面に倒れ、ゆっくり顔をあげた。そこには昔から馴染みのある顔があった。
「リューネ?......なんで......」
気を失った王様を軽々しくローブの男が抱えた。
「ご苦労様......リューネ.....。そいつは地地下牢に入れとけ。明後日、牢屋にいる生徒と処刑する」
リューネは銀色の髪の毛を風に揺らされ、活力のない目で王様を見た。
「ゆう......と......ごめ......ん」
その様子を物陰から見ていたイッカク羊は慌てながらも音を立てずに、もといた場所に戻り、上空に舞い上がった。
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朝日とサアヤと春樹は薄暗く、湿った洞窟を突き進んでいる。しばらくすると、明かりが見えた。
「お!あの光り方は炎......ってことは......」
春樹がいち早くその方向に走って行った。そこには広い空間があり、二本の松明が祭壇のような場所を挟むようにして置いてある。その祭壇の上には黒色の壺がただならぬオーラを放っている。朝日がつまらなそうな目で壺を見つめた。
「あの壺が元凶か?そんなオーラを出してるぞ......でも、念のため罠とかかもしれねえからまずは......」
その言葉をかき消すように、何かが割れた音がした。
「え?」
隣を見ると、弓を構え満足気な表情をした春樹が立っていた。
「よし!これで良いのかな?」
「何やってんの!?もうちょっと引きずろうよ!」
自分が怒られている理由を理解できない春樹は困った表情でサアヤを見た。サアヤはため息を吐き、取り乱す朝日の頭に拳を奮った。
「いだあああああああい!!」
「何もないならそれで良いでしょ!?早く帰るわよ!」
三人は夕日を背中に田んぼ道を歩いていた。
「つか、元凶の壺の周りに何もないとかどういうことだ!普通はもっと周りになんか敵とか置いとくだろ!」
サアヤが冷静に騒がしい朝日に対して答えた。
「まさか結界が破られるなんて思ってもいなかったのよ。なにもなくてラッキーよ」
三人は建物がある場所にたどり着いた。そこはステラたちが畑仕事をしている場所だ。
「お、商店地区に着いたな。おらの家もここにあるぞ」
サアヤが周りを見渡しながら言った。
「私たちの住んでるところはここじゃないんだけど......あ!」
サアヤの目に八百屋の店の前に座っているステラと由奈とナナが目に入った。三人は八百屋の前に立った。朝日がステラたちの目の前に立った。
「お疲れ様」
三人は驚いた表情をして、慌てながら立ち上がった。
「お、おかえり!言っとくけどちゃんと仕事はしてたから!サボってるわけじゃないから!」
(お!久しぶりに見た気がするぞ......間違ってる気がするけど)
由奈が頭を下げながら言った。
「畑仕事は無事に終わりまして、今休んでいたところです」
ナナは首に巻いた白いタオルをいじりながら言った。
「なんか畑仕事で案外やってみると楽しいものね」
今まで空気になっていた春樹が口を開いた。
「なるほど。じゃあ、お前たちが俺の代わりに畑仕事をしてくれたのか」
五人は不思議そうな表情をした。そこにタイミングよく、カイが店の奥からビニール袋を両手に現れた。
「あらあら増えてるね。この子たちが朝日くんとサアヤちゃんで......お、春樹おかえり」
「ただいま!お姉ちゃん」
その一言に一同の表情が凍りついた。カイと春樹は朝日たちを見て、目を丸くした。カイによると、二人は本当は姉弟ではなく、春樹が勝手にそう読んでいるだけらしい。
「まあ、名前からしてありえないよな」
由奈が風でずれた麦わら帽子を直しながら言った。
「じゃあ、春樹くんも違う世界から来たんですか?」
「まあな!小さい頃に来たからよく覚えてないけど」
ステラが何かを思いついたような表情をした。
「そうだ!カイ姉さんと春樹くんも私の家でご飯食べてようよ!」
由奈とナナが目を輝かせながら言った。
「良いね!楽しみだなあ!」
「さらに賑やかになりますね」
案外乗り気なサアヤはカイの手にある膨らんだビニール袋を受け取った。
「この食材を使いましょ」
そのビニール袋の中から野菜や果物がチラチラと見えた。
「じゃあ、お言葉に甘えて行きますか!」
「そうだな!じゃ、俺がじいちゃんに言っとくからちょっと待ってて!」
春樹は嬉しそうに店の奥には駆けて行った。しばらくすると春樹が戻って来て歯を見せて笑い、ピースをした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いつもの七人と一匹に二人加え、九人と一匹が食卓を囲み、賑やかな食事が終わった。ユウは最初、戸惑い気味だったがすぐに了承し、料理を振舞った。カイとユウはどうやら歳が近いらしく、共にお酒を飲んでいた。朝日と春樹は隣同士で語り合った。また、朝日は春樹とカイに自分たちが置かれている状況などこれまでにあったことを説明した。
「そうか......色々大変なんだね」
お酒をガブ飲みし、酔っているカイの顔は真っ赤だ。カナがカイの頬を優しく撫でながら言った。
「お姉ちゃん顔真っ赤でお猿さんみたい」
ナナが腹を抱え笑いながら言った。
「凄い!カイ姉さん酒に弱いんだ!意外だね」
そして、カイはおならを放った。ちょうど、お尻の近くにいたマイサンはその毒ガスをもろに喰らい、苦しそうにその場に倒れた。朝日が冷たい目でカイを見た。
「あんたも色々大変だな......つか、マイサンとカナ大丈夫か?」
気がつくと、カイはいびきをかきながら眠っていた。マイサンは鼻を掻きながら言った。
「このお姉さん優しいのにおならがすごく臭いわん......」
カナが鼻を覆いながら言った。
「臭いよ~!お兄ちゃああん!」
カナが泣きながら朝日に抱きついて来た。
(こりゃあ、カイ姉ちゃん嫌われたな)
ユウが食器を腕に抱えながら言った。
「どうせなら泊まって行っても構いませんよ?」
春樹は少し考えるとすぐに答えを出した。
「いいや、さすがに悪いからもう帰るよ。ご馳走様」
春樹は眠ったカイを背中に抱えながら暗い夜道を歩いて行った。静かになった居間で、ナナが言った。
「良かったね。仲が良い男友達ができて」
朝日が綺麗な星空を見上げながら言った。
「お前らも頼れる姉貴ができて良かったな」
「まあね......今度はユウさんとサアヤとカナちゃんも畑仕事やろうよ」
サアヤとユウは顔を見合わせ、笑いながら言った。
「そうね」
「カナもお仕事したーい!」
「じゃあ、明日やろう」
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朝方......地面が少し揺れ、マイサンとパジャマ姿の由奈とカナが起き上がった。
「なんですか?」
「お姉ちゃん......眠いよ~」
由奈とマイサンは庭を見に行くと、イッカク羊が慌てた様子で何かを言っている。
「メエ!メエ!メエ!メエ!」
マイサンはその言葉を理解したのか冷や汗を流しながら言った。
「大変だわん!御主人様たちを起こすんだわん!」
すると、玄関をノックする音がした。由奈が慌てドアを開けると、新聞を片手にした春樹とカイが汗を流しながら立っていた。朝日たちも寝ぼけながらもぞろぞろと起きてきた。
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